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デジモン02 回るメリーゴーランド

66みけ:2008/10/28(火) 19:42:36


クーティェンモンの視界にとびこんできたのは、ひゅっと滑るようにメリーゴーランドに飛んでいく2匹のデジモンだった。

背には子供が乗っている。


その子供達の合図で、デジモン達の足元から金色の線がほとばしる。その光の縄は大きく円を描きながらメリーゴーランドを囲んでいった。


クーティェンモンは目を細めた。

さっきまで自分の催眠下にあったはずの少年の声が聞こえる。


「いい調子ですよ皆さん!完全にはメリーゴーランドを止めないで下さい!!」



大輔、賢、タケル、ヒカリ以外の選ばれし子ども達とそのパートナー達は、メリーゴーランドから少し離れたところで一カ所に集まっていた。

パソコン片手に指示を出す光子郎の横から、イオリが不可解そうな顔で先輩を覗き込む。


「どうしてですか??ヒカリさんの証言と合わせて、あのメリーゴーランドが白い壁を作り出してるものと分かったのでは??」


「ええ、でももうひとつみんなの話を聞いて気づいたことがあるんです」


ちらと光子郎がメリーゴーランドの方に目をやると、ペガスモンとネフェルティモンの光の縄がメリーゴーランドから繰り出された大量のコードによって断ち切られていた。イオリも気がついてあっと悲痛な声をあげる。

一方光子郎はのんびりとしたふうにパソコンの画面に顔を戻し、キーをいくつか打ちこんだ。


「大丈夫、想定の範囲内ですから。このままクーティェンモンの次の行動を待つ間、説明します」


ヴンとパソコンの画面が鳥瞰図に切り替わる。デジタル化されてはいるが、画面を覗き込むイオリとアルマジモンにはどこだかすぐ分かった。


「この遊園地だぎゃ!!」

「正解です。それと、さっきイオリくんのD3を調べさせてもらいましたよね??」

「あ、はい」


思わずD3を握りながら、イオリはパソコンをまたいじりだした光子郎に真剣なまなざしを向ける。

光子郎は湧き上がる好奇心を隠しきれないように目を光らせた。


「実はD3は特殊なデータの流れのようなものを感じ取って、マップに記録していたんです。これを乗せると...」


ピピッと青い線が地図に書き込まれた。イオリが通ってきた遊園地のアトラクションから丘の上までまっすぐ走っている。

イオリは興味深そうに画面を覗く。


「....これって他のデジヴァイスにも??」

「記録されていたんですよこれが」


スイッチが入ったようにキーボードを打ち込む光子郎はどこか嬉しそうだ。一人分ずつの線が次々と描かれていき、全ての色とりどりの線は丘の上へと集結していた。


感嘆するイオリとアルマジモンをよそに、満足そうに光子郎はパソコンから顔を上げ、結論を口にした。


「つまり、このメリーゴーランドはこの遊園地全体を司るメインコンピューターの役目をしているわけです。ですから完全に動きを止めてしまえばそれこそ遊園地の機能そのものを失ってしまいます」


「なるほど。そしたら中にいる僕達も危なくなってしまうわけか」


イオリはやっと納得がいったように手を打った。その側でじっと聞いていたアルマジモンは心配そうな表情を浮かべている。


「それならあいつがメリーゴーランドを止めようとしたら、どぎゃーするがや。あいつは俺たちを閉じこめようとしとるんだぎゃ??」


光子郎は、そうですね....とクーティェンモンを見上げた。赤い球体の中で、馬は体に白い文様を浮かび上がらせて、相変わらず宙に浮かんでいる。

ゆっくりと視線をアルマジモンに戻すと、光子郎は緩やかな調子で言った。


「それはないでしょう。人間だったらあるかもしれませんが、デジモンにはそういう自虐的な思考はないとみていいと思います」

「きゃぁぁ!!」


突然の刺すようなヒカリの悲鳴に全員素早くメリーゴーランドに顔を向けた。


コードが光の縄だけでなく、それを繰り出すデジモン達まで襲いだしたのだ。


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