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SS練習スレ2

91シンの嫁774人目:2011/11/06(日) 11:15:58 ID:2sXJoTtE
「・・・何をしているんだ?」
後ろを見るとレイが可哀想な人を見る目でこちらを見つめていたが、当然と言えば当然だろう。上半身だけで慌てふためくシンの姿は、傍から見ればさぞ滑稽に写ったのだから。
「えっ!? いや・・その・・」
「そのスーツ結局持ってきたのか」
「うん で、ここ何処?」
見渡せばそこは先程まで居た部屋では無く、夜の閑静な住宅街だった。
「見た限り住宅街だな 相変わらず外壁は無いが」
部屋の中と同じくそこにもコロニー内で有れば、絶対に見える筈の外壁はどこにも見えなかった。
「やっぱり・・・ここ地球なのか?」
「認めたくは無いがそうとしか考えられんな」
「で、どうすんの?」
「帰るに決まってるだろ」
まぁここが地球ならば仕方ない。それならそれで再び宇宙に上がってアーモリーワンに帰るだけだ。
「だよな でもどうやって?」
「まぁここが何処だろうが電車も見えるし歩いて帰らないかい? 駅まで行けばここが何処かも分かるだろうしね」
ふと周りを見れば遠くに電車が走る光景が見えた、なら後は駅に向えば駅員なり何なりにココがどこなのか聞ける、それから事情を話してアーモリーワンと連絡を取るか、宇宙港に向かえば良い。
「そうですね」
「んじゃ帰るか」
シン達が帰路に向かおうと足を揃えるが、シンを突き飛ばした男だけは、先程取った銃をじっと見つめていた。
「おーい! アンタは帰らないのかー!」
感じは悪いがここに一人で置いて行くのも悪い気がしたので、一緒に帰ろうと声を掛けるが。
「勝手に帰れ」
一言で断られてしまった、これ以上この男とかかわるのも馬鹿らしいので、レイと男性は早々に駅に向かって歩き出した。
「はぁ・・・もう行くぞ」
「あぁ」

コーディネーター三人が帰るのを見届けると男はようやく重い口を開いた。
「行ったか・・・」
馬鹿な連中だ コレがいたずらか何かだと思っているのか? そんな訳ないだろう、何故なら俺はコーディネーターに眉間を打ち抜かれる瞬間をこの目で捉えたのだから。
俺はコーディネーターに殺された、それは誰が何と言おうと決して揺るがない事実。それはあの玉に出ていた『てめえ達の命は、無くなりました。』と言う文章が証明している。だからコレまでの事が悪戯など絶対にあり得ないのだ。そして玉にはこうも書かれていた『新しい命をどう使おうと私の勝手です。』つまり一度死んだ俺はあの玉に蘇らされた。そして玉に表示されていたターゲット『ねぎ星人』を倒す為にこの命を使われるのだろう。
ここまで理解しても普段なら、あの三人のコーディネーターを惨殺して、コーディネーターを殺す旅に再出発する所だが、今は状況が違う。俺の命があの黒い玉の支配下に有るなら、勝手な真似をすれば即座にあの玉に殺されるのだろう。非常に不本意では有るがまずは玉に表示されていたねぎ星人を殺さなければ。その為に玉の引き出しに有った銃もわざわざ持ってきたのだから。そう思い男は近くのコンクリート塀に狙いを定めた。
さっきのコーディネーターのガキは上下どちらのトリガーを引いても弾が出ないと諦めていたが、その程度の頭で自分達を新たな人類と名乗り、ナチュラルを野蛮な猿と呼ぶのだから、コーディネーターとはつくづく御めでたい連中だ。片方引いて駄目なら両方引けば良いだろうに。まぁそういう自意識過剰な所につけ込んで、これまで多くのコーディネーターを拷問して殺して来た訳だが。
男は腰を落とし、脇を締め、両手で銃を構えると上下二つのトリガーをゆっくりと、同時に引いた。 
 ガショッ!
突然、銃口に四枚 その後部でも四枚 計八枚の羽が、斜め上下左右に展開して銃がXの形になり少し驚いたが、落ちついてもう一度銃のトリガーを両方引く。
 
 ギョーン


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