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デジモン02 回るメリーゴーランド

45みけ:2008/10/13(月) 23:12:54



ーーーーーーーブブブブブブ


「おっいたいた♪けーーーーーんっ!!!」


暗ーい緊迫した嫌ーな感じのする闇夜に響く、底なしの明るい声。


「ッ!!本宮ーーーー!!」


気づいた賢も羽音のする方に手を振り返す。そこには大きな黒いシルエットがあった。3つの小さな影がその上から顔を出している。


「へっへー遅かったなぁ♪あの後カブテリモンが結界破ってくれてさ、なっカブテリモン!!」

「照れますわぁ〜」


やっと顔が見える程近づいてくると、大輔がカブテリモンのかぶとをポンポンと叩いているのが見えた。他の二つの影はブイモンと女の子のようだ。


「でも、どーしてパートナーなしで進化できたんだろ??」
「それが謎だよなぁ〜」


「きっと、光子郎くんが近くにいるのよ」

呑気に腕を組む勇気のデジメンタルの保持者達の横で、確信ありげにミミが言う。彼女と顔見知りでない賢は、その真剣な顔つきに圧倒される。


ミミは大輔のDターミナルに届いたメールから、彼女なりに事態を掴んでいた。


ミミはアットホームな家庭で育ち、実の両親を亡くした光子郎の気持ちなんて分からない。しかしなぜか彼女の中では、不憫な子供であるはずの光子郎に対して怒りの炎が燃えていた。


何が過去にとらわれたままのデジモンよ、何が過去に無くした大切な人の幻影よ。そんなの、引っかかる方が悪いんじゃない!!


「とにかく、早くあの霧に入りましょ。みんな油断しないでね」

「「はいっ!!/はいな!!」」









ーーーーーー彼らのいる丘の右サイドとは反対の左サイドでも、テイルモンの進化形・ネフィルティモンにまたがったヒカリが低空を飛んでいた。


「ーーーヒカリ、あの霧....」

「うん、きっと光子郎さん達はあの中...」


目的地が分かっていてもヒカリ達が丘の下を飛んでいるのには訳があった。

ここに入ったときからヒカリが考えていたこと...


それはここの管理者、寂しさにとらわれたまま時間の流れがとまってしまっているデジモンをどうやって助けるか、という事をもう少し考えるためだ。


「でもヒカリ、そいつは光子郎をこの遊園地に誘い込んで閉じこめているのよ。きっとヤマトやイオリのことも...」


ネフィルティモンは黙り込んでいるヒカリに話しかける。ヒカリもゆっくりと口を開く。


「わかってる、確かにひどい事をしたわ。だけど....」


止まった時間の中で、ひとりぼっち...それがどれだけ寂しくて怖いことか、ヒカリは分かるような気がした。

きっとここのデジモンもそれに耐えられなくて、森に迷い込んできた光子郎さんをさらってしまったんだ..


再び口を閉ざして苦しそうに顔を歪めるヒカリを見て、ネフィルティモンもまた言葉をかける。

「ヒカリが考えてる事も少しだけわかる。ひとりは怖いことだ。ヒカリがそいつを助けたいと思うなら、一緒に考えましょう」


「ありがとう、ネフィルティモン」


そう、この子も孤独を知っているデジモンだった。ヒカリは、自分を捜してひとり放浪していたときのテイルモンの事を思い出して、優しく彼女の柔らかな背中を撫でた。




















こうして様々な思いを抱きながら、子供達はメリーゴーランドのある丘の周りに集まった。


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