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本スレに書き込めない職人のための代理投稿依頼スレ

971R-TYPE Λ ◆xDpYJl.2AA:2011/05/29(日) 15:01:28 ID:.jmCVDEE
それでも、彼女の言葉は止まらない。
彼女の「願い」は止まらない。
そして、極限まで圧縮された魔力素、無数の青い魔力球が周囲の空間を埋め尽くした、その瞬間。



『そんな世界、壊れてしまえばいい!』



閃光と共に、世界が「壊れた」。

*  *  *

閃光と共に消滅する、ドブケラドプスの幼体。
自身の背後に位置していたその個体は、遠方より放たれた直射魔導砲撃の直撃を受け、僅かな塵すら残さずに消失したのだ。
光条が消え去った後、残されたものは僅かに漂う魔力素の粒子のみ。
僅か1秒にも満たぬ事態の推移を、彼女は咄嗟に背後へと振り返ろうとした姿勢のまま、呆然と見つめていた。

『・・・大丈夫だったか?』

意識へと飛び込む念話。
砲撃を放った魔導師からのものだ。
此方を気遣いつつも何処かしら戸惑いの色を含んだそれに、彼女もまた若干の混乱を滲ませた念話で以って返す。
ただ、その内容は問い掛けに対する返答ではなく、相手に対する新たな問い掛けだった。

『どうやって、気付いた?』

それが彼女、ヴィータの脳裏に浮かんだ疑問。
急激な魔力出力の上昇、それに伴う一時的な感覚の混乱。
その現象は、彼女に致命的な隙を生じさせるには、十分に過ぎるものであった。
そうでなくとも、ベルカ式魔法の使い手であるヴィータは、高速にて飛翔する小型敵性体群への対処に手間取っていたのである。
僅かな集中の乱れは、遂に最悪の事態を招いてしまったのだ。

背後、排水口が詰まった際のものにも似た、不快な異音。
頭部を廻らせ、視界の端にそれを捉えた時には、既に事態は手遅れだった。
ドブケラドプス幼体、背後に占位、砲撃態勢。

しかし、極強酸性体液の奔流が、ヴィータを襲う事はなかった。
突如として空間を貫いた、直射魔導砲撃。
なのはのディバインバスターにも匹敵するそれが2発、僅かに数瞬の差異を以って飛来したのだ。
幼体は先ず下半身を、次いで残された上半身を消し飛ばされて消滅。
そうして、ヴィータは砲撃が飛来した彼方へと視線を遣り、今に至る。

気付く筈がないのだ。
ヴィータは念話を発しつつ戦闘を行っていた訳ではなく、咄嗟に援護を求める事など不可能であった。
そして、周囲の其処彼処で戦闘が行われてはいたものの、混乱の中で味方との連携など保たれてはいなかった。
偶然にヴィータの危機を目にしたのだとしても、それこそ彼女と殆ど同時に敵性体の存在に気付かなければ、あのタイミングでの砲撃など不可能である筈だ。

だが、彼は気付いた。
信じ難い事ではあるが、彼はヴィータとほぼ同時に敵性体の存在を察知し、反射的に砲撃を放つ事で彼女を危機的状況より救い出したのだ。
本来であれば、戦闘の最中に起こった幸運な偶然で片付けられる、その程度の出来事。
しかし、それが決して偶然などではない事に、ヴィータは気付いていた。

『お前、さっき「避けろ」って言ったか?』
『アンタ「ヤバい」って叫ばなかったか?』




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