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SS練習スレ2

97シンの嫁774人目:2011/11/08(火) 22:01:17 ID:8XYJbSzk
 俺の自慢の姉、千冬姉には特別な友達が一人いる。名前を篠ノ之束といって、俺の幼馴染、箒のお姉さんでもある。
 束さんは一言でいえば『天才』だ。どれくらい天才かというと、文字通り世界をひっくり返した大発明、ISをたった一人で作成、完成させるくらいの大天才だ。
 そんな彼女は感性の方も俺達凡人とは違っているらしく、性格もかなり個性的。
 だから当時の俺は子供心に、「あの人には千冬姉(彼女も色々と突き抜けた人だから)以外に友達できないだろうなぁ」と常々思ったものだった。

 ところがびっくり。俺の予想を裏切り、何と束さんに千冬姉以外の友達ができたのだ。しかもそれが男だったから二倍びっくりだ。
 束さん曰く「海で拾ってきた」というその人は、何か訳ありの事情があるらしく、行くあてもないということで、箒の実家の神社に暫く居候していた。
 昼間は神社の掃除や雑用をこなし、たまに道場の手伝いにくることもある。驚いたことに、あの人、剣道という枠組みを取っ払えばあの千冬姉とも互角にやり合うのだ。
 俺もときどき宿題を教えて貰ったりしたけど、ぶっきらぼうだけど面倒見がよくて、「千冬姉の他にもう一人兄貴がいたらこんな感じなのかな」って何となく思った。

 いや、少なくとも当時の俺は、彼――シン・アスカのことを、本当の兄のように思っていたのだ。



 そんな懐かしい思い出が、『そいつ』を見た瞬間、不意に俺の脳裏をよぎった。




IS<インフィニット・ストラトス> ―Le Petit Prince−
 第一話「フライト・オブ・ザ・イントルーダー」(体験版)

 楽しい筈の臨海学校。しかしIS学園上層部から通達された一つの特命任務が、楽しい旅行を大事件へと変えてしまった。
 ハワイ沖で試験稼働にあった第三世代型軍用無人IS『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』が、突如制御下を離れて暴走。追跡を振り切り、監視空域を離脱したのである。

 IS。それは正式名称を『インフィニット・ストラトス』と言い、世界中に全467機存在する飛行パワードスーツである。
 元々は宇宙空間開発用のマルチフォーム・スーツとして開発されたのだが、十年前の『ある事件』をきっかけに、現在では『究極の機動兵器』として世界に認知されている。
 超音速による格闘能力、大質量の物質を粒子から構成する能力、操縦者を守る保護システム、コンピューター以上の処理速度、完璧なステルス能力、そして自己進化。
 それら全てを兼ね備えるISは、「女性にしか扱えない」という致命的な欠陥を抱えながらも、他のあらゆる現行兵器を圧倒的に凌駕し、史上最強の兵器として君臨していた。

 ISを倒せるのはISだけ。この緊急時において、暴走する『福音』を止められるのは、代表候補生を中心とする六人の専用機持ちIS学園生徒だけなのだ。
 こうして始まった『福音』捕獲作戦は、まず世界初の『ISを操縦できる男』、織斑一夏の『白式』と、篠ノ之箒の第四世代型IS『紅椿』がペアで出撃。
 『紅椿』の援護のもと、『白式』のバリア破壊能力『零落白夜』による電撃作戦を試みるが、『白式』撃墜により失敗。残存戦力の全てを投入する総力戦に切り替える。
 その後、『福音』の第二形態移行(セカンド・シフト)という予想外の展開もあったが、復帰した一夏も加えた五人がかりの猛攻によって遂に目標を追い詰めたその時――、

 ――『そいつ』は突然現れた。


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