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デジモンフロンティア--受け継ぎしスピリット--

1銀狼:2007/02/22(木) 16:59:21
初めまして
銀狼っていいます
フロンティアの小説書いてみます、上手くなければ書くのも遅いですが、よければ見てやってください

2ヒカル:2007/02/22(木) 17:03:41
初めまして、ヒカルと言います。
フロンティアは珍しいですね。
どんなストーリーか気になります!
頑張ってください!!

3キッド:2007/02/22(木) 17:03:47
銀狼さん、初めまして『デジアド ザ・ベルガン・ウォー』を書いているキッドと申します。
フロンティアの小説ですか、頑張ってくださいね。応援してますよ
もし、宜しければ僕の小説も一度見てください。感想待ってます。

4銀狼:2007/02/22(木) 17:22:31
渋谷の地下に存在する、謎のターミナル。デジタルワールドへと繋がるターミナル。
かつて、デジタルワールドを救った6名の人間と、十闘士達の物語から15年…。
今、新たな物語が始まる…。

「行ってきます!」

勢いよく玄関の扉を開き、駆け出していく少年。

「炎!鞄忘れてる!」

母親の声で慌ててUターンし、鞄を受け取り走り出す。
神原 炎。バスケットをやっている少年。

同時刻…。
隣の家から1人の少女が出てくる。
「炎、おはよう。」
「よ、風見。」
彼女は織本 風見。炎の幼なじみだ。
「今日は一段と暑いね。」
「いいことじゃねーか。俺は暑いの好きだよ。」
夏、午前10時。
炎と風見の親が午前11時にある場所に行くと言った。
風見は母親、炎は父親が、先にその場所へと行っている。何故か風見は父親、炎は母親はその場所へは行かないらしい。
「一体なんだろうね。」
「父さんが子供のときの友達と会うって言ってたけど。」
「へぇー。そういえば私のお母さんと炎のお父さんは子供のときからの友達だもんね。」
それから歩くこと30分。
車が止まっている。
「父さん!」
炎の父親の車に乗り込む炎と風見。車内には風見の母親と見知らぬ男性と少年。
「え〜っと、初めまして。俺神原炎って言います。」
「初めまして。私は織本風見。」
初めましてと返してくる男性。どうやら少年は息子らしく、軽く背を叩くと、頬を染めて言った。
「は、初めまして……き、木村政宗って言います。」
「はは、人見知りなんだよ。」
「政宗ってカッコイイ名前だな!」
それで照れたのか、父親の背に隠れた。
「炎、虐めちゃだめだぞ。」
「父さん!」
おちょくられて思わず声を出した。
「ほらほら、話してる内についたわよ。」
そこは公園だった。だが、静かな場所だ。
「凄い。」
「遅刻だな。あの時同様に。」
炎の父親、拓也に向かって言葉を言ったのは輝一の双子の弟、輝二だった。
友樹の息子、氷期。
純平の息子、雷太。
そして輝二の息子、光輝。
「懐かしいな、この面々。」
「子供達を除いて…な。」
「…まさか子供達は知らないだろうな。」
「これから辛い宿命があるってことを…。」
「でも、今だけは、今だけでいいから、この平穏の時間を過ごさせたいの。」

炎、風見、政宗、光輝、氷期、雷太は知らない。
これから待ち受ける辛い宿命を…。

5銀狼:2007/02/22(木) 17:23:50
ヒカルさん、キッドさん、応援有り難う御座います!
頑張って書いていきたいです。

6銀狼:2007/02/22(木) 17:35:45
#1

「そろそろ…だな。」
腕時計を見た輝二が言った。
時刻は午後5時半。
6人の親たちは、持っていた携帯電話をそれぞれの子供達に託した。
「お母さん、一体何?」
「いいから、しっかり持っててね。ちゃんと、言う事は聞いてね?」
「え、どういうこと?」
風見が不思議そうに言うと、拓也がみんなに向かっていった。
「帰るぞ!」
「え?」
拓也の運転する車、純平が運転する車に乗り込み、家に向かう。
「父さん、ケータイ、どうすりゃいいの?」
「いいから、しっかり持っておくんだぞ。」
車は渋谷駅で止まった。
不思議そうに子供達は親に聞く。
すると、突然携帯電話が鳴った。

『これは、貴方の運命を決める戦いです。午後6時までにターミナルに来てください。』

何事かと思ったや否や、親達が子供達の手を引いてエレベーターに乗る。
「お父さん?!」
「いいから、絶対に、泣くんじゃないぞ。」
エレベーターが最下層についた。
そこは列車が1台だけ止まっている。
輝一は政宗を連れて列車の前まで行った。他の親達も同様に。
「頑張れよ。」
「泣いちゃだめ。みんなを引っ張って行きなさい。」
「寂しがるなよ。」
「みんなを、信じるんだぞ。」
「強く、なれ。」
口々に応援の言葉を言うと、軽く押し、子供達は列車の中へと入っていった。
「父さ―――!!!」
列車は即座に入り口を閉め、子供達の言葉が親に届くことはなかった。
列車―――トレイルモンはデジタルワールドに向かって、ゆっくり走り出した。

7ユッケ:2007/02/22(木) 17:45:21
はじめましてユッケと申します。
フロンティアですか〜。どんなものなのか私自身分からないので楽しみです!
そして月日が流れ全員にそれぞれに自分の息子や娘が誕生してますね。
そしてトレイルモンに乗せられた意味は?
次回も頑張って下さい!

8銀狼:2007/02/22(木) 21:08:30
#2

「なんなんだよ!」
荒れる炎が車内の窓を渾身の力で叩いた。
「落ち着きなさいよ。皆同じ気持ちなんだから。」
「でも…!」
親の気持ちなどわかるわけがない。
「雷太君も、何も聞いてないの?」
氷期が聞くと、雷太は首を横に振る。
氷期は政宗、光輝にも同じ質問をしている。
皆知らないんだ。
「とにかく、目的地につくまで、待とう?」
「そうだな、何かわかるかもしれない。」
落ち着いている政宗と光輝。
トレイルモンが止まると扉も開く。
「え〜っと、ここは?」
「人間!人間!」
「え?うわ?!」
そこには見たことない縫い包みみたいな生き物が大量にいた。
「あ、貴方達、何?!」
「「「デジモン!」」」
声をそろえて言うデジモンたち。
「で、デジモンって何?」
「見ての通り!」
「…(汗)」
デジモンに関しては何を言っても無駄と判断したのか、とりあえずここはどこかを聞くことにした。
「ここは何処?」
「デジタルワールド!」
「……もう少し詳しく。」
「(デジタルワールドというのに関してはどうでもいいのか、雷太。)」
何気ない光輝のツッコミだが、実際は同じことを繰り返すことになると思ったから
別の事を言ったのだ。
「ここは火のターミナル!」
「火の…、」
「「「ターミナル?!」」」

余計に頭がこんがらがった子供達は情報収集から始めることにした。
2人1組で3組。
氷期と雷太。
光輝と政宗。
そして、炎と風見。


「どこに何があるんだか。」
火のターミナルをうろつく氷期と雷太。
「これといって情報はなさそう。」
「デジタルワールドってなんなのか自体わかってないけどなー。」
確かにそうである。


光輝と政宗。
親が双子の兄弟であるために中々仲がいいみたいだ。
「何もないね。」
「デジモンとやらに聞いても何一つ教えてくれないなんてな。」
「そうだね。……?!」
突如暑さが増した。
汗が吹き出てくるほど。
「何…?!」
「―――っ、暑いな。」


暑さが増した火のターミナル。
「暑くなったな…。」
「流石の、炎、も…はしゃがないのね。」
「こんな見知らぬ地じゃ…な…。」
そんな2人の目の前に人型のデジモンが現れた。
「なんだ?!」
「…お前が、神原炎…か?」
「そうだ…けど、お前は?」
「我が名は…炎の闘士、アグニモン…!!!」

9デジロル:2007/02/22(木) 21:13:22
初めまして、デジロルと言います。
フロンティア編ですかぁ。
02とかテイマー系が多かったですからね、フロンティアは珍しいですねぇ。
時は流れ、そして子供達を生む。
しかし一体何故デジタルワールドへと送られたのか……? 気になります。
そして神原 拓也の息子、炎。
それが炎の闘志、アグニモンと出会う。
一体これからどうなるのか気になります。次回も頑張ってください。

10銀狼:2007/02/23(金) 20:25:18
遅くなりまして
ユッケさん、でじろるさん、応援有り難う御座います

11銀狼:2007/02/23(金) 20:38:38
#3

「大丈夫かな?」
ふと泉の漏らした言葉にそっと肩に手を置き、慰めるように拓也が言った。
「大丈夫さ。あいつ等ならきっと…十闘士と共に…やっていけるさ。」
「そう…よね。」


「アグニ…モン?」
赤き人型デジモン。それは自らをアグニモンと名乗った。
「あの、一体なんでしょうか?」
風見がそう言うと、アグニモンは鋭い目で風見をにらみつけた。
「ひっ?!」
「すまないが、今はこの神原炎と話させてくれ。」
「その、俺に…何か?」
「いきなりだが、神原拓也の息子の炎、お前の力を見せてくれ。」
アグニモンが炎を放ち、炎を囲む。
突然の事に慌てる炎と風見。だが、炎は一層激しさを増していった。
「な、な、な、何なんだ!!!」
炎に包まれ、そのまま炎は意識を失った。


「―――っ、ここは…どこだ?」
『これは、お前の意識の中だ。』
「?!」
突如頭の中にアグニモンの声が響く。
辺りを見渡すと、洞窟のような場所にいて、洞窟内はうっすら赤い。
「アグニモン、俺に何をさせたい?!」
『試している。』
「何をだ?!」
『お前の…神原炎が炎の闘士としての器の持ち主かを!!!』
「なっ?!」
『器を示し、この意識の牢獄から脱出するんだ!!!』
とにかく、このままじっとしているわけにも行かない。
道を見つけて、そちらへと歩き出す。

進めば進む程暑さを増す洞窟。
「何があるんだよ…器って…何?」
道が険しくなり、2手に道が分かれた。
1つは細く険しい道。落ちたらマグマへとダイビングすることになる。
1つは大きく光が見える道。ただ、周りが炎に囲まれている。
「どっちへ…?」
1つは細く、1つは大きく。
「……なんだ?こっちの道は、違う気がする。」
大きな道とは反対方向へと歩み始める。
細く、一歩踏むだけでパラパラの崩れ落ちた石が落ちていく。
「くそ……?!来た道が、消えている?!」
歩いてきた道が消えて、真っ白な空間へと変わっている。
「どうすれば…どうすればいいんだよ!!!」

12ユッケ:2007/02/23(金) 21:53:59
突然意識を飛ばされた炎。
しかし、アグニモンは試練と言って炎が炎の闘士としての器が在るかどうかを確かめる…。
果たして、炎はこの試練を乗り切れるのか?
次回も頑張って下さい!

13デジロル:2007/02/23(金) 22:40:01
アグニモンの炎の闘士としての試練。
炎はこの試練、乗り越えられることができるか!?
これからも頑張ってください!

14ベルフ ◆X104dp9eBs:2007/02/23(金) 22:56:04
初めまして!!僕ベルフといいます!
フロンティア編・・密かなファンにはとても嬉しいです!
これからも頑張ってください!

