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SS練習スレ2

708ストレイドMK-Ⅱ:2016/05/21(土) 12:16:49 ID:LJcYaKEQ
〜〜〜1年前・戦場〜〜〜

「マリーダ!!プルとプルツーを連れて先に行ってくれ、こいつらは俺が抑える!」

シンの言葉と共に消耗したデスティニーはクシャトリアと背を合わせたままアロンダイトを正眼に構える。

「シン!やめろ、無茶だ!?」

「そうだよ、私たちも一緒に!」

シンの言葉にキュベレイのビームガンを周囲の敵メタルアーマーに向けて乱射しつつプルツーとプルがそれぞれ声をかける

「ぐへへへへ、いいぜぇお嬢ちゃんたち、そこの小僧ともどもワシらグンジェム隊が可愛がってやるよ!」

その言葉と共にデスティニーの前に立ちはだかる金色の大型メタルアーマー・ギルガザムネがデスティニーに青龍刀を向ける

「・・・シン、任せるぞ」

「ああ」

シンはマリーダの返答に短く応えると操縦桿を強く握り直す。

「行け!!」

シンのその一言にもはや、議論の余地がないと悟ったプルとプルツーはマリーダと共に退却する。

「どうすんですかい、大佐?あの3機逃げちまいましたぜ?」

「なぁに、構わんさガナン大尉。目の前には丁度、高い懸賞金が掛かった獲物が満身創痍の状態でおるんだ。こいつを狩ってからでも問題はあるまいよ。」

グンジェムはそう言うと部下たちには手を出すなというような合図を出す

「大佐!オデもやるど!!」

「落ち着けよ、ゴル大尉。大佐は手を出すなって行ってるぜ?」

「へへへ、悪いなゴル大尉。ありゃ、ワシの獲物だ!!」

グンジェムの合図を理解しなかったゴルが前に出ようとするも、ジン中尉とグンジェムにたしなめられる。

一方のシンはマリーダたちが離れたのを確認すると、再度眼前の敵を見据える。

「流石に・・・今回は死ぬかもな。」

そんな言葉がシンの口から漏れる。

マリーダ達の撤退は既にほぼ完了しているし、合い方のレイもスーパーメカゴジラとMOGERAの支援の為に既に大分離れた位置にいる。

と、なればシンは目の前の軍勢を一人で相手取ることになる。

自分で選んだ事とはいえ流石のシンも身震いする。

だが、それは恐怖から来るものでも、気がふれたからというわけでもない。

それはまさに武者震いだった。

既に消耗し切った機体、同じく長時間の戦闘で消耗した心身、それらを持って今シンが相対する脅威に対してシンはある種の境地へと達していた。

極限まで消耗したことにより戦士としてのシンは今限界まで研ぎ澄まされている。

だが、それ故にわずかに残っているシンの正気は己の死を感じていた。

「皆のところへは行かせない!だから、あんたたちは俺が討つんだ!今!!ここで!!」

シンはそう叫ぶことによって己の正気を振り払うとフッドペダルを踏み込む。

スラスターに炎が煌きアロンダイトを構えたデスティニーはギルガザムネへと突撃した。

そこからは正に死闘だった。

ギルガザムネの内蔵兵装であるミサイルが乱れ飛び、それをデスティニーの長距離ビーム砲が撃ち落す。

デスティニーが乱射するビームライフルの合間を縫うように投げつけられたフラッシュエッジⅡをギルガザムネは青龍刀でビームごと打ち払うと、

一気に距離をつめてデスティニーを切り裂こうとする。しかし、デスティニーも咄嗟に斬撃をかわすと、今度はデスティニーがギルガザムネの懐深くへ肉薄し、

胸部にパルマフィオキーナを叩き込むも、出力の低下したパルマフィオキーナではギルガザムネの装甲を貫けきれなかった。

その後も2機はアロンダイトと青龍刀で幾度も切り結ぶ。己の力量を激しくぶつけ合うように。

しかし、そのような一進一退の攻防も遂に終わりを迎える。

「こいつで仕舞いじゃあああ!!」

グンジェムの雄たけびと共に繰り出された斬撃をシンはアロンダイトで受け流そうとするも、

ギルガザムネの鋭い斬撃は既に限界を超えていたアロンダイトごと、既にVPS装甲が機能不全を起こして灰色に変色していたデスティニーの左半身を切り落とした。

「ぐがぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

機体が切り裂かれる衝撃、それによって押しつぶされるコクピットの左側に巻き込まれる自身の体。

それらの衝撃が重なり、許容量を越えたシンの意識はそこで途切れた。

「ちく・・・しょう・・・・・・みん・・・な・・・」

それが、シンが戦場で発した最後の言葉だった。


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