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SS練習スレ2

308螺子巻鳥 ◆l.5pQ38hy6:2012/06/30(土) 06:46:55 ID:aMj.7YNQ
「ちょっと、やりすぎちゃったかな……?」
「まあ、向こうも迎撃の態勢とってたしいいんじゃないか?」

 自然の豊かな地域の一角に開いた、クレーターのような破壊痕。そこに降り立ちながら、なのはとヴィータは状況を確認し始めた。思ったより破壊規模が狭まったのは、あの傀儡兵が砲を撃ったせいだろうか。

「なのは、あれ!」

 程なくして、ヴィータがそれを見つけた。膝立ちになり、こちらに向かって砲口を向けていた緑色の傀儡兵。
 装甲はシンプルで、人間型。大きさも3メートル弱と魔力出力に比べてはかなり小さい。ヘルメットのようなつるんとした頭部と、背中に装備した大型のランドセルが異彩を放っていた。
 その指が数度動き、頭と胴の部分に露出した動力パイプのような部位から水蒸気を吐き出す。

『Black Out Damage. Equipment release』

 思わずそれぞれのデバイスを構えたなのはとヴィータの前で、傀儡兵の頭部が真上に傾いた。そのまま90度頭が後方に倒れ、黒いものが外気に触れる。
 一瞬吹いた風にそよいだそれは、人間の髪。

「えっ? これって……」

 思わず駆け寄る。なのはの目の前で、傀儡兵はさらに胸部か左右に割れ、中にいた人間を吐き出していた。空中に投げ出された体を、片手で受け止める。
 色の白い、黒髪の少年。息はあるがかなり消耗しているように見え、とりあえずその場に寝かせる。

「ヴィータちゃん、もう一体いたのは?」
「こっちもだ……。この傀儡兵、中に人が乗ってる!」

 隣にいたヴィータに声をかけると、先ほど吹き飛ばしたもう一体の方に近寄っていた彼女から返答があった。
 木の幹に叩きつけられていた傀儡兵もまた、頭と胸部が展開していた。中から出てきたのは、金髪の少年。黒髪の少年と同年代に見えるし、赤を基調にしたどこかの制服っぽい服装も同じ。
 
「一体、これは……。気を失ってるだけみたいだけど……」
「とりあえず、調べてみないとだな……」

 傀儡兵から出てきた、二人の少年。年のころで言ったら自分よりやや年下ぐらいだろうか。人が乗り込んで操作する傀儡兵など資料にはない。
 わずか風が吹きつける中、なのはたちは気を失った二人をしばし見つめていた。


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