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デジモン02 回るメリーゴーランド

44みけ:2008/10/13(月) 23:01:05






一方、タケル達はあんぐりと口を開けたまま空を見上げていた。






ーーーーーさっきまで霧で真っ白だった空が、まるで掛けていた布を取り払ったかのように一瞬で暗くなってしまったのだ。



何年も結界で囲まれていた遊園地は、久しぶりに夜を迎えていた。長い間使われていなかった街灯が、ゆっくりと灯をともしていく。


「イオリにも見せてやりたいだぎゃぁ」


電灯が徐々に道を形作っていくのを見ながら、のんびりとアルマジモンがため息をもらす。緊迫した空気を和ませる彼にタケルはにっこりと笑いかけた。


その横でパタモンはパタパタと大きく羽ばたきながら指を指す。


「そんなこと言ってる場合じゃないよ、あれを見て!!」


パタモンが示したのは、街灯の並木道が続く先、見えにくいがいまだに霧に包まれている高い丘の方角だった。

視界を少し右にずらすと、観覧車をもう少し行った上空を大きな影が横切っていく。


「何だろうあれ...」


タケルの帽子に着地したパタモンの大きな耳が、小刻みにピクピクと動く。

「分かんないけど..羽音からするとカブテリモン」

「カブテリモン..ってテントモンが進化したデジモンだがや??」


どういうことだぎゃと首を傾げるアルマジモン。うーんと一緒に首を曲げてみせるパタモン。


「とにかく、計画通りあの丘に行こう。カブテリモンもあそこに向かってるなら、僕達の行き先は間違ってないって事だよね!!」


「そうだね、タケルっ!!」


じゃ、行くよとタケルがパタモンにD3をかざすと、デジメンタルアップの声と共に、暗い夜を進化の光が照らした。











ーーーーー同じとき、賢とワームモンは観覧車の中にいた。ゲートは観覧車の一室に開いていたのだ。


「どうやら、あそこが怪しいね」


「すごい霧がかかってる....」


よし、と賢もワームモンをスティングモンに進化させた。他に誰があの丘まで行き着いているかは分からないが、時は一刻を争う。


なにせ光子郎救出計画始動から、早9時間が経過しようとしているのだ。実質光子郎が消えたのはさらに2日前の出来事。たとえ彼が無事でも、かなり衰弱しているに違いない。


そう考えた太一と京は、賢にビニール袋いっぱいのお菓子とかんぴょう巻きを持たせていた。お茶は賢が自分のを入れてきた。

ずっしりと重い右腕を踏ん張りながら、賢はスティングモンに声をかけた。


「ーーー仕方ない。気は進まないけど、スティングモン」

「分かったよ賢ちゃん。少し離れてて」


注意深くパートナーが後ずさると、スティングモンはその鋭い腕の一突きで観覧車の窓を破り、賢を抱えるとそのまま闇夜に飛び出した。


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