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SS練習スレ2

26なのポネタ05:2011/05/07(土) 23:12:31 ID:aJC0MPNs
「おい」
 はやての愚痴がエンジンの火を噴き始め、シンがうんざりしかかったちょうど、彼の背中に冷ややかな声が掛けられる。本来ならシンより先にはやてが気がつきそうだが、彼女は自分の鬱憤を晴らす事に夢中になっていた所為で、その目は曇っていた。
 シンが振り向き、はやてがハッとしたように視線を向けると、二人の『美女』が立っていた。
 一人ははやてと同じ髪型――髪色は銀だが――を煩わしそうに掻き上げ、エメラルドグリーンの瞳をシン『だけ』に向けている。紺のタートルネックの胸元は、遠目からでもよく分かる程、大きく膨らんでいた。下半身のジーンズタイトスカートから伸びた、雪のように白い太ももが、健康的な色気を醸し出している。もう一人は青色の長い、嘗てツインテールだった髪を、ポニーテールで纏めていた。花柄のキャミソールが可愛らしいが、薄着なので体のラインがくっきり出ている。他人の視線には無頓着なのだろうか。隣の巨乳とは対照的に、小さな胸がスレンダーな体にマッチしている。流行のパンツを穿いた下半身は肌の露出がなく、鉄壁のガードを誇っていた。ただ、こちらもピッタリしているので、お尻の線がくっきりだが。
「出迎えくらい寄越せ、馬鹿者」
「シ〜ン」
 ギロリ、とシンを睨む闇統べる王の横を、雷刃の襲撃者が走り抜け背中から彼に抱きついた。
「元気そうだな」
 シンは雷刃の襲撃者の頭を撫でつつ、久しぶりの再会を喜んだ。
 闇統べる王も雷刃の襲撃者と同じなのか、鋭い視線は変わらないが、口元は小さく緩んでいた。彼女はシンの隣に腰を下ろす。
 雷刃の襲撃者ははやての隣に座ろうとしたが、はやてが椅子をシンの隣まで持ってきてくれて、彼女もシンの隣に落ち着いた。
 時が経つにつれ、マテリアル達の容姿は人間と同じように成長していった。彼女達とほぼ同類の、はやての守護騎士達の方は、十年前と変わっていない。両者の違いは、未だに不明のままだった。当事者達に言わせれば「どうでもいい」らしいが。
 管理局での奉仕活動を無事に終えた雷刃の襲撃者と闇統べる王は、一年間のみ管理局員として働き、そして辞め、第九十七管理外世界の地球、日本の海鳴市にある私立聖祥大学付属小学校に通う事になった。二人はエスカレーター式に小、中、高を卒業し、闇統べる王は大学に、雷刃の襲撃者は喫茶『翠屋』にパティシエ見習いとして日々奮闘している。
 変わったのは外見だけでなく、中身も多少の変化があった。
 闇統べる王は言葉遣いが柔らかくなった。これは本人が言うには「塵芥共に我の、真の言葉を聞かせるのは惜しい」との事。シン達の前では、相変わらずの我様言葉だ。
 雷刃の襲撃者は高町桃子が作るお菓子の数々に魅了されたらしく「僕も作りたい!」の一言から端を発した『将来の夢はケーキ屋さん計画』は順調に進み、調理師免許の資格も習得済みである。


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