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SS練習スレ2

420シンの嫁774人目:2013/04/13(土) 20:50:42 ID:oE0DlMks
「あ…はい!」
私の言葉を聞いて安堵し嬉しそうな笑顔で応えた、子供の様な純粋で澄んだ笑顔、耳当たりの良い声音私の笑みが自然と濃くなる

「――――えっと…そういう訳で良かったらって思いまして…」
話を聞くと彼はプロデューサーでアイドルになってくれる子を探しているらしい、ナンパではないのは彼の人柄で分かる
その彼がこうやって私に声をかけてくれた偶然…いやこれが運命なのだろう

「別に嫌なら嫌で「分かりました」
彼の言葉を途中で遮る、私との出逢いに否定的な言葉を聞きたくなかったのもあるが彼の不安な顔を見ていられなかった

「…今から貴方のアイドルになります…。申し遅れましたが私は佐久間まゆと言います…」
人生の分岐点があるなら此処がそうだろうアイドルになれるかではない彼との出逢いがそれだ
満面の笑顔で応え私の名前を彼に告げる、恥ずかしいが私は彼に自分の名前を告げずに盛り上がっていたのか

「…!?」
私の言葉を聞いた瞬間彼の表情が凍り付いた、何かイケない点があっただろうか?分からない

失礼な言い方だっただろうか?彼が望んだ言葉ではなかっただろうか?分からないわからない

疑問が浮かんでは消えを繰り返す

「……マユ…」
「はい?」


私には永遠に続くかと思われた沈黙の中私の名前を呟いた、反射的に応えてしまったが正確には私ではない
誰かを思い出しているんだろう、彼の表情が苦痛を耐える様に歪む唇の色が変わる程噛み締め僅かに身体が震え出す

許せなかった
彼がではなく私と彼の出逢いに水を差す存在が
それ以上に悲しかった
私の名前で別の誰かを重ねた事が、眼の前にいる私ではなくその誰かを思う事が、彼の表情が曇る姿が


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