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SS練習スレ2

577ストレイドMK-Ⅱ:2013/11/20(水) 00:51:45 ID:i99oG.AE
第3話『出会〜可能性〜』

「あ、飛鳥さん」

診療所の病室からトイレへと向かうシンは診療所の入り口のほうから聞こえた声に呼び止められる。
「ん?ああ、翔子ちゃんか。おはよう」
そう言うと病院着姿のシンは車椅子を器用に動かし、翔子のほうへと近づいていく
「おはようございます、飛鳥さん。あの、遠見先生は?」
診療所の奥のほうを覗き込むように翔子は様子を見ながらシンに問いかける。
「ああ、ごめん。先生、今往診に出てるんだ。昼くらいには戻るって言ってたんだけど、まだ時間あるしな・・・」
そうつぶやきつつシンは待合室の壁にかかった時計に目をやると時計はまだ、10時をちょっと過ぎたくらいの時間を指していた。
「そうだったんですか・・・どうしよう・・・」
翔子もやや困ったようにシンと同じく時計へと目を向ける
「じゃあ、俺の病室にでも来るか?今日も暇してたんだ」
シンがそう言うと翔子はやや頬を朱に染めながら嬉しそうな表情になり
「え?良いんですか?」
翔子は少々わざとらしくシンからの提案に聞き返す
「ああ、構わないよ。今日は誰も来なくて暇だったんだ。」
シンはそう言うと車椅子の向きを器用に変えると
「ちょっと、トイレに言ってくるから、先に病室に言っててくれ」
シンは翔子に先に病室行くように促すと
「わかりました」
翔子はそう言うと病室に向かった

パタン
病室のドアが閉まり翔子は一人、シンの病室へと入る
(飛鳥さん、初めて会ったときは殆どまともに体が動かなかったのに、今はもうあんなに動けるようになったんだ・・・)
この世界におけるシンの目覚めに立ち会っていた翔子としては、目覚めたばかりの思うように体を動かすことのできなかったシンの姿が、とても印象的に脳裏焼きついていた。
(すごいな・・・あんな目に見えて体が良くなっていくなんて、私には考えられないかも)
自分自身、持病の影響もあって今のシンほどではないにしても幼いころから様々なハンデが付きまとっていた翔子としては、今の日に日に体の調子が良くなっていくシンが羨ましく思えていた。
(でも、こんなこと考えてたら飛鳥さんに失礼だよね・・・でも・・・羨ましいな・・・私もいつか・・・」


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