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SS練習スレ2

707ストレイドMK-Ⅱ:2016/05/21(土) 12:14:36 ID:LJcYaKEQ
「はい、お待ちどうさん。」

シンの言葉と共にリンクスの目の前に親子丼と味噌汁、更にキュウリの浅漬けが乗ったお盆が出される。

「おお!これはうまそうだ!いただきます!」

そう言うとリンクスは親子丼をたべはじめる。

「ほれ、水だ。」

その言葉と共にシンは氷水の入ったグラスをお盆の端に置く。

「助かる。」

そう言って箸を止めたリンクスは氷水の入ったグラスに口をつける。

「いやぁ、それにしても久しぶりにシンのつくった料理を食ったが、また腕を上げたみたいだな。」

「これでも、客商売やってるからな、それなりにはうまくもなるさ。」

リンクスの評価にシンが嬉しそうに応えるとリンクスも「違いない。」といって笑い、再び親子丼を食べ始めた。

そして数分後、綺麗に親子丼を平らげたリンクスは満足げな表情でシンと話していた。

「いやぁ、うまかった。この味はまた来たくなるよ。」

「そう言ってもらえると作った甲斐があるよ。」

リンクスの食べ終えたお盆をさげつつシンも満足げな表情になる。

「ホント・・・いいよな、この世界は。表面上だけとはいえ、平和で。」

先ほどまで笑顔だったリンクスの顔が唐突に曇る。

「え?」

あまりに突然のことにシンは困惑の表情を浮かべる。

「なぁ、シン。俺はあの決戦の後、何してたと思う?」

リンクスの問いにシンは困り果てた。

そもそも彼は先の大戦の最終決戦の最中に出現した空間の裂け目に呑まれて行方不明となっていた。

その後はラインアークの捜索網にひっかかっていなかった為MIA認定を下されていた。

「俺は、あの決戦の後色々な世界を渡り歩いていた。傭兵として、ヤプール軍と戦いながら。」

「リンクス、お前・・・」

そこでシンは気付いたリンクスはGフォース壊滅後ただ一人ヤプールへの抵抗を続けていたのだ。

既に多くの仲間が倒れ、生き残った者達も牙を折られたり散り散りとなり、抵抗もままならなくなってしまっているのを知ることもなく。

どういった手段を用いたかは解らないが世界を渡りながら、孤独な戦い続けていたことを。

「Gフォースが壊滅したのを知ったのはつい先日のことだよ。」

リンクスの視線が手元へと落ちる。

「とある世界で現地の勢力のやつらと一緒にヤプールに追い詰められたときに助けられたんだ。」

「助けられた?誰に?」

極めて高い実力を持つ彼が追い詰められたというのも驚きだが、シンはリンクスを助けた者たちが気になった。

「黒木さんと・・・レイだ。」

「な!?」

リンクスの言葉にシンは驚きを隠せなかった。

数日前にキリコから受け取った手紙で黒木の生存は知っていたが、まさか、行方不明のレイまで彼と行動を共にしていたのはまさに予想外だった。

「そうか・・・レイ、生きててくれたんだな。」

「知らなかったのか?」

シンの言葉にリンクスは意外だと言わんばかりに目を丸くする。

「前の大戦の最後で、俺は撃墜されてさ。意識が戻ったのは、あの戦いの2週間後だったよ。」

シンはそう言うとどこか遠い目で偽装が施してあるとはいえ本来の自分の腕ではない左の義手をなでる。

「!・・・シン、お前まさか腕を・・・?」

シンの仕草を見てリンクスははっとする

「はは、相変わらずいい感してるよ・・・実を言うと左足もなんだ。」

乾いた笑い声を出しながら、シンはリンクスの問いに答えた。

「そうか・・・お前も大変だったんだな・・・」

「まぁ、な」

シンはそう言いながらも、額には冷や汗がにじむ。

かつて自分を撃墜した金色の大型メタルアーマーがデスティニーに向けて青龍刀を振り下ろす瞬間が脳裏を焦がした。


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