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SS練習スレ2

85シンの嫁774人目:2011/11/06(日) 11:09:28 ID:2sXJoTtE
「ハッ ハッ ハッ ハグッ ハグッ」
「ヘッ ヘッ ヘッ ヘッ」
シンの掌に乗っていたつまみを食い終えると、犬はシンに尻尾を振り始めた。犬が人間に好意や服従の意を示す動作に、シンの少し表情が和らぐ。
「食べ・・たな」
これで少なくともこの生き物が食事を取り、腕を食い千切るような危険な生き物では無い事がわかった。
「ほら 他になんかやってみろ」
しかしそれだけでは判断材料が不足していると感じたのだろう。レイがシンに更なる指示を出す。シンは自分でやれと言いたい思いを、再びグッと堪えて再びこれが犬かどうか確認する。
「チッ・・お手!」
「ヘッ ヘッ ヘッ」
シンが再び掌を差し出すと、犬も自分の手をシンの掌に乗せた。どうやら人の言葉は理解できるようだし人に飼われていたようだ。
「良く出来たな お座り!」
再び命令すると四つん這いの状態から後ろ脚を曲げ座り込んだ。性格も従順 犬その物だ。
「ヘッ ヘッ」
「良く出来たな ん・・?ハハッ! や 止めろ!」
犬と同じ目線に顔を落とし、褒めながら犬の頭を撫でると嬉しかったのか、犬がシンの顔を舐めながらひっ付き押し倒して来た。体毛は柔らかく体温も暖かい。
「ハハハ! くっ付くな! く くすぐったい! コラ! 舐めるなって! ワッハハ! ハハハハ!」
舌でベロベロ舐められ、くすぐったさから笑いが止まらず、シンの顔から先程まで浮かべていた、恐怖の表情は消えていた。
「よーし良し良し良し! 良い子だ!」
体勢を立て直し、シンは犬の頭をこれでもかと言う程、クシャクシャに撫でた。犬も尻尾をぶんぶん振り、喜びの意思をシンに示している。
犬だ コレは誰が何と言おうが俺の知る限り、犬と呼ばれる生物で間違いない。もしこれが犬で無いというなら俺は犬という生物の認識を著しく間違えている事になる。
少しそうしていると、その場の生物の息遣い以外、一切無音だった部屋に突然音楽が流れ始めた。

 ♪〜♪ ♪〜♪ ♪〜♪
それは不気味な静寂に包まれていた部屋には、明らかに場違いともいうべき陽気な音楽だった。
「んだこの音楽?」
「どこから流れてるんだ?」
 
 あーたーらしーい あーさがきた 
 きぼーうの あーさーだ 

そして歌が流れ始め部屋人間全員が音の出所を探す。
「この玉からじゃないかい?」
男性が言う通りこの歌は黒い玉から流れており、部屋の人間全員が玉の前に寄って来た。
 
 よーろこーびに むねをひーらけ 
 おーおぞーら あーおーげー 

「何だこの歌」
それは聞き覚えの無い歌だった。いつどこで誰が作ったのかも分からない。
「誰か聞いた事あるかい?」


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