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デジモン02 回るメリーゴーランド
52
:
みけ
:2008/10/20(月) 21:49:30
「――――いたたぁ〜....」
もう、なんなのよと足をさすりながらミミは立ち上がり、あたりを見回した。一面真っ白な霧に覆われている。確か赤いデジモンの背中にいたと思ったのに......
『ミミ...........ミミ..........』
自分の名前を呼ぶ声が聞こえてきて、少女は思わず身を凍らせる。
はっと振り向いたミミがみたものは、最初の冒険で出会ったデジモン達だった。
「レオモン...ピッコロモン..みんな......」
みんな、選ばれし子供達を守って消えていった優しいデジモン達。
みんなが、ミミと遊びたくてミミを呼んでいる。
予想外の光景に耐えられなくて、ミミは唇を噛んで目を伏せた。これの正体が何かは分かってる。こらえきれない思いが沸き上がってくる。これは懐かしさでも泣きたい衝動でもない、ただ.....
知らず知らずのうちに彼女は口を開いていた。
「...........何で、こんな事するの??」
デジモン達の呼び声が止まった。ミミは顔を伏せているので見えないが、ミミを一心に見つめているようだ。
それに気づかずに『純真』の紋章の持ち主は、ただ自分の心に身を任せて言葉をつないでいく。
「みんなは命をかけてあたし達を守ってくれた、大事な人達なの。それを――..」
小さなこぶしがその手入れされた爪が食い込むほどに握られる。
「その思い出を汚すみたいに......
みんなが全部投げ出して守ってくれたから、あたし達はこれからもっともっと頑張っていけるの!!
そんな大事な人達をこんなふうに軽々しく使わないでっ!!」
ミミの言葉とともににぶれだした幻影達は、彼女が顔を上げたときには立ち込める霧と共にデータの塵と化して消え去っていた。
白の代わりにあたりを埋め尽くすのは、漆黒のどこまで続くかも分からない闇だった。
いつもの彼女なら恐怖で動けなくなっていたかもしれないが、今は管理者への怒りと熱い使命感で暗い中でも奮い立つように感じていた。
暗闇の中で何かが見えたような気がしたのも、そのミミのまっすぐな気持ちが良い作用をもたらしたからかもしれない。
しんと静まり返り、自分の鼓動だけがトクトクと鳴る空っぽの空間の中で、『それ』は確かにこちらを見ていた。
なんだか小さいものみたいだ。
動き方を忘れてしまったかのように闇の中に立ちすくんでいる。なのでミミから距離を縮めていく。
トクトクトクトク―――――――――
――――――――――――ドクンドクン....
ミミは足を止めた。
小さい生き物との距離はミミのおおまた2歩くらい。
静かな空間の中ではそれでもなぜか相手の心臓が動く音が聞こえた。
目の前の可愛らしい友人を意外そうに映すまっくろな瞳。
そこには小さな光子郎がひとりぼっちで立っていた。
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