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SS練習スレ2

84シンの嫁774人目:2011/11/06(日) 11:08:09 ID:2sXJoTtE
は? それが今の説明を聞いた二人の率直な感想だった。人間が? ファックス? 玉から? 光線? 意味不明意味不明意味不明意味不明理解不能 落ちついて今の説明と単語を整理しよう
 
「『自分達』は『黒い玉』から『光線』が走り、そこからあたかも『ファックス』の様にこの部屋に入ってきた。」

無茶苦茶だ 人間の体は主にたんぱく質で構成されているから、光で人間は作れない。それ以前に光で物質を作ることなど不可能だ、丁度セカンドステージの機体に装備されているデュートリョンビームのように、光線で信号やエネルギーを送る事は可能だが、物質を作り 送り出す事など不可能だ。
仮に男性の言葉が真実だとしよう、自分達は黒い玉から光となって出て来たと。ではその光から生み出された自分達は一体何だ? 人間か? 立体映像のホログラムか? 光から生み出された存在に体温があるか? 呼吸をするか? 汗をかくか? 脈が有るか? 肉体があるか? 男性の説明と自分達の今の体の状態は、何もかもが噛み合わず結論 男性の言葉と説明はおかしいとしか言いようが無い。
「あの・・・「分かる 言いたい事は分かる、変な事言ってると思われてるのは良く分かっているよ。でも本当なんだ 君達が信じようと信じまいとね。」
「えぇ・・?」
ふと黒い玉を見るとジジッと妙な音を発しながら、光線を出していた
「ん?」
その光が走った後には何か物が出来ていた、いや 玉から発せられる光が物を作りだしていったのだ、さながら『ファックス』が印刷するかのように
「うぉッ?!」
「ほら 丁度出て来た」
それは物では無く肉だった 四つの小さな肉塊が筋肉や骨の断面図を見せ、光と共に肉が成長するかのように断面図から徐々に生え、形を作って行った。
「何・・・だ・・これ・・・」
気持ちが悪い 真っ赤な肉の断面図を見て気分の良い人間が居る物か。ちなみにこの肉は断面が剥き出しなのに、血が一滴出ていなかった。
「うげっ!」
この光景をファックスと呼ぶのは言い得て妙だったが、断面図を表しながら出て来るそれはファックスというより、視覚的にはレントゲンやCTスキャンの方が合っていた。しかしCTスキャンは白黒 又は青黒といったように本物と同じ色は出せないし、断面図も筋繊維や血管や骨等、ここまで正確な物は見せられない。徐々に形作られて行くそれは、四つん這いの手足だという事が分かってきて同時に、人間なら皮膚が有るべき場所に柔らかそうな毛皮があり、明らかに人間の体では無かった。手足を作り終わり、今度は内臓の断面図を見せながら胴体から上半身を作って行った。
「うわぁ・・・」
その光景が怖くなり、二人は立ち上がって、出て来る体から離れた。通常、生物の体は呼吸や脈の関係上意識しなくても自然に体が動く物だが、その体だけ時が止まったかのようにピクリとも動かなかった。そして全身を作り終わると玉からの光が消え、同時に出て来た物の体が動き出した。
「何・・これ・・」
「犬・・だ・・・よ・・な?」
その場に現れた生物の名前は、自分達の知る限り犬と呼ばれる生物だった。
白と黒の毛皮 四つん這いの手足 頭の横にピンと立った二本の耳 尻には尻尾 前に寄った目 口から出ている長いベロ どこからどう見ても犬その物だ。
「ハッ ハッ ハッ ハッ」
「君達もこうやって出て来たんだよ」
自分達はこうやって体の断面図を晒しながら出て来た? 人間がそんな状態になって生きてられるのか? 今ここに居る自分達は一体何なんだ?
それはそうとしてこの生物を犬と呼んで良いのかが疑問だった、生物は光から出てくる物ではないし、こんな風に胴や内臓が輪切りになって生きてられる物でも無いし、こんな風に出て来た生物が見たままの物なのかどうか確かめる必要が有った。
「おいシン ちょっと触ってみろ」
と言う訳でレイがこの生物が本当に犬かどうか確認させようと、シンに触れるよう命令する。
「えっ? 俺!? 何で?!」
しかしシンもこんな訳のわからない方法で出て来た生物には、たとえ犬でも触れたくない。
「良いから!」
「なん・・・えぇっ・・・?」
「気を付けろよ」
気を付けろっていう位なら自分でやれよ、と言いたい所だが押し切られる形で渋々従った。ただシンもこの犬が本当に只の犬かどうか疑問だったので確かめたかったのだ。しかし、いきなり触って機嫌を損ねては危ない為、どうにかして安全に触れない物かと考えていると、ポケットの中にある物に気付き
「・・食べるか?」
買い出しの時に買っておいた、おつまみをポケットから取りだして食べさせようとするがシンの手は震えていた。何せ体の断面図を晒しながら光と一緒に出て来た生物だ、本当に只の犬なのかも疑問だ、差し出した瞬間に掌ごと食い千切られないかビクビクしながら、犬におつまみを差し出した。


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