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デジモンアドベンチャー02 〜光と闇〜

1ヤム&マリ:2006/10/15(日) 15:49:09
皆さんお久しぶりです。
僕たちもここへ移りました。
これからもよろしくお願いします。

2天神彰竜 ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 17:05:01
 おお・・本当にお久しぶりです。お元気でしたか?
僕は、天神彰竜です。もとの名前は・・・分かりますね?

 荒らし対策のために、プロジェクトDF(小説板を守るための作戦)
を実行したんですが・・小説が初めからになってしまいましたね。
すいません・・何かお手伝いができる事があったら、どんどん
言ってください。昨日、小説は今までのところをおわしたので!

3ヤム&マリ:2006/10/15(日) 18:01:27
すいません。
最近忙しいので今までのところお願いできますか?
よろしくお願いします。

4グレン:2006/10/15(日) 18:42:58
あ〜、忙しい…
コピーは…竜さん(略しすぎ)に頼んでいいスか?
こちら、葉月さんのヤツ他でいっぱいいっぱいですので…

5天神彰竜 ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 18:46:01
今までのところ・・・ですかぁ・・・分かりました。
忙しいのはお互い様です・・・僕は一応は暇なので・・・
では、書かせていただきます。

6天神彰竜 ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 18:48:36
 あの・・・やっぱり、僕の名前で投稿はやらないほうが
いいでしょうか?僕がまちがったら、お二人に迷惑が
掛かりますよね・・どうしたらよいでしょうか?

7ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 18:55:26
第一話 謎の転校生 前編
この春、大輔たちは中学生となり、タケル、ヒカリ、大輔は同じクラスになった。
そして始業式が終わり、三人が帰る途中
「おーい!!ヒカリ―!!大輔―!!タケルー!!」
太一が走ってくる。
ヒカリ「あっ、お兄ちゃーん!!」
太一「どうだみんな、入学祝いに久しぶりにデジタルワールドにいくか。他のみんなも行くぞ。」
大輔「太一先輩。ちょうど俺たちもそのことについて話してました。」
太一「そうか。じゃあみんなでいくか!」
そして、、、、、
京「選ばれし子供達!!出発!!」
そしてデジタルワールドについた。
ヒカリ「あー懐かしいねー」
大輔「そうだね。ヒカリちゃん」
と言った瞬間!!!!
ドゴォォォー――――――――――ン!!!!!
前方で巨大な爆発がおこった!!
大輔「な、なんだーーー!!」
タケル「とにかく行ってみよう!!」
ズオォォォー―――!!
後から何かが飛んできた!!
「うわああああああああ!!」
みんなはその勢いで飛ばされた!!
太一「なんだあれは!!」
それは真っ黒な鳥人間デジモンだった。
その姿はガルダモンそっくりだった。その上に人が乗っていた。
???「どうだ獏哉(バクヤ)」
よくみると爆発した所にも一体デジモンがいてその上に人が乗っている。どうやらそいつが獏哉らしい。
獏哉「いやここにもない。そっちはどうだ?純人(ジュント)」
どうやらガルダモンそっくりのデジモンに乗っているのが純人らしい。
どちらもヒカリ達と同じくらいの年齢である。
純人「いやむこうにもない」
二人は太一達にきずいていない。
大輔「おい!!お前らだれだ!!」
大輔が怒鳴った。
獏哉「ああ?なんだぁ?」
純人「お前らか選ばれし子供って」
獏哉「え?!マジ!?こいつらがぁ!!」
大輔「ああそうだ!!俺たちが選ばれし子供だよ!!」
太一「お、おい大輔」
ヒカリ「大輔君!!」
純人「ん?」
純人がヒカリの顔を見た。
純人「お前がヒカリか?」
ヒカリ「え?」
純人「ダークガルダモン!!」
ヒュ!!
ヒカリ「きゃあぁぁぁぁ!!」
太一「ヒカリ!!」
いつのまにかヒカリはデジモンに捕まっていた。
伊織「ヒカリさんをはなせ!!」
純人「教えろ!!こいつがヒカリか?」
タケル「ああそうだ!!ヒカリちゃんをはなせ!!」
タケルの言葉を聞いて純人はにやけた。
純人「そうか。ならこいつはもらっていく!!」
太一「なんだって!!」
後編へ続く

8ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 18:55:48
第一話 謎の転校生 後編
太一「どう言う事だ!!」
純人「言ったとおりだ!!八神ヒカリはもらっていく!!」
大輔「どうしてヒカリちゃんを!?」
純人「こいつは俺達に必要な力を持っている!!」
獏哉「純人!!!」
純人はしまった!!という表情になった。
獏哉「おまえはいつも隠し事ができねえなあ!!」
純人「しまったなあ。こいつらどうする?」
獏哉「どうって、ばれたんだから消すしかないだろ!」
太一達は身構えた。
パートナーとも会ってない状況でどうすればいいか。
獏哉「いくぞ!!ダークワーガルルモン!!」
獏哉の乗っていたデジモンはワーガルルモンそっくりだった!!
ヤマト「どういうことだ!?」
空「ねえ!あのデジモンさっきダークガルダモンって言ってなかった?」
太一「おい!どう言うことだ!!教えろ!」
純人「知る必要はないよ!!ここで消えるんだから!!」
ヒカリ「いや!!離して!!助けてお兄ちゃん!!みんな!!」
純人「お前は仲間の死ぬ所を見るがいい!!やれえ!!ダークガルダモン!!」
獏哉「行けぇ!!ダークワーガルルモン!!」
ズバァーー!!!
「「グギヤァァァァァァァ!!」」
二体のデジモンは吹っ飛んだ!!
ヒカリの体も宙に飛んだ!!
しかし、その体を誰かが受け止めた。
ヒカリは受け止めてくれた方を向いた。
そこには見知らぬ少年がいた。
手にはD3を持っていてそこから光線が剣のように出ている。
逆側を見ると二体のデジモンとあの二人が逃げていた。
敵がいなくなると、少年はヒカリの方を向き微笑むと、
???「八神ヒカリちゃんだね。けがしてない?」
ヒカリ「あ、はい。」
太一「ヒカリ!!」
みんなが来た。
少年はヒカリを太一に渡した。
ヒカリ「あ、ありがとうございます。えっとあなたは?」
???「、、、、、、、、、。」
ヒカリ「あ。やっぱいいです。無理に言わなくても。」
???「八神輔(ヤガミタスク)!!!」
ヒカリ「え?」
輔「くわしい事は三日後わかる。」
そういって八神輔は立ち去った。

三日後

先生「えーと。今日この一年D組に転校生が来ました。あーどうぞ!」
ガラッ
「「「あ!!!!」」」
ヒカリとタケルと大輔は同時に声をあげた!!
転校生「八神輔です。」
先生「えー八神の席は、、、おっ!八神の隣が空いてるな!!八神は八神の隣だ!!なんだかややこしいなあ。」
輔はだまって席についた。
つづく

9ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 18:56:12
第二話 ヒカリの中の力 前編
ヒカリ「あのう、よろしくお願いします。」
輔はヒカリをチラッと見ただけだ。その目はとても冷たい目をしていた。
まるで前に会った人とは別人のように。

放課後靴箱で、
大輔「ヒカリちゃん、どうだった?あいつ。」
ヒカリ「うん。今日は全然話せなかったし、別人に見えた。」
タケル「あいつは一体何者だろう。」
ヒカリ「あれ?何か入ってる。」
ヒカリの靴の上に手紙が置いてあった。
ヒカリ「ええと。『今日の午後3時半まで屋上に来い。大輔とタケルも来い。』」
ヒカリは時計を見た。3時25分だった。
ヒカリ「・・・・・行ってみよう!!」
「「ああ!!」」

屋上には輔がいた。
輔「来たか。」
ヒカリ「あのう・・・。」
輔「黙って聞け!!お前はデジタルワールドにはもう行くな!!」
ヒカリ「え?」
輔「話は終わりだ。もう帰っていいぞ。」
ヒカリ「ちょっ、ちょっと待って!!どう言う事?」
輔「お前がやつらに捕まると全てが終わる。」
ヒカリ「だからなんで私なの?」
輔「お前にはやつらに必要な力を持っている。」
ヒカリ「え?」
輔「わかったか!じゃあな!!」
輔は屋上を飛び降りた。
(どういうことなの?)
ヒカリはなにがなんだかわからなくなった。

10ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 18:56:34
第二話 ヒカリの中の力 前編2
大輔「ヒカリちゃん。」
ヒカリ「うん。」
大輔「くそ!あいつ全然ヒカリちゃんの質問に答えてねえ!何でヒカリちゃんなんだよ!!」
タケル「ねえ、それより今屋上から飛び降りなかった?」
大輔「あいつは一体何者なんだ!追いかけるぞ!!」
「う、うん。」

一階の玄関……
大輔「あ!いた!!」
輔は校門の前にいた。
大輔「待て!」
ドン!!
一乗寺「本宮!」
大輔は一乗寺にぶつかって倒れた。
大輔「賢!」
タケル「どうしてここに?」
一乗寺「学校が早く終わったから会いに着たんだ。」
大輔「そうだ!輔!!」
一乗寺「輔?」
ヒカリ「一乗寺君はしらないんだよね。」
輔はまだ校門の前にいた。
大輔「待ちやがれ!」
輔「ん?なんか用か?」
大輔「何でヒカリちゃんなんだ。」
輔「……・・あーそうか。それ知りたいのか。」
輔は時計を見た。
輔「3時40分…4時ヒカリの家に集合しろ。京と伊織も呼べ。」
大輔「…・わかった。」
…そして4時、ヒカリの家にはヒカリ、太一、大輔、タケル、一乗寺、京、伊織…そして輔だけがいた。
輔「んで、質問は?」
大輔「何でヒカリちゃんなんだ?」
輔「それか…それは…。」

11ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 18:56:51
第二話 ヒカリの中の力 後編
輔「それはヒカリの中に強大な闇の力があるからだ。」
ヒカリ「え!?」
大輔「ちょっと待て!何でヒカリちゃんに強大な闇の力があるんだ?ヒカリちゃんはむしろ光の力じゃないのか?ほら、紋章だって『光の紋章』だし。」
輔「『光の紋章』だからだ。」
タケル「え?」
輔「確かにヒカリは強大な光の力を持っている。だが、光があれば必ず対となる闇がある。
光が生まれれば闇も生まれる。光が強大であれば闇も強大である。今ヒカリの中には強大な光と闇の力がある。それをやつらが狙っている。」
ヒカリ「やつら?」
輔「お前等があの時あった獏哉と純人だ。」
大輔「あいつらが!?」
太一「おい、あいつらと一緒にいたあのワーガルルモンとガルダモンは?」
輔「あれはヤマトと空のデジモンだ。」
「「「ええぇぇーーーーーー!!!」」」
輔「ワーガルルモンとガルダモンは操られてる。」
京「ちょっと操られてるって?」
輔「やつらのボス、名前は知らんがやつらは『ロード』と呼んでいる。」
ヒカリ「『ロード』?」
輔「『ロード』は『闇の紋章』を持っている。」
ヒカリ「『闇の紋章』。」
輔「『闇の紋章』はデジモンを闇のデジモンにしてしまう。」
太一「じゃあアグモンたちも。」
輔「闇のデジモンだ。」
コン! コン!
「「「!!!!!!!!!!!!!!」」」
誰かがノックをした。
太一がドアの近くによる。
太一「合言葉を言え!デジデジ。」
「モンモン。」
輔は黙っている。
太一「…入れ!」
ガチャ

12ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 18:57:10
第三話 真の選ばれし子供達 前編
そこには見知らぬボサボサのロングヘアの少年がいた。
輔「遅いぞ!レイ!!」
輔が少年に怒鳴った。
「ウィンランと呼んで下さい。」
レイと呼ばれた少年が言った。
ヒカリ「輔君、だれ?」
「あっ僕はウィンラン・レイです。ウィンランと呼んで下さい。」
ヒカリ「あっよろしくねウィンラン君。」
ウィンラン「君達も真の選ばれし子供でしょ?」
大輔「真の選ばれし子供?」
輔「真の選ばれし子供はロードやロードの仲間、闇の力を葬り去るために戦う子供達のことだ。」
ウィンラン「僕はそのうちの一人ね。」
輔「ここにいる真の選ばれし子供は大輔、ヒカリ、タケル、賢、京、伊織、ウィンランだ。他にも数人いて全員で十一人だ。」
太一「俺やヤマト達は?」
輔「お前等は違う。他に質問は?」
大輔「そうだ!ブイモンたちは大丈夫なのか?」
ヒカリ達もそのことにやっと気が付いた。
輔「大丈夫。他の真の選ばれし子供が助けに言ってる。他に質問は?」
「……・・。」
輔「よし行くぞ!」
大輔「どこにだ?」
輔「デジタルワールド。ブイモンたちを連れて来るんだよ。」
ヒカリ「じゃあ、テイルモンに会える!」
輔「お前はダメだ。」
ヒカリ「どうして!?」
輔「お前の力がやつらにわたったら全てが終わる。ウィンラン、ヒカリを見張っとけ!」
ウィンラン「はいはーい。」
大輔「いいじゃないか、やつらが来ても俺達がヒカリちゃんを守るよ。」
輔「駄目だ!行くぞ!!」
そういって輔たちはデジタルワールドに行った。

13ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 18:57:25
第三話 真の選ばれし子供達 前編2
ヒカリ「ウィンラン君。」
輔達がデジタルワールドに行って1分ほどたってからヒカリが言った。
ヒカリ「輔君って前からああいう人なの?」
ウィンランはしばらく黙って、
ウィンラン「ああ、前からああいう奴だった。なんで?」
ヒカリ「うん。実は私達と輔君がはじめて会った時は微笑んでくれて優しかった。…でも今は冷たく厳しく別人のように見える。」
ウィンラン「ふーん。」
ヒカリ「ねえ、ウィンラン君。わたしをデジタルワールドに連れてって。」
ウィンラン「無理。」
ウィンランはきっぱりと言った。
ヒカリ「お願い。」
ウィンラン「うぅーん。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
大輔「どう言う事だ。」
輔「何が?」
大輔「ここはどこだ?」
輔達がいる場所はいくつもの隕石が落ちたようにクレーターがいくつもあった。
輔「デジタルワールドだ。」
京「何でこんな…。」
輔「奴等がデジタルワールドの闇の力を探しているからだ。」
そのとき、前方からデジモンが飛んできた。
大輔達は身構えた。
輔「大丈夫。味方だ。」
「おーーい!!大輔ーー!!」
見るとデジモンの腕の中にブイモン達がいた。
タケル「あのデジモンは輔君のデジモン?」
輔「いや、あれはウィンランのデジモンだ。」
デジモンは目の前に降りるとブイモン達を放した。
「輔。ウィンランは?」
デジモンは輔に言った。
輔「人間界にいる。大丈夫だ。」
そのとき!!
ピピピピピピピッッ!!
輔のD3が鳴り出した!!
輔「!!!あいつ!!」
輔はどこかに走っていった。
大輔「お、おい!どうしたんだ?」
大輔たちが後を追う。

14ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 18:57:42
第三話 真の選ばれし子供達 後編
ヒカリ「ウィンラン君。ここはどこなの?」
ヒカリはウィンランに聞いた。
ウィンラン「デジタルワールド。」
ヒカリとウィンランはデジタルワールドにいた。
ヒカリ「これも『ロード』達の仕業なの?」
ヒカリのいた所もいくつもの隕石が落ちたようにクレーターがいくつもあった。
ウィンラン「実はデジタルワールドにある闇の力も手に入れようとしてるんだ。」
ヒカリ「そうなの…ごめんねウィンラン君。わがまま言って。輔君に怒られない?」
ウィンラン「いいよ。輔より早く戻ればいいんだから。」
「残念ながら、お前らは戻れない。」
いきなり後で声がした。見ると後ろに獏哉がいた。
ウィンラン「…お前、純人と一緒じゃないのか?」
獏哉「あいつは別の仕事をしている。さあ、ヒカリを渡せ!!」
ウィンラン「さがれ。」
ヒカリ「ウィンラン君。」
獏哉「何だウィンラン。デジモンもいないお前がどうやってヒカリを守るんだ?」
ウィンラン「出来るだけの事をする。」
獏哉「『出来るだけの事をする』…か。ウィンラン、そのセリフまえ言ったことのある奴がいたな…。」
ウィンラン「!!!」
獏哉「確か・・ウォレスだったかな?」
ヒカリ「えぇ!?」
獏哉「あいつもバカだったなぁ。ヒカリを守るために命を落すのだから。」
ヒカリ「ど、どういうこと?」
獏哉「さあてと、話しは終わり、邪魔者は死んでもらう。」
『D(ダーク)カイザーネイル!!!』
Dワーガルルモンの攻撃が迫る!!
そのとき!!
ズバァ!!
『グアアァァァァーーーーーー!!』
Dワーガルルモンは一気に退化した。
獏哉「ちっ!来たか!逃げるぞ!!」
獏哉は、逃げていった。
ヒカリの目の前には輔がいた。
「ヒカリちゃーーーーーん!!」
大輔たちが来る。
輔の表情は怒りに満ちていた。
輔「人間界に帰るぞ!!」
ヒカリ達は人間界に戻った。
テイルモン「ヒカリ!!」
ヒカリ「テイルモン!!」
ボグッ!!
ヒカリ達の前でウィンランが倒れた。
輔「どういうつもりだ?」
ウィンラン「なにがだ?」
輔「ヒカリを見張れといっただろう!!」
輔が怒鳴る。
ウィンラン「ああいったさ。…でもなぁ、俺は『デジタルワールドに行かないように見張れ』とは言われてない。」
輔「このっ!!」
輔が拳を上げる。
ヒカリ「やめて!!」
ヒカリが二人の間に入る。
ヒカリ「私が頼んだの。だからウィンラン君は悪くない。」
輔「ヒカリ…・。」
ヒカリ「ねぇ、それより教えてくれる?ウォレス君の事。」
輔「なに?」
皆が輔を見る。
輔「…・・わかった。」

15ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 18:57:58
第四話 ウォレスの最後の戦い 
輔「…あいつは…ヒカリを守るため死んだ。」
ヒカリ「え!?」
輔「今から5ヶ月ほど前、俺が最初に見つけた真の選ばれし子供はウォレスだった。俺はウォレスに危険な仕事を頼んだ。」
――――――――――――――――――――5ヶ月前――――――――――――――――――――――――――――
ウォレス「……わかった。とにかく昔のヒカリを守ればいいんだな?」
輔「ああ、『ロード』の手下が昔のヒカリを殺そうとしている。だからお前にはこの『タイムホール』で昔へ行き、ヒカリを守ってほしい。」
輔とウォレスの間に七色に輝いた一つの穴がある。
輔「ただし、12時間以内には帰って来い。そうしなければお前は二度と戻れなくなる。『タイムホール』は一度しか使えない。12時間以内に敵を倒し、戻って来い!!」
ウォレス「わかった。」
テリアモン「ウォレス。」
ウォレス「大丈夫だ。…・行くぞ!!」
ウォレスは『タイムホール』へ飛び込んだ。
ズキュウゥゥゥゥーーーーン!!
輔「…頼んだぞ!!ウォレス。」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ウォレス「輔が言うにはここはヒカリがまだ赤ん坊のころの時代らしい。ここに敵がいるらしいんだけど…。」
「ほう…。貴様らか?『ロード』の言ってたヒカリの護衛は。」
ウォレス「何!?」
見ると後ろには一人の少年が立っていた。
少年「馬鹿だなぁ、お前なんかがヒカリを守れるのか?」
ウォレス「…守れる。…それに守れないとしてもヒカリを助けるために出来るだけの事をする。」
少年「フン!!…お前名前は?」
ウォレス「ウォレス。」
少年「ウォレス?外人か?…まあいい、俺は仁義掌(ジンギショウ)。冥土のみあげに覚えとけ!!」
パチン!!
仁義が指を鳴らすと何処からかデジモンが現れた。
掌「いくぞ!!バルゾレスドラモン!!」
ウォレス「テリアモン!!」
テリアモン「OK!!」
テリアモンはアーマー進化しラピッドモンに進化した。
ウォレス「いくぞ!!」
『ラピッドファイア!!』

16ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 18:58:16
第四話 ウォレスの最後の戦い 後編
ラピッドモンの攻撃がバルゾレスドラモンの顔面に当たった。
ウォレス「やったか!?」
しかし、バルゾレスドラモンは何もなかったように立っている。
掌「ははは、馬鹿だね君、こいつは究極体だよ。お前に勝ち目はない!!」
ウォレス「何!?」
掌「雑魚はネンネしてな!!」
『ザイラスプローション!!』
バルゾレスドラモンの攻撃がラピッドモンに命中した。
掌「はっはー!!『ザイラスプローション』は完全体以下は一撃で殺す!!お前のデジモンは終わったな!!」
ウォレス「究極体なら大丈夫だろ?」
掌「何!?」
ウォレスの隣にはセントガルゴモンがいた。
ウォレス「仕返しだ!!」
『ジャイアントミサイル!!』
『グアァァァーーーーーーーーー!!!』
バルゾレスドラモンが倒れた。
ウォレス「どうやらそのデジモンは攻撃力が強くても防御力は弱いようだな!!それに、こっちが弱くても出来るだけの事をする!!」
掌「くっ!!」
ウォレス「とどめだ!!」
『ジャイアントミサイル!!!』
『ギイヤァァァーーーーーーー!!!』
掌も一緒に吹き飛んだ!!バルゾレスドラモンは消えた。
ウォレス「うっ!!」
ウォレスは下を向いた。
セントガルゴモン「ウォレス…。」
掌「くくく、デジモンを殺すのは初めてか?」
カチッ
掌が何かのスイッチを押した。
掌の体が光った。
ウォレス「!!?何をした?」
掌「てめえらを生かして返すわけにはいかねえ!!自爆スイッチを押した!!半径60m範囲は消えるぜ!!」
ウォレス「何!?」
セントガルゴモン「ウォレス、僕が盾になるよ!!」
掌「馬鹿が!!それで助かると思うか?捨て身の爆発をなめるなよ!!この爆弾はどんなデジモンも吹き飛ばす!!」
ウォレス「なら半径60m範囲から出るまでだ!!セントガルゴモン!!」
セントガルゴモン「ああ!!」
しかし、掌は素早くウォレスの足をつかんだ!!
ウォレス「くっ、離せ!!」
掌「もう遅い!!!皆吹き飛べぇーーーー!!!」
そして、大爆発が起きた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
部屋に沈黙がおこった。

17ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 18:58:36
第五話 輔の秘密 前編
輔「ほんじゃ、俺は帰る。もう質問はないだろ?」
ウィンラン「じゃあ僕も。」
ガチャッ   バタン!!
次の日、ヒカリと輔は一言も話さなかった。
そして放課後…
輔「ヒカリ!!」
輔がヒカリを呼んだ。
ヒカリ「何?」
輔「話したい事がある。俺の家寄ってけ。」
ヒカリ「…う、うん。」
大輔「俺たちは?」
輔「お前らはいい!!行くぞ!!」
ヒカリ「うん。」
輔の家はたいしてかわらない普通の家だった。
ガチャ
輔「入れ。」
ヒカリ「一人暮らしなの?」
輔「ああ。」
輔は隣の部屋に入った。
輔「コーヒーでいいか?」
ヒカリ「あっはい!」
輔「そこらへん座ってろ。」
ヒカリはそばにあったソファに座った。
しばらくすると輔が2つカップを持ってきた。
輔「少々苦いが。」
ヒカリ「あっ、ありがとう。」
ヒカリは黙ってコーヒーを飲んだ。
ヒカリ「おいしい。」
輔「そうか。」
輔は静かに座った。
輔「それで話しだが、まず奴等がなぜ闇の力を集めているかだが。」
ヒカリ「うん。」
輔「まず、昔の話しをする……。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
昔、デジタルワールドで大きな戦争があった。
…それは闇と光の戦いだった。
闇は凶悪な兵器を使い、光は聖なる力を使った。
決着はいつまでもつかなかった。
しかし、闇が最強の兵器をつくった。その名も『ダークドラモン』。
ダークドラモンの攻撃は休み無く続いた。このままではデジタルワールドが消滅してしまう。
そこで立ち向かったのが真の選ばれし子供だった。光の紋章を持つ者始め、子供達はダークドラモンとダークドラモンを作った闇の紋章を封印した。そのとき闇の紋章を持っていた者はどこかに逃げてしまった。
デジモン達はその戦争をこう呼んだ。『デジタルワールド大戦』と。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
輔「しかし闇の紋章は蘇った『ロード』の手によって。しかしダークドラモンを復活させるには強大な闇の力が必要だった。お前達真の選ばれし子供はそれを阻止し、闇の紋章を今度こそ消滅させるのだ。初代真の選ばれし子供のように。」
ヒカリ「そう。」
輔「あともう一つ、お前だけに話したいことがある。」
ヒカリ「何?」
輔は黙って腕の裾をまくった。
ヒカリ「あっ!!!」

18ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 18:58:51
第五話 輔の秘密 後編
輔の右腕にはなにやら紋章のような焼印がしてあった。
ヒカリ「こ、これって。」
輔「闇の紋章だ。」
ヒカリ「えぇ!?」
輔「まぁこれは闇の紋章の呪いだけどね。」
ヒカリ「呪い…」
輔「俺は一度、『ロード』と闘ったことがある。…そして、負けた!!」
ヒカリ「輔君が負けた!?」
輔「命は取られなかったが、奴は代わりにこの呪いをかけたのだ。」
ヒカリ「それは?」
輔「闇に触れるごとに、命が削られてく呪いだ。だから俺は一刻も早く真の選ばれし子供を探し、『ロード』を倒し、呪いを解こうとしている。」
ヒカリ「……・。」
輔「ま、そんなに時間がかかるわけでもないがな。」
ヒカリ「え?」
輔「真の選ばれし子供は集まらなくてはならないときお互いに引き合うんだ。」
ヒカリ「そう。」
輔「今はヒカリ、タケル、大輔、賢、伊織、京、ウィンラン、…そしてウォレスの8人見つかった。あと3人。」
ピーッ
輔のD3が鳴った。
輔「おっ!!いけね、ちょっくらデジタルワールド行って来る。待ってろ。」
ヒカリ「う、うん。」
輔は行った。
ヒカリ(デジタルワールド…。)
しばらくしてヒカリは疲れがあるのか、寝てしまった。

カチャ    カチャ
下で音がする。
輔君の家には地下があるのかな?
しかしヒカリは小さな部屋のベットに寝てた。
ヒカリ「あれ?ここは?」
ヒカリは部屋を出た。向こうに階段がある。
ヒカリは階段を降りた。階段を降りてすぐ横の部屋から音がする。
扉を開けるとそこは台所だった。そこに輔がいた。
ヒカリ「あのう。」
輔「!!・・おう!!起きたか!」
そこでヒカリはわかった。ここは地下ではない。1階だ。そして自分が寝てたのは2階だった。
輔「ったく!人の家で寝る奴があるか!」
ヒカリ「す、すみません。」
輔「ま、寝顔が可愛かったから許す!!」
ヒカリ「かわぃっ!?(赤)」
ヒカリの顔が赤くなった。
輔「ははは、赤くなってら!!」
ヒカリ(あっ!!)
ヒカリはあることに気付いた。
ヒカリ(輔君が笑うの見たの初めてだ。)
輔「もう遅い。飯作ってやっからそれ喰ったら家まで送ってってやる。」
ヒカリ「うん。」
しかし、輔のことをヒカリは完全に知ったわけではない。輔にはまだ色々な謎があるのだ。

「…ほう、輔の奴また俺の邪魔をする気か。ククク、楽しくなりそうだ…。」

19ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 18:59:08
第六話 輔VS大輔 前編
次の日学校で、
大輔「おい輔!!」
輔「ん?」
大輔「話がある。放課後校舎の裏に来い!」
輔「・・・・わかった。」
     放課後
輔「で?何?」
大輔「ヒカリちゃんをデジタルワールドへ連れてってくれよ。」
輔(言うと思った!!)「NO!!」
大輔「頼む!!ヒカリちゃんは俺が守るから!!」
輔「お前が?俺より弱いお前がヒカリを守れるのか?・・・無理だな。」
大輔「そうか・・・。じゃあこうしよう!!」
輔「ん?」
大輔「俺とお前が闘って、俺がお前にパンチ一発当てれたらいいだろう?」
輔「ほう、おもしろい。」
大輔「いくぞ!!」
大輔は輔に殴りかかった!!しかし輔はゆるりとかわし、大輔の腹に膝打ちをした。」
大輔「う、まだまだぁ!!」
そのころ教室では
ヒカリ「タケル君、大輔君は?」
タケル「さあ・・・。」
そのとき、突然京とブイモンが走ってきた。
京「ヒカリちゃん大変大変!!」
ヒカリ「どうしたんですか?」
ブイモン「大輔が!!」
ヒカリ「え?」
  ドガァ!!
大輔「ぐあぁ!!」
輔「いい加減諦めろ!!」
大輔「まだ・・まだ・・・ぁ。」
ヒカリたちは廊下を走っている。
ヒカリ「どうして大輔君そんなことを!?」
京「あ!!いた!!」
ヒカリたちは輔と大輔を見つけた。
ヒカリ「大輔君!!」
輔「ヒカリ!?」
大輔「ヒカリちゃん!?」

20マリ:2006/10/15(日) 18:59:19
どうもすいません。
何日かけてもいいですからよろしくお願いします。
数ヶ月は来ないと思いますので。

21ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 18:59:26
第六話 輔VS大輔 後編
ヒカリ「どうして輔君こんなひどいことを!?」
輔「なにいってんだこいつに聞いてみろ!!」
そういって輔は大輔を指差した。
大輔「・・・・ヒカリちゃん、口出ししないでくれない?」
ヒカリ「大輔君!!」
大輔「うおぉおおぉぉ!!」
大輔は輔に殴りかかった。しかし、また輔はゆるりとかわし大輔を蹴り飛ばした。
ヒカリ「やめて!!」
ヒカリは大輔たちのところに寄ろうとした。しかし誰かがヒカリの肩を掴んだ。ウィンランだった。
ウィンラン「彼は君のために闘っている。」
ヒカリ「そんな・・・。」
ウィンラン「俺が止める!!」
ウィンランは黙って輔の側に寄った。
ウィンラン「もういいんじゃないか?」
輔「テメーは関係ねえ、引っ込んでろ。」
ドカァ!!
気が付くと輔は仰向けに倒れていた。ウィンランが突き飛ばしたのだ。
ウィンラン「君の仕事はヒカリさんを困らせる仕事か?」
輔「・・・・。」
しばらくすると輔は黙って歩き出した。
ウィンラン「輔!!」
ウィンランはあとを追いかけた。
ヒカリ「大輔君!!」
ヒカリたちは大輔のところへ行った。
大輔「へへ・・・。ごめんねヒカリちゃん。」
ヒカリ「ううん。いいの。ありがとう。」
ピルルルル・・・
ヒカリのD3が鳴った。メールが輔から来た。
ヒカリ「『明日源内のところに行く。一緒に来い。あと大輔、早く傷治せよ。ヒカリのことは許すから・・・。治ったら強くなるために特訓だぞ!!』」
ヒカリは涙が出てきた。
ウィンラン「輔・・・。」
輔は帰り道、かすかに笑った。

22ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:00:44
[>>20]へ、了解です。

23ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:01:01
第七話 ロード 前編
次の日、ヒカリは輔と一緒に源内の所に行くため輔の家に向かった。
ヒカリ「あれ?輔君の家どっちだっけ?」
ヒカリは二つに分かれた道の真ん中で迷っていた。
ヒカリ「勘で右!!」
ヒカリは右に曲がった。
しかし誰かとぶつかりヒカリは尻餅をついてしまった。
「あっ、すみません。」
そこには見知らぬ、いや、少し見たことのあるような黒髪の少年がいた。
ヒカリ「あ、こっちこそすみません。えっと貴方は?」
「あっ、僕はA組の黒須凶魔(クロスキョウマ)です。物騒な名前でしょ?」
ヒカリ「あ、いいえ。私はD組の八神ヒカリです。」
黒須「よろしく。」
「おい!!ヒカリ!!」
誰かがヒカリを呼んだ。輔が向こうにいた。
輔「時間過ぎてるだろ!!何してた?」
ヒカリ「あ、今A組みの黒須君と・・・。」
しかし、黒須の姿はなかった。
輔「とにかく来い!!準備はできた。」
ヒカリ「うん・・・。」
ヒカリは不思議に思った。
輔の部屋には大きな穴が空間にあった。
輔「行くぞ!!」
輔は穴の中に入っていった。
ヒカリ「うん。」
ヒカリも後に続いた。

輔「ふう、着いた・・・ってなんだこりゃあ!?」
輔とヒカリの前には何者かに破壊された源内の館があった。
輔「源内!!」
輔は中に入っていった。
屋敷の奥には源内が横たわっていた。
輔「おい源内!!どうした!?」
源内「ううぅ・・・あ・・ロ・・・・。」
輔「ロ!?そ、そんな、馬鹿な!?」
ヒカリ「ど、どうしたの?」
「ハハハハハハハハ!!!」
背後で笑い声がした。後ろを向くとそこには仮面をかぶり、マントを羽織った少年がいた。
ヒカリ「だ、誰!?」
輔「奴が・・・『ロード』だ!!!」

24ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:01:25
第七話 ロード 後編
輔「なぜお前がここにいる?」
ロード「決まってんだろ。『アレ』を取りに来たんだよ!!」
輔「くっ、ヒカリ!!お前は今来た道を戻れ!!」
ヒカリ「う、うん!!」
ヒカリは穴のあるほうへ向かった。
ロード「ダメだよ。」
ロードはD3を出し、館の屋根に光線を撃った。
ガララララァァー−ー
屋根は崩れ、ヒカリの行く先を拒んだ。
ロード「君も捕まえないとねぇ。」
輔「どこを向いている?」
気が付くと輔はD3の剣を持ち、ロードの前まで跳んでいた。
輔「くらえ!!」
輔は剣を振り落とした。
ガキィン!!
しかしロードも同じような黒い剣を持っていた。輔の剣はそれではじかれた。
そして剣は遠くの地面に落ちた。
ロード「フン!!」
ロードが輔に手をかざすと輔は吹き飛ばされた。
輔「くっ!!」
ヒカリ「輔君」
ロードは輔の隣に降り、輔の右腕を掴んだ。
ロード「やっぱりあの時殺しとけば良かった。」
そう言うとロードは輔の裾をまくり、輔の焼印に指を押し付けた。
ジュウウウウゥゥゥ・・・・
輔「ぐあぁぁぁーーー!!!」
するとその焼印は光りだした。
ロード「この場で殺しちゃお♪」
ヒカリ「やめて!!」
輔「ぐぅぅああーーー!!」
輔は叫び続けている。それに対してロードは笑ってる。
ヒカリ「やめて、やめてよ・・・・。」
輔「ぐああああーーーー!!!」
ヒカリ「やめてーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
ヒカリの体が光りだした。
ロード「ぐぁ!!」
ロードは輔から離れた。
ロード「素晴らしい!!これほどまでとは!!!それほどの闇の力があるのか!?」
ロードはヒカリのところに走り出した!!
ロード「その力!!いただく!!」
    ザスッ!!
ロード「うぐっ!!」
ロードの横っ腹を輔の剣が貫いた。
輔「サル山のてっぺんで楽しすぎたなぁロード!!隙だらけだ!!」
ロード「うっ、まあいい!!今回は諦めよう。」
そういうとロードは消えた。
しかしヒカリはまだ光り続けている。
輔「ヒカリ!!もうやめろ!!ヒカリ!!」
しかしヒカリには聞こえていない。
輔「くそっ」
輔はヒカリの側によってヒカリを抱きしめた。
輔「もう・・・大丈夫だ・・・ヒカリ。」
するとヒカリの光が消えた。
ヒカリ「た・・す・・・く・・く・・ん・・・。」
そういうとヒカリは倒れた。

25ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:01:40
第八話 特訓 前編
気が付くとヒカリは輔の家のソファーに横たわっていた。
隣では輔や大輔、太一達全員がいた。
ヒカリ「う・・う・・・。」
太一「ヒカリ!?大丈夫か?」
大輔「ヒカリちゃん!!」
輔「もう少し休んでろ。」
ダン!!!
ヤマトが机を叩いた。
ヤマト「待ってくれ輔、今・・・何て言った?」
輔「何度も言わせるな。源内は死んだ。」
ヒカリ「えぇ!?」
輔「正確に言えば、殺されただけどな。」
丈「その・・・『ロード』とやらにかい?」
京「何で源内さんを殺したのよ!?」
輔「これだ。」
輔は机の上にいくつもの光る玉が入ったビンを出した。
輔「これはお前達、真の選ばれし子供を格段にパワーアップさせるものだ。しかしこれは敵にとっても必要なパワーでもある。だからだ。」
タケル「これが・・・。」
輔「大輔!!賢!!D3を出せ!!」
2人は言うとおりに出した。輔はビンから光る玉を2つ出した。そして2人のD3の上に乗せた。
すると光る玉はD3に吸い込まれていった。
大輔「何をしたんだ?」
輔「お前等の力を強くした。」
賢「え?これだけで!?」
輔「んなわけねーだろ!!問題はお前等がこの力を使いこなせるかだ!!」
タケル「どうやったら使いこなせるの?」
輔「これから特訓する。」
大輔「これから!?もう夕方だぞ!!」
輔「時間の止まっているデジタルワールドでする。行くぞ!!」
伊織「僕達は?」
輔「お前らはまだ未熟だから駄目だ豆粒!!」
伊織「僕は伊織です!!」
輔「あ、そうだ眼鏡っ娘!!これちょっと預かってくれ!!」
輔は京に一枚のCDを渡した。
京「あたしは京よ!!」
輔「どうでもいい!!行くぞ!!」
キュゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウン!!
輔達が入ってったと同時に輔たちが戻ってきた。
大輔「ゼーハーゼーハー疲れた・・・・。」
賢「フゥ・・・フゥ・・・。」
輔「特訓終了!!」
「「「はあぁ!!!???」」」

26ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:01:59
第八話 特訓 前編2
大輔「で、どう特訓するんだ?」
輔達は時間の止まっているというデジタルワールドにいた。
輔「まずは今どれほどの力があるのか見せてみろ。」
ブイモン「見せるって?」
輔「俺に技をぶつけろ!!」
賢「何?」
ワームモン「そんなことしたらお前はどうなるんだ?」
輔「大丈夫。」
そして成熟期にブイモンとワームモンを進化させた。
輔「来い。」
『エクスレイザー!!』
Ⅹ型の光線が輔に向かった。
輔は光線に向けて手をかざした。
バシィッ!!
すると光線は手のひらで弾かれた。
しかし輔の手にはかすり傷一つ付いていない。
輔「どうした?次!!」
賢「あ、スティングモン!!」
『スパイキングフィニッシュ!!』
しかし、輔はゆるりとかわし、スティングモンの腕をつかみ、地面に叩きつけた。
大輔「エクスブイモン!!スティングモン!!ジョグレスだ!!」
そして二体はパイルドラモンになった。
『デスペラード・・・』
そこまで言ったとたん、輔はパイルドラモンの頭上に跳び、パイルドラモンを突き落とした。
そして輔はパイルドラモンの頭を踏みつけ、地面にめり込ませた。
パイル「ぐっ!!」
賢「何しているパイルドラモン!!速く起きろ!」
パイル「それが・・・起きれない・・・。」
大輔「何!?」
確かにパイルドラモンは腕をつき立ちあがろうとしていた。
しかし輔の足はピクリとも動かない。
賢「なんなんだ輔の強さってのは。」
輔は足をどけた。パイルドラモンは退化し、ブイモンとワームモンに戻った。
二人とも汗だくだ。
輔「やれやれ・・・予想以上に弱いな。」
大輔「何だと!?」
賢「よせ本宮。」
輔「ま、だから修行しに来たんだ。」
すると輔の前にすべてのデジメンタルが現れた。
大輔「何でこれがここに?」
輔「今からお前等はこのすべてのデジメンタルをマスターする修行をする。」
「「えぇーーー!?」」

27ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:02:16
第八話 特訓 後編
輔「やれやれもう終わりか。」
輔の目の前には大輔と賢が倒れている。
大輔「まだまだぁ!」
輔「誰も無理しろと言っているわけじゃない。」
大輔「ヒカリちゃんを俺が守るため、こんなところで寝てちゃいけねえ。」
輔「・・・?。なぜそんなにヒカリにこだわる?」
大輔「『ヒカリちゃん』だ!!」
そのとき、賢が輔に何か耳うちした。
すると輔は大輔の顔をよーく見ている。
大輔「なんだよ!!・・・!!賢!!オメーまさか!!」
大輔の顔が赤くなった。それを見てブイモンとワームモンは笑っている。
輔「なるほどねぇ・・・」
大輔「う、うるせぇ!!」
輔「ま、そんなくだらんことはほっておいて大輔はあと希望と純真、賢はあと勇気と友情だな。これらの感情をマスターすればまあ半分は合格だろう。デジメンタルもマスターできる。」
大輔「よし!がんばるか賢!!」
賢「ああ!!」
輔「あと大輔あともう一つお前にマスターしてもらうことがある」
大輔「何だ?」
輔「・・・まぁいいや。全力疾走3時間!!GО!!」
大輔「またかぁ!?それとデジメンタルとどう関係あるんだよ!!」
輔「いいから!!大輔1時間追加!!」
大輔「マジでかぁ!?」
そして大輔はしぶしぶ走り出した。
輔「終わったら組み手休まず1時間な!」
ブイモン「俺たちは?」
輔「あん?そこらへんで四つ葉のクローバーでも探してろ!!」
ブイモン(いい加減な答え方だなぁ・・・。)
このような感じで大輔たちは修行を続けた。

28ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:02:32
第八話 特訓 後編2
大輔「ハァー。ハァー・・・。」
輔「ふむ、合格だ。」
輔にそう言われると大輔は倒れた。
輔「賢。」
賢が輔の前に立った。輔は賢のD3をとると同じように「合格だ」と言った。
ブイモン「大丈夫か?大輔」
ワームモン「賢ちゃん」
輔「5分休憩した後は最後の試練だ。」
大輔「ハァ・・・最後の試練って?」
輔「あとで言う」
5分後・・・
輔「ここに来てからもう5ヶ月になるか・・・。ま、あっち(人間界)じゃ1秒もたってねえがな。」
賢「それで最後の試練って?」
輔「お前等で俺に攻撃一発当てれたら合格。人間界に帰れる。制限時間はない。・・・来い!!」
言うが早いわ大輔が輔に殴りかかった。輔は避けたがすぐさま賢が後ろから襲い掛かった。
しかし輔は避け、次の大輔の攻撃も避けた。しかし避ければ次の攻撃、避ければ次の攻撃といつまでも繰り返してる。
ブイモンとワームモンはただ見ているだけだった。
輔「やるじゃねえか。」
そういったとたん大輔は輔の足を引っ掛けバランスを崩させた。そして二人は両側から殴りかかった。
輔「ヤベッ!!」
    ドシィ!!!!!
輔はバランスを崩しながらも二人の攻撃を防いだ。
輔「あぶねぇ・・・」
大輔「くっ!!」
大輔は輔に連続ジャブをした。しかしそれもかわされた。
そして賢が輔に蹴りかかったが、それも防がれた。
それからも賢は攻撃を繰り返してる。
そう・・・・『賢は』だった。
輔は何者かが背後にいるのも気づかず、攻撃を防いでいる。
そして・・・
「だああああぁぁぁーーーーーーーー!!!!!」
後ろから大輔が襲い掛かった。そして・・・
ボグゥッ!!!
輔の顔に大輔の拳が入る。
そのまま輔は倒れた。
「「・・・やったぁーーーーーーーー!!!!!!!!!」」
大輔たちが勝利の声を上げる。
輔「・・・見事だ。合格!!!」
大輔「よっしゃあ!!」
賢「よし!!」
二人は息が切れながらも言う。
輔「・・・帰るぞ。」
大輔「え?ちょっと待っ・・・もっと褒めてくれたって・・・。」
ズキュゥゥゥーーーン
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
大輔「っという事だよ。」
大輔がかえり途中に言う
タケル「へーすごいね」
ヒカリ「一乗寺君、すごいがんばったね♪」
賢「う、うん」
ヒカリはわざとらしく『一乗寺君』といって大輔をガッカリさせる。
輔「フン!!」
しかしその姿を誰かが後ろから見ていた。

29ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:02:54
第九話 最強コンビ!?
「どうだった?」
「遅かった・・・」
「チッ!」
何者かが神殿のような場所で話している。
「ケッ、パワーアップしようが俺が倒してやる。」
「余裕だな純人、勝てるか?」
「あたりねぇだ『ロード』、まぁ倒さなくてもヒカリを連れて来たらさらに闇の力を5割くれるんだろ?」
「できたらな」
仮面をかぶった少年が言った。
「決まり!!」
純人はそう言うと部屋から出て行った。
「ククク・・・」
「大丈夫か『ロード』、あいつがもし勝ったら・・・」
「あいつは勝てない・・・どれ、俺も行くか・・・A組の黒須凶魔として・・・ククク。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「大輔君は部活?」
ヒカリが大輔に聞く
「ああ!絶対レギュラーになるんだ!!」
「がんばってね」
「僕たちは帰るよ」
ヒカリとタケルが言う
「え?応援してくれないの?」
大輔が聞く
「うん。今日二人で買い物行くんだ」
「えぇ???じゃあ俺も!!!」
「部活じゃないのか?」
輔がヒカリの横から顔を出す。
「じゃあね」
二人はそう言うと教室を出て行った。
「タケルのやろう〜」
「早くも失恋か・・・」
「ち、ちがう!!!」
大輔が怒鳴る
「どおでもいいから早く行け!!」
「チェ〜」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「まずどこいこうか?」
ヒカリがタケルにたずねる
「うーん・・・」
「タケリュ、お腹すいた」
パタモンが言った。
「そうね。じゃあ食べ物買いましょ」
ヒカリが言う
「おーい。ヒカリちゃーん」
後ろから声がする
「あ、ヒカリ空さんだ」
「あ、空さーん」
空がヒカリの近くに来る。
「なにやってんの?デート?」
「「そそそんなんじゃないですよう・・・」」
二人とも顔が赤くなる
「空さんは?」
タケルが聞く
「フフ♪ヤマトにお弁当♪」
空が弁当を出す。
「うわぁ〜ラブラブだねえ」
パタモンが言うのをタケルが怒る。
「いいのよ。じゃあ私行くから。デート楽しんでね♪」
「「ちがうって〜」」
「はいはいラブラブなお二人さんそこまでぇ」
いつの間にか目の前に純人とDガルダモンがいる
「!!!ガルダモン!!!?」
空が言う。
「おとなしくついてきてくれるかなぁ・・・」
純人が言う
「くっパタモン進化だ!!」
「うん」
パタモンはエンジェモンになりDガルダモンに向かった。
『ヘブンズナックル!!!』
しかし、エンジェモンの拳は簡単にはじかれた。
「く、やっぱり強い、輔がいないと・・・」
「呼んだかい?」
後ろに輔が現れた。
「輔君!!助けに来てくれたの!?」
ヒカリが輔に言う
「いいや『今回は』俺じゃない」
ドスッ
「ギャアアアアアアア!!!」
Dガルダモンが悲鳴を上げる
「ヒカリちゃん、大丈夫かい?」
「空さんやタケルは?」
そう誰かが言うと二人の人間と二体のデジモンが輔の頭の上を通った。
「大輔君!!!一乗寺君!!!」
ヒカリの言うとおり、大輔と賢がやってきた。
「最強コンビ(!?)参上!!!」

30ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:05:19
第十話 制裁 前編
「大輔君!!!」
「ヒカリちゃん、大丈夫かい?」
「うん」
「よっしゃあ賢!!行くぞ!!」
「ああ!!」
二人の後ろにはケンタルモンのような赤い鎧を着て弓を持っているデジモンと赤い甲殻をした虫型のデジモンがいた。
さっきDガルダモンが悲鳴を上げたのは弓を持っているデジモンが矢を放ったからだ。
「ケッ、ザコは引っ込んでろ!!」
純人が怒鳴る
「おおっと、今はお前がザコ側だぜ!」
大輔が言う
「輔君あのデジモンは?」
ヒカリが輔に聞く。
「ああ、あの弓を持った方は『サジタリモン』。ブイモンに希望のデジメンタルを使った姿だ。」
「僕のデジメンタルが!?」
タケルが言う。
「そしてもう一体が『シェイドラモン』。ワームモンに勇気のデジメンタルを使った姿だ。」
『Dシャドーウィング!!!』
Dガルダモンの攻撃が迫る。しかし、
『ジャッジメントアロー!!!』
『フレアバスター!!!』
二体の攻撃がシャドーウィングを打ち消し、さらにそのまま純人のもとに迫る。
「チッ!Dガルダモン!!」
純人が言うとその攻撃はDガルダモンが盾になって防いだ。
「ガルダモン!!!」
空がDガルダモンにいった。純人はそれに気づいた。
「お、これはこれは元Dガルダモンのパートナー、君のパートナーは使えるよ。いろんなデジモンを殺せてね・・・」
「そんな・・・」
「お礼に地獄に送ってあげるよ。」
『Dシャドーウィング!!!』
「あせるかぁ!!」
サジタリモンがDガルダモンに体当たりをした。
Dガルダモンの攻撃はヒカリの方に向かった。
「!!・・・馬鹿野郎!!大輔!!!」
輔は怒りながらヒカリを助けに行った。
しかし、輔が助けに行く前に何者かがヒカリを助けた。
「へ?」
ドコォォーーーーン!!!
輔はそのまま攻撃を食らってしまった。
「ヒカリさん!輔さん!」
パラパラ・・・
「ゲホッ!!ゴホッ!!ちっくしょ!!!」
煙の中から輔が出てきた。
「ヒカリちゃんは!!??」
タケルが聞く
「ああ?こいつが助けてた。」
輔はヒカリと黒い服の少年を担いでた。
「うう・・・」
ヒカリが目を覚ます
「大輔!!ヒカリは無事だ!!!」
輔が大輔に言う
「直撃して生きてる輔さんもすごい・・・」
賢がつぶやく。
「ヒカリちゃん!!」
「ヒカリ!!」
「ヒカリちゃん!!」
タケルとテイルモンとパタモンが交互に言う。
「う・・うん・・・。!!!・・・そうだ!黒須君は!?」
ヒカリが思い出したように言う。
「こいつの事か?」
輔が黒須を指差して言う。
「うう〜ん」
黒須が目を覚ました。

31ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:05:41
第十話 制裁 後編
「黒須君!」
ヒカリが黒須のところに駆け寄る。
「あ・・・八神さん、無事だったんだ。」
「うん!おかげで助かったよ!!」
「そのおかげで俺は直撃だがな・・・。」
輔がつぶやく
「賢!!行くぞ!!」
「おう!!」
シェイドラモンはいつの間にか白い蛇のようなデジモンになっていてDガルダモンに巻きついている。サジタリモンはそのまま四方八方から攻撃している。
「くそ!!!虫けらどもめ!!!」
Dガルダモンは白い蛇のデジモンを剥ぎ取った。
二体のデジモンはエクスブイモンとスティングモンになった。
「まとめて吹き飛ばせ!!!」
純人が言う。
『Dシャドーウィング!!!!』
今までにない巨大な攻撃が迫る!!!
「さっきより2,3倍あるぞ!!」
「大輔君!!!」
「・・・・・・・・・。」
大輔と賢は黙ったままだ。
(わかるな?大輔!!賢!!)
輔は心で呼びかけた。
しかしドンドン炎は迫ってきている。
「・・・賢!!!」
「・・・ああ!!」
「「後ろだ!!!」」
二人は後ろを向いた!!なんとそこには純人とDガルダモンがいた。
Dガルダモンの攻撃は大輔たちをすり抜けた!!
「幻想だと見抜いただと!!??」
『エクスレイザー!!!』
Ⅹ型の光線がDガルダモンを撃ち落した。
「何!?」
純人が驚いた顔をする。
「とどめだ!!」
「ダメ!!それはガルダモンなのよ!!」
空が言う。しかし二人は聞かず。二体をパイルドラモンにした。
『デスペラードブラスター!!!』
「駄目ぇぇぇぇーーーーーーーー!!!!!」
ギアアアアアア!!!
Dガルダモンは消えた。空はそこにしゃがみこんだ。
「大輔君!!どうして!!」
ヒカリが聞く。しかし大輔と賢は泣いていた。
「D化したデジモンを戻すには殺すしかないのだ。」
そのあと輔は逃げる純人を取り押さえた。
「おい、お前等は何しようとしてる?」
輔が純人に聞く
「フン、第二次デジタルワールド大戦を起こし、闇の力を手に入れるためだ」
「何!?」
「さらに『最終兵器』を復活させるためだ」
「何だと!?」
そこまで言ったら純人は隙を見て逃げ出した。
(なんということだ・・・)
輔は心の中で絶望した。
「あれ?黒須君がいないよ・・・」
タケルが言う。しかし輔にとってはどうでもよかった。
(また・・・アレが・・・。)

32ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:06:02
第十話 制裁 後編2
「ハァ・・・ハァ・・・ここまでくれば、チッ!油断したぜ!」
純人はトンネルの中で呟いた。
「まさかこのまま帰れると思ってるのか?」
後ろから声がする。見ると黒須がいた。
「『ロード』・・・・。」
純人が緊張した声で言う。
「やれやれ、やられただけでなく作戦もすぐバラすとは・・・本当に隠し事が出来ないねぇ・・・」
「ちょっ、ちょっと油断しただけだよ。もう一度チャンスを・・・」
純人があわてて言う。しかし、
「いや・・・制裁だ・・・・」
グルルルルルル・・・・・
黒須の後ろにデジモンが現れた。
「ヒッ!!!助けてくれ!!頼む!!『ロード』!!!!」
「貴様にその名を言う資格など無い・・・・喰え!『バイオリザモン』」
ガブ!グチャ!!ゴリ!!!バキャ!!!!・・・・・・・ゲェップ!!
「フフフ・・・」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「輔君!!」
タケルが輔を呼ぶ
「・・・どうした?」
輔はさっきから座り込んで考え事をしていた。
その間に京と伊織が騒ぎを聞きつけてやってきてヒカリが何があったのか説明した。
「空さんが!!」
見ると空の前にデジタマがあり、空はそれを手に取ろうとした。
「なにやってんだ!!」
輔は真っ先に空の元へ行き、空を押し倒した。
「何するの!!」
輔は黙ってデジタマを指差した。デジタマからは黒いモヤモヤした物が出ている。
「このデジタマはまだ闇の力を持っている触ったらお前の心が闇に侵されるとこだったぞ!!」
そう言うと輔は剣を出しデジタマを睨んだ。
「ちょっと何するの!?」
「輔!!」
空と大輔が止めかかったが遅かった・・・輔は剣でデジタマを真っ二つにした。
「あ」
デジタマは静かに消えていった。
「あああああああああああああ!!!!!!!!」
空が悲鳴を上げる。
「なんてことするんだ!!!!」
「こうするしかないんだ。」
輔が静かに言った
「何もそこまですることないじゃない!!!」
「そうですよ!!」
「他にも助ける方法があったのかもしれないだろ!!!」
「じゃあそれをお前等が探すのか!!??」
輔の言葉で皆は黙った。
輔の後ろで空がゆっくりと立ち上がる。
「わかってくれ・・・これしか方法は・・・」
      パアァン!!
輔は頬に痛みを感じた。空が平手打ちをしたのだ。
「痛っ!!ってーなこの野郎!!!」
      パアァン!!!
空はまた平手打ちをした。
「てめえ!!」
「返してよ!!!」
「・・・・何?」
「返してよ!!!ピヨモンを!!!私の親友を!!!」
「・・・・無理だ、もうお前の知っているピヨモンは戻らない・・・。」
輔は静かに答えた。
「何か方法は?」
賢が聞いたが輔は首を振った。
「返してよ!!」
空は何度も言っている。
「無理だ・・・」
「返して!!」「無理だ!!」「返してよ!!!」「だから無理だ!!!」
「かえ・・・してよ・・・」
空は泣きながらも言う。
「お願いだから・・・返して・・・」
「・・・・無理だ」
輔は同じように言うとその場を立ち去った・・・
しかし誰も止めなかった・・・なぜなら全員泣いていたからだ・・・
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「しかしいいのか?一人殺しちまってよ『ロード』・・・」
「ああ、純人の闇の力は抜いといたから。お前らも力を失ったら・・・制裁だからな・・・」
ロードの台詞で神殿にいる全員が顔色が変わった。
「まぁ、『あの作戦』だけは言わなかったのだけは良かったけどな。」
「まあな、それにいざとなったら切り札がいる・・・なぁ?そうだろ・・・」
ロードは神殿の入り口に立っている金髪の少年に言った。
少年は黙ってうなずいた
「だれだあれ?」
「ああ、何でも自爆くらっても助かったって言う新入りらしい・・・」
「名前は・・・ウ・・・」

33ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:06:40
第十一話 様々な謎 前編
ヒカリは朝いつもどうりに起きた。
そしていつもどうり着替えていると
「おいヒカリ!!大変だ!!」
太一が慌てた様子でヒカリの部屋に入ってきた。
「キャッ!!ノックぐらいしてよ!!」
「す、すまん!!それより来てみろ!!」
『昨日、午後6時34分、半年前から行方不明だった『上田純人』14歳の遺体が見つかりました。遺体は何処も傷ついてはいなかったが顔が恐怖の色に染まっていて魂の抜け殻みたいになってました。科学者によるとこのような死に方はありえないといっています。』
それは、今朝のニュースだった。
「これって・・・。」
「純人ってこの前の奴だろ?どうなっているんだ?」
「わからない。今日学校で輔君に聞いてみる。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ヒカリちゃん、今日のニュースみた?」
大輔がヒカリに聞く
「うん」
「一体どうなっているんだろう?」
タケルが言う
今日学校は何も変っていなかったが一つだけ変っていたことがある。
輔が学校を休んだのだ。
そしてヒカリ、タケル、大輔、京、賢は放課後輔の家に行った。
  ピンポーン・・・・
しかし誰も出てこない。
しかしカギは開いていた。
「輔、入るぞー」
大輔を先頭に入っていった。
「「「お邪魔しまーす・・・」」」
「邪魔するなら帰れ!!!」
突然の声に全員は倒れた。
「・・・輔君?」
ヒカリが何処からきたのかわから無い声に聞いた。
「声を忘れたのか?」
奥の部屋から輔の声がした。
部屋の扉が少し開いてる。
ブイモンは中を覗き込んだ。すると
   ヒュ!!!
「ひゃあ!!」
   トス!!
扉の間からナイフが飛び出し、ブイモンの顔の真横を通って玄関のドアに刺さった。さらに
「ひゃあ!!!」
ブイモンの悲鳴とは別に玄関の反対側からも悲鳴が聞こえた。
大輔が扉を開けると黒須がいた。
「黒須君!!」
ヒカリは黒須の所に行った。
「何覗いてやがる!!!!」
奥の部屋から輔は言う。
「あ、あのー八神さんたちが入っていくので・・・」
黒須が言う。
「お前はストーカーか!?」
輔が言う。
「輔、ちょっと話しがあるんだが・・・」
「・・・今朝のニュースか。」
「ああ・・・」
「まあいい、来い」
大輔たちは部屋に入った。
輔はパソコンで何かを打っていて、隣には書類が山ほどあり、頭と腕には包帯を巻いていた。Dガルダモンの時の傷だろう。
「大丈夫?」
ヒカリが聞いたが輔は無視した。
「何やってるんだ?」
輔は黙って修行の時京にあずけたCDを出した。

34ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:06:59
第十二話 マインドバンデット 前編
「お兄ちゃんは?お母さんは?」
ヒカリが聞く
「わからん。ちょっと見てくる!!」
「え?見てくるって?」
輔は炎の中へ入っていった。
「何やってんだあの馬鹿は!!」
大輔が言う
「ヒカリー」
ヒカリを誰かが呼ぶ。太一だった
「お兄ちゃん!!無事だったの!?」
「ああ。来てみればこうなっていた。母さんは?」
「それが、まだわからないの・・・今輔君が。」
そのとき消防車が来た。
「どいてなさい!!」
消防員はヒカリ達を乱暴に押しのけた。
「いや、少し下がっていてください。」
大輔が言う
「言うぞブイモン!!」
大輔は誠実のデジメンタルを出した。
ブイモンは青い潜水型の鎧を着たデジモンになった。
『バブルボム!!!』
デジモンが巨大な水玉を出す。
「これは?」
ヒカリが聞くのを賢が答えた。
「『デプスモン』。水属性のデジモンだ。」
デプスモンは水玉を火にぶつけた。
火が少しずつ弱まっていく。デプスモンはそれを繰りかえした。

