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SS練習スレ2
352
:
ちくわヘルシー
◆ii/SWzPx1A
:2012/12/07(金) 00:09:04 ID:ti0jsaAw
やっぱり思い出したってどうしようもなかった。そもそもちょっと考えたぐらいで分かるんだったら、研究所にいた時にとっくに判明してるはずだ。
どうして俺がここにいるのか。
俺がどうして、俺が知ってる地球じゃない別の世界にいるのか。
コーディネイターは俺以外にいない。宇宙にプラントは存在しない。モビルスーツもなけれればZAFTも、地球連合も、オーブも……戦争だって、ない。
ここは優しくて温かい世界だ。
そんな世界にどうして俺がいるのか。
研究所で一月以上考え込んだって、何も答えは出なかったってのに。
苛立ち半分で頭をかきむしっていると、周りからの視線がより一層集中していった。
あぁ……そう言えば俺、校門の前ど真ん中に立ってるんだっけ。
通行の邪魔だし、何より目だって仕方が無いことに気付いて、俺は校門の脇にもたれかかってまた頭を抱えだした。
初めて研究所に来てから何してたっけ? とにかく事情を話して、色々話を聞かせてもらって、ISの訓練して、それからマユと一緒に過ごして……。
事の次第を記憶から順々に引っ張り上げていく。取り留めのない回想は俺の頭の中で終りそうになかった。
◇
ドアが開いた。研究所内部、実験場の照明の中に足を踏み入れていく。
敵機確認――操縦者・山田真耶ISネーム『ラファール・リヴァイヴ』。戦闘タイプ中距離汎用型――
鮮明に広がる視界にはウインドウがいくつも表示されている。映し出された情報の確認にもISでの補正がされているから手間取ることはなかった。
相手の機体は……確か汎用量産タイプだったはず。特殊装備もないし、完全に力試しの意味なんだろう。なら要領はモビルスーツ試験の時と同じだ。パイロットの技量を測るために、最初は意表を突くような真似はしてこない。
肝心の俺の技術と言えば、圧倒的にIS操縦の経験が足りていない。戦闘時間が長引けば長引くほどボロが出て、ジリ貧になることは目に見えている。
『イグナイテッド』の装備は胸部バルカン、対エネルギー仕様実体シールド、中距離ビームライフル、近接戦用実体ダガーが二本。装備自体は基本的なものばかりだし、シルエットの換装にはまだ時間がかかってしまう。装備に頼りきった戦闘は厳しい。
幸いにも装甲は『フェイズ・シフト』だ。実弾相手ならある程度まで攻撃を無視して突っ込める。強襲はなんとか可能。
一撃当てられることを示すだけで十分だ。今ある装備と技術で、やってみせる。
ライフルを構えたところで試合開始のブザーが鳴った。
俺は左手の盾を掲げながら、最初から全速力を出して相手に向かっていく。
慌てた様子でサブマシンガンを取り出し、こっちに銃口を向けたのが見えた。その場で俺を迎撃するつもりらしい。好都合だ。
バラバラと放たれる銃弾が盾に弾かれていった。掠めた弾もダメージにならず、あっという間に距離が詰まっていく。距離、三十……二十……ここだっ!
かなり接近できたところで、相手の頭上にライフルを放り投げた。ほんの一瞬で良い、懐に飛び込む隙を作る。
目論見通り、相手の視線と意識がライフルに移った。ライフルに目が行けばこっちのものだ。最高速を維持して、サイドスカートからダガーを引き抜く。もう気付いたって遅い、至近距離。捉えた……っ!
銃を構えようとしたのか、近接武器を取り出そうとしたのか。その腕を掴み、何もさせないうちに力任せに体を地面へ引き倒した。次いで首筋にダガーを押し当てる。試験官の口が唖然と言ったように開かれていた。
数秒の沈黙。それから再びブザーが鳴って、試合の終了が告げられた。
思ったより上手くいったことにほっとし、ダガーを離したところで通信回線が開かれる。モニタールームからってことは、葛城さんからか。
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