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SS練習スレ2

500ストレイドMK-Ⅱ:2013/07/07(日) 02:16:36 ID:84a2a4KU

―――わからない・・・俺は、一体・・・

―――だいじょうぶ

―――え・・・?

―――私はあなたを感じるよ

―――君は、一体・・・

―――ねぇ

―――・・・?

―――あなたは、そこにいますか?

―――俺は・・・

第1話『漂着〜いほうじん〜』

―――3ヵ月後

「おはようございます、遠見先生」
開け放たれた診療所の扉から少女が屋内にいる白衣を着た温厚そうな雰囲気の女性に対し、そう言って診療所へと入ってくる
「あら、おはよう翔子ちゃん。今日はお母さんは?」
「今日は体の調子がいいので、一人できちゃいました」
翔子がそう言うと遠見は驚いた様にしながら
「まぁ、それはいいことだけど、あまり無理はしないようにね」
医者としての意見を交えた上で、遠見は翔子にやわらかく伝える
「はい、私もできるだけ、周りに心配かけたくはありませんから」
翔子もそれを理解したらしく、軽くうなずきながらそう言って診察室に入ろうとしたとき、翔子は診療所内の異変に気づいた

「あれ?あの、遠見先生、そこで寝ている人は・・・?」
そういった翔子の視線の先には一人少年が寝かされていた
「ああ、この子はちょっと訳ありで、今日だけここで預かっているの」
「へぇ・・・」
見知らぬ人物が自分の知る場所に居たということに興味を引かれたのか翔子は少年の眠るベットに近づき彼の顔を覗き込む。
「うわぁ・・・綺麗な人ですね、この人」
自分とはまた違う病的なまでに白い肌と、それとは真逆な夜の闇のような漆黒の頭髪を持つ少年に翔子は思わず見入ってしまう。
「一応男の子なんだけどね」
遠見はやや苦笑い気味に翔子に告げる
「え、そうなんですか!?」
翔子は驚きながらも再び少年の方に向き直ると彼の顔へと手を伸ばし、その頬に手を当てた。
「でも、本当に綺麗な顔ですね」
翔子がそういいつつ彼の頬をなでていると
「・・・う・・・んうぅ・・・こ・・・こは・・・?」
少年が目を覚ましたのである。
「あ、ごめんなさい、起こしてしまって」
そのやり取りを見ていた遠見は驚きのあまり数瞬ほど呆然としてしまった。
この3ヶ月間、一向に起きる気配の無かった少年が、本来収容していた施設の改修に伴い一時的にこの診療所に移動させていただけのはずだったのに翔子とのわずかな接触で、突如目覚めたのである。


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