「熱っ!!アチアチ!!!大輔!!手を貸せ!!」
火の中から輔がヒカリの母さんを担いで出てきた。
「輔君!!」
ヒカリが近くに寄る
「よお、無事だったぜ。」
輔の頭の包帯が解けて片目が隠れていたけどもう片方の目で輔は笑った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「イテテテテテテテ!!!もうやめろ触るな!!」
「ダメ!!!こんなに怪我してるんだから!!」
ヒカリは輔の傷を手当てした。
ここは輔の家である。マンションが焼け、親類も近くにいなくて暮らすのに困っていた八神一家を輔が自分の家に来るように言ったから居候させてもらっている。
「いやーすまないねぇ輔君。本当にいいのかい?」
ヒカリのお父さんが聞く
「構いませんよ。一人暮らしもまぁあれだったし。」
輔は包帯の上から腕を掻きながらいった。
「でもなんでオレなんだ?ヤマト達も元の選ばれし子供なんだし。」
太一が聞く
「ヒカリの紋章を持つものの家族に選ばれし子供がいたらそれも少し大きな光の力を持っているんだ。」
「それでお兄ちゃんなのね」
ヒカリが輔の頭に包帯を巻きながら言う。
「だーもう!一人でできるって言ってるだろ!!」
輔が言う
「別にいいじゃない。」
ヒカリが静かに言う
「ダメだ!!」「なんで?」「ダメだったらダメ!!」「だからなんで?」
言い争っている二人の仲をヒカリの両親は優しく見守る。
そして次の朝
「ふぁ〜。・・・フギャ!!」
ヒカリがめずらしくベットから落ちた。
ヒカリは誰かみていないかと周りを見る。しかし誰もいない。
居間では全員が食事を済ませていた。
「お、おはよう。」
「着替えもできんのかお前は?」
輔の言葉にヒカリはまだハート柄のパジャマのままだと気づいた。
マンションの焼け跡にはまだ大丈夫なのもがいろいろとあった。パジャマのその中にあった。
ヒカリは赤くなった。
今日は日曜だ
輔はヒカリの座った目の前に朝食を置いた。
「輔君」
「ん?」
「昨日お兄ちゃんの中にも力があるよね?ヤマトさん達の紋章の力も敵には必要じゃないのかな?」
そういうと輔は持っていた食器を落とした。
「しまった!!!!!」

35ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:07:17
第十二話 マインドバンデット 前編2
トゥルルルルル・・・ガチャ
「ふぁいもひもひ・・・」
「何がもひもひだ!!ヤマト達が危ない!!すぐ来い大輔!!!」
輔からの電話だった。
「は!?」

「輔君!!」
ヒカリがパジャマから着替えてきた。
「よし行くぞ!!」
「うん!」

「みんな集まったか?」
京のコンビニの前に真の選ばれし子供が集まった。
「よし!!バラバラに分かれろ!!ヤマト達か危ない!!」
なぜこのようになったかというと、敵が今日ヤマト達を狙うことがわかったからだ。

「フン♪フン♪フフン♪」
ミミが陽気に町を歩く。
「あなたがミミね。」
後ろから声がする。みるとリリモンに乗った少女がいた。
「リリモン!!」
ミミはヒカリからのメールを思い出した。パートナーが操られてると聞いていたが、ウソだと思い。そのままだったが本当だったとは。
「純真の力が欲しいんだけど。」
「何?あなた誰?」
「あ、あたし?あたしは臣禅 舞(しんぜん まい)。」
そのころヤマト以外の所には同じように敵が来てた。

36ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:07:40
第十三話 マインドバンデット 後編
「リリモン!?どうして?」
『Dフラウカノン!!』
Dリリモンが攻撃をした。が
『テイルマンマー!!』
アンキロモンが現れ攻撃をはじいた。そのあと
『イレイズクロー!!』
黒いデジモンが表れてリリモンに攻撃をした。ウィンランのパートナー、サイバードラモンである。
「ミミさん。大丈夫ですか?」
伊織とウィンランがミミの近くによる。
「じゃまねぇ・・・ま、いいわ。いくわよ!!」
舞はポケットからD3をだした。
そしてもう片方のポケットから黒いチップを出した。
「あたしの使命はミミの心を手に入れる。それだけよ。」
すると舞はチップをD3に差し込んだ。そして画面をミミに向けた。
「まずい!!サイバードラモン!!!」
サイバードラモンが向かったがDリリモンが道をふさいだ。
「ミミさん!!逃げて!!」
ウィンランがいった。が
『マインドバンデット!!!』
舞のD3から黒い手が飛び出し、ミミの胸元に手を突っ込んだ。すると手は黄緑色の丸いものを持って出てきた。
「任務完了。」
舞は玉を取るとDリリモンと一緒に消えた。
「ミミさん!!」
伊織がミミの体を揺すったが、ミミは人形のように動かない。
「心を奪われた。」

「な・・・なぜ。アトラーカブテリモン!!!」
光子朗が倒れている。そして目の前にはD化したアトラーカブテリモンと見知らぬ少年がいた。
そして少年は黒いチップをD3に差し込んだ。
『マインドバンデット!!!』
黒い手が光子朗の胸元から緑色の玉を出した。
「ちょろいぜ」
「先輩!!!」
京がアクイラモンと一緒にきた。
「遅かったな。」
少年は言うとアトラーカブテリモンと一緒に消えた。
「しまった!!!」
京は動かない光子朗を抱えながらいった。

「丈さーん」
賢とタケルが丈の所に来る。
丈は道の真ん中に立っている。
「よかった。間に合った。丈さん。」
しかしタケルが丈の肩をたたいたら、丈は倒れた。
「!!!!丈さん!!!」
「遅かったか。」
賢は涙を堪えるように言った。

「3人やられたな。」
「ええ?」
「太一先輩は?」
「おそらく大丈夫だ。家から出るなと言っておいたからな。」
ヒカリ、大輔、輔の3人はヤマトのところに向かっている。
「しかし港で空を慰めるとは、どこまでキザなんだ。」

「そんなに落ち込むな。空。」
ヤマトは港で空を慰めている。
「でも、ピヨモンは輔に殺されたの!!!」
「あいつはお前のことを思ってやったんだ。」
「でも・・・」
「大丈夫。俺が空を守る。」
そのとき!!
ガシャアアアアアアン!!!!
後ろの倉庫が崩れた。
「!!!危ない!!!」
ヤマトが空をかばう。
ズササ!!!
「あ、ありがとう・・・・!!!ヤ、ヤマト!!!!」
ヤマトの背中には多くの鋭い破片が刺さっている。
「みーつけた♪」
後ろには獏哉とDワーガルルモンがいた。
獏哉は黒いチップとD3を出した。

「畜生!!!奴らに見つかった!!!!」
「どうすればいいの!!??」
「俺の腕に掴まれ!!」
輔の言うとおりに二人は掴まった。
「しっかり掴まれ!!!」
輔は猛スピードで二人を引っ張りながら走った。

37ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:08:02
第十三話 マインドバンデット 後編2
「ヤマト!!!」
「大・・・丈夫・・・。」
「大丈夫じゃないでしょ!!!血が・・・」
「空!!」
ヤマトは空の肩を掴んだ。
「急いで輔のところに行き、このことを伝えてくれ!!」
「輔・・・」
空は『輔』と聞いたとたん脅えはじめた。
「い、いやよ!!!輔なんか信じない!!!」
「そんなこと言っている場合じゃないだろ!!!」
「でもそのうちにヤマトがやられちゃうかもしれないんだよ!!!」
「俺のことは気にするな!!何とか逃げ切る!!行け!!!」
「いやよ!!」「行け!!!」「いやよ!!!」「行け!!!!」
「なにを言い争っている?」
『マインドバンデット!!!!』
黒い手がヤマトの胸を貫く。そして青紫色の玉を出した。
ヤマトは倒れる
「!!!ヤマト!!!」
「任務完了♪」
獏哉はヤマトの心を懐にしまう。
『ジャッジメントアロー!!!』
サジタリモンの矢がDワーガルルモンをかする。
「遅かったようだな!!」
獏哉は走ってきた輔たちに言った。
「いや、まだ間に合う!!!ヤマトの心を返してもらうぞ!!!」
輔は剣をだし、斬りかかった。
「フン!!!」
獏哉はギリギリで消えた。
「くそっ!!!」
「キャアアアアアアアアアァァァァァァーーーーーーーーー!!!!」
空が悲鳴を上げる。
そして空は倒れた。
「空さん!!!」
「空!!!」
空は気絶していた。

「輔達、大丈夫だろうか。」
太一は輔の家にいた。
「・・・・ちゃーん」
「ん?」
「おにい・・・・ん」
「ヒカリ?」
「お兄ちゃーん!!!」
ヒカリの呼ぶ声がする。
太一は外に出た。
「ヒカリーー!!!どこだーーーー?」
「お兄ちゃん。ここだよ!!!」
後ろから声がする。太一は振り返った。が、
『マインドバンデット!!!!』
黒い手が太一のオレンジ色の心を奪った。
太一は倒れた。
「ククク、バーカ。」
D化したメタルグレイモンに乗った少年が笑った。
「任務完了・・・」

38ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:08:24
第十四話 危険
真の選ばれし子供は病院にいた。
そこには空と心を抜かれた太一達選ばれし子供とその両親がいた。
両親には輔が事情を話した。
「お兄ちゃん」
ヒカリが太一を見ながら言う。昨日ヤマトの心が奪われ、戻ったころにはもう太一の心は奪われていた。
空はヤマトの隣に寝ている。昨日気絶してから一度も目を覚ましていない。
「あの、空は大丈夫なのですか?」
空のお母さんが言う。
「わからない。多分敵には空を狙う純人がいないからしばらく大丈夫でしょう。」
「そうじゃなくて空は狙われているのかずっと大丈夫なのかを聞いているんです!!」
「それはわかりません。」
輔が静かに答える。
「うちの子供は元に戻るのか?」
ヤマトのお父さんか聞く
「戻ります。戻して見せます。だがそれには真の選ばれし子供が集い、力を合わせなければなりません。」

次の日の夜明け
    チュンチュン・・・
空は目が覚めた。そして何があったかを思い出した。
(ヤマト・・・・)
空はヤマトを見た。
(私がヤマトの言うこと聞いていれば助かったのかもしれない・・・)
そう思い、空は涙が出た。
(私のせいで・・・ヤマトが・・・)
空は自分を責めた。そのとき
ガラガラ・・・
黒須が入ってきた。
「!!!あなたは確か・・・黒須君?」
空は涙を拭きながら聞いた。
黒須は部屋中見渡すとこういった。
「『ロード』ですけど」
「!!!!!」
空はとっさに部屋から飛び出した。
「フフ・・・」
黒須は静かに追いかける。
(ヒカリちゃん!!!輔!!!!みんな!!!!奴は近くにいたんだ!!!)
空は走りながら心で訴えた。

ビビビビビビビビビビ!!!!!
輔のD3がなる
「!!!ヒカリ!!!病院だ!!!」
「え?」
「空が危ない!!!」

「逃がさないよ」
黒須は黒いチップをはめ込んだ。
『マインドバンデット!!!!』
黒い手が空の赤い心を奪う。
黒須はそのまま消えた。

「ああ!!!」
ヒカリが来たときには空は倒れてた。
「くそ!!!!!!」
輔は地面を叩いた。

39ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:08:41
第十五話 二人目の転校生 前編
「どういうことよ!!!?」
空の母さんが聞く
「空はもう大丈夫だって言ったじゃない!!!」
「確実にとは言ってません」
輔が答える
「なんてこと・・・」
空の母さんは涙が止まらなかった。
「必ず心は取り戻します。」
輔はそういって立ち去った。

「ヒカリちゃん。今日の輔おかしくねえか?」
学校の登校したあと、大輔が聞いた。
確かに輔は朝からいつもとは違う表情で青空を見ている。
「うん。」
「空さんのことでかな?」
「やっぱり俺たちも悲しいもんな」
大輔が言ったそのとき
「ヒカリちゃんヒカリちゃんビックニュース!!!」
他の女子がヒカリのところに集まる。
「今日また転校生が来るんだって。」
「え?」
「しかも今度は女の子でメッチャ可愛いらしいよ!!」
ガラガラ・・・
「ほら席つけー!!」
先生が手を叩きながら言う。
「輔君、また転校生が来るって。」
しかし輔は何も言わない
「今日は二人目の転校生が来たぞ!!入って!!」
先生が言うと自身がなさそうに扉が開いた。
そこにはロングへアでフードをかぶり、パッチリした目は辺りを見回している女の子がいた。
「ほら、早く入りなさい。」
「あ、はい!!」
女の子は顔を赤くして入っていった。
「あ、あの・・・札幌から来た北野秋(キタノアキ)です。よ、よろしくお願いします。」
「「「ウオオオオオオオーーーーーーーーーーーーー!!!!」」」
男子が雄叫びを上げた。あまりの可愛さに我を忘れている。
「じゃ、じゃああのチンチクリン頭でゴーグルつけてる男子の隣ね。」
先生が言う。大輔のことだ。
「うおーーーー大輔いいじゃーん!!!」
「うらやましーーーーい!!!」
男子たちが言うが大輔は大して嬉しそうではない。
なぜならヒカリ以外の女には興味がないからだ。
「よ、よろしくお願いします。」
北野は丁寧にお辞儀をした。
「あ、ああ」
大輔も軽く頭を下げた。
そのときヒカリは輔が来たのをジーッと見ているのに気づいた。そして少し胸に痛みが走った。
(な、何この感じ?もしかしてショック受けてる?)
ヒカリは思った。

放課後
北野は男子に囲まれて教室を出ようとした。が
「ちょっと待ってくれ!」
輔が北野に言う。
「な、何ですか?」
北野は少し怖がっているように聞く。
「すまんがちょっと来てくれんか?」
輔が言う
「おいおい。北野ちゃんは俺たちと帰るんだぜ!!」
他の男子が言う
「はい。」
北野は言った。またしてもヒカリは胸に痛みを感じた。
「ヒカリ、大輔、タケルもだ。」
輔がそう言い、ヒカリはホッとしたような気がした。
教室には輔たち意外誰もいない。
「な、なんでしょうか?」
北野はモジモジして聞く
「これに似ているものを持っていないか?」
輔はD3を出した。すると北野の表情が変わった。
「はい!!!」
北野はカバンからあるものを出した。D3だった。
「あ!!!」
「それをどこで?」
「はい。二、三年ほど前、パソコンからいきなり出てきました!!!」
北野は言う。
「やはりな・・・・九人目だ!!!」

40ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:08:59
第十五話 二人目の転校生 後編
「パートナーは?」
輔が聞く
「家にいます。」
北野が答える。
「今年になって変わったことは?」
「ありません。」
「では紋章というのを持っていますか?」
「モンショウ?」
「このようなものです。」
輔は神に紋章の絵を描いた。
「あ!!!はい!!!!」
北野は首飾りを服から出した。そこにはタグと紋章が付いていた。
「それは『幸福』の紋章。」
「『幸福』・・・・。」
「それとあんたに話すことがある。とても重大なことだ。」
そして輔は敵のこと、ヒカリ達、ヒカリのこと、敵の企み、新の選ばれし子供、太一たちの心を捕られたこと・・・そしてウォレスのことを説明した。
「はい・・・・でもウォレスさんが死んでしまっては敵とは戦えないんじゃ・・・」
「それもそうだ。・・・だがそんなことより問題はあんたが協力くしてくれるのかを聞いてるんだ。」
北野は戸惑っている。それもそうだ。何せとてもデカイことをやるのだから。
北野が悩んでいるとき、
「まあいいじゃないか。北野も困ってるみたいだし、明日にしてもいいんじゃないか?」
大輔が言った。すると北野の顔が赤くなった。
「・・・・ま、いいだろう。」

