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SS練習スレ2
404
:
シンの嫁774人目
:2013/04/05(金) 18:49:02 ID:JKQjTG5A
ある夏の日のことでした。川で溺れて死にかけて、次に目が覚めたら世界に線が引かれていました。
あっちこっち線だらけなので、試しにお布団の線をお兄ちゃんがスイカを切り分けてくれた時に置いていった包丁でなぞってみました。するとお布団はあっさりと切れました。お布団だけじゃありません。御盆や蚊取り線香なんかもお豆腐みたいに簡単に切れます。
大人はマユを恐れ、気味悪がりました。私はとても悲しくなったけど、お兄ちゃんやフェイトお姉ちゃんは「凄い」って言ってくれました。お父さんとお母さんもあまり気にしてはいないようです。
どんなに周りが気味悪がったりしてもお兄ちゃん達だけは味方でした。いつもいつも、マユはお兄ちゃん達とだけ遊びました。
あと、たまに変な物が見えたりしましたが、それは線をなぞれば消えるのでお兄ちゃん達には教えませんでした。
そんな日が続いたある夜、マユはあの人と出会いました。
「ほぅ、ただの小娘がそんな禍々しい物を持ちながら正気を保って居られるとは……御主はきっと周りに恵まれた人間なのじゃろうな」
最近話題の‘いじんさん’って言うのでしょうか、金髪金眼のとても背の高いお姉さんに会いました。「ほう、この国の人間は我を見ると大抵が逃げるんじゃが、それを持ちながらで正気なのは或いはその度胸でか? どちらにしろ……うむ、気に入った」
そう言うとお姉さんはマユの頭に手を置きました。置き方は乱暴だったけどその手には何となく優しさがあった気がします。
「これをやろう」
お姉さんは徐に手を口に突っ込んだと思ったらそこから刀を取り出しました。
びっくりして腰を抜かしたマユを見てお姉さんは意地悪そうな笑みを浮かべます。
「かかっ。そういう顔もできるか、まだ心が死ぬまで時間はありそうじゃな」
ほれ――――と投げられた刀。それはマユの目の前に突き刺さりました。
「妖刀――心渡り。最近手に入れた物の……まあ、簡単に言うと偽物じゃが、お前が持つには丁度良いじゃろ、ありがたく思うが良い」
お姉さんはもう用は無いと言いたげに背を向けました。
「そうじゃ、大事な事を言い忘れておった。
御主はこれからその目に惹き付けられる我の様な者達――――‘怪異’と対峙することになるじゃろう。もしかしたら御主の周りの人間も危ういかも知れぬ」
マユの脳裏には様々な人達の笑顔が浮かび上がりました。
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