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デジモン02 回るメリーゴーランド

73みけ:2008/10/31(金) 21:03:23
〜〜冒険の後〜〜






ガチャン

「ただいまー」


久しぶりの我が家だ。


ヤマトは背負っていたギターを玄関の壁に立てかけて、リビングに向かいながらふところからぬいぐるみを取り出す。そいつがぷはぁと息を吸った。


「悪かったな、ツノモン」

「いいっていいって。それよりヤマトんち、変わんないなぁ」

「そっか、前来たのってクリスマスの時だっけ??」


たわいもない話をしながら涼しいリビングに入り、ヤマトはテレビの前の小さなソファーに腰を下ろした。


「ふー気持ちいーな、こんなのあったっけ??」

「わりと新しかったかな」


ツノモンと一緒に改めてヤマトは自分の家を見回した。父親と二人暮らしにしては少し広いくらいのマンションの一室だ。

リビングはダイニングも兼ねていて、食事用のテーブルと4人分の椅子、小さなテレビ、そして新しいソファーが置かれている。

テーブルの奥にはわりと小さめのキッチン。テレビ関係の仕事で忙しい父が立つことは滅多になく、いつもヤマトが腕を振るっている。


自慢じゃないが、きれい好きの自分のおかげで男2人ですんでいるとは思えないほど片づいた家だ。






ぐうーと小さく隣でお腹のなる音がした。見るとツノモンが恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべている。ヤマトもにやっと笑いながらソファーから身を起こした。


「そうだ、飯まだだったよな。」

「ごめんヤマト....」


気にすんな、と足早にヤマトはキッチンに向かう。しかし食事係が不在だった石田家の冷蔵庫になにか入っているわけもなく....

缶ビールのみが並ぶ冷蔵庫の中を見ながら、ヤマトはため息をついた。そうだ、俺バンドの練習合宿から今日帰ってきたばっかりだっけ。


諦めて扉を閉めようとすると、奥の方に石田家には見慣れぬタッパーが置かれているのが目に入った。


なんだろうと中身を確認しようとすると、ツノモンの弾むような声がした。

「ねえヤマトっ!!これ、食べ物じゃないの??」

ふとリビングに目をやると、テーブルの上にラップがかかった皿がいくつか並べられていた。ご丁寧にナイフとフォークまでのっている。

目を疑うヤマトに、ツノモンがせがむように言った。


「ね、食べようよー」

「お、おう。じゃあ食べようか....」


ラップを外すと、大きな皿にはハンバーグが2つとゆでた野菜が添えられている。小さな深皿にはじゃがいもとバジルのサラダ、残るひとつの器にはスイカが切ってあった。


わーいとすぐにぱくつくツノモンの向かいから、ヤマトもじゃがいもを一口つまんだ。


「うま....!!」


絶対に親父が作ったんじゃない。それにこの味は冷凍食品でもない....

ヤマトはなんだか背中に嫌な汗をかいてきたような気がした。




「おかえり....」

「うわっ!!」

すっかり食べ物に夢中になっていたヤマトは、父親が起きてきたことに気づかなかった。

「た、ただいま....」

「そんなに驚くことかあ??」

眠い目をこすりこすり、父はツノモンに久しぶりだなと声をかける。ツノモンもおじゃましてますと頭(身体全体)を下げた。


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