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デジモン02 回るメリーゴーランド

43みけ:2008/10/13(月) 21:04:42


とりあえずの危機を乗り切り、ふうと一息ついたイオリが足元の竹刀に気づいた一方、ヤマトもデジモンから目を離さずに素早く体を木馬の上に戻し、軽く息をはく。バンド練の帰りでラッキーだったな..


よく見ると、まだ目をしばたたせているデジモンの背中の上に何か倒れている。




目をこらす必要もなかった。今日ずっと彼らが血眼になって探していた人物がそこにいたのだ。






「ーーーーッ!!光子郎ーーーーーーーーーーーーーー!!!!」






えっとイオリも身を乗り出す。

変わらず回り続けるメリーゴーランドの動きに合わせてわずかに上下しながら、確かに光子郎はそこで安らかに眠っていた。


「よかった、無事だったんだ..」

「いや、まだ分からないぞ」


安堵のため息をもらすイオリに、見ろと言うように注意をもう少し下にそらさせるヤマト。

そこには気を取り直してブルルと鼻を奮わせながら目をむく馬型デジモンがいた。


「ここは一度引いて出直した方がいい。ここはこいつのテリトリーの中みたいだし、ガブモン達なしで太刀打ちできる相手じゃない」


冷静にデジモンを睨みつけながら話すヤマトの言葉に、そうですねとイオリも心の内とは裏腹に相づちをうつ。

本当は出直したくなんてない、やっとここまでたどり着いたのに....



ーーと、終わりそうだったヤマトの言葉は思わぬ方向にむかい出した。


「ーーーーだけど、それは俺達がここまでの道を覚えていたらの話だよな??」


「ーーーー僕は、覚えていません!!」




ヤマトの考えている事が自分と同じだと感じ取ったイオリは、竹刀を拾い上げながら答える。そうだ、ヤマトさんの紋章は確か『友情』だった。

ヤマトもイオリの強い口調にクッと笑いながら拳を構える。


「だと思った。気が合うじゃないか」


「それに、出直してからまた霧でうやむやにされたんではかないませんから」


行くぞ!!とヤマトが叫んだのを合図に、イオリは竹刀を握って馬車を飛び降り、赤いデジモンに切りかかった。同時にヤマトも光子郎の体を強く掴む。






実際この二人はこのまま敵を倒せるなんて思ってはいない。

二人の体を動かしていたのは、夢の中で自分たちを助けてくれた仲間がきっと来てくれると言う、強く燃えたぎる信頼だった。


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