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SS練習スレ2

450シンの嫁774人目:2013/04/19(金) 19:35:17 ID:oE0DlMks
「調子に乗るんじゃねえ!」
先頭の男が顔を真っ赤にし怒りで震え握り拳を作りシンの顔面に向けて拳を振るう。鈍い音が響き少女が息を呑むのが気配で伝わる。

顔の中心を捉え拳が入り男は笑みを作り拳を離すが殴打を受ける以前と同じ表情で微動だにせず真っ赤に燃える瞳を細めた。男の笑みが途端に消える。


避けるというのも出来たが背後の少女の事もある、何よりこれ以上力で解決するという手段は取りたくはなかった。
「止めろ」
短く言葉吐き出す、これが最後の通達という意味を込めた言葉だ。場合によっては少女を抱えて逃げる算段も考える。
周囲の喧噪の中此処だけ緊迫した場違いな空気が漂う、先頭の男は舌打ちをし無言で逃げる様にその場を立ち去る、背後にいた男達も俺と交互に見返し慌てて後を追うそして荒々しい足取りで街並みへと消えて行く。

「ふう…」
ホッと一息を吐く、喧嘩になっても負けるとは思わないがそれはそれだ。
背後の少女の様子が気になり振り返る、第一印象としては矢張り褐色の肌が眼に付く端正な顔立ちはまだ幼いながら何処か色気を感じさせる、あの男達がナンパする理由も分かる程の美少女だ。だがまだ怯えが瞳の奥に見える、仕方無いだろう。

「ごめん、恐がらせたな」
以前ステラが誤って海に落ち怯えている時に怒鳴り付けてしまい、更に怯えさせてしまった事がある。それを踏まえて出来る限り笑みを作り優しく声を掛ける。

「…ぁ……いえ、ワタシの方こそごめんなさイ」
俺の顔を見詰め小さく声を洩らし片言ながら謝意を伝えてくる。彼女が悪い訳じゃないし謝る必要はない。
「いや、良いよ。俺が勝手にやった事何だし何事もなかったんだから」
「でも鼻から…」

鼻から?そう言われ右手を鼻に伸ばす生暖かいヌルッとする感触に鉄臭さ、言われて初めて気付いたが鼻血である。
「うわっ!?ティッシュティッシュ…ああもう!」
慌ててポケットティッシュから数枚取り出し流れ出る血を拭う、先程の殴打が原因なのは考えるまでもない。余り良くはないと聞いたが応急処置としてティッシュを丸め鼻に詰める。鼻呼吸に違和感があるがこれで良し。

「…ぷっ、ふふ…あははははは!」
彼女が突然笑い出す、最初は何が何だか分からなかったが鼻にティッシュを詰めた姿等滑稽に映るだろう。少々恥ずかしかったがさっきみたいな表情よりこうやって笑顔である事が似合うと思い鼻血が治まる迄こうする事にした。


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