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SS練習スレ2

90シンの嫁774人目:2011/11/06(日) 11:15:00 ID:2sXJoTtE
「おじさん! 頭が! 頭が!」
「へっ?」
シンの言葉で男性は自分の頭を触ろうとしたが、手が頭をスカッと通り過ぎてしまった。厳密に言うと手と頭が徐々に無くなり始めていたのだ。
「わっ?! わ! わぁ――――――ッ!」
それは先程バター犬が出て来た時とは逆に、頭から体の断面図を晒しながら徐々に消え始めていたのだ。
「っ・・・・・」
頭頂部が消え、眼球が消え、鼻が消え、口が消えて喉まで消滅すると男性は声を出す事が出来ず、そのまま部屋から完全に消えて無くなった
「! 退けコーディネーター!」
そして先程の男が怒声を上げながらシンを突き飛ばして、玉の引き出しに取り付けられていた小型の銃を引っ掴んだ。
「痛っ!」
「おい大丈夫かシン!」
見れば男の体も消え始めていたようだ、だから一刻も早く銃を取ろうとしたのだろうが、何故シンが今試し打ちをして、オモチャと判明した銃に拘るのかが分からなかった。
「あぁ 大丈夫」
「ど どうする? 俺達以外全員消えたぞ?」
周りを見ればバター犬も消えて無くなり、この部屋に残されたのはシンとレイだけだった。
「あのさ・・レイ・・」
そしてレイの頭も消え始めていた。
「俺も・・もしかして・・・消えてるのか?」
「・・・うん」
「何が どうなって・・・あ?」
少し動揺していたレイの口調は、目が消えると何故か、何時もの落ちついた口調に戻った。
「どうした?」
「心配しなくて良さそうだぞ。外に出」
レイも口と喉が消えると声が出せずそのまま消えて行ったが、親友の体の断面図を見るというのは気分が悪い物だ。
「あ! おいっ! レイッ!?」
とうとうこの部屋にシン一人だけが、取り残されてしまった
「チッ・・どーするよ・・オイ・・!」
どうすれば良いのか分からず、慌てふためきながら体の状態を確かめようと頭頂部を触ると手がスカッと空振りしてしまった。シンの体も消え始めていたのだ。
「あっ! 俺もかよ!」
自分の体だから見えないが恐らく、自分も体の断面図を晒しながら消えているのだろう。
「ど どうっすりゃっ」
これはただ事ではない、何か手を打たねば。しかし刻一刻と体は消えていく、時間はそう多く残されてはいない。ではどうすればいいのか考えると、シンはさっきのスーツを思い出した。
「あ! そうだスーツ!」
慌てて下を見てケースを取ろうとしたが、もうシンの目は消え、フローリングの変わりにコンクリートをその眼に映していた。
「クッソ! どこだぁ? どこに有んだよッ!?」
だが体だけはまだ、あの部屋にあるようだ。見えない部屋の床を手さぐりで触りまくり、ようやく自分の名前が彫られているケースを手にとった。
「有った!」
ケースの取っ手を握りしめると、送られてきた下半身ごとケースがその手に握られていた。

 行ってくだちい
 00:60:00

そして誰もいなくなった部屋で黒い玉がタイマーを刻み始めた


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