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念話を返しつつ、キャロを抱える隊員が更に飛翔速度を上げた。
外殻壁面が視界中を流れゆく速度が増し、自身等を覆う対風圧障壁が更に堅固となった事を実感するキャロ。
そんな彼女の意識に、自身の守護竜と使役竜からの念話が飛び込む。
ヴォルテール、部位欠損の重大損傷を受けるも、戦闘継続に問題なし。
フリードリヒ、友軍と連携し周囲の敵性体を殲滅中。
そうして念話を交わす間にも、多方面から次々に報告が飛び込んで来る。
『やっぱりだ、小さい奴は起爆しない。自爆するのは大型だけだ』
『ニンバニより総員、緊急! ウォンロンが此方の事態に気付いた! 不明戦闘機群の増援と合流、ベストラへ急行中!』
『良い知らせだ、気付いてくれたか!』
『こちらメレディン02、生存者との合流に成功しました。総数17名、現在は敵性体群と交戦中です』
『ボルジア、負傷者を収容した。現在、最寄りのハッチへ向かっている。此処に来るまでにも、幾つかのグループと遭遇した』
『良いぞ、生存者の数は予想より遥かに多い。大多数が爆発から逃れている』
遠方、巨大な魔力爆発。
ヴォルテールが再び、ギオ・エルガを放ったのだ。
闇の中、照らし出される敵性体群の影。
周囲に群がりつつある無数の小型敵性体を確認し、キャロは直射弾幕を間断無く展開し続ける。
その間にも乱れ飛ぶ、無数の念話。
並列思考の半数を念話の傍受、そして分析思考へと傾けつつ、キャロは戦闘を継続する。
だが、それらの論理的思考とは別に、どうしても削除できない感情的思考が在った。
ともすれば、他の並列思考をも喰い尽くしかねない、半ば制御下を離れつつある思考。
キャロは冷静を装いつつも、しかし全霊を以ってしてその思考を抑え付けていた。
暴走させてはならない、そんな事を考えている暇は無い、現状でそんな思考を持つ事に意味は無いのだと、必死に自身へと言い聞かせる。
だが、唐突に飛び込んできた1つの念話が、そんな彼女の努力をいとも容易く打ち砕いた。
『第1層上部外殻、生存者と合流。爆発の直前まで同地点に居た、ライトニング01の消息が不明との事だ』
瞬間、キャロの意識を支配した思考は、唯ひとつ。
エリオ・モンディアル。
自身にとって最大の理解者、唯1人のパートナー。
何物にも代えられず、他の何よりも大切な存在。
彼は無事なのか、生きているのか。
「ライトニングは・・・!」
思わず口を突いて出そうになった言葉、それを強引に中断し呑み込むキャロ。
辛うじて、周囲から敵性体の影が消えた事を確認すると、彼女は我知らず俯いて唇を噛み締める。
微かに震える、固く握られた小さな拳。
キャロとて、疾うに理解している。
エリオは、彼女のパートナーであった少年は、その言葉が発せられる事を望んではいない。
彼女が彼の身を案じる事など、欠片も願ってはいないのだ。
否、或いは心の内で、それを望んでいてくれるのかもしれない。
だが、少なくとも表面的にはそれを窺わせず、更には彼の身を案じるキャロに対して憤りを、それ以上に不快感を抱くのだろうと。
彼女は、そう確信していた。
スプールスを襲った、バイド生命体種子の落着に端を発する悪夢。
醜悪な汚染生命体へと成り果てたタントとミラ、そして彼等の子供、未だ胎児であったそれを含む3人。
彼等であったものを殺めた彼に対し、理不尽な恨みと憤りを抱き、歩み寄る事を拒んだのは自身だ。
一方的に距離を置き、道を分かったのも自身である。
それでも彼は、自身への批難は疎か、弁解さえもしなかった。
自身が突き付けた心無い無言の拒絶を、ただ静かに受け入れたのだ。
そうして、漸く自身の間違いに気付いた時には、既に2人の間には歩み寄りなど望むべくもない距離が存在していた。
歩み寄ろうと試みる自身を、今度は彼の方から拒み始めたのだ。
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