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SS練習スレ2

714ストレイドMK-Ⅱ:2017/02/04(土) 03:03:21 ID:qaPnteDI
俺は戦争が嫌いだ。

罪のない人が傷つき、理不尽に虐げられる。

守るべきものの為にたくさんの仲間が命を落とす。

それでも必死に戦った。

守りたいものを守るために。

何時だったか誰かに聞かれたことがある。

【戦争が嫌いなのになぜ戦うのか?】と

【戦うべき時に戦わなければ、何も守れない。】

俺はそう応えていたと思う。






「・・・・・・何のようですか、クロノさん?」

あのまま家で悶々としているのを良しとしなかったシンは気晴らしにクラナガン市内の公園に散歩に来ていたのだが公園のベンチで思考のどつぼにはまっていた。

そんな時、シンは気配を感じ、背後から近づいていた人物にぶっきらぼうに声をかけた。

「流石は元軍人だな。」

声をかけられた相手ことクロノ・ハウラオンは特に何の感動もなくシンに言葉を返した。

「嫌味っぽくなりましたね。クロノさん。」

「・・・・・・」

「で、今日は何のようですか?」

シンの言葉に返答しにクロノをよそにシンは本題を聞く事にした。

「・・・1週間前、俺の部下が二人行方をくらました。最後に目撃された場所の近くでお前の姿を見たという証言があってな、それを聞きに来た。」

クロノはそう言って2枚の写真を手渡す。

小奇麗にまとまった服装をした十代後半くらいの男女の写真。

「・・・これが例の?」

「ああ」

シンの問いにクロノは短く返答すると

「悪いけど、知りませんね。結構若いみたいですけどこの二人、新人ですか?」

シンはクロノに写真を返しながら問う。

「ああ、先月配属されたばかりだ。」

「見つかるといいですね。」

「・・・・・・ああ、そう願うよ。」

写真を受け取りつつシンの問いに答えたところでクロノは踵を返すと

「すまない、手間をかけたな。」

「いえ。」

シンに一言返し、その場を去ろうとしたクロノだが、ふと足を止め振り返らぬままシンに言葉を投げかけた

「シン、ひとつ聞いていいか?」

「・・・なんですか?」

唐突な質問にシンはやや身構える。

「お前は・・・お前は、かつて、何の為に戦っていた?」

振り返る事もなく投げかけられるクロノの言葉にシンは言葉を発しないがやや動揺を憶えた。

「・・・・・・俺は、理不尽に虐げられる、力を持たない人たちを守りたい、と思っていました。」

「でも、正直今はそれが正しかったのかどうかは・・・わかりません。」

クロノの問いに答えながらシンは自分の迷いを吐露した。自分がかつて戦った理由はそれで正しかったのかと自分自身に問うように。

「・・・そうか。シン、お前は・・・いや、なんでもない。すまなかった、変な事を聞いて。」

「じゃあな、また・・・こんど。」

クロノはそう言うと去っていった。


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