その夜・・・・
北野はどうするかを考えた。
しかし考えてる途中でいつも大輔を思い浮かべてしまう。
「どうかしたのか?」
後ろから鳥型のデジモンが来る。
「うん。」
北野はパートナー・・・ファルコモンに事情を話した。
「どうすればいいかな・・・・ファルコモン。」
「それは自分で決めることであります。」
ファルコモンは言った。
「私はどちらでも構いません。」
「そう・・・。」

次の日・・・
「あ、北野さんおはよー!!」
ヒカリが北野による。
そのあとを大輔たちも追う。
「どう?決まった?」
ヒカリが聞くと北野は手を差し出した。
「私しかできないのなら・・・。」
そう北野は言った。
「・・・・うん!!!」
そう言ってヒカリは手を握った。
九人目がここに誕生した。

41ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:10:27
第十六話 北野の実力
その日の放課後
輔はあのCDの解読に早く帰り、大輔はサッカー部、タケルはバスケ部に行き、教室にはヒカリと北野だけになった。
「ヒカリさん」
北野が言う
「!はい。」
「あなたは大輔さんとどんな関係ですか?」
「え?」
「恋人同士ですか?それとも単に友達ですか?」
北野は真剣に聞いている。
「うーん。恋人じゃあないけど、友達とも言うのか・・・大切な仲間ね。」
「本当ですね?」
北野の顔はとても真剣だ。
「う・・・うん。」
どうしてそんなこと聞くのだろうかと思って空を見たら。ヒカリはとんでもないものを見てしまった。
屋上の壁にはなんとあの『インフェルモン』がいる。
「テイルモン!!」
「ああ!!」
テイルモンの気づいたらしい。
ヒカリは屋上に向かった。
「?」
「どうやら敵でありますね・・・」
後ろから声がした。ファルコモンだ。

『ギ・・・ギギギーーーギ・・ギギ・・』
ヒカリは屋上の扉に隠れて何をしているのか見ている。
するとインフェルモンは腹から黒い何かを出した。爆弾のような・・・いや、爆弾であった。
「!!!テイルモン!!」
「うん!!!」
「待って!!!」
ヒカリが行こうと思ったら誰かに呼びとめられた。北野だ
「私たちに任せて」
「私・・・『達』?」
「そうです」
ファルコモンが現れた。
「行くよ!!!」
北野は勢いよく飛び出した。
『ギギ!?』
インファルモンが気付いた。
『ファルコモン!!!ワープ進化!!!!』
「ええ?」
ヒカリは驚いた。究極体になれるなんて。
「いくら『インフェルモン』でも究極体には勝てないわね!!」
ファルコモンはあっという間に黄色の巨大な鳥型デジモンになった。
「いけぇ!!!『ヴァロドゥルモン』!!!」
『オーロラーアンジュレーション!!!!』
ヴァロドゥルモンの光線がインファルモンに直撃し、インフェルモンは消えた。
「ふう。」
北野はその場にしゃがみこんだ。ヴァロドゥルモンは静かにファルコモンに退化した。
(これが・・・・北野さんとファルコモンの実力・・・)
ヒカリは唖然とした。
「ヒカリー大丈夫かー?」
輔が現る。輔は屋上の様子を見て何があったのかを大体読み取った。
そして輔は剣を出し、爆弾を真っ二つにした。爆弾は静かに爆発する。
「・・・お前がやったのか?」
輔が北野に聞く
「・・・はい。」

42ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:10:49
第十七話 思い掛けない事実 前編
ここは休みの小学校のパソコン室
「ふーん。あなたが北野さんね」
「は、はい。」
「結構可愛いじゃない!あたし京。よろしく。」
京が自己紹介をする。
「よ、よろしく。」
「伊織です。」
「一乗寺です。」
「ウィンランです。」
「よ、よろしくお願いします。」
「さて、どうするか・・・。」
輔が言う
「何がだ?」
「敵がまた動き始めた。」
「じゃあぶっ倒せばいいじゃないか!!」
大輔が陽気に言う。
「簡単に言うな!!奴らは太一達の心で格段に強くなっている。」
「早く十一人集めないと・・・。」
「あと二人・・・か。」
「とにかく、一旦デジタルワールドに行く。」
「なんで?」
「あわせたい奴がいる。」
「誰?」
「誰だっていいだろ!行くぞ!!」
「そんないきなり・・・」
ズキュウウゥゥゥーーーーン
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「お、あいつらが来たぞ!」
「俺達の力を見せてもいいだろ?『ロード』。」
一人の男が言う
「それもそうだが負けたら純人と同じ運命だろ?」
もう一人が反論する。
「そんなの知るか!あいつがバカなだけだ!!な?『ロード』!」
「それもそうだがお前等は行かせない。」
『ロード』は答えた。
「何でだよ!?」
「こいつが挨拶したいってね。」
『ロード』の隣に金髪の少年がいた。
「新入りか?」
「ああ・・・ただし、わかってるな?」
『ロード』が言うと金髪少年は頷いた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ふー、久しぶりだな・・・」
大輔が言う
「暢気な事言うな。いくぞ!!」
「あのな・・・お前行動が早すぎるんだよ!!」
大輔が言うのを輔は無視して歩いた。
「誰に会うの?」
「『マスター』だ。」
「マスター?」
「ああ。・・・!?大輔!!!」
「え?何?」
『ジャイアントミサイル!!!』
ドコォォォーーーン!!!
「「「ぐわぁぁーーーー!!!」」」
みんな吹き飛んだ。
「くっ、二人共!!皆を守れ!!!」
輔はすばやく体勢を立て直した。が、
(!!ちょっと待て!今の攻撃は?)
輔の行くにいたのは・・・ウォレスとセントガルゴモンだった。
「!!!ウォレス君!!!」
「何でお前が?」
「・・・・。」
ウォレスは答えない。
「何とか言えよ!!」
「挨拶に来た。」
「・・・なんだと?」
「僕は君達の味方じゃない。」
「何?」
ウォレスは腕の裾を捲った。そこには・・・
「何故?何故お前がそれを!?」
ウォレスの腕には闇の呪いがあった。

43ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:11:06
第十七話 思い掛けない事実 後編
「お前はこれがなんだか知っているのか?輔?」
ウォレスが聞く。どうやら輔も呪いをかけられていることは知らないらしい。
「いや、そんなことより、何で生きてる?あの時お前は爆発に巻き込まれ・・・」
「いいや、僕は爆発寸前に掌から逃れ、タイムホールに飛び込んだ。しかしそのタイムホールは僕が使ったのとは別のだった。」
「敵の・・・か?」
「ああ」
「でもなんで敵の仲間になったんだよ!!」
大輔が聞く
「わかったのだ・・・お前らじゃ『ロード』には勝てないって・・・」
「何?」
ウォレスは呪いのマークを見ながら言った。
「この呪いは闇により命を削られていく・・・だがもう一つある!この呪いの能力!」
「!!」
「この呪いによって死んだものは不老不死の力を得て、『ロード』の忠実な兵器となる!」
「何だと!?」
ヒカリは驚いた。それじゃあ輔まで『ロード』の言いなりになってしまう。
「ちょっと待て!!じゃあ呪いをかけた『ロード』は・・・」
「一生死なない。」
ウォレスが言う
「じゃあ前回の戦争の闇の大将も・・・」
「『ロード』だ。」
「なんてことだ・・・お前は何でその呪いを受け継いだ?『ロード』の配下になってもいいのか?」
「不老不死の力を得るなら構わない・・・」
「だめだよウォレス君!!」
ヒカリが言った。がウォレスは無視した。
「さて挨拶は済んだことだし、僕は帰るよ。セントガルゴモン!」
「・・・・。」
セントガルゴモンは黙っている。
「セントガルゴモン!!お前は平気なのか?ウォレスがこんなんで!?」
セントガルゴモンはしばらくしてから言った。
「ウォレスが望むなら・・・。」
「ああそうだ!輔!!」
ウォレスは輔に何かを投げた。それはウォレスの『優しさ』と『運命』の紋章だった。
「!!!ウォレス!!お前!!」
「君も呪いを受けるといいよ!!バーイ♪」
ウォレスはそう言うと消えた。
「ちっくしょおおおぉぉーーーーーーーーー!!!!!!」
皆は頭を抱えている輔をただ見ているだけだった。しかしもう一つの面で皆は同じことを考えていた。
ウォレスを・・・裏切り者を必ず連れ戻す!!

44ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:11:28
第十八話 招待状
「くそ!!」
輔が地面に拳を叩きつける。
「ちくしょう、ウォレスの奴・・・」
大輔も続いて言う。
「あれが一緒に戦った本当のウォレス君なの?」
「いや、彼はまだ何か隠してる。」
ウィンランがいった。
「何?」
「彼の目は本当の目ではない。何かに脅えるような・・・」
「ウォレスが『ロード』に脅されているのか?」
「さあ・・・輔!!!今はそんな事をしているときではないぞ!」
「くっ!」
「彼等を『マスター』に会わせるんだろ?」
「ああ・・・だが見てくれ・・・」
輔の手の中に入っている紋章にはヒビが入っていた。
「こうなったのもあいつがこの心を忘れてたからだ・・・!!!いや待て!見てくれ!!」
輔はヒビの間から何かが出ているのを見つけた。
「これは・・・」
それはウォレスからのメッセージだった。
『僕のことを詳しく知りたかったらギガハウスへ来い』
「ギガハウスって・・・」
「あの蜘蛛のババアが俺たちを呼んだところだ。」
ギガハウスとは何でも大きな家で虫デジモンがいるところだ。
「だがあそこは崩壊したはず・・・。」
「とにかく行ってみようぜ!!」
「いや待て。まずは『マスター』に会わないと・・・」
大輔の意見にウィンランが反対する。
「そもそもなぜギガハウスなんだ?」
「いいから行ってみようぜ!!本当にウォレスの奴脅されて助けを求めているのかも・・・」
「いや、紋章が割れたということはあいつはもはや敵・・・」
「いいから行こうぜ!!!」
「しかし・・・」
全員の意見が飛びあう中、北野が言った。
「行ったらいいんじゃないの?ウォレスさんが敵だとしても何か重要な手がかりがあるかもしれないし・・・」
その言葉で決まった。
「よし!行こう!!」
「「「オーーーーーー!!!」」」
皆はわざわざ元気に言ってみた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「あん?なんだって?」
「ヒカリがそちらに向かう。役目はわかっているだろうな!?」
「けっ!ヒカリを生け捕りあとは皆殺し・・・だろ?」
「その通りだ。失敗は許されない・・・わかったな!?」
「けっ!!解ってるよ!!!さっさと失せろ!!」
「あと言葉遣いにも気をつけろ!」
そう言うと交信は途絶えた。
「けっ!!」
ライダースーツを着たデジモンは準備をした。

45ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:11:46
第十九話 罠
「なんか・・・変わったな・・・。」
大輔が言ったのはギガハウスではなくその周りの自然だ。森は全く無く、砂漠になっている。大輔達からしてもギガハウスはまだ遠い。
「・・・急ぐぞ。」
輔がさっさと行く。
「おい、早すぎるんだよ〜」
「知るか!」
と輔が言ったとたん
ザザーーーン!!!
砂漠の砂がいきなり舞い上がった。
目の前にはD化したデジモンたちがいた。
「チッ!招待したくせに行かせねえってか?」
輔はそう言うと剣を出した。
デジモンたちが襲い掛かる。
「チッ!!これは罠だ!!おい!ヒカリが捕まらないように守れ!!」
「「「わかった!!」」」
全員はそう言うとデジモンを進化させた。
『オーロラーアンジュレーション!!!!』
ヴァロドゥルモンの光線が敵を殺さない程度に一掃する。
『ジャッジメントアロー!!』
サジタリモンの矢がヒカリに襲い掛かろうとしたナイトモンの肩に突き刺さる。
「テイルモン!!」
ヒカリがD3を出す。
「ああ!!」
「駄目だ!!」
輔に言われヒカリは止まった。
「お前は逃げろ!!」
「いやよ!!」
「最初からお前が狙いだったんだ!!逃げろ!!」
ヒカリの周りでは皆が戦っている。
「私も戦う!!」
「ぐわぁあ!!」
アシュラモンに突き飛ばされたアンキロモンが飛んでくる。
「危ない!!」
タケルがとっさにヒカリを助ける。
「あ、ありがとう。」
「輔!!」
「!!!」
「君はヒカリちゃんを連れて逃げて!!ここは僕たちが食い止める!!」
「・・・・解った。来い!」
輔がヒカリの手を掴む。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ほほう。ちったぁ骨がありそうじゃんか・・・っつうかヒカリって誰だ?」
ライダースーツを着たデジモンはモニターを見ながら言う。どうやらヒカリの姿を見たことが無いらしい。
「しょうがねえ・・・」
そのデジモンは赤いボタンを押した。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
いきなり地震が起きたかと思うとギガハウスに砂漠が吸い取られていく。それと同様に、Dデジモンや大輔たちも飲み込まれる。
「くそ!逃げられねえ!!」
「「「うわぁぁぁーーーーーーーーーーー!!!」」」
砂漠の3分の1を飲み込み、大輔たちも飲み込まれた。

「イテテテ・・・げへぇ!!がへ!!ペッペッ!!」
大輔は口の中に入った砂をはいた。
「ようこそ。」
大輔達の前にはライダースーツを着たデジモン、ベルゼブモンがいた。
「さて、誰がヒカリだ?」

46ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:12:01
第二十話 ベルゼブモン
「お、おまえは!?」
「ベルゼブモン。お前たちを消し、ヒカリを捕まえる。誰がヒカリだ?」
ヒカリは輔と一緒にギガハウスに飲み込まれた瞬間に輔と一緒にベルゼブモンの真上の天井の柱に掴まっている。
「さあ言え!誰がヒカ・・・」
『デスペラードブラスター!!』
ベルゼブモンはパイルドラモンの攻撃をモロに喰らった。
「やったか!?」
しかしベルゼブモンは無傷だ。
「けっ、ヤル気あんのか?オメーラ。」
するとベルゼブモンは腰から銃を出した。
「死ぬ前の戦いだってのによ!!『ダブルインパクト!!』」
ベルゼブモンの攻撃がパイルドラモンの後ろにいたヴァロドゥルモンに命中した。
「ぐわぁ!!」
「ヴァロドゥルモン!!」
ヴァロドゥルモンはあっという間にファルコモンに退化した。
(同じ究極体でも一撃で!?)
その戦いを上から輔とヒカリが見ている。
「ねぇ・・・助けないの?」
ヒカリは小声で聞いた。
「今はお前の安全が大事だ。相手はあのベルゼブモンだぞ!」
輔も小声で言った。
「『あの』って・・・輔君あのデジモン知ってるの?」
「ああ、前回の大戦で闇側で暴れた七大魔王の一人、ベルゼブモンだ・・・」
「七大魔王!?」
ヒカリの声が聞こえたのかベルゼブモンは一瞬止まった。が、またいつものように大輔たちに向けて銃を撃ちはじめた。
「くっ、強すぎる!!」
ベルゼブモンは北野の首を絞めた。
「きゃあ・・・」
「北野!!」
「こいつがヒカリか?」
「くっ」
「そうよ!!!私がヒカリよ!!」
北野が言った。
「ほう・・・お前は北野じゃないのか?」
ベルゼブモンに言われて北野は一瞬途惑った。が
「そうよ!!北野ヒカリよ!!」
「北野・・・」
「チッ!!」
ベルゼブモンは北野を放した。
「本物は・・・」
ベルゼブモンは銃口を上に向けた。
「ここだ。」
ズドン!!
ベルゼブモンが天井に向かって撃った。
「きゃああああああああ!!!」
ヒカリが落ちてきた。しかし床にぶつかる前に輔が受け止めた。
「大丈夫かヒカリ!!」
「ヒカリちゃん!!」
「見つけたぜぇ・・・八神ヒカリ」

47ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:12:19
第二十一話 脱出 前編
「おとなしく来てもらおうか。」
ベルゼブモンがヒカリに近づく。ヒカリは右肩を抑えている。右肩からは血が出ている。ベルゼブモンに撃たれたのだ。輔は自分の服を破り、ヒカリの傷を塞いだ。
「何も五体満足じゃねえぜ。」
ドン!!
「きゃああああああ!!!」
ヒカリの左足から血が出る。
「てめえ!!!!」
輔は剣を出す。
「用は連れてくるんだ。傷ができても死ななけりゃそれでいい。」
そう言うとベルゼブモンの周りにDデジモンが現れた。
「お前らはヒカリを捕まえろ。俺はお邪魔虫を片付ける。」
「させるか!!」
『テイルハンマー!!!』
ゴス!!
アンキロモンの尾がベルゼブモンの腹に入る。
「がっ!!」
「今だ!!」
『デスペラードブラスター!!!』
パイルドラモンの攻撃が煙を上げる。
「くそ!!」
煙が消えたころにはヒカリ達は消えていた。
「チッ!探せ!!」

「ハァ・・・ハァ・・・」
ヒカリ達は巨大な部屋の中を走っていた。
「ホントにでけーな。」
ウィンランが言う。
「ヒカリちゃん大丈夫?」
光はアンキロモンの上に乗っている。
「うん。何とか。・・・!!テイルモンは?」
「あっ!!」
「確か外にはいたよな!?」
「ギガハウスの中では見てないぞ!!」
「テイルモン・・・」
ヒカリが傷をさすりながら言う。
「きっと大丈夫よ!」
京が言う。
「でもどうするんですか?」
伊織が聞く。
「?何が?」
「あのデジモンはとても強そうですよ!」
「なあに・・・何とかなるだろ!」
そのとき輔はある部屋を見つけた。
「!!!こ、これは!!!」

48ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:12:38
第二十一話 脱出 前編2
「ここは・・・」
そこは他の部屋とは違って普通サイズの部屋だった。しかし何も無かった。
「ここは何ですか?」
「わからん」
「敵が隠れてねえか?」
「ねえ!あれ何?」
京が指差したところには何かの台があった。そこには四角い何かをはめる用になっている。
「!!これは!!」
タケルが言う
「知っているのか?」
「これは・・・・」
その時、ヒカリもそれがなんだかわかった。
「それはヴァンデモンが人間界に行くときつかったものだよ!!」
見ると横にはカードがあった。台は何も変わってなかったがカードの絵柄はなく、何かの信号みたいなのがあった。
「どうすんだよ!!」
すると輔は台の前に行った。そして何かわからない呪文を唱えた。
するとカードは次々へと台にはまった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・
すると壁が二つに割れた。そこには何かのコントロールルームがあった。
輔はすぐさま椅子に座り、何かをし始めた。
「あの・・・・輔さん。」
伊織が輔による。
「教えてくれませんか・・・戦争やら何やらのこと・・・」
ヒカリは思い出した。伊織達は戦争のことを知らない・・・・そして輔が呪いにかけられていることも。
「・・・いいだろう。」
輔は戦争のことを話した。しかし、呪いのことは話さなかった。
話し終わると輔はまた何かに取り掛かった。
「・・・・お前等。」
輔が急に言った。
「何とか逃げられそうだ。」

49ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:12:56
第二十二話 脱出 後編
「どういうこと?」
輔は一番近いモニターを指差した。しかし、ヒカリたちには何が書いてあるのかチンプンカンプンだった。
「これはこの巨大な家の仕組みが書いてある。罠などの仕掛け、非常の時の仕掛け、これらを使ってここから脱出する。」
「脱出って、普通に逃げればいいじゃない。」
「まさかベルゼブモンがいるとは思わなかった。奴がいる以上、逃げられない。」
「それでどうやって逃げるの?」
「これから俺の言うことをちゃんと聞いてほしい」

「畜生!!まだ見つからないのか?」
ベルゼブモンがDデジモン達に言う。
「やーいやーい!ベルゼブモーン!!アホ!ボケ!!カス!!!」
ベルゼブモンは声がしたほうを向いた。そこにはウィンランと大輔がベルゼブモンにむかって野次ったりしている。
「てめえらーーーーー!!!」
ドンドンドンドン!!!
ベルゼブモンが撃ったのを2人はかわした。
「クソガキーーーーーーーーーー!!!」
大輔たちは廊下に逃げた。
「にがすか!!!」
ベルゼブモンも後を追った。しかしベルゼブモンが廊下に出たとたん・・・
「アターーーーーーック!!!!」
シャッコウモンがベルゼブモンに超重量アタックをした。
「ぐあ!!!」
ベルゼブモンの体は壁に叩きつけられた。
「お前等ーーーーー!!!何してやがる!!!」
ベルゼブモンはDデシモンに言った。Dデジモンは急いできた。
「くそったれが!!」
ベルゼブモンがそういったとたん。ベルゼブモンが寄りかかっていた壁が消えた。
「何!?」
ベルゼブモンは壁の反対側に放り出された。するとまた壁が現れ、廊下までの道を塞いだ。ベルゼブモンは放り出されたところがどこだか知っていた。
「これは『隠し扉』トラップ!?あいつらコントロールルームにいたのか?」
「こっちよー!!」
声がしたほうには京とタケルがいた。
「クソガキ共め!」
ベルゼブモンは京たちに向かって発砲した。しかし弾は見えない何かに兆弾した。そのまま弾はベルゼブモン周辺を兆弾した。
「くそ!!!これはどんな攻撃も跳ね返す『跳ね返しガラス』!?」

「うまくいってるようだな。」
輔とヒカリはモニターを見ている。
「皆大丈夫かしら」
「なあに心配いらんだろ。」
「それより輔君」
「ん?」
「どうして皆には呪いのことを言わなかったの?」
「心配させるといけないからだ。」
「・・・・。」
「よし!!北野と伊織がベルゼブモンをひきつけてる。ここでこのトラップを・・・よし!!!あと少し!!後は爆弾を・・・」
「爆弾!?」
ヒカリは驚いた。
「ああ、ここにはあの自爆装置がついている。それで奴を倒す。」
「他のDデジモンは!?私達は!?」
「俺たちは非常装置で外に出られる。他は皆アウトだ。」
「そんな・・・聞いてない!!」
「ああ、今言ったからな。よし!!!爆弾タイムオッケー!20秒後にドーンだ。」
「輔君!!!」
「Dデジモンに同情するな!!非常装置オン!!!」
ヒカリは目の前が明るくなったと思うとギガハウスが小さく見えるほど遠くにいた。
「ヒカリちゃん!!」
周りには全員がそろっていた。
「3・・・2・・・1・・・」
輔が何かカウントしている。大輔達は何かわからなかったがヒカリにはわかっていた。
大爆発が起こった。
「なっ!?」
大輔達はこんなことは思いもよらなかった。

ギガハウスの中でベルゼブモンは逃げようとしたが遅かった。
「くっそがあああああああ!!!!!」
ベルゼブモンは吹き飛ぶ途中片目にギガハウスの破片が刺さった。

50ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:13:11
第二十三話 マスター 
輔たちは砂漠を歩いていた。さっき輔が皆にギガハウスの爆発については話した。多少反論はあったが輔が丸く治めた。しかしヒカリは北野に肩をかりながらテイルモンの心配をしていた。
「ここだ。」
輔は止まった。そこには大きな森があった。
「今となってデジタルワールドで無事なのはここと他の数箇所だ。」
「ここはどうして無事なのですか?」
伊織が聞く。
「『マスター』がいるからだ。」
「『マスター』って誰ですか?」
「前回の戦争で真の選ばれし子供の次に活躍したデジモンだ。」
「ちょっと待って、戦争って結構昔に起きたんじゃないの?何で生きてるの?まさかおじいさんじゃないでしょうねぇ?」
「戦争が終わった後、真の選ばれし子供はロードが逃げたことによりまた戦争が起こると悟り、『マスター』などのデジモンに普通より8倍の寿命を与えた。」
「8倍!?」
「ああ、『マスター』達は今は500歳は越してるだろう。」
「げげっ!」
「まあとにかくこれからマスターに会いに行く。」
プツン・・・
輔が一歩踏み出したときに足が一本の糸を切った。
ウーウーウーウー
いきなり警報が鳴った。
するといきなり森から二刀流で黒い鎧を着た竜人型デジモンが斬りかかってきた。
ガキィン!!
輔は剣を出してデジモンの攻撃を防いだ。それから互いは件を混じり合わせながら相手を押している。
「よう、元気か?『ガイオウモン』。俺達はマスターに会いたい。」
輔が言う
「合言葉を言え!!言わなくば『コピーマン』と見なす!!!」
ガイオウモンというデジモンが言った。2人は離れた。
「我ここに誓う。我闇に逆らい光に味方し、平和を望むものなり。」
輔が行き何やら言った。するとガイオウモンは剣をしまった。
「よろしい。」
ガイオウモンは道を空けた。
輔は森の中に入って行った。ヒカリたちが後を追う。
「輔君、今のは?」
「ガイオウモン。前回の戦争で活躍した、マスターの次の次に強いものだ。」
「次の次?マスターの次は何だよ?」
「すぐわかる」
輔たちは広間に出た。広間の中心の切り株に一人のデジモンがいる。背に巨大な剣を持ち、籠手を付け、胴鎧を着ている。
「久しぶりだな。」
デジモンが言う。
「ああ、マスター。」
輔が深々とお辞儀をする。デジモンもお辞儀をしたのでヒカリたちもあわててお辞儀をした。
「して、そこにいるのがヒカリか?」
マスターが言うと周りからいろんなデジモンが出てきた。
「ああ、ヒカリ、この人が『マスターレオモン』だ。」
「よろしく」
マスターレオモンが手を出したのでヒカリもそばによって握手した。マスターレオモンの体は結構大きかった。
「で、あいつは?」
輔が言う。
「ああ、あそこだ」
マスターが指差したところにボロボロの学ランを着、傷だらけのデジモンがいた。
「よっ『番長』!!」
「けっ!!」
番町と呼ばれたデジモンはどこかにいってしまった。
「あれは?」
「『バンチョーレオモン』。私の右腕だ。」
輔の代わりにマスターが言った。
「あいつは前回の戦争でダークドラモンの腕を切り落としたという誇り高き名誉を持つ。」
輔が言う
「ははは、あれはただ無茶して運がよかっただけだ!ははは」
マスターが笑う。
「あの〜輔。」
大輔が言う
「ああ!!そうだった。」
輔がマスターに大輔たちを紹介する。
「君達に見せたいものがある。」
マスターが言った。
ヒカリ達はマスターにある遺跡へと導かれた。その遺跡の真ん中になにやらドーム状のものがあった。
「これは?」
「儀式をする台だ。」
「儀式?」
ドームには周りに何かをはめる窪みがある。
「もうわかったかな?その窪みが。」
「紋章を入れる?」
「そのとおり。ここには真の選ばれし子供が心をひとつにし、紋章をはめ込み、強大な光の力を生み出す。」
「前回もそれでダークドラモンなどを封印したのか?」
ウィンランが聞く。
「ああ」
その時光はあることにきずいた。
「輔君。紋章を2つ持っているのは大輔君たちとウォレス君だけだよね?」
「ああ。」
一つ窪みが多い。紋章は確か『光』『希望』『勇気』『友情』『愛情』『純真』『知識』『誠実』『奇跡』『優しさ』『運命』『幸福』『信頼』(ウィンランの紋章はそうだった。)とあと2つの紋章で15個になるはずだが窪みが16箇所ある。ヒカリ意外誰もきづいていない。
(どういうことだろう)
ヒカリはあえてそのことを言わなかった。

51ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:13:36
第二十四話 現れた不良 前編
「大丈夫かなぁ・・・テイルモン。」
ここは放課後の学校。あれからマスターにテイルモンを探すように頼んだが連絡は無い。
「大丈夫だろ」
輔は教科書を鞄にしまいながら言った。
「ねぇ。なんでインフェルモンが屋上に爆弾を仕掛けたの?」
北野が寄ってくる男子を振り払いながら聞く。
「ヒカリをゆっくり追い込んで捕まえるつもりだったんだろう。」
「何でインフェルモンがいるんだ。」
大輔が言う。
「闇の力じゃあんなの作るのは簡単だろう。」
「作った!?」
「ああ。闇の紋章はDデジモンを作ることができる。」
「ねーねー北野ちゃーん、そんな奴らと話してないで一緒に帰ろうよ〜」
男子達が言う。
「タケルク〜ン。一緒に帰ろ!!」
タケルの周りには女子がたくさんいる。
「けっ!!」
大輔が言う。このクラスでは北野が男子にモテて、タケルが女子にモテる。大輔は結構嫌われていてヒカリは今のとこ普通で輔は何故かはわからないが暗い人と思われている。
「わ、わたしは大輔君達と帰るの!!」
北野が男子達に言う。
「え〜なんでよ〜北野ちゃ〜ん」
また一方では
「ごめん。僕はヒカリちゃんたちと帰るよ」
タケルも女子に言う。
「そんな〜」

帰り道輔たちは商店街を歩いていた。すると
「なんだぁオラァ!!金もってねーって持ってるじゃねーか!!」
「おい喧嘩売ってんのか?」
「や、やめてください」
見ると男子が不良に絡まれている。
「輔君・・・・。」
「まさか俺に助けろって言うんじゃあるまいな?」
輔が厳しく言った。
「でも・・・」
「あいつらここらで有名な『黒狼』って言う連中だ。」
いきなり声がした。後ろに黒須がいた。
「何だお前か・・・」
「輔君!!」
ヒカリが言った。不良は男子に暴力を振っている。
「助けてあげて!!お願い!!!輔君ならできるでしょう?可哀想よ!」
「チッ!!」
そういうと輔は不良に寄った。
「おい!!クズ共!!」
輔が言った。
「あん?何だガキ?」
「そいつを逃がしてやれ。俺が遊んでやるぜ!」
「ほう・・・いい度胸じゃねえか・・・。」
不良が輔の胸ぐらをつかんで持ち上げた。
「目を瞑れ!!」
輔が言った。ヒカリタチハ自分達に言ったと悟って目を瞑った。
ドス!!バキ!!「ぐあ!!」「てめえ!!」ゴス!!ドガ!!「うぐ!!」
「・・・・もういいぞ」
ヒカリ達は目を開けた。そこには不良が倒れ、輔がいた。
「フン!雑魚が!」
「すごい・・・」
が・・・
「!!!」
ドス!!
輔はいきなり現れた男に殴られた。が、輔は防いだ。
「何だお前?」
輔が聞いた。
「神沢魁人(カミザワカイト)。『黒狼』の総長!!」
「何?」
「てめえらよくも俺の部下に手を出したな!!」

52ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:14:04
第二十四話 現れた不良 後編
「・・・お前、名は?」
「八神輔。」
輔が答えると神沢は紙に何か書いて輔に渡した。
「逃げんじゃねぇぞ!!」
そう言って神沢は去った。
「なんて書いてあるの?」
ヒカリが聞く
「『今度の日曜町外れの廃墟に来い』か。挑戦状だ。」
「喧嘩するの?」
「当たり前だ。」
「今日は金曜。明後日か・・・。」
「でも『黒狼』は大阪にいたはず。何でまたこんなとこまで」
黒須が言った。
(・・・もしかすると・・・。)
輔は思った。

