[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
SS練習スレ2
612
:
シンの嫁774人目
:2014/03/24(月) 21:22:28 ID:cE1z7Mk.
Episode4 シン
ミッションから帰ると、エントランスにシンさんがいたので、ラウンジに連れ込んで一杯奢らせた。
これで前回の遺恨を水に流す辺り、自分は結構心が広いと思う。少なくともミッション中に誤射(という名の報復)するよりは、遥かにマシだろう。
奢らせるついでに、前回気になったことを聞いてみることにした。
「――えっ、俺が『クレイドル』を抜けてから何してたかって?」
突然の質問にシンさんは面食らったような顔をしたが、やがてぽつりぽつりと話し始めた。
「……まぁ、色々だよ。アラガミを狩りながら貧しい地域の支援をしたり、集落同士の紛争を調停したり」
それは、『クレイドル』の活動と何が違うのだろう? そう尋ねると、シンさんは苦笑しながら首を振った。
「大きく違うさ。まず、『クレイドル』は支部同士の相互扶助組織だが、こっちは本部主導のプロジェクトだ。その分、本部の意向が強く反映されてる」
ますます意味が分からない。支援は潤沢だが口うるさい、ということではなさそうだが……?
もう少し詳しく話を聞いてみよう。
→「紛争の調停と平和維持」
「貧困地域への生活支援」
「子供達への教育活動」
「もういいです」
「これは、まぁ言葉の通りだな。仲の悪い集団同士の住み分けを推進したり、対話による交渉を仲介したり。ただ、時には武力で押さえつけることもある」
……それは、人に神機を向けるということか? 自然と表情が険しくなるのが分かる。きっと今、自分はシンさんを睨んでいるのだろう。
「いや、流石にそこまで鬼畜なことはしないよ。何より人手が足りない。アラガミの相手だけでも手一杯なのに、人間まで相手する余裕なんてないさ」
幸いにも、シンさんはそう言ってこちらの懸念を否定した。だがその理由は、とても手放しで喜べるものではない。
シンさん曰く、ゴッドイーターとは別に、旧世代の銃器で武装した治安維持専門の部隊があるらしい。
アラガミや神機使いにとってはオモチャみたいなものだが、普通の人間相手ならばそれで十分なのだそうだ。
「アリサ達に、こんな真似させられるかよ……」
そう呟くシンさんの、疲れ切ったような顔が妙に印象的だった。
「紛争の調停と平和維持」
→「貧困地域への生活支援」
「子供達への教育活動」
「もういいです」
「こいつは『クレイドル』の活動と重なるところがあるな。フェンリルの庇護のない地域に食料や物資を支援したり、仕事を斡旋したり」
シンさん曰く、斡旋する仕事は食料などの生産活動が中心らしい。銃を持って殺し合うより、鍬でも持って畑を耕す方がよほど建設的、だそうだ。
「ただし『クレイドル』と違って、こっちはサテライトの自立なんてこれっぽっちも考えてない。生活基盤を掌握して、フェンリルの管理下で飼い殺しにするのが一番の目的だ」
生活基盤の掌握。言い換えれば、生産から消費まで、何もかもをフェンリルに依存した経済体制の構築だ。
サテライトを生かすも殺すもフェンリルの胸三寸。わざわざ武力で焼き払う必要はない。ライフラインを断ち切れば、そのうち勝手に干上がるのだから。
第三者に命を握られて、それでも内紛を続ける馬鹿はいない。飼い主の期限を損なえば、待っているのは破滅だ。
……えぐい。最初はイイハナシダナーとちょっとは見直していたのに、見事に台無しだ。
「どんな時でも、胃袋を掴んだ奴が一番強いのさ」
茶化すような口調とは裏腹に、シンさんの顔はちっとも笑っていなかった。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板