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SS練習スレ2

470凍った鈍器「コードン」:2013/05/27(月) 23:21:27 ID:GhVszjIY





「あら、気が付いたみたいね」

布団に寝かせていたはずの少年がいつの間にか目覚めていた。
不思議なことに、傷だらけだったはずの体にはそのような痕跡はなく十分な健康状態と見てわかる。
あろうことか、ボロボロだったはずの服も岐津ひとつない状態になっている。

「すみません、ご迷惑をおかけしました」

男の子が持つには不似合いなピンク色の携帯電話を閉じ、タエに礼を述べる。
だがその表情はひどく落ち込んでいるようだ。
気にしないで、告げると同時に『世界』が変わった。
星の宝石を散らばった夜から、赤い絶望に満たされた世界へと変異した。
そのことに少年は酷く驚くが、もう一つ奇妙な気配を察知した。

自分と戦っていた『敵』と似た気配を。

「なにかとても賑やかになってるみたいだけど、貴方も行くんでしょ?」

普通の人なら絶望に落ちてしまうはずなのに、タエと少年はそんな気配は見られない。

「はい。
 どうしても行って確かめないといけませんから。」

少年は行かねばならない。
たとえ『世界』が違っても理不尽に命が奪われようとするなら、
まして自分の『敵』がいるかもしれないならば。

「それとこれ、大事なものでしょう」

タエが渡したのは少年の数少ない持ち物の一つであった宝石を手渡す。
そう、あの『協力者』の所持していた宝石と同じ形状のものだ。
違いは透き通ったクリスタルのように白く輝いている。

「そうそう、一つだけ聞かないといけなかったわ」
「何ですか?」
「私は星空タエ。もし何かあればいつでも訪ねに来てね」
「ありがとうございます。俺は……」







「シン・アスカです」
燃える様な真紅の瞳の少年は異変の地、祭りの場へと駆け出した。


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