そして日曜・・・
廃墟には神沢しかいなかった。
「お前一人か?」
「ああ。」
「いざという時のために仲間が隠れてねーか?」
「いや、ここにいるのは俺とお前とそのギャラリーだ。」
神沢はヒカリたちを指差した。
「一つ聞きたい」
輔が言った。
「何だ?」
「何故大阪からここまで来たんだ?大阪でも不足は無いだろ?」
「ああ、確かに・・・だが約5,6ヶ月前、ここにこなけりゃと思ったのよ・・・」
「何故?」
「しらねーよ」
「ところでお前、それはデジモンか?」
輔は神沢の首に巻きついている生き物を指差した。
「ああ。俺のパートナー、『クダモン』だ。」
クダモンは神沢の体をするりと降りた。
「じゃあ闘るか?」
輔が指を鳴らした。
そこから壮絶な戦いが始まった。神沢は輔と互角に戦っている。
「ほう・・・俺とここまで互角に戦うのはウィンランに続いて2人目だ。」
輔が言う。
「フン!!」

結果は・・・輔が勝った。最後に神沢に拳を入れた。神沢はそのまま倒れた。すると
「てめーよくも神沢さんを!!」
「総長をよくもーーー!!!」
廃墟の影にいた『黒狼』のメンバーが輔に襲い掛かった。
「だと思ったよ・・・」
輔が言う。すると
「お前等やめろ!!!」
神沢が叫んだ。メンバーはみな止まった。
神沢がゆっくり立ち上がる。
「付いて来るなと言っただろう!!」
神沢が怒鳴った。
「しかし総長。」
「神沢総長にもしものことがあったら・・・」
「そんなことはどおでもいい!!」
神沢はまた怒鳴った。
廃墟は静まり返った。
「輔・・・だったな?歳は?」
「13だ。」
「13?」「13だと!?」「総長は16だぞ!」「すげー!!」
「『黒狼』の総長にならないか?」
神沢がいきなり言う。
「何を言うんですか総長!!」
「そうです!!俺等は神沢総長がいいんです!」
「断る。」
輔が言った。
「それに俺も話したいことがある。2人きりにしてくれないか?」
神沢がうなづいた。『黒狼』のメンバーは廃墟の外に出た。
「これをもっているか?」
輔がD3を出す。神沢の表情が変わった。
「こ、これか?」
神沢はポケットからD3を出した。
「今から言うことをよく聞いてほしい。本当の重大な話だ。」
そういうと輔は話を始めた。

「・・・そうか。」
神沢はクダモンの頭をなでながら言った。
「ああ。お前が『思いやり』の紋章を持っていた。俺達と一緒に・・・」
「断る!!」
「・・・・何?」
「俺には俺の部下がいる。俺を信頼してくれている奴がいる。そいつを裏切るわけにはいかない。」
そういうと神沢はクダモンと出て行った。
「チッ!!」

53ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:14:19
第二十五話 祝宴
「そうか・・・・断られたか。」
「ああ。」
輔がマスターに話す。
「何大丈夫だ前回のようにみんな集まる。」
「わかっている。神沢を仲間にしたらあと一人。」
「あとヒカリを呼んでくれないか?」
「え?ああ」

「なんですか?」
ヒカリが聞く
「テイルモンが見つかった。」
「ええ!?」
「Dデジモンに襲われているところをガイオウモンが助けた。」
ガイオウモンがテイルモンを抱いてきた。
「ヒカリ!!」
「テイルモン!!よかった!ありがとうございます。」
「いやいや」
「ところで輔。大輔たちも明日読んでくれないか?」
「わかった。」

「何してるの?」
ヒカリが聞く。輔は遺跡にある石碑を睨み、電子手帳みたいなので何かをしている。
「解読だ。」
「そう・・・。」
その時ヒカリにある疑問がわきでた。
「ねぇ、輔君って何なの?」
「ハァ?」
「真の選ばれし子供じゃないしパートナーもいないしでもD3を持って不思議な力を使う。」
「・・・・・最後にわかる。」
そういうと輔は歩き始めた。
「最後?最後ってどういう意味?」
「最後になるまで俺の正体は明かさん。」

「よし来たな。」
マスターが言う
「じゃあいくぞ!!」
「どこにだよ!!」
輔が言う
「ああそうだった。せっかく真の選ばれし子供がここまで集まったんだから。」
「集まったのはお前が呼んだからだろ!?」
「あ、ああそうか。まぁテイルモンも見つかったし十人目も見つかり(断られたけど)今から一杯やろうか!!」
「え?」
「あそこだ!!」
マスターが指差したところにレストランがあった。

「はははは!!何でも食え!!俺がおごる!!はははは!!!」
マスターが高笑いする。
「マスターってこんなハイテーションな人なんだ。」
京が苦笑いをする。するとべジーモンがなにやら飲み物を持ってきた。ジョッキに並々とオレンジ色の上に泡があるものがついである。
「ビ、ビール!?」
大輔が言う
「大丈夫だ。ガキでも飲める。」
「真の選ばれし子供にカンパイ!!!」
マスターがやり、輔も同じようなことをしたのでヒカリ達も慌ててやった。
輔とマスターは『ビールモドキ』を一気に飲み干した。ヒカリ達はそれを唖然と見ている。
ヒカリ達の中ではまだ誰も飲んでない。そうしている間に奥でデジタマモンが作った豪華な料理をベジーモンが持ってくる。
「料理だけでも食べようか?」
大輔が言う。たしかに今は昼食の時間だ。



「キャハハッハハハハハッハハハハ!!!!」
京が何が可笑しいのかわからないくらいデカイ声で笑っている。酔っていた。
「み、京さん」
「酔うのかこれは??」
大輔がベジーモンに聞く
「はぁ・・・人によっては」
バシン!!
「ふげ!!」
大輔は背中を誰かに思いっきり叩かれた。
「ブツブツ言ってねぇでもっと楽しめ!!!」
ヒカリのとっては信じられないことだった。あの輔が酔っている。
「た、輔君?」
「ガハハハハハハハハハ!!!!」
その時また馬鹿でかい声がした。マスターがウィンランとデジタルワールドのことについて語り合っている。
「ヒック、ヒック、ふえええぇぇ〜〜〜〜」
また一方を見れば今度は京が泣き出した。
「何で泣いてるの?」
「さあ・・・。」
「京さん。飲みすぎですよ!!!」
ホークモンが止めに来たが京にぶん殴られて気絶した。
「お、おい。輔・・・やめろ・・・」
見ると輔が大輔の首を絞めてる。
「ぐ、ぐるじい・・・」
「ずぃくじょ〜神沢のやりょ〜、ようぇ〜くせにおりぇにきぇんかうるとぅあどーゆーこった。(畜生神沢のヤロー、弱ー癖に俺に喧嘩売るとはどういうことだ)」
輔がもはや何を言っているのかわからなくなった。
輔は大輔を突き放し『ビールモドキ』を飲み干した。
「にぎやかだねぇ・・・」
タケルが言う。

輔と京とマスターは酔いつぶれて獏睡している。
「とんでもねー目にあった」
大輔が首をさすりながら言う。その大輔をさっきからまじまじと北野が見る。そのとき
ウーウーウーウー
警報が鳴った。
「!!!何事だ!!!」
マスターが起きた。その前にイガモンが降りてきた。
「敵襲にあります。」

54ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:14:34
第二十六話 コピーマン
「くそ!!どこだ!!」
マスターと輔たちは森の外に出たが誰もいない。そのとき
「マスター!!何が起こったんでござるか!?」
森からイガモンが出てくる。
「何言ってやがる。敵襲とお前が言っただろうが!」
「はて?何のことでござるか?」
イガモンが言う。
「じゃあ・・・『コピーマン』だ!!」
マスターはそう言うと森に入った。
「『子ピーマン』って何?野菜?」
大輔が言う。
「『コピーマン』!!!敵の体をコピーして姿を変えれる『ロード』の作ったデジモンだ!!」
マスターはそのまま遺跡に向かった。
「何で遺跡に向かうの!?」
「遺跡には敵にとって知られたくない情報がある。だから敵は遺跡を破壊しようとし、俺達は遺跡を死守している。」
「ひっく、そのコーフィーマンはいちゃいけないの?」
京がウィンランと伊織に支えられながら聞く。どうやらまだ酔っているらしい。
「当たり前だ!!!頭がおかしくなったのか?」
しかし輔とマスターはすっかり元に戻っている。
遺跡にはイガモンがいた。ヒカリ達はそれが『コピーマン』だとわかった。
イガモン(コピーマン)は遺跡に爆弾を置いている。
『獅子羅王斬!!!』
すると横からバンチョーレオモンが現れ、剣でイガモン(コピーマン)を真っ二つにした。
コピーマンのイガモンは形が崩れ、半透明の軟体形デジモンになった。そのデジモンは元の姿に戻った瞬間消えた。
「・・・・今のが『コピーマン』?」
「ああ。」
輔はそう言うとマスターと一緒に爆弾を処理した。
「師。言ったいどこにいたんですか!?」
番長が言った。『師』とはマスターのことらしい。
「いや、ちょっとこれを。」
マスターはジョッキを掲げる動作をした。
番長はまだ不足があるようにぶつぶつ言っている。
「あなたってマスターの弟子なの?」
ヒカリが言う。しかし番長はヒカリを睨んだ。ヒカリは一瞬脅えた。
「大丈夫だ。こいつは俺しか信用して無くてな。・・・なあにこいつはお前を捕って食ったりはしないよ。」
マスターがヒカリに言う。
「ケッ!!!」
番長はそう言うとまたどこかに行ってしまった。

55ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:14:49
第二十七話 迷い 
少年は暗闇の空間にいた。
そこには何も無く、ただ少年は立っていた。
少年は辺りをキョロキョロ見渡してる。
「ここはどこだ?」
少年は言う。
その時少年の頭上に青と赤と白と緑の光が現れた。
やがてその光は形を作り青い光は青い竜に、赤い光は赤い鳥に、白い光は白い虎に、緑色の光は亀のような形になった。
少年はただ黙ってそれを見ている。その時、青い竜が言った。
―君が神沢魁人だね?―
その声は耳から聞こえず直接心に響いてきた。
その時少年・・・神沢魁人は初めて口を開いた。
「ああ・・・ここはどこだ?」
―ここは君の夢の中だ―
赤い鳥が言った。この声も直接心に響いた。
「どういうことだ?」
魁人は聞く
―私達は君の夢の中に入っているんだよ―
亀のような生き物が言った。
「わけわかんねぇ・・・お前等誰だ!!」
―我々はデジモンの神!!!―
白い虎が大きな声で言う。
「デジモンだと・・・?」
―ああ・・・君は輔という少年から話しは聞いたかね?―
「・・・デジタル大戦だかか・・・?」
―そう。そして君が真の選ばれし子供の一人だということも―
「あの件については断った。」
―君は断れない―
赤い鳥が言った。
―君はデジタルワールドに行ったことがあるね?―
白い虎が言った。
「・・・1度だけ」
―デジタルワールドがどんな平和なとこかわかっているのかね?―
「ああ。」
―それが無くなろうとしているんだ・・・。―
「そんなこといったって、俺には何も・・・。」
―いいや。君にすくうことができるからここに来た。―
「そんなこと言ったって、俺には部下がいる。信頼してくれる部下がいる。そのために俺は離れるわけにはいかない。」
―その『思いやり』が君の力だ!!!―
白い虎が言う。
「何?」
―デジタルワールドを助けるとその部下達を助けることになる。―
「?どういうことだ?」
―敵は人間界を消滅させようとしている。―
「なんだって!?」
―そろそろ君は目が覚めてしまう・・・君が決めるのだ。―
そう言うと四体のデジモンは消えた。
「お、おい!!ちょっと!!わけわかんねえよ!!おい!!待て!!待ってくれーーーーーー・・・・・・
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ブハァ!!」
魁人はベッドから跳ね起きた。
「・・・・・わけわかんねえよ・・・。」
「どうした?」
ベッドの下からクダモンが出てくる。
「・・・クダモン・・・どうすれば善い?」
「あのことか・・・」
「ああ・・・」
「自分で決めろ」
そういうとクダモンは行ってしまった。
「総長ーーーーーーーーー!!!」
外から声がする
「おはようございます!!!」
魁人は外にいる部下に手を振った。
(そうだ・・・俺は『黒狼』の総長・・・他の事なんて考えなくて善い・・・。)
しかしもうひとつの考えが浮かんだ。
(あの話は本当だったのか・・?だとしたら・・・)

56ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:15:05
第二十八話 ヒカリの従姉妹
「ここがヒカプーのいるお台場かぁ・・」
駅にいる少女はつぶやいた。
「元気かなぁ・・・ヒカプー」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ピンポーン・・・
ここは輔の家。大輔、北野、タケルは今日もマスターのところへ行こうと思っている。
「ヒカリちゃーん!!」
大輔が大声で呼んだ。少したつとハートの絵柄をつけたヒカリが出てきた。
「いらっしゃい。」
「ヒ、ヒカリちゃん。どうしたのこのエプロン?」
「え?ああ、輔君に買ってもらったんだ。柄は最近ハートにこってるから。」
「いらっしゃい」
後ろからテイルモンが来た。
「あがって。」
「輔は?」
「今にいる。けど邪魔しないほうがいいよ。」
「邪魔って何を?」
「「うおおおおおおおおおお!!!!」」
今から輔とウィンランの声が聞こえる。
「な、何!?」
大輔たちは居間に入った。そこでは輔とウィンランが汗だくで腕相撲している。
「あ、あれは・・・」
「輔とウィンランがよくやる腕相撲だ。今の戦績は99勝99敗、今回を最後にしようとしている。」
サイバードラモンが現れて説明した。
「だから邪魔しちゃダメ」
ヒカリが焼きたてのクッキーを持ってきた。
「さあ、召し上がって。」
「うひょー!やったー!!」
大輔が早速がぶりつく。そのとき
ピンポーン
「はーいいらっしゃーい。」
ヒカリの後ろには京と伊織と賢がいた。
3人は輔とウィンランの勝負を見て目を丸くした。
「あ・・・あれは・・・」
「腕相撲。邪魔しちゃダメだよ」
「そういやヒカリサンハいつまでここにいるんですか?ほかのマンションに行けばいいのに。」
北野が訪ねる
「そう思ったけど、お父さんとお母さんが元気なくてまったく働かないでいるもんで・・・元気になるまでここにいるつもり。ここは家賃ただだしね!」
そう言うと全員黙り込んだ。
「太一先輩・・・」
大輔が食べるのをやめて言う。
「・・・・・・・・・ほら!!げんきだして!!大丈夫だから!!」
京が言う。
「お・・・おい・・・輔・・・みん・・な・・・来た事だし・・・一旦やめないか?」
ウィンランが言う
「へ・・・・・逃げるのか・・・?」
輔が言う。それから二人は言い争いをしている。
「はいはい喧嘩するならやめて・・・」
ヒカリが言いかけたとき、輔の顔色が変わった。そしてウィンランの手を引き離した。
「・・・輔君?」
ヒカリは聞いたが輔は反応しない。
「・・・・・・来る。」
ピンポーン・・・
「「「!!!!!!」」」
ピンポーン・・・
「・・・・ねぇ・・・ほかに誰か呼んだ?」
ブイモンが言う
「いや・・・呼んでない・・・!!!敵か!?」
大輔が立ち上がるのを輔は手で制した。
「敵ではないが・・・これは・・・」
ピンポーン・・・
