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SS練習スレ2

81シンの嫁774人目:2011/11/06(日) 11:02:44 ID:2sXJoTtE
そう言うと二人は部屋の中央である玉の前に胡坐をかいて座った。
「まず ここは何処だと思う?」
「・・・分からん」
「憶測で良いから」
シンの言葉に腕を組み唸りながら考えるレイだが、ここで部屋の外に見える街に気付く。
「シン あの塔・・・何だと思う?」
「へ?」
レイはそう言うと、外の高層ビルや平坦な建造物が立ち並ぶ街並みの中で、一際目立つ紅白色をしている三角形の塔を指さした。
「・・・エッフェル塔? じゃもしかしてここパリ?」
「エッフェル塔ってあんな紅白な色だったか?」
形こそ似ているがその塔は、地球のパリにあるエッフェル塔とは異なる色をしており、それが『東京タワー』と呼ばれる建造物と言う事を彼等は知らない。
「違うかぁ・・・」
「分からないなら、仕方ないからさっきまでの状況を整理しないか?」
「そうだな それで俺等がさっきまで居た場所はアーモリーワンだよな?」
「あぁ」
まず自分達はコロニーで買い物をしていた。
「んで買い物終わって与太話した後にバイクに乗って帰ろうとした これで有ってるよな?」
「あぁ」
ここまでは何の問題も無かったが、問題はこの後に起った
「その後・・・バイクのブレーキ壊れて・・・」
「事故って横転したな」
躊躇なく言いきるレイにシンは少し引いてしまう。自分達がどんな目に会ったのか忘れた訳ではないだろうに。
「お前ちゃんとバイクの点検したか?」
レイから整備不良を疑われたが、彼の趣味はバイク弄りであるから、定期的に整備しているし、出かける前にも簡単な車両点検をしたからそれは無いと信じたい。
「ちゃんとやったよ、というかトンネル入るまではブレーキ動いてよな? 何で急に壊れたんだろ?」
それに途中までは普通に運転できていた、何故途中からブレーキが利かなくなったのか疑問で仕方ない。
「分からん あと何で横転した?」
レイの口調は疑問のそれでは無く明らかに問いただす物であったが、もう過ぎた事を言及されても困る。何とかごまかそうと先程の状況を思い出すと、なんとか言い訳が思い浮かんだ
「いやあの・・・ほら 車の影から歩行者が渡ってきてそれ避けた後また車来て、それ避けたら・・・」
「連続の急ハンドルで横転したと?」
嘘は言っていない。繰り返し言うが断じて嘘は言っていない。咄嗟の事で対応しきれなかっただけだ。
「うん でさぁ、その後バイクから放り出されて・・・道路転げ回ったよな?」
「・・・あぁ」
ここから先は思い出したくもない。なにせ自分達は猛スピードでアスファルトの地面を転げ回り全身を打ち付けたのだから
「それで・・・大怪我した・・よな?」
しかし今の自分達はこうして五体満足で会話している、一体自分達の身に何が起こったか皆目見当がつかない。違う場所に居たかと思えば、次は怪我した筈の体が無傷になっているのだから、訳が分からない。
「何で・・体・・何ともねぇの?」
「治療・・された・・とかか?」
まぁ怪我自体は治療すれば治る物ではあるが、それでも時間を置かなければ治る物では無い。もしこの体が無傷である理由が、治療を受けた事による物なら自分達の意識は何カ月も飛んでいたことになる。それに何故こんな部屋で治療したのかが分からない。
「てことはココ・・・病院?」
「には見えんがな」
自分で言って思ったがこの部屋が病院の一室の病室・治療室と言うのが一番ありえない話だろう。こんなベッドも家具も何も無く、おかしな玉が鎮座していて、壁に触れない病室が有って堪るか。
「それでさぁ、その後俺等・・・」
ここから先は正直言って理解不能どころの話では無い、何せ体がズタボロになった所で目の前にトラックが爆走してきたのだから、そしてトラックは自分達に気付きブレーキを掛けたが
「轢かれたよな?」


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