[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
SS練習スレ2
602
:
シンの嫁774人目
:2014/03/17(月) 22:29:54 ID:cE1z7Mk.
アリサさんやコウタ隊長、そしてソーマ博士も、アラガミが地上を喰い荒らした『後』に生まれた世代だ。
旧世代、人類がまだ戦争という名の共喰いを繰り返していた時代を、彼らは知らない。
そして辛うじて旧世代と言えるリンドウさんも、表面的な知識はともかく、残念ながら理解は期待できないらしい。
リンドウさんの故郷、極東。かつて『日本』と呼ばれたこの地域は、世界的に見ても極端に『平和ボケ』した国だったそうだ。
「アリサもコウタも、リンドウさんも、人間の善性って奴を信じてる。『衣食足りて礼節を知る』って言うけど、それを本気で信じてるんだ」
衣食足りて礼節を知る。それはある意味、『クレイドル』の理念そのものではないか。
「……でも、俺はそうは思わない。アラガミの脅威を取り除くだけ、ゆりかごを作るだけじゃ駄目なんだ」
たとえ全てのアラガミを排除し、世界を人類の手に取り戻しても、待っているのは旧世代への逆行、人と人とが争う時代の再来だ。
シンさんが言いたいのは、つまりそういうことだろう。
今、少しだけ分かった気がする。シンさんは人間の悪性に絶望しているのだ。この人にとって、アリサさん達の理想は、ただの甘い夢物語に過ぎないのかもしれない。
……だが、それでも思うのだ。人の強さを信じたい、と。
アリサさんは言っていた。誰もが手をこまねいて見ているしかない問題に対して、解決への一歩を踏み出すのが『クレイドル』だと。
たとえシンさんが言うように、人間が争いを捨てられない、どうしようもない生き物だとしても、そこから目を逸らし、諦めてはいけないのではないか。
古来より人間は強大な敵と対峙し、常にそれを退けてきた。ジュリウスの言葉だ。
終末捕喰だって止められたのだ。たかが人の負の側面の一つや二つ、目を逸らさずに向き合いさえすれば、乗り越えられない訳がない。
そしてもう一つ、気づいたことがある。
シンさんは人間に絶望しているのかもしれない。だがそれでも、彼は本当は、まだ諦めていないのではないか?
だって、彼は一度も『クレイドル』の理念を否定してはいないじゃないか。
「足りない」とは言った。「それだけでは駄目だ」とは言った。だが、「それでは駄目だ」とは言わなかったじゃないか。
そこにひと筋の希望を見た気がした。
【HINT:シンがブラッドバレッド「小型状態異常回復弾」を習得しました】
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板