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SS練習スレ2

12シンの嫁774人目:2011/02/15(火) 00:22:42 ID:9bQmgOYo
ガタンゴトン、ガタンゴトン

電車特有の移動音が、リズミカルに音を立てる

俺と彼女は、俺のある目的の為に電車に乗って、目的地まで移動していた

「そうだ、待っていてお腹もすいたでしょうし、ちょっと待ってください」

俺は準備していたバックの中から、用意していたバスケットを取り出した

「よっと、朝手早く作ったんで彩りとかが少し雑になってるかもしれませんけど、どうぞ」

バスケットを開けて、サンドイッチなどを綺麗に彩をされて、入っていた

「おいしそう、いただきます」

彼女はその中で、俺が試しに作ってみたバナナサンドを何故か、選んだ

「あ、それは……」

「はむ、ん……おいしいよ、シンちゃん」

「あ、そ、そうですか…それはよかったです」

そんなことがありながら、電車は進んでいく



「……シンちゃん、ここって……」

「ああ、悪かったな……なんか付き合わせるような感じになって」

そう、俺の目的地は……家族が眠る地だった

「丁度、今日が命日で……それに君を家族に会わせたかったから」

大きな樫の木の脇に立てられていた洋風の墓には、枯葉が多く覆っていた

「やっぱり、暫くきてなかったから掃除しないとな」

「私も手伝うよ、シンちゃん」

二人で手早く枯葉を払い、バックに入れていた花を取り出し、供えて手を合わせた

「父さん、母さん、それにマユ……俺は元気に過ごしてるよ」

瞳を閉じ、これまでの事を思い返していた……

「色んな事があったよ……本当にね、辛いこともいっぱいあったけど」

俺は、彼女の顔を見てもう一度、墓前に向かい合った

「そして、彼女に会えたんだ……幸せにしてあげたい幸せになりたいと思える彼女に会えたんだ」

「シンちゃん……」

「だから、まだ父さん達の所には行けない……親孝行にもなるか分からないけどさ」

その時、俺の手の甲に雨が落ちてきた

「こ、こんな、俺だけど……見守ってくれるかな、父さん」

雨が手の甲にぼたぼたと落ちていく……雨は俺の涙だった……

「シンちゃん……私もいるよ、だから一緒に頑張ろう」

「う、うん……ありがとう、ありがとう……」

彼女の抱擁が、その暖かな温もりが嬉しかった


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