15銀狼:2007/02/24(土) 20:12:37
ベルフさん、デジロルさん、ユッケさん、応援どうもです

16銀狼:2007/02/25(日) 10:14:59
#4

「ねぇ!炎はどうなったの?!」
アグニモンに問い詰める風見。
「心配することはない。意識を失っているだけ…。いや、正確には意識の中にいるだけだ。」
「どういう…意味?」
「器を確かめている。」


足場の悪い道をゆっくりと歩む炎。
歩くごとに崩れていく。
「うわっ!―――と…あっぶねー。」
バランスを崩して落ちればお終い。
「アグニモンのやろー……憶えてろよ。」
ゆっくりと進んでいくと、気付けば道は細くなく、普通に歩道くらいの大きさになっていた。
「あっれ?あってたのかな?」
こちらの道でよかったと思い、歩いていくと不意を付くように声が聞こえた。

『お前は、道を間違えた。』

静寂。
「は…あ?!」
『お前は進むべき道を間違えた。永遠にこの意識の牢獄を彷徨うことになるだろう。』
それだけ言うと、アグニモンの気配は消えた。
「は?!ちょ、ちょっと待てよ!どういうことだよ!!」


「え、今の、どういう意味?!」
アグニモンは通常の世界から炎に直接言葉を言っていた。
「言ったとおりだ。炎は二度と目覚めないだろう。」
「何で?!」
「道を間違えた。それだけだ。」
無情にそれだけ言うと、アグニモンは立ち上がり、この場を去ろうとした。

「マテ。」

聞いた事のある声。
先ほどまで、自分が話していた少年の声。
「まさか……有り得ない。」
先ほどまで炎の寝ていた場所に立っている1匹のデジモン。

17デジロル:2007/02/25(日) 11:10:10
間違えたら永遠に目覚めない……それ凄く怖いですなぁ。
しかしアグニモンが有り得ないとまで言わせたその事象……。
一体何が起こったのでしょう!?
とてつもなく気になります。 次回も頑張ってください!

18ユッケ:2007/02/25(日) 12:57:20
間違えたら目が覚めないとは……炎はどうなってしまうのか?
そしてアグニモンが有り得ないと言わせた出来事とは?
一体何が…?
次回も頑張って下さい!

19グレン:2007/02/25(日) 22:54:55
銀狼さん、はじめまして。そして、挨拶が遅くなって申し訳ないです。

僕は、ここの管理人をやっております、グレンと申します。ヨロシクです。
『DIGIMON ADVENTURE02X』も書いております。またよければ見てやって下さい。

フロンティアの小説はすごく珍しいので、とてもありがたい気がします(^_^)
こちらも『2作目』として、やろうかとは思っていましたが、構成が練れず…orz
フロはあまり観れてないんですが、『ハイパースピリットエボリューション』は好きです(そこだけ!?)
『ダブル』もイイですが(論点がおかしい)

で、小説。地の文・構成・流れ――どれも素晴しく、見習わればなぁ〜、と(苦笑)
こちらの『02X』、展開の遅さは一級品です(自慢することじゃない)
まぁ、お互い頑張りましょう!

さて、アグニが驚愕… ヴリトラが出てきてくれるのか!?
ちょっと期待してたり。終わり方もGOODで、イイ演出になってますね♪
今後も頑張って下さい。マイペースで(笑)

20銀狼:2007/02/27(火) 18:59:04
グレンさん、はじめまして
管理人さんですか、なにとぞ、よろしくおねがいします
何が出るかは開いてみてのお楽しみ(何)

21ベルフ ◆X104dp9eBs:2007/02/27(火) 19:27:24
どうも、ベルフです。
何が出てくるのか・・・・・
炎が起き上がるとか・・・
次回楽しみにしています!!

22銀狼:2007/02/27(火) 19:36:59
#5


人間の少年が2人、森へと入っていった。
政宗と光輝のこと。
「何か出そうだなー。」
「その…光輝…は、この世界どう思う?」
「どうって、やっぱり凄いと思う。」
「何で?」
「だって、人間の住む場所とは違う環境で、違う生命がある。凄いことじゃないか?」
「うん…、そうだね。」

「あ、光輝〜!政宗〜!」
「雷太?騒がしいな。」
「光輝さん、何かわかりました?」
「(俺には「君」で何で光輝は「さん」なんだ?)そうだな、何かわかったか?」
「いや、何も…。」
「後は、炎と風見だけか。」
「炎君と風見さん……どこにいったっけ?」
「…見てないよ。」


「マテ。」

聞いた事のある声。
先ほどまで、自分が話していた少年の声。
「まさか……有り得ない。」
先ほどまで炎の寝ていた場所に立っている1匹のデジモン。
翼を広げ、その場に仁王立ちしている炎の闘士、アグニモンの対となる、ビーストスピリット―――ヴリトラモン。
「なぜ、なぜここにいる?!」
「……気がつけば、こうなっていた。」
「炎なの!?」
「よぉ、何だか外見が変わっちまったけどな。」
「…随分と予想外なことをしてくれるな。」
「んなこと言われてもな。いきなりわけわからねーことするあんたのほうが変だけどな。」
微笑しつつ、アグニモンは口を開いた。
「構わない。これから、君たちがこの世界に来たことについて、説明させてもらう。」
「お、本当か?!」

「風見ー!!!」
「光輝!政宗!氷期!え〜っと、誰だっけ?」
「雷太!」
「そうそう、雷太…。」
「おわっ?!なんだこいつ!」
「あ、姿は変わっちまったけど、俺炎。」
「………一緒にいた風見が頷いているんだ。恐らくそうなんだろう。」
ヴリトラモンへと変わった炎を見ても左程驚いた様子もなく、光輝はそう言った。
「役者は揃った。説明を開始していいかな?」
忘れ去られたアグニモンが痺れを切らしてそう口を開いた。
「あ、頼む。」
「誰?」
「アグニモン。」
名前を言われただけじゃ理解できない。
そう口にしかけたが、デジモンだと言う事はわかったので、言わなかった。
「いい加減説明させてくれ……。」
6人揃うと五月蝿くなったと感じ始めたアグニモンだった。

23ユッケ:2007/02/27(火) 22:42:50
炎がヴリトラモンになった事に全員が驚き!
そしてアグニモンが説明を開始しようとする…。
次回も頑張って下さい!

24銀狼:2007/02/28(水) 19:41:59
#6

「じゃあ、説明してくれ。」
「………もう話し合いはいいのか?」
「あはは…悪い悪い。」
「…15年前、6人の少年少女がこのデジタルワールドを救った。彼等は我々、十闘士のスピリットを受け継ぎ、十闘士へと進化することによって、悪しき力を持つデジモンを倒した。」
「6人…ってちょうど俺達と同じ数だな。」
「1人の少年は火の、1人の少女は風の、1人の少年は雷の、1人の少年は氷の、1人の少年は光の、1人の少年は闇のスピリットを受け継いだ。」
「火の闘士、ってアグニモンのことだよな?」
「そうだ。今、他の十闘士は私同様にヒューマンスピリット…つまり人型の姿をしている。」
「人型意外に何かあるの?」
「今、神原炎が火の闘士のビーストスピリット…つまり―――」
「獣型があるってことだな。」
「そうだ。」
「何で、俺獣型になったんだ?十闘士がそのスピリット持ってるんだろ?」
「…確かに、持っていた。」
「いた…ってことは、なくしたの?!」
「失くすなよー。」
「失くすか?フツー。」
「違う!失くしたんじゃない!」
虐めのように言われて思いっきりアグニモンは否定した。
「吹き飛ばされたんだ。」
「誰に?」
「デジタルワールドを破壊している存在…。」
「曖昧だな。吹き飛ばされたってことは会ったのだろ?」
「1人には…な。数匹いるようなのだ。私が会ったのは、言ってもわからないだろうが………ブラックセントガルゴモン。」
「うん、判らん!」
「「威張るな炎!」」
ナイスなツッコミをいれる光輝と雷太。
「その時にビーストスピリットは失われた…だからこそ、炎がその姿をしているのはおかしいのだ。」
「確かに…。失われた存在の姿をしているのはおかしいわね。」
「いや、俺は…あのときに、何かに会ったんだよ……。」
「あの時って?」
「私が炎を試したときだな。」
「そもそも、何で試したりしたの?」
「セラフィモンが、『この世界を救った子供達の子供が、又この世界を救ってくれる』と言って…試したくなったのだ。」
「え?!ちょっと待って………この世界を救ったって……父さんのこと?!」
「少女…ってことはお母さんは風の闘士のスピリットを受け継いだの?!」
「まぁ、そうだな。」
「炎、風見、それは後でいいだろ?まずは話を聞くべきじゃないか?」
「…それもそうね。」
「試す理由は…それだけ?」
「ああ……あの拓也の息子だからな。」
「『あの』…って父さん何したんだよ…。」
「それで、炎が会ったっていうのは?」
「あ、ああ。姿は炎でよく見えなかったんだけど………人じゃなかった。」

25デジロル:2007/02/28(水) 19:47:56
なんと炎、ビーストスピリット、ヴリトラモンに進化していた。
まあ失くした姿になっていたら、それは驚愕するわな。
さてはて、アグニモンからも説明を貰い、そして遂に炎の話が。
一体炎は何を見たのか……? これからも頑張ってください!

26銀狼:2007/02/28(水) 19:50:15
ユッケさん、デジロルさん、応援どうもです
何を見たのか…てところをギャグにしようかシリアスにしようか悩んでる現在です

27銀狼:2007/03/03(土) 12:26:46
#7

「それで、何を見たの?」
炎の顔を覗き込むように風見が問う。
炎は多少考え込んで口を開いた。
「四速歩行で……燃えるような鮮やかな橙色の翼が生えていた。」
「橙色の…翼か。」
炎は頷いて、話を続けた。
「俺が腕につけてる…『ルードリー・タルパナ』って言うんだけど、これもつけてたな。」
自らの腕についている武器を掲げる。
アグニモンは俯き、何かを考え始めた。
「それで、何か言っていたのか?」
光輝の質問に首を横に振る炎。
「何も…。」
「そう、か。」
政宗も同様に質問した。
「それで、炎君がそうなったのは、わからないってこと?」
「ああ。気付けば、なっていたから。」
「恐らく、神原炎が会ったのは火の闘士、エンシェントグレイモンだろう。」
「エンシェントグレイモン?」
「私は十闘士と呼ばれているが、真の火の闘士はエンシェントグレイモンだ。」
「じゃあ、アグニモンは?」
「まだ卵のようなものだ。」
辺りに沈黙が訪れる。
それを打ち破ったのは火の獣闘士、ヴリトラモンこと炎だった。
「まずは、何をすればいいんだ?」
「は?」
「だから、この世界を救うんだろ?そのためには何をすればいいんだ?」
「あ、ああ、デジヴァイスを持っているだろ?それの指示に従ってくれ。」
「「「「「「デジヴァイス?」」」」」」
「持ってないのか?」
「持ってないも何も、知らない。」
全員ポケット等を弄くるが、何一つ見つからない。いや、正確には携帯電話以外。
皆携帯電話を取り出す。
「そう、それだ。」
「でも、これ携帯電話よ。」
だがアグニモンは気にする事無く話を続けた。
「自分が受け継ぐであろう闘士に出逢ったとき、それはデジヴァイスへと変化するだろう。」
「え?でも、俺のは?」
「まずは人間の姿に戻らないと探せないでしょ。」
「まぁ、そうかも。」
風見に多少頭の上がらない炎だった。


「選ばれし子供が来たようだな。」
暗闇…。話し合う3体のデジモン。
「案ずるな……こちらにも、既に手ごまとして選ばれし子供を連れて来ている。」
「流石…この世界の秩序を乱すことの出来る『デジタルハザード』を持つデジモンだね。」
「ふ、まずは腕試しといこうじゃないか…。来い。」
呼ばれたものは、デジモンではなく少年。
赤黒い髪の毛で、短髪の少年。
「どう戦わせる気?」
「既に奴の体内には、デジモンが埋め込まれている。」

28ユッケ:2007/03/03(土) 18:44:11
遂に敵も動き出しましたね。
謎の赤髪の少年……一体、彼等の正体は?
そして炎達の運命は!?
次回も頑張って下さい!

29銀狼:2007/03/06(火) 19:28:11
#8


選ばれし子供達と火の闘士ははじまりの町を目指して歩いていた。
はじまりの町はその名の通り、全てのデジモンの人生(?)がはじまる場所。つまりデジモン達が生まれる場所。
「それで、何の為に行くの?」
炎の言葉に呆れたように溜息をつくアグニモン。
「だから、そこに十闘士の1人がいるんだ!」
「物覚え、悪いんだな。」
「いつものことよ。」

「これから大体何日くらいかかるの?」
政宗がアグニモンに対して質問をした。
「ああ、大体1週間だな。」
「1週間?!」
「ああ。」
「それって、もしかして歩き続けて?」
「いや、トレイルモンのいるターミナルへ行くまでが1週間だ。」
「じゃあそのトレイルモンって奴に会えば直ぐに行けるのか?」
「そうだ。」
「どーであれ、さっさと行こーぜ?」
「炎!少しは後先考えなさい!」
「考えるだけじゃどうにもならない、行動してから初めてことはなるもんだぜ?」
「…口だけは達者だな。」
「何か言ったか?光輝。」
「言った。」
「てめぇ!」
拳を振り上げ殴るような動作をする炎。だがその手に片手を添えて動きを止めた後に
自らの手で炎の頬で拳を止める。
「俺に喧嘩を売るのはまだまだ早い。」
舌打ちしながらも炎は微笑しつつ、ヤツアタリなのか、軽く雷太の頭を叩いた。

「ああ、そうだ。」
「どした?アグニモン。」
突然喋りだしたアグニモンに皆視線を向ける。
「炎よ、もしかしたら人間に戻れるかもしれないぞ?」
「本当か?!」
アグニモンの言葉に反応し、叫ぶように確認する。
その炎を制する風見と光輝。
「今一度意識の世界に戻ってもらうことになるが…構わぬか?」
「ああ!」
そう叫んだ瞬間、炎の視界は闇に包まれた。


意識の世界。
前回とは違い、うっすら赤かった洞窟内部ではなく、谷のような場所だ。

「……自販機?」

何故か場違いな自販機がある。よくみれば電話ボックス、公衆トイレ、仕舞いには公園があるくらいだ。
「俺の意識の中ってどうなってるんだよ。」

―――刹那、炎の頬を炎の弾が掠める。
熱さで言葉を失って振り返ると、鮮やかな炎を放つ魔獣の姿があった。

「…ヴリトラ…モン。」

30銀狼:2007/03/06(火) 19:34:22
ちょっとついでなんで、キャラの名前です

神原 炎(かんばら えん)
織本 風見(おりもと かざみ)
源 光輝(みなもと こうき)
木村 政宗(きむら まさむね)
柴山 雷太(しばやま らいた)
氷見 氷期(ひみ ひょうき)
それぞれの名前は属性にわけてます(政宗だけは名前の闇をつけるのが難しかったから)

31銀狼:2007/03/06(火) 19:43:45
ユッケさん、応援どうもです
彼の正体は実は…ゴニョゴニョ
実際は赤黒い、というよりは赤紫、ですかね?

32銀狼:2007/03/06(火) 22:57:09
#9


炎の魔獣がその手に装備しているルードリー・タルパナを炎へと向ける。
「よっし!なら俺だって反撃といく…か―――って人間に戻ってる?!」
炎の姿は元の姿へと戻っていた。
「おいおい、丸腰相手に武器使うかよ普通!」
構わず再度炎の弾を放つ。
それを走りながら避けつつ間合いを詰める。
「我流だけど、剣道やってんだぞ!」
公園にあった木の棒を拾い、頭を渾身の力を込めて叩く。

だが、表情1つ変えずに尻尾でなぎ払う。
木の棒は折れ、炎は地面へとたたきつけられた。
痛みで立つことさえ出来ずに、その場に倒れこんだままの炎の傍へとゆっくりと歩みを進めるヴリトラモン。
「―――っつ…なん…なんなんだよ!」
思わず叫んでいた。しかし、無視してその尻尾を振り上げた。

「『テイルウィップ』…。」

尻尾を振り下ろした。その尻尾は炎の右腕へと直撃した。
「っ?!がっ、ああ!!」
叩かれた右腕はミシミシと音を上げている。重みもあり、激痛で顔が歪む。
尻尾を再度上げると、叩かれた箇所は紫色に変色している。
炎の魔獣はその光景を見下ろしていた。
「っ…ぐ………て…めぇ!」
力を振り絞って地を蹴り、左腕で炎の魔獣の顔面へと拳をぶつけた。
怯む事無く又殴る。だが、ヴリトラモンは手を振り払うように振り、炎を吹き飛ばした。
「…根性だけは、人一倍だな。」
「んだ…と?」
「知っての通り、俺の名はヴリトラモン。炎の獣型闘士だ。」
炎の魔獣は挨拶すると、右腕を掴み持ち上げる。
「俺はお前のような根性のある奴は好きだな。」
「…デジモンに好かれても、嬉しかぁねー…よ。」
痛みに耐えながらも口にした。
「人は皆人型に向いているか、獣型に向いているかある。お前は獣型だ。」
「それ…で、俺と一体化…ってわけか?」
「そっ。」
炎の意識はそこで途切れた。

33ユッケ:2007/03/06(火) 23:05:34
ヴリトラモンの攻撃に苦戦する炎。
しかし、ヴリトラモンは炎を気に入った様子ですね。
そして意識を失った炎は一体…?
次回も頑張って下さい!

34銀狼:2007/03/06(火) 23:09:33
ユッケさん、応援有り難う御座います
ヴリトラモンの正確ってどう現せばいいか判らないのでとりあえず情報から熱血ということで
でも後先考えず書いてしまったので、どうすればいいか暫く考える必要ありです。(汗

35銀狼:2007/03/09(金) 17:42:44
#10


「あ、人間の姿に戻った!!」
炎が意識の世界にいって10分後…、炎の姿はヴリトラモンからもとの人間の姿へと戻った。
「でも…目覚める気配は感じられないな。」
「まぁ…そうね。」

『目覚めていないなら好都合だ。』

聞き覚えのない声が聞こえた。
声の聞こえたほうを皆が向く。そこには、灰色の翼を広げ、腹部に『X』の字が刻まれた青いデジモンが1匹立っている。
「エクスブイモン…だな?」
「あいつも、デジモン?」
政宗が言葉を言った瞬間、青い幻竜の腹部に刻まれた『X』の文字からエネルギー波が放たれた。
「っ!『サラマンダーブレイク』―――!!」
体を回転させ、炎を纏った蹴りでエネルギー波を弾いた。
「あっぶないなぁ!何するんだよ!」
雷太の文句を無視し、再度腹部の『X』の字にエネルギーを集める。
「正義感の強いエクスブイモンの種族が何故彼らを狙う?!」
「…関係、ないだろ。『エクスレイザー』―――ッ!」
「―――『ファイアダーツ』!」
手の甲から発する炎を飛ばし、エクスレイザーのエネルギーを拡散させる。
一瞬の間、エクスブイモンの動きが止まった。
その瞬間を狙ってアグニモンは両腕から炎を発した。

「『バーニングサラマンダー』―――!!」

炎は竜へと形を変え、エクスブイモン目掛けて放たれた。
竜を避けることに必死に見えるが、その視線が捕らえているのは間違いなく炎。
「『エクスレイザー』―――ぐっ!」
片方の竜はエクスレイザーと相殺し、もう片方はエクスブイモンを捉えた。

「油断、大敵だな。」
勝ち誇ったようにアグニモンが笑みを浮かべた。

36ユッケ:2007/03/09(金) 18:31:34
突然現れたエクスブイモン…
ワクチン種のデジモンなのに何故?
兎に角、エクスブイモンを押していますが……果たして…。
次回も頑張って下さい!

37銀狼:2007/03/11(日) 22:45:36
ユッケさん、応援有り難う御座います。
ワクチン種でもウィルス種同様にイイもワルイもいる…とかいうわけではないです、はい。
実は彼は○○○○で…(伏字で何も見えないっちゅーの)

38銀狼:2007/03/11(日) 22:59:45
#11


アグニモンの必殺技である『バーニングサラマンダー』を受けたエクスブイモンは
その場に片膝をついた。
「何故だ、何故彼らを狙う? 彼らはこのデジタルワールドを救う為に来たのだぞ?!」
「…知ったことか。」
「ならば、デジタマに還るがいい。『バーニングサラマン』―――」
「『エクスレイザー』―――!!」
アグニモンの手から炎を竜が放たれる直前
青き幻竜からエネルギー波が放たれた。
「俺は俺の目的を果たす。何人(なんぴと)たりとも邪魔はさせない!」

先程放たれたエネルギー波により吹き飛ばされたアグニモンの意識はブラックアウトした。
「アグニモン!!」
「クソ、俺達だって戦うぞ!」
光輝が叫んだ。だが、皆の表情は暗い。
「無理だよ……あんなの、人間の敵う相手じゃない!」
「そうだよ!無理だ!」
「御免、光輝………。」
口々に怯えて言葉を放つ。
だが、光輝は今一度叫んだ。
「諦めたらそこで御終いじゃないか!例え相手が人間の敵う相手じゃなくても戦わなければ何もしないで死ぬだけだ!」
「でも…、私達じゃどのみち死んじゃうわ!」
「だから…諦めるな!!やらなければ絶対に後悔する!死ぬんなら後悔しないで死にたくないのか?!」

「良い事…、言うな。光輝。」

一瞬の静寂。
先程まで眠っていた少年。神原炎の目覚め。

「炎!!!」

「―――ッち!」
刹那、エクスブイモンの胸からエネルギー波が放たれた。
「やばい!」
「逃げろ!」
エネルギー波をギリギリ避けた。
だが、エクスブイモンは既に目の前にいた。
「これで終わりだ!」
「どうかな?」
余裕有り気に答える炎。ゆっくりとポケットに手を入れ、何かを出した。
それは、携帯電話。
「何かと思えば…。そんなものがなんの役に立つ?!」
「立つさ。お前を倒すとかな!!!」
その瞬間、携帯電話は形を変え、赤と黒で構成された『何か』になった。

「デジヴァイスだと?!」

「見せてやる。俺の力を!」


『スピリット・エヴォリューション―――ッ!!』

39ユッケ:2007/03/12(月) 19:51:14
遂に炎がスピリット・エヴォリューションを発動させる!
これでエクスブイモンを撃破できるか!?
次回も頑張って下さい!

40銀狼:2007/03/13(火) 20:16:00
ユッケさん、応援有り難う御座います。
何だかこの先どうなるのかわからなくなってきます。(マテ)
デジヴァイスは拓也のと同等です〜よ。

41銀狼:2007/03/13(火) 21:17:35
#12


炎の体が炎に包まれた。
燃え盛る炎の中からは炎の羽、そして尻尾。現れた
のはヴリトラモン。

小さく舌打ちをしたエクスブイモンは翼を広げて空へと飛翔した。

「『エクスレイザー』―――!!」
「喰らうかっての!『テイルウィップ』―――!」

尻尾でエネルギーを拡散させた。
「ちっ…。ふッ!!」
上空から急降下し、体を回転させ自らの尻尾をヴリトラモンの顔面に当てた。
響き渡る音が止むと同時にエクスブイモンの腹部の『X』の字からエネルギー波が放たれた。
そのエネルギー波はヴリトラモンへと直撃した。
「炎!!」
その衝撃で吹き飛ばされるヴリトラモン。だが、翼を広げて空中で止まる。
「あっぶねーの。」
空中で両腕のルードリー・タルパナを構える。

「喰らえ!!『コロナブラスター』―――ッ!!!」

ルードリー・タルパナから熱線が放たれ、エクスブイモンの足を貫いた。

「がっ?!」
「よっし!」
地に下りてエクスブイモンに近寄る。
「これ以上やられたくなければ去れ。」
エクスブイモンは言われるがままに翼を広げてどこかへと飛んでいった。

42ユッケ:2007/03/13(火) 22:20:53
エクスブイモンを撃退しましたね。
相手の命を奪わず逃がしてあげるという所が炎の長所ですね。
一体、これからどうなるのか?
次回も頑張って下さい!

43銀狼:2007/03/14(水) 20:21:29
ユッケさん、いつも応援有り難う御座います(_ _)ゞ
やはりいくらデジモンといえど、命は大切ですからねー
しかし、内容が結構薄い…そして短い

44ベルフ ◆LLLLLLLLL.:2007/03/14(水) 21:24:12
エクスブイモンを倒し(?)ましたね。
エクスブイモンが攻撃してくるとは・・・何が起こったのか・・
しかし、アグニモンとヴリドラモンが同時にいると違和感があるような・・・ないような・・・・
次回も頑張ってください!

45銀狼:2007/03/16(金) 10:48:12
ベルフさん、応援有り難う御座います。
エクブイに関しての情報はいつか明かされます(いつか?!)
アグニとヴリトラの同時共存は確かに、
…違和感感じますね。殆ど同一人物ですし。

46銀狼:2007/03/16(金) 11:18:29
#13


「まず、元に戻れるの?!」
エクスブイモンが退却するや否や、即座に炎の魔獣、ヴリトラモンこと、炎に話しかける風見。
あまりにも突然だった為に炎の思考回路は停止した。
「風見、唐突過ぎるだろ。」
「そうかしら?」
炎の思考回路が再起動するまでに要した時間は大体5分。
ハッと我に返った炎は先程の質問を答えることにした。
「え〜っと…、大丈夫だって。しっかり戻れる。―――こんなことで嬢ちゃん心配しすぎだぞ。」
「へ?!」
「え?!」
炎の発した言葉に驚いた炎をのぞくその場の全員。
「あ、いや、ヴリトラモンだよ!!!俺じゃない!!!」
「アンタねぇ、そうやって言い逃れようったって意味ないわよ!!!」
「嘘じゃないって!!!」
風見の鉄拳がヴリトラモンの顔面へと当たった。
炎にダメージはないが、風見の手には大ダメージ。
「〜〜〜〜ッッ…。」
「さっきのは俺じゃない。ヴリトラモンの言ったことだ!」
「しかし、ヴリトラモンはお前だろう?」
「違う!あ、いや、そうなんだけど…。俺はヴリトラモンの一体化して進化しているわけで、ヴリトラモンの意識はあるんだ!」
「それが何で喋れる?」
「俺を使って。」
謎は深まるばかり。炎が進化するのにヴリトラモンの一体化して、
ヴリトラモンは喋るのに炎の体を使う…。
「まぁ、大体はわかった。」
「よかった。―――まぁわからなきゃただの馬鹿か。―――違う!今のはヴリトラモン!」
「………それは炎以外わからない。つまり炎が嘘を言っている可能性もあるってわけだ…。」
「え?!ちょ?!―――ぎゃああああああ!!!!!!!」

それから一時間。気絶していた炎が目覚める頃には外はすっかり夕闇に晒されていた。
炎はデジヴァイスを取り出すと、ヴリトラモンから人間の神原炎の姿へと戻った。
「ふーん、しっかり戻れるンだ。」
後ろから聞こえた声にビックリしたように振り返った炎。
そこには風見が立っていた。風見はデジヴァイスを取り上げるとまじまじと眺めた。
「これがデジヴァイスねー。いつか私も入手できるのかしら?」
「さーな。」
「興味なさ気ね。」
当然じゃん、と炎は言ってあたりを見回した。
「なぁ、政宗たちは?」
「食料集め。アグニモンが教えてくれた食料を集めているわ。」
「そっか…。」



「情けないな。」
「…ッ。すみません。」
暗闇の中、エクスブイモンと黒騎士。
エクスブイモンは黒騎士に跪き、謝罪を繰り返している。
「まぁ、相手は完全体とほぼ同等の力を持つ火のビーストスピリット、アグニモン。負けてもおかしくはない。」
「…すみません。」
「失敗は二度と許さん。次はお前1人では任せられない。」
そう言って黒騎士が手を翳すと、紺色の髪の少年。
「次は2人で成功させるのだな。」
「あれぇ?もしかして失敗したってわけ?」
「黙れ。」
黒いもう1匹が現れる。
「まぁ次は成功させるようにね。失敗したら僕の下僕が君たちを消すから。」
下僕、と呼ばれたのはその後ろにいるデジモンだろう。その姿は暗闇でよく見えない。
「はじまりの町で待ち伏せだ。行け、エクスブイモン、そしてスティングモンよ!」
先程までいた紺色の髪の少年は消え、深緑のデジモンが1匹。
エクスブイモンとそのデジモン、スティングモンはその場から消え去った。

47グレン:2007/03/16(金) 17:52:51
久々になってしまいましたね… 失礼しました。
ヴリトラ、強いですね〜。さすがは完全体!! …級のハイブリッド体。

意識の共有。巧く表現で来ててスゴイですね!!
地の文も、相変わらず上手いですし。
で、敵はブイ&蟲(違)…… なんだか、インペリアルも出そうで怖いです(すぐには出ないって)
パイルでも強いですしね…(何の話だ)

あと、URLの件は失礼… リンクフリー&許可とったモン以外は、極力貼らないようにしてるので…
で、もし貼るとしても、一番最後のページの『URL』のスレにお願いします…
勝手で申し訳ないです…

ついでですが、輝一の、あの「残像付きモーション」(笑)は僕も気に入ってますよ!!(何の話だ)
…長文失礼しました。今後も頑張ってください!!

48ユッケ:2007/03/16(金) 18:33:30
炎の勝利で終わりましたが……仲間には敗北しましたね。
意識が二つもあるとは……多重人格か?(違)
そしてエクスブイモンも仲間と合流し窘められてますね。今度はスティングモンと共に行く…!
まさか、この組み合わせは……!
次回も頑張って下さい!

49銀狼:2007/03/16(金) 20:26:15
グレンさん
実力面では完全体クラスなんですけど戦闘不慣れもあって現在は成熟期レベルですねぇ
幻竜&蟲コンビの登場は何時頃になるかは不明です(オイ)

URLのことはよくわかりました。今後気をつけます。すみませんでした。


ユッケさん
仲間とは戦えませんからね。
ヴリトラモンは実は炎を使って遊んでるだけだったり。(微笑)
エクブイの仲間…というか上司というか主人というか。(結局なんだ?)
いずれアレになると思います。

50銀狼:2007/03/17(土) 10:46:34
#14


エクスブイモンとの戦闘を行った日、その夜は光輝達は戻るのが遅れて風見と炎に怒られたそうだ。
アグニモンが見張りをしていてくれるそうなので、炎達はすぐに眠った。
この世界に来てまだ1日。慣れないことや知らないことが沢山あり、疲れていた。

夜が明けて、光輝と風見が目覚める。
「あ、…おはよう。」
「ああ、おはよう。」
まだ少し寝ぼけている風見より完全に覚めている光輝の方がしっかりとした声を出していた。
「起きたのか。近くに川があっただろ。顔を洗って来い。」
すぐにアグニモンが言ってきた。
光輝と風見は2人一緒に川へと向かった。
まだ人間界でいう5時。
他の皆が目覚めることはないだろう。

一方川では、手で水をすくい顔を洗っている2人。
「冷たいね。」
「朝だしな。」
顔を洗い終わった風見がポケットを探るが、ハンカチが見つからない。
少し動揺して探していると光輝がハンカチを差し出した。
「…使っていいぞ。」
「あ………有り難う…。」

「いや〜、いい展開ですなー。」
「炎君こういうこと好きなわけ?」
話しているのは炎と政宗。雷太と氷期は睡眠中。
草陰からしっかりと見ている。
「光輝って風見が好みのタイプなのかー。」
「え?炎君風見さんのこと好きなんじゃないの?」

ゴンッ、と鈍い音がした。
炎が木に頭をぶつけた音だったり。
一瞬光輝がこちらを見たが、直ぐに風見の方へと視線を戻した。
「〜〜〜ッ…、政宗、違うから。」
「違うんだ。てっきり相思相愛かと。」
「お前最初と比べると凄い変わったな。」

「何が変わったんだ?」
光輝の声が聞こえて驚いた。
驚いて動くことさえ出来ない。
ゆっくりと首を向けると、そこには光輝が立っていた。
「あ…はははは。んじゃ、御前失礼。」
そう言って炎は逃げ出した。
「あ!炎君ズルイって!」
政宗も逃げようと足で地を蹴った瞬間だった。
首に衝撃が走った。これは恐らく光輝が自分の首を掴んだ衝撃。
「あ…こ、光輝…?」
「政宗、やって良い事と悪い事があるんじゃないのか?」
「……………。(滝汗)」


「あ、炎。おはよー。」
「おー、雷太おはよー。」
「どこ行ってたんだよ。」
「あ…いや、…ちょっとね。」
炎は気付いていなかった。自分の背後に迫るありえない程の殺気を放った少年が立っていることに…。


「ぎゃ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!」

51ベルフ ◆LLLLLLLLL.:2007/03/17(土) 12:34:01
炎・・・・ご愁傷さまです・・・
安心して逝ってラッシャーい・・
冗談はさておき、光輝と風見・・・
親もこうでしたね・・・・純平がいましたけど・・
ま、とにかく頑張ってください!!・・・これ感想かな・・

52ユッケ:2007/03/17(土) 12:44:34
炎と政宗が……彼等に明日はあるのか?(おい)
光輝と風見が結構良い感じですね。
次回どうなるのか?頑張って下さい!

53銀狼:2007/03/19(月) 20:27:49
ベルフさん、応援どうもです。
純平の子供の雷太君はまだそういう感情を抱いていません。まだ……ね。(謎)
親でも上着だのと色々。でも拓也とも仲が良かったので、本命はどちらなのか…。

ユッケさん、応援どうもです。
きっと明日は来ます。でも来ないかも(どっちだよ)
光輝の一方通行で終わるかもしれませんけど(おい)

54銀狼:2007/03/19(月) 21:14:58
#15


「え〜っと……炎、大丈夫か?」
「ダイジョバナイッス。」
炎の頬の赤い痕。これは光輝の拳の痕。
今朝の事で光輝から鉄拳をもらっている。
「覗き見なんて性質が悪い。氷期、こんな奴等を見て成長するなよ。」
「う、うん。」
こんな奴等と一まとめにされた炎と政宗。だが、光輝が悪いわけではない。
炎のデジヴァイスの中にいる炎の魔獣、ヴリトラモンも笑いを堪えている。
「そもそも光輝が風見といい関係なのが悪いんだろ!!」
「は?何言っている。何が悪いのか詳しく説明してもらおうじゃないか。」
「ぐっ……!!」
「説明できないのか?」
明らかに笑みを浮かべている光輝を見て氷期は後日「光輝さんを見て成長したくない。」と語っている。
「まだ一夜目だぞ。そんなに言い争っていたらモタないぞ。」
「何がモタないんスか?」
不機嫌そうに炎が訊くとアグニモンは嫌そうに溜息をついた。
「精神的に、だ。何でお前等言い争ってるんだ。そんなイイ関係、ワルイ関係なんてどうでもいいだろ。」

「「よくない!!」」

何故か息ピッタリにアグニモンの言ったことを否定する炎と光輝。
本当に仲が悪いのだろうか。
「……も、いい。勝手にやっていろ。」
呆れたアグニモンがそう呟いてから言い争いは更にエスカレート。
一緒にいると騒がしいので、5メートル離れている。しかしそれでも五月蝿いものは五月蝿い。
「炎が覗き見するから悪いんだろ?!」
「だからお前等がこそこそしてるから気になるだろ!それが人間の性って奴だ!!!」
「黙れ!気になるから見る、じゃ『銀行強盗したいからする!』と同じじゃないか!!」
「違うね!」
「いや、同じだ!」
流石に堪忍袋の尾が切れたのか、炎がデジヴァイスを構える。

『スピリット・エヴォリューション―――ヴリトラモン!!』

「覚悟しやが……!!」
「口喧嘩でデジモン進化する馬鹿がいるかー!!!!!!!!」
アグニモンの鉄拳が炎を吹き飛ばす。
炎はそれで気絶してしまった。気絶すると同時に炎の意識が消え、変わりにヴリトラモンの意識が出てきた。
「炎!!」
「アイツなら寝ちまった。」
「寝たって……!」
「気絶、だ。」
心配した風見と政宗にそれだけ言ってゆっくりとアグニモンへと近寄った。
そして一発殴った。
「?!」
「これは俺…つまりビーストスピリットを飛ばされた分だ。」
「―――っ、すまない。」
「すまないで済むか、つーの。」
5人はその光景を見守っていた。
「何故、お前が神原炎の中に?」
「気がついたら。それと―――」
「まだ何かあるのか?」
そう言った瞬間先程よりも更に凄い力でアグニモンを殴った。
「これはさっき俺を殴った分だ。」
「あ、あれは炎を殴ったんだ!!!」
「俺も同一の体なんだz―――俺の体を奪うな!!!」
ヴリトラモンが反論しようとした瞬間、炎が目覚めたのかヴリトラモンから体を奪い返し、元の人間の姿へと戻った。
デジヴァイスの中のヴリトラモンは何か文句を言っているが今の炎には聞こえない、いや、聞こえてないフリ。
「光輝、俺は暫くお前と口聞かないからな!」
「こっちから願いたいくらいだ!」
結局2人は仲直りしなかった。子供達とアグニモンは大きな溜息をついた。

55ベルフ ◆LLLLLLLLL.:2007/03/19(月) 21:35:04
あ〜もう何から何まで親そっくりですね!!
親の顔が見て見たい(見てるだろ!)
つーか嫉妬ですね・・・拓也も・・かな?
アグニモンは天竺目指してほしいっす(違っ!)
次回も頑張ってください!!!!!

56ユッケ:2007/03/19(月) 22:11:39
ややこしいですね。(汗)
ヴリトラモンと炎の中身での言い争い……
最終的には光輝と喧嘩してしまい……。
一体どうなってしまうのか?
次回も頑張って下さい!

57銀狼:2007/03/21(水) 00:05:36
ベルフさん、応援有り難う御座います。
光輝のことが気に入らないんですよ、炎は。
嫉妬でもあったり妬みでもあったりと…。
親ソックリなのはやっぱり遺伝子の関係上ですね。
そしていずれは天竺へ(おい)

ユッケさん、応援有り難う御座います。
はい、ややこしいですよ(まて)
炎の体をデジモン化するにはヴリトラモンの精神が入らなければならないのでどんどんややこしく…。
光輝との仲は悪くなっていってます。まぁ炎の自業自得ですけど。

58デジロル:2007/03/21(水) 00:17:19
炎って、獣型タイプなんですね〜。(今更遅ぇ!)
エクスブイモンをヴリトラモンで撃破!(だから遅ぇぇ!)
って、ことはそれぞれ獣と人にタイプに合わせて分離するんですかね?
しかしアグニモンのツッコミが面白かったです。
そしてヴリトラモンとアグニモンの関係、結構面白いです。
でもやっぱパワーはヴリトラモンの方が上ですねぇ。
しかし炎、人間の性だとか……ねぇ。
次回も頑張ってください!

59銀狼:2007/03/21(水) 01:04:56
#16


歩き続けて彼是8日経過。
一週間のはずが、旅に慣れていない子供達のおかげで遅れたわけで。
それでもなんとかトレイルモンのいるターミナルには到着した。

「お〜、あれがトレイルモン?」

子供みたいに(子供だが)はしゃぐ炎。いつもならここで光輝が注意をするのだが―――炎と喧嘩したまま、
仲直りなどするわけもなく、亀裂の入ったまま。
「炎君…、その。」
「なんだよ、政宗?」
「光輝…の事なんだけど。」
「…アグニモン!トレイルモンには乗れるのか?!」
「―――…。」
『光輝』という言葉を言った瞬間に炎は話を逸らした。
「落ち着け。暫くは自由行動。このターミナル内ならどこでも行ってもいいぞ。」
炎は政宗の肩を叩いて「一緒に行こうぜ。」と言って走っていった。
政宗も慌てて後を追った。

雷太と氷期も炎達が行くのを見てそれを追いかけた。
4人は駅を見学し始めた。
残された風見と光輝。
「…炎の事、どう思ってる?」
風見の質問に光輝は表情1つ変えずに答えた。
「五月蝿い。協調性のない奴。」
「炎と仲良く出来ないかな?」
「…風見、俺は―――」

「初めまして。」

「「?!」」
突然の声に驚いて振り返った。
そこに立っているのは白い狼をイメージした格好。
「我が名はヴォルフモン。光の闘士だ。」

60ユッケ:2007/03/21(水) 18:33:45
炎と光輝の仲が戻らない様子で月日が流れていきますね……
そしてトレイルモンのターミナルに到着。
そして、光輝の前に現れたヴォルフモン。さては、彼が光輝の……。
次回も頑張って下さい!

61デジロル:2007/03/21(水) 18:36:57
炎と光輝、未だに仲が悪いままですね〜。
なんか敵にその部分、つかれそうな予感しますね。
そしてトレイルモンのターミナルに到着。
だがそんな所に光の闘志ヴォルフモンが!!
一体どうなるのか気になります。次回も頑張ってください!!

62龍一:2007/03/21(水) 20:46:44
始めまして、ここで、小説を書く龍一と言います。この小説見ました。
面白いですね。これからもがんばって下さい。(いきなりですいません)

63銀狼:2007/03/21(水) 22:02:36
デジロルさん、応援有り難う御座います。
2人の仲が戻る前にヴォルフモンと遭遇しました。
敵につかれる…そそそ、そんなことないですよ?!(謎動揺)
十闘士は連絡取り合っているわけではないのでどこにいるとかは噂です。

ユッケさん、応援有り難う御座います。
8日も経過しましたからねー。
自分なら多分友情戻ってます(黙れ)
光輝が受け継ぐスピリットはヴォルフモンなのか、はたまたガルムモンなのか…?
これは自分でも考えてません(考えろ)

龍一さん、応援有り難う御座います。
いきなりでも全ッ然構いません。
よろしくお願いします。

64銀狼:2007/03/22(木) 19:40:33
#17


光輝たちの前に立つのは光の闘士、ヴォルフモン。
「一体なんのようだ。」
「決まっている…。私は源光輝、お前を試しにきた。」
「…十闘士っていうのは何かと試すことしか出来ないのか?」
だが光輝の言葉はヴォルフモンの耳には届かなかった。
そして光輝は意識を失った。


ターミナル見学中の炎と政宗、それと雷太に氷期のメンバー。
その中で突然政宗が炎に言った。
「炎君、光輝と仲直りしてほしいんだ。」
「…なんで?」
「僕は……、炎君と光輝が仲悪いままなの、嫌なんだ。」
空気が一瞬で重くなった。
「俺も―――いや、なんでもない。」
言いかけてやめた。
政宗は、少なくとも炎が光輝のことを嫌ってないと知って安心した。


「『メガフレイム』―――!!」


刹那、巨大な火炎が炎達へと向かっていった。
「?! 避けろ!!」
炎の叫び声で驚いていた3人がハッとして、物陰に逃げた。
「敵か…スピリット・エヴォリューション―――」

沈黙。
炎の姿には変化がなく、デジヴァイスは何の変化も見せない。
「?! どういうことだ?! ヴリトラモン!」
デジヴァイスのなかのヴリトラモンも理解できないようだ。
「進化できないのか、丁度いい。」
現れたのはオレンジ色に青いしま模様の恐竜。
『グレイモン…炎、逃げろ!』
デジヴァイスの中のヴリトラモンは叫んだ。
だが、進化できないことに驚いていてとても動けるような状況じゃない。
「炎!」
「炎君!」
「炎さん!」
雷太、政宗、氷期も叫んだ。
炎はハッとした瞬間、眼前に迫るグレイモンの尾に気付いた。
だが、時既に遅し。巨大な尻尾は炎の体を吹き飛ばした。
炎は壁にぶつけられ、意識を失った。衝撃が強かったのか、血液も出ている。
「炎君!!!」
「やばいって…氷期、アグニモン呼んで来てくれよ!」
「でも…今出たら…。」
間違いなく炎の二の舞。運が悪ければ死ぬ可能性もある。
「でも!このままだったらどの道死んでしまうんだぞ!」
「だったら、雷太君が行って来てよ!!」
喧嘩。
命の危機。少しでも長生きしたい、という心が人の精神を支配する。
他人を蹴落としてでも自分を生かそうとする人間の醜い心。
「…くく。」
グレイモンの口の端が上がった。
これが本当の狙いなのかもしれない。政宗はそう思った。なら―――
「僕が行って来る。それまで、炎君が死なない様に見ていて。」
自らその役を買って出る。これしかなかった。
「お、おい!死んじまうかもしれないのにか?!」
「あのデジモンの狙いが、人の憎しみ、憎悪…つまり、人の醜い心を曝け出すことが狙いなら。」
「……分かった。俺が囮になるから。」
雷太がそう言った。
政宗は一言有り難うと言って、ターミナルの入り口を目指して走り出した。



「どこだ、ここ。」
草原。地平線が見える。
光輝は気がつけばここにいた。
見渡す限りの草原。心地いい場所だ。
「…そうか、ここが俺の意識の世界か。」
炎の体験談を思い出し、ここがどこか気付いた。
とすれば、道も何処かにある。そう思って歩み始めた。

65ユッケ:2007/03/22(木) 21:21:54
今度は光輝が試練を受けるみたいですね。果たしてうまくいくのか?
そしてターミナルに現れたのはグレイモン!炎もすぐさま進化しようとしたが……何故か出来ない。
このグレイモンを倒せる方法はあるのか?
そして光輝の試練の結果は……?
次回も頑張って下さい!

66銀狼:2007/03/23(金) 21:26:57
ユッケさん、応援有り難う御座います。
光輝の試練、炎とは違って冷静なのできっと成功するんじゃないですか?(訊くな)
エクスブイモン、スティングモン、グレイモンとくればあとはあいつが…。
炎の進化不可の理由は…!
これからもよろしくお願いします。

67銀狼:2007/03/24(土) 18:28:01
#18


歩き続けた。何分かなんて考えてすらいない。
とにかく歩いたが、どこまで行っても同じ。景色は変わらない。
自分の意識なら、此処は心の世界。自分の心を示しているのだとすれば、自分の心は何一つない、ということなのかもしれない。
光輝はそう考えた。
だが、同時に心の中なら不安になる必要もない。
自分が思いさえすれば何か起こるかも知れないということを考えたからだ。
光輝は、目を閉じて、何かを考えた。
その何か―――それは……。



「逃がすかぁ!!」
飛び出した政宗に向かって口から炎を吐き出す。
だが、政宗は物陰に隠れ炎を回避する。
「―――っち!」
舌打ちをし、炎を止めた瞬間、目の前に雷太が現れた。
「このウスノロ恐竜!炎吐くしか出来ないのか〜?!」
見え透いた挑発。だが、こんな挑発にも乗ってくれるグレイモン。
「こンの!!グレイトホーン!」
自らの角を突き出して雷太へと突撃する。雷太は慌てて逃げた。
だが、その隙に政宗はグレイモンの視界から消え、入り口へと向かって走り出した。

「炎さん。」

氷期は炎を起こす。
気絶していただけの炎は直ぐに目覚めた。
「…氷期?」
体を動かそうとすると、激痛が走る。
グレイモンの尾を受け壁にぶつけられ、骨が折れたかもしれない。血が流れているのは頭部からのようだ。
「炎さん、立てる?」
「ああ―――ッ…。大丈夫だ。」
氷期の前では年上として強がって見せるものの、傷みは凄まじく、炎の体を動きを邪魔する。
「フラフラしてるじゃない。僕に捕まって。」
炎の手を強引に肩に回し、ゆっくりと歩き出す。
「はは…悪いな。」
「いいから。雷太君が囮になっている間に、早く。」
動きは遅いものの、雷太が上手くこちらに視線を向けないよう誘導している。
グレイモンの背後を周って先程まで隠れていた物陰へと移動する。
そこで炎は壁にもたれ掛かる。
「ヴリトラモン……、何で進化できないんだ?」
『光輝との喧嘩の所為じゃないのか?それで精神が安定せずに、俺と同調出来ない。と俺は考えた。』



光輝の目の前に現れたのは台座。そこにあるのは携帯電話。
「炎の携帯電話はデジヴァイスへと変化した。」
光輝はそれだけ呟くと携帯電話を手に取った。
光輝の想いに答えるように携帯電話は形を変え、デジヴァイスへと変化した。


『スピリット・エヴォリューション―――!!!』

68ユッケ:2007/03/24(土) 18:42:14
進化出来ない理由は喧嘩による精神が情緒不安定化ですか。
しかし、その頃光輝は自分の持っていた携帯をデジヴァイスに変化させる!
そして、遂に…!!
次回も頑張って下さい!

69デジロル:2007/03/24(土) 20:03:16
炎が進化できないのは喧嘩が原因ですか。
まあ別に嫌ってない相手と喧嘩するのはちょっと嫌ですよねぇ。
そして光輝もまた進化する。光輝は人型か獣型かどっちか気になりますね。
次回も頑張ってください!!

70銀狼:2007/03/24(土) 20:35:11
ユッケさん、応援有り難う御座います。
進化できない理由、ショボイですかね?
精神的な安定がないと出来ないっていうのはちょっとやってみたかったんですよ。
デジヴァイスへと変化した携帯電話にスピリットが入ってるとは自分では思えません(おい)

デジロルさん、応援有り難う御座います。
そうですねー、嫌っていない相手と喧嘩したら仲直りが余計にしにくいかと。
光輝の進化はそれはまぁ対照的ですね。

71ベルフ ◆LLLLLLLLL.:2007/03/24(土) 20:51:29
炎は仲直りしてほしいですね・・・
あーゆうとこも拓也に似てますね・・・
僕の場合「にがすかぁ!」って言われたら、「逃げるわぁ!」と返しますね。(いらねぇ!)
光輝が進化するのはベオウルフモンとかいっちゃいそうなきがします・・
次回も頑張ってください!!

72銀狼:2007/03/24(土) 20:55:28
#19


「本当か?!」
政宗の報告を受け、驚いたアグニモン。だが、驚いている程余裕はない。
政宗を強引に引っ張りグレイモンの居場所へと向かう。

「それで、炎は何で戦っていないんだ?」

政宗の報告は「グレイモンに襲われた」とだけ。
炎が戦っていない理由(わけ)は話していない。
「え〜っと、進化できなくて…。」
「光輝との喧嘩が原因か。」
「そうなの?!」
「他に炎に何かあったか?それ以外考えられない。」
言われて見れば、と政宗は納得した。


「もう逃げられないな。小僧!」

壁際まで追い詰められた雷太。正に絶体絶命。
「この馬鹿恐竜!こっちを向け!」
氷期が挑発するように言うが、さっきの失敗を何度も犯すわけがない。
しっかりと学習機能くらいはついていた。目先の雷太へと殺気の混じった視線を向ける。
「…絶対絶命……あ、国語の小テストで出たな…ってこんなこと言ってる場合じゃないって!!!」
人間、死に直面するとどうでもいいことが頭に浮かぶものだ。
「このガキ……喰らうか、燃やすか…どっちがいい?」
「え〜っと、生かして返す…ってのは駄目?」
「当然だろ!」
しっかりツッコミを忘れないグレイモン。
恍けているのか素なのか…。

「…やばいって…。ヴリトラモン、もう一回だ。」
『お前のその体で出てもどうにかなる状況じゃないぞ。』
「雷太さえ救えればそれでいい!だから…頼む!」
『……分かった。』

『スピリット・エヴォリューション―――――ヴリトラモンッ!!』

今度は確実に、進化を遂げた。
燃え盛る炎を翼を広げ、動かない体を宙へと浮かす。
「『コロナブラスター』―――!!」
自らの持つルードリー・タルパナから放たれる熱線。だが、
前回の時よりも数段威力が落ちている。
だが、それでもグレイモンの右腕を貫いた。
「がぁ?!……このガキィ…?!」
子供だけだと思っていたグレイモンの目の前にはデジモンが立っている。
驚いたが、直ぐに正気に戻り、口から炎を吐き出す。

「ちッ…。」

炎は舌打ちをして上手く攻撃を避ける。
「『グレイトホーン』―――!」
グレイモンの角はヴリトラモンの体を捉えた。
「っ―――!!」
痛みで声にならない声を上げた。
ヴリトラモンの腹部からは血液データが溢れ出ている。
「これで、終わりだぁあ!!!」
数歩下がり、先程同様に自らの角を突き出し突撃してくる。

「万事休す…か。」



「『ツヴァイ・ズィーガー』―――ッ!」



諦めた炎の目の前には白の狼を連想させるような姿をした何か―――人型の…デジモン。

「……ヴォルフモン。」

炎の言葉ではなく、ヴリトラモンの口からその言葉が出た。
「立てるか?炎。」
光輝の声。
だが、その場に立つのは光輝ではない。
エンシェントガルルモンの力を受け継ぎし光の人型闘士―――
「これからは、光の闘士、このヴォルフモンが相手だ!!!」

73銀狼:2007/03/24(土) 20:57:26
ベルフさん、応援有り難う御座います。
#19書いてる時にメッセージ来てますねー。(人事か)
流石にダブルスピリット進化は、無理です。
「逃がすかぁ!」と来たら「捕まえてごらんなさーい」って自分は言います(関係ねぇ!!)

74ユッケ:2007/03/24(土) 23:47:31
炎がピンチに陥った時に、遂に…遂に光輝が登場!
しかし、ただの光輝ではありません(当たり前だ)
光の闘士ヴォルフモンとして登場!
これでグレイモンを倒せるか!?
次回も頑張って下さい!

75デジロル:2007/03/24(土) 23:55:15
ヴリトラモンに進化して、グレイモンと対決!
されど前より実力が落ちている。やっぱりまだ喧嘩の後の後遺症が……。
その時、光の人型闘志、ヴォルフモンが!
てか、この闘志、って光輝かそれともヴォルフモンかどっちか気になります。
次回も頑張ってください!!

76銀狼:2007/03/25(日) 17:43:17
ユッケさん、応援有り難う御座います。
ヴォルフモンの実力は大体成熟期レベル、グレイモンと同等ですね。
しかしバトル慣れしていない分やや光輝不利ですね。
だがグレイモンは右腕をコロナブラスターで貫かれていますからやっぱり同等です。

デジロルさん、応援有り難う御座います。
喧嘩の後遺症、というか傷の所為、というか…。
ヴリトラモンの力でも傷は癒えませんからー。
きっとイイとこ取りの為に(違ッ)ヴォルフモンは来たんです。
さっきまでヴォルフモンと光輝は別々でしたからどっちなのか不明です。

77銀狼:2007/03/25(日) 17:55:25
#20



「光輝…なのか?」
ヴリトラモンの口から出た言葉は炎の発した言葉。
だがヴォルフモンは答えようとはせず、自らが持つ光の剣、『リヒト・シュベーア』を構えた。

「さっきはユダンしたが……、今度はそうはいか―――」

言葉を言い切る前に貫かれた右腕の穴にリヒト・シュベーアが突き刺さった。
「ぎゃああああ?!」
「油断?じゃあ今のは何だ?」
冷たく一言言うと、突き刺したリヒト・シュベーアに足をかけ、力の限り踏みつけた。
グレイモンの叫びが木霊するなか、光の闘士は突き刺さったリヒト・シュベーアを引き抜き、
左手をグレイモンへと向けた。

「『リヒト・クーゲル』―――!」

左手から光の弾が放たれグレイモンの右腕へと当たる。
ヴォルフモンは血だらけの右腕をその光の剣で両断した。

「ああああぁああぁぁァアアあああァ!!!」

耳が痛くなるほどの叫び声が辺りに響いた。

「『ツヴァイ・ズィーガー』―――。」

両手のリヒト・シュベーアを1つにつなげ、
グレイモンへと斬りかかった。

だが、攻撃されることはなかった。
ヴォルフモンの右手をヴリトラモンが、左手をアグニモンが押さえた。
「…アグニモン。」
ヴォルフモンの体が光り、光輝へと戻った。
ヴリトラモンも同様に炎へと戻った。
「……光輝。」

78デジロル:2007/03/25(日) 19:22:18
うわ、非情!!
グレイモンにとどめを刺しに、ヴォルフモン行きました!
だが攻撃を止めたのは、アグニモンと炎=ヴリトラモン。
ていうか、光輝は人型だったんですね〜。
冷静沈着ですから、やっぱ人型っぽいですもんね。
まあ代わりに炎は本能の獣っぽいから、獣タイプなんですね。
ですが、なんか険悪なムードになりそうな予感します。
これからどうなるのか気になります。これからも頑張ってください!

79ユッケ:2007/03/25(日) 21:49:49
余りの強さゆえに暴走し掛けましたね。
しかし、炎+アグニモン=ヴリトラモンのおかげで何とか止めは阻止しましたが…?
グレイモンは大人しく引き下がってくれるのでしょうか?
次回も頑張って下さい!

80銀狼:2007/03/28(水) 19:17:48
普通に遅いけど……

デジロルさん、応援有り難う御座います。
ヴォルフモンの性格ってこんな非情じゃなかったはずなんですけどねー。
でもいつかは狂う(失礼)はずですよね?(訊くな)

ユッケさん、応援有り難う御座います。
グレイモンが素直なら引き下がるでしょうね。
素直じゃなければ引き下がらないでしょうね。

81銀狼:2007/03/28(水) 20:33:24
#21


光輝は糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ちた。
「おい、大丈夫か?!」
心配するアグニモンと炎。ふと、炎は隣でもがいているグレイモンのことが気にかかった。
「グレイモン、大丈夫か?」
人間の姿ということすら忘れてグレイモンに近寄った。
大丈夫じゃないのは一目瞭然。それに炎とてこの恐竜に痛めつけられた。
だがその事すら今は頭にないようだ。言い換えればすぐに忘れる鳥頭。(外道)
「ふん、お前には関係ない……。」
意地はった。
「目の前で苦しんでいる奴がいて見捨てる馬鹿がどこにいるんだよ。」
「そんなじゃないが、馬鹿なら目の前に。」
呟くように悪態をついたアグニモンを睨み付けた炎。
「アグニモン、どうにかして傷治せないのか?」
「はじまりの町に行くのが遅れるぞ?」
「いいから!」
「……薬草を取りに行く。」
アグニモンは薬草を取りにいった。
グレイモンは動揺している。何故自分を助けるのか、と。

「炎君、何考えてるの?!」
グレイモンの考えている事をそのまま政宗が言った。
「だーかーら、目の前で苦しんでいる奴を放って置く馬鹿がどこにいるかって。」
「…馬鹿なら目の前に。」
先程のアグニモンと炎の遣り取りをしらない雷太がそう言うと、ターミナルには断末魔の叫びが木霊した。

薬草を取ってきたアグニモンから薬草を受け取り、グレイモンの右腕に貼り付ける。
「よっしゃ、終わり。」
「炎、下手糞よ。」
いつの間にかいた風見に言われて見直すと不器用差がよくわかるほど下手糞に張られていた。
風見はそれを見てため息を1つ。
「と、とにかく、グレイモンはこれで大丈夫だろ。安静にしてろよ。」
「あ、ああ…。」
炎のデジヴァイスから一言。
『口説き落とすなら人型で女性型にしておけー。』
「口説き落とすって…!!!てめぇヴリトラモン!!!」
ヴリトラモンの冗談を真に受けて腹を立てた炎はデジヴァイスを壁に向かって投げつけた。
壁に当たったデジヴァイスには外傷1つ見当たらないが、一時的に機能が停止した。

「デジモンキラー、だな。」
さらっとアグニモンまで。
「ちげぇよ!!!」
「炎君、僕は…うん、一応信じてる。」
「一応ってなんだよ?!」
「炎、どうなっても私は知らないわよ。」
「どうなっても、ってええ?!」
「炎さん、その歳では…。」
「違うっての!!!」
炎の叫びで気を失っていた光輝がヨロヨロと立ち上がった。
「……っ、五月蝿いぞ。少しは静かに出来ないのか?」
まさか光輝はふざけてヴリトラモンの言った言葉でこんな状況になったとは考えられない。
ただ炎が騒がしいだけだと思ってる。

「……炎、ヴリトラモンの言う事を真に受けるな。」
「アグニモン、やっと分かってくれたのかよ。」
「デジモンを口説くな。」

「分かってねぇえええェぇええぇえええぇぇ!!!!!!!」

今回の被害
炎の精神にダメージ99999
炎のHP
-99994

82ベルフ ◆LLLLLLLLL.:2007/03/28(水) 20:40:09
炎の精神がもうボロボロ・・・・
しかもなんか微妙に−99994ですし・・・
ヴリドラモン女性『型』って・・・・
今回は突っ込みどころ満載ですね!
次回も頑張ってください!!!

83デジロル:2007/03/28(水) 20:47:36
炎の精神力、ほとんどボロボロになってますね。
しかしまあ皆、炎に精神的ダメージをドンドン与えてますなぁ。
しかしヴリドラモン、なんか色々と面白い事を。
アグニモンも全然解かってませんな。
本当もう面白すぎです!! 次回も頑張ってください!!

84ユッケ:2007/03/28(水) 21:49:12
ヴリトラモン意外とジョークが言えるタイプ?
全員に違うイメージを植え付けられたおかげで炎の精神的ダメージと身体的ダメージが半端じゃないですね。
そして光輝は無事なのか?
次回も頑張って下さい!

85銀狼:2007/03/29(木) 22:49:18
ベルフさん、応援どうもでス。
炎のHPは5なんです。
大ダメージ受けて―99994なんですよ
女性型、っていうのはテイマーズのレナモンの「デジモンに性別はない」ということから
女性型という表現です。

デジロルさん、応援どうもでス。
面白かったなら嬉しいです。
RPGならゲームオーバーですよ(笑)
意外と皆サディs(以下略)
ヴリトラは炎をからかったつもりだったのに真に受けて皆勘違いしてます。
―――ベルフさんもなのですが、『ヴリドラモン』じゃなくて『ヴリトラモン』ですよ。

ユッケさん、応援どうもです。
冗談好きなんです、きっと。
勘違いの皆さんも本当は理解している人もいるはずですよ。
きっと今後も炎はデジモンをオトしまくるに違いない(マテ)

86銀狼:2007/03/29(木) 23:08:28
#22


「進化した時の負担が大きいな。これは暫く移動できない。」
炎を散々からかった後、光輝の具合の悪さに気がついた。
負担が大きかったから抵抗力が弱まり、同時に風邪もひいてしまったようだ。
「何処かに寝泊り出来るような場所あるの?」
氷期がアグニモンに尋ねた。
周りは機械だらけ。
「ああ、安心しろ。このターミナルは昔は色々とデジモンがいたから寝泊りできる場所もあるはずだ。」
「あるはずってことは絶対って訳じゃないのね。」
風見が残念そうに呟いた。
「あー…、俺はこのターミナルに詳しいから、案内しようか?」
黙っていたグレイモンが口を開いた。
ボロボロの右腕を治そうと努力してくれたお礼だろうか。
「頼むよ。」
雷太がそう言った。
グレイモンは体を起こし、
ゆっくりと歩き始めた。―――いや、グレイモンにとってはゆっくりでも大きさ、つまり歩幅の違いで雷太達にとっては
十分早かった。

グレイモンが案内したのは古い館。
このターミナル唯一の扉の付いてる建物だ。
グレイモン程の大きさでは入れないが、雷太達にとっては丁度いい。
光輝を運ぶアグニモンも後になってやってきた。
「部屋は4つか…。」
風見は女の子、ということで風見は1人、雷太と氷期。政宗と炎。アグニモンは風邪をひいている光輝と一緒になった。
ヴォルフモンとヴリトラモンは光輝と炎のデジヴァイス内にいるので別に部屋は必要ない。
「ウワッ?! あ、なんだよ。グレイモンかよ。」
窓から景色を見ようと炎がカーテンを開けたらグレイモンの目が移った。
「何か用か?」
「いンや、別に用はねーよ。」
カーテンを閉めて深く溜息。
部屋の確認。
ベッドは2つ、ソファが1つ、そして謎にクレヨンと画用紙が1つずつ。
「何なんだ?」
「僕が聞きたいよ。」
それを見て再度溜息。

炎と政宗は雷太と氷期の部屋を確認した。どうやら完璧に同じらしい。
アグニモンと光輝の部屋に入ってみたが、光輝はまだ寝ている。(一回炎の五月蝿さで目覚めたが……。)
「かーざーみ、入るぞ…ってえぇぇえぇ?!」
扉を開けると風見の部屋にはベッドが1つ、ランプが1つ、ソファとテーブルが1つといった炎達の部屋にはない物が多々おいてある。
「これってやっぱり女の子だからかしら?」
風見は嫌味のようにそういった。

87デジロル:2007/03/29(木) 23:18:38
進化した時の負担があるんですねぇ。
しかも光輝の場合、風邪も引いてしまいましたしねぇ。
炎の場合、別になんともなかったのに。体力に違いが出たんですかね?
それともなんか特別な場合があったんでしょうか?
部屋にもなんか違いがありますが……。
これからどうなるのか気になります。次回も頑張ってください!

88銀狼:2007/03/30(金) 18:51:22
デジロルさん、応援有り難う御座いまス。
進化の負担はないほうが不思議というか…炎がおかしいというか…。
部屋の違いはやっぱり女の子だからでしょう。

89ユッケ:2007/03/30(金) 18:55:32
光輝が風邪をひいたので、一旦ターミナルの休める場所へ…。
部屋に置いてあったクレヨンや画用紙。何か意味があるのでしょうか?
そして、男子と女子の部屋の差……(汗)
何故に?
次回も頑張って下さい!

90銀狼:2007/03/30(金) 19:12:33
#23


風見の部屋を見た後、自分達の部屋に戻り、炎はベッドに倒れこんだ。
そしてそのまま眠りに付いた。
「寝付くの早いなー」
炎から寝息が聞こえることで眠ったことに気がついた政宗は起こさないように
部屋を出た。
政宗たちの部屋から右に2つ目の部屋。光輝とアグニモンの部屋のドアをノックする。
「入っていいぞ」とアグニモンの声が聞こえた。
部屋に入るとソファに座るアグニモン。
「アグニモン、光輝の熱は?」
「この部屋に風邪薬があった。すぐに下がるだろう」
「そっか、有り難う」
一言お礼を言って政宗は部屋から出て行った。
外は夕日に晒されてターミナルは橙色に輝いていた。
「もう直ぐ夜……か」
部屋に戻って政宗も眠りに付いた。
今日は色々あった。
グレイモンと会って、死の恐怖を感じたり、光輝がスピリットを受け継いで、風邪をひいたり。
そんなことを考えている内に眠りに付いた。


政宗は深い闇にいた。
どこが上で、どこが下なのかわからない。
落ちている感覚がする。けど、昇っている感覚もする。
目を開けても暗闇。見えるのは、自分の姿のみ。
「……これが、僕の心の中?」
それが頭に浮かんだ。
けど、十闘士とは出会ってない。アグニモンは炎。ヴォルフモンは光輝。
それ以外のスピリットはヴリトラモン以外会っていない。
「―――父さん、母さん」
突然両親が恋しくなった。
一週間程会ってないだけなのに―――

今一度目を開けた。そこには、自分以外にもう1人。
黒の鎧、七つの目玉。
『聞こえるか?』

その声に頷いた。
『私だ―――■■■■■だ』
聞き取れない声。いや、聞き取れているのだが、それを言葉と認識しない自分の脳。
「誰ですか?」そう言った。
言ったつもりだ。だが、言葉はまるで水の中にいるかのように泡になって消えた。
『……そうか、まだか……』
その人物は残念そうに言った。
自分には理解できない。
『今は眠れ。そして、目覚めろ、本当の自分に』
それだけ言うと、その人物の姿は消え、辺りを光が包み込んだ。

「―――きろ」

「……え?」
「起きろ!政宗!」
突然大声で叫ばれた。
飛び起きた―――と同時に自分を起こした人物の頭に自らの頭が直撃した。
「いっつ?!……って〜」
「痛て……、あれ?炎君」
拍子抜けの声を出した。
「……それが親切に起こしてやった人に頭突きをした後の第一声か?」
不機嫌そうに嫌味を言った。
「あ、御免……」
「飯だぞ。ほら、さっさと行こうぜ」
夢の事を話そうか……って思った。
けれど、やめた。
いつか自分で、解決するだろう……そう思ったから。

≪#23 end≫

91銀狼:2007/03/30(金) 19:14:58
ユッケさん、応援有り難う御座いまス。
部屋に置いてあったクレヨンと画用紙は多分意味はありません(おい)
部屋の差についてはやっぱり女の子だからですよ。
これからもきっとそんな差別があるでしょう。

92デジロル:2007/03/30(金) 19:21:24
政宗の夢の中にあのデジモンが……!!
ですがまだ政宗には名前が聞こえてないようですね。
つまりは炎や光輝と違って、覚醒はしてないようですね。
闇の属性を持つ政宗、夢を見て、少しアレですね。
これからどうなるのか気になります。次回も頑張ってください!!

93銀狼:2007/03/30(金) 19:41:38
デジロルさん、応援有り難う御座います。
あのデジモン……結構ヒント出しましたからねー。
ちょっと台詞が某死神漫画に似てた気が……(汗)
政宗の弱気な部分の所為なのかもしれませんよ?(訊くな)
闇っていうのが一番危ないですから。

94銀狼:2007/03/30(金) 20:41:17
#24


明け方。太陽が昇る前にアグニモンは目を覚まし、部屋を出る。
次に風見。太陽は既に昇っている。時刻は大体6時半くらいか。
自分の部屋から出て外に出る。
「あ、アグニモン。おはよう」
「ああ、風見か」
挨拶を交わし、グレイモンを見上げる。
結構大きく鼾を書いているが、寝ている人では誰一人起きていない。
それほど疲れていたのが分かる。

次に起きたのは雷太。
「あ〜……、氷期、起きろー」
寝ている氷期を起こす。
まだ眠たそうに瞼を擦りながら氷期の体を揺する。
「ん〜、お母さんあと5分だけ……」
母親と勘違いしている氷期を強く揺すると氷期は目覚めた。
「あ〜……雷太君……」
寝癖があるが気にせず雷太は氷期をつれて部屋を出た。
炎と政宗の部屋のドアを開ける。
既に起きた政宗がカーテンを開けた瞬間だった。
グレイモンの顔が見えるが、気にせず雷太に挨拶する。
「おはよう、雷太君」
「おはよー。炎は?」
「これからだよ。ほら、炎君起きて!」
氷期を起こすように体を揺する。

館から出るとアグニモンが朝の食事を集めていた。
既に火もついている。
肉リンゴを風見が持って来た。
「おはよう。ほら手伝って」
串を取り出す。何時の間に用意したのだろうか。
それに肉リンゴを突き刺し、火元に立てる。
「あ、そうだ。アグニモン」
政宗がハッとしてアグニモンに尋ねた。
「光輝の熱は下がったの?」
「ああ、朝には既にな」
「よかった」と政宗は呟いた。

肉リンゴが焼けたようで、風見は数本手に取ると光輝の部屋へ向かった。
炎達も直ぐに食べ始めた。
政宗や氷期が一本食べ終える頃には炎と雷太が1本をめぐって喧嘩している。


光輝の部屋、風見は持って来た肉リンゴの内2本を食べ、残りの肉リンゴを既に目を覚ました光輝に渡している。
「悪いな、風見」
「いいのよ。あっち五月蝿いし」
「そうだな」と言って光輝が笑った。


結局グレイモンに渡すということで喧嘩は収まった。
「じゃあ今日行くのか?」
アグニモンに雷太が尋ねた。
「ああ。光輝の体力は回復しきっていないだろうが、暫くはトレイルモンの中だ。十分回復するだろう」
どうやら今日このターミナルを立つようだ。
炎は自分の左側にいる橙色の恐竜に尋ねた。
「グレイモンはどうするんだ?」
恐竜は笑って答えた。
「勿論、炎について行く!」
「そうか――― ってえぇええぇ?!」
突然言われて驚いたのは炎だけではない。
その場にいるアグニモン以外の全員が驚いた。
「な、な、なんで?!」
「何でって……そりゃ命を奪おうとした俺の事を助けてくれたから―――」
グレイモンのせめてもの恩返しだろうか。
「炎、デジモンを落とすなよ……」
「またそれかよ!」
昨日と同じ事を言われて炎は腹を立てた。
「しかしだな、グレイモン。私達はトレイルモンに乗るのだぞ?」
アグニモンはそう言った。
グレイモン程の大きさがあったらとてもトレイルモンに乗れない。
だがグレイモンは悩む事無く言った。
「だったら俺が退化すればいいんだろ?」
「確かにアグモンなら大丈夫だな―――って退化?!」
アグニモンは突然言われたことに驚いたようだ。
しかし炎達はよく理解していない。
「お前、進化と退化を自由に出来るのか?!」
「ああ。 進化はグレイモンまでだがな」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。どういう意味だ? 進化とか退化って……」
気になった炎が口を開いた。
アグニモンは咳払いをして、説明を始めた。
「デジモンは長い年月を経て次の段階へと進化することが出来る。
幼年期から成長期、成長期から成熟期、完全体、究極体という順にな」
「ふーん。それで、何で退化出来るのがおかしいんだ?」
進化についての説明の後にアグニモンは退化についての説明をした。
「退化とは前の世代へと変わる。それはつまり今まで溜めた自分の経験を手放すことなんだ。
だから退化したら又前回と同じ経験をつむことが必要なんだ」
「……??」
案の定というか、炎は理解していなかった。アグニモンは深く溜息をついた。
「あー……僕達は理解できたから」
苦笑しつつ氷期がそう言った。

≪#24 end≫

95デジロル:2007/03/30(金) 20:45:40
ほぉ、グレイモンは退化を自由にできるという事なんですね。
しかしアグニモンも驚いてますね、退化が自由にできる事。
しかし炎、デジモンを落とす上手いな(やから違うて)
ツンデレか? ツンからいきなしデレで(そやから違うて)
しかし炎、あんまり理解してないですな。アグニモンの言った事。
これからどうなるのか楽しみです。次回も頑張ってください!!

96ユッケ:2007/03/30(金) 21:15:06
グレイモンも炎達に付いて行くと表明しましたね。
炎のデジモン落とし第一号者がグレイモンですか。(違)
そして政宗の夢の中に出てきたデジモンが分かる日はいつなのでしょうか?
次回も頑張って下さい!

97ベルフ ◆LLLLLLLLL.:2007/03/30(金) 21:24:43
新たにグレイモンを加え、一行はまた旅立ちますね・・・
『ヴリドラモン』ではなく『ヴリトラモン』でしたか・・・これは失敬(汗)
グレイモンには期待しますね。何に進化するのだろうか・・?
次回も頑張ってください!!

98銀狼:2007/03/31(土) 07:52:57
デジロルさん応援有り難う御座います。
進化退化自由と考えると常に強い世代でいる場合が必然的に多くなってしまいます。
まぁ強いほうがいいんじゃないかと。
炎はデジモンを口説き落とす事が天才的に上手いんですよ。無自覚で(一番性質悪ッ)

ユッケさん応援有り難う御座います。
これから二号三号と増えていきますよ(確定)
仲間が増えるっていうのは良い事ですよ。役立たないのも多いだろうケド(一言余計)
政宗の夢に出てきたのはあいつなのかあいつなのかあいつなのかあいつなのか……(多ッ)
きっと本当の自分に目覚めたら名前が明かされます。

ベルフさん応援有り難う御座います。
落とされたグレイモンはしっかりと付いていきます。地の果てまでも(おい)
グレイモンの進化ってそのままグレイをつけていけばいいのか路線を外れるべきなのか悩むところです。
言葉の間違いは沢山ありますよ。
自分も「選択肢」を初めてみたとき「せんたくぎ」と間違えてましたから(爆)

99銀狼:2007/03/31(土) 18:16:58
#25


「それと、グレイモンに名前を付けるか」
「―――え?」
アグニモンは突然そう言った。
「グレイモン種は結構存在するんだ。もし同じグレイモンに遭遇したら、名前がないとどちらを呼んでいるか分からないだろう?」
「あ、成程」
今度はしっかりと理解できたようだ。
炎達は暫し考えた。
先ず炎から。
「そのまんま、グレイでいいんじゃね?」
「それじゃあ退化してアグモンになったら合わない」
次に氷期。
「じゃあモン」
「全部のデジモン含んでしまうだろ」
次に政宗。
「ん〜っと……、アグレイ」
「いや、確かに通じているが、ゴロ悪いだろ」
最後に雷太。
「じゃあウォーは?いきなり戦い挑んできたし……」
「そうだな、それで行くか」
「いや……俺は普通に呼んで欲しいのだが……」
グレイモンの意見は全面無視。
そして名前はウォーズで決定した。

それから少しして、風見達が来たのでトレイルモンのいる場所へと向かう。
駅の改札口のような場所を抜けて線路が見える場所。
そこの1匹、トレイルモンがいる。
「乗るぞ。ウォー、さっさと退化しろ」
「お前の言い方腹立つな」
愚痴りながらもしっかりと退化を始める。
グレイモンの体から粒子が出始める。まるでその粒子が今まで体を覆っていたように拡散し、その中からアグモンが現れる。
「へぇー、これが退化かー」
「デジモンの退化は滅多に見れないからな。進化ならともかくとして」


トレイルモンの客車に乗り込み、それぞれ適当に腰を下ろす。
汽笛が聞こえたと思ったら、トレイルモンは動き出した。
「お、結構揺れあるんだな」
「……炎君、列車を何だと思ってたのさ」
呆れたように政宗は言った。
氷期は流れる景色を興味津々に見ている。
雷太は速攻で乗り物酔いしたようだ。
「アグニモン……うぷ……酔った……」
「ちょっと、こんなところで吐かないでよ!」
アグニモンよりも先に風見が注意する。
「お前も景色を見ていろ」
アグニモンはそう言うと雷太の首を窓側へと曲げる。しかも強引に。
「痛たたた!!!」
角度80度曲がっている。
雷太はアグニモンの手を振り払って景色を見始めた。
そんな光景を見て光輝と政宗は苦笑している。
「あのさ……、光輝」
腫れ物を触るような態度で炎が話し掛けてきた。
光輝は小さく溜息をついて一言、「なんだ」と言った。
「……悪かった」
一瞬の沈黙。
炎にとってこれが精一杯の謝罪。
「ああ、構わない」
「光輝……」
「有り難う」。そう言い掛けた瞬間に光輝が付け足した。
「ヤキモチ妬いただけだろ?」
微妙に笑っている。
勿論おちょくっている。

「……てめぇ光輝ぃぃ!!人が下手に出てれば調子に乗りやがってぇえぇ!!!」

炎は本気で怒った。
この2人はこのままでいいのかもしれない。
「列車内で進化するなよ」
更にからかう様に言った。
「五月蝿い!お前なんてこのままで十分だ!!!」
「じゃあ俺は進化するかな?」
「こンのやろぉぉおぉおぉ!!!」
火に油を注いでいるように見えて、そんなことはない。
本気で怒っているように見えて、そうでもない。
2人にしか分からない強い絆が此処に生まれた……。

≪#25 end≫

100デジロル:2007/03/31(土) 19:11:12
炎と光輝、仲直りしたのかと思えばまた喧嘩。
まあこの2人はこれで仲が良いんでしょうねぇ。
そしてグレイモン=アグモンにも名前が、ウォーズというのが。
しかしコレ、ウォーグレイモンになるというメッセージなのですかね?
雷太は列車に弱いんですねぇ。次回も頑張ってください!


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