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SS練習スレ2
141
:
ちくわヘルシー
◆ii/SWzPx1A
:2012/04/23(月) 00:19:29 ID:DCj/DqvA
「動物園に行くのなら冬に限る」
銀髪の少女がきっぱりと言い放つと、同じテーブルについていた六人が一斉に驚きの声を上げた。
「夏場における水族館の雰囲気は清涼感であり季節柄の客の需要に違わんが、冬場になってしまえば清涼感は寒々しいだけだろう。逆に動物園は構造上アスファルト、鉄檻を使用することが多いが、夏場にはこれが熱を吸収し周囲の温度を飛躍的に上昇させる。夏に行くのは避けた方が良い」
理由まで的確に読み上げる少女――ラウラ・ボーデヴィッヒに、一同は更に驚いて、口をぽかんと開ける。それもそのはず、ラウラは非常に世俗の事情に疎いのだ。
軍という環境に身を置いていたことが原因であり、本人の責任は一切ないのだが、ともすれば世間知らずと言えるその偏った知識が周囲を振り回すことも多々あった。
それがどうしたことか、口調はいつも通りキビキビとしていても、内容は世間一般の認識から外れていないではないか。こんな知識を誰が教えたというのか――
「ラウラ、あんたいつそんな知識を――って、ああ……そういうことね」
「そうですわね、コレもいつものことでしょう」
「そう、いつものアレだ。それ以外考えられまい」
「この前届いた荷物からかなぁ、今度の知識は」
「なんつーか、完全に“勘違いした外国人オタク”状態だな」
発言の順番に、凰・鈴音、セシリア・オルコット、篠ノ乃箒、シャルロット・デュノア、そして織斑一夏。
全員が疑問に思いかけたところで、すぐさま一人、また一人とその回答にたどり着き、呆れたように肩を揺らす。
もはや分かりきった答えを貰うために、彼らを代表して一人の少年が口を開けた。
「ラウラ、それって何に教えてもらったんだ?」
「『縁〜妹〜』というゲームだ、お兄様」
「また直球なタイトルのゲームを……」
何故か誇らしげに胸を張るラウラの横で、お兄様と呼ばれた少年――シン・アスカは、額に手を当てて、重いため息をついた。
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