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デジモン02 回るメリーゴーランド

35みけ:2008/10/09(木) 01:00:56



ピピッ


「お、今度はタケルだ」


ひとりつぶやきながら母の差し入れた麦茶片手にメールを開く太一。その隣には光子朗のパソコンの画面を見ながら同じく麦茶を一口ごくりと飲む賢がいた。



「京ちゃんにも転送してっと。空と丈はこっちに戻ってくるんだよな??」

「はい。京さんが一度にデジタルワールドをチェック出来るプログラムを組んだので、とりあえずこっちで話を聞きたいそうです」


ふうーとメール画面を開いたままDターミナルを賢に渡すと、太一はため息をついた。



ヤマトが消えたこと、空にどう説明したらいいんだろう。あいつの事だから落ち着いてみせてるんだと思うけど..


ちくりと刺す胸の痛みをごまかすように、太一はグビグビと麦茶を一気に飲み干した。

その横でメールを注意深く読んでいた賢に、ワームモンが膝から問いかける。


「何か分かったの??賢ちゃん」

「うん..はっきりじゃないんだけど」

「何だよ、聞かせろよ」


新しい麦茶のコップを片手に太一も身を乗り出す。


「さっきの八神さんと高石からのメールと、今までの事から考えてみると...」


賢は話しながらパソコンから太一の机の方に向き直り、さっきまでやっていた問題集の裏表紙を開いた。カチカチとシャーペンの芯を出す。


「これが僕達の世界、そしてこれが例の遊園地とします」


白いページに大きな円が一つと、一回り小さな内接円が大きな円の右端に描かれた。

「この遊園地は、現れたり消えたりしてました。現れると、中のデジヴァイスが表示されました。これって遊園地の中にゲートがある時に起きる現象だと思うんです」

「だからデジヴァイスを持ったひとが近づくときだけ現れたんだねっ??」


そうだね、と自分を尊敬のまなざしで見るパートナーに優しく相づちを打つ賢。

太一も手をあごに当てながら考え込む。


「なるほどな。ガブモンが森に残されちまったって言うのも、それなら納得がいく」

「でも、そうするとこの遊園地はデジタルワールドの一部って事ですよね。それなら京さんがもう見つけてるはずか..」


ページにもうひとつ内接円を囲む円を書き込みながら、うーんと唸る賢。


「いや、でも十分ありえる話さ。光子朗がいない分俺らいんてりじぇんす組は人手が足りないんだから、ここはデジタルワールド捜索組に直接きーてみようぜ!!」


さっき覚えたばかりの単語を駆使しながら賢からDターミナルを受け取る太一。京宛てのメールを作り始める。


「そういえば、本宮達はどうしてるんだろう。」

「確かにしばらく連絡がないよね」

「ついでに京ちゃんに聞いてみるか!何か俺ばっかり京ちゃんにメールしてて悪いなぁ一乗寺っ♪」



いや別に..と明後日の方向を見る賢に、ほほーと目を細めて見せる太一。

同じ紋章を持ってるとやっぱり性格って似るんだなぁと、こっそり大輔を思い出す賢。


急に太一はくるっとDターミナルに向き直り、カタカタと文章を打ち出す。









カタカタカタカタカタカタカターーーーーーーーー




「ーーーーーー長い、ですね」


「いやーついでのついでに二人の事も聞いてみちゃおうかなぁーなんてさっ♪いいよな♪」


え゛っと声を詰まらせる後輩を尻目に、にこにこと笑いながら太一はカチャッと最後のボタンを押す。



「はい送信っと」


気弱な賢は何も言えず、ただ肩をがっくりと落とした。

緊張をほぐしてくれるにも、何か他の方法があったんじゃ....



うなだれるパートナーを見上げながら、がんばれ賢ちゃんと心の中で応援するワームモンだった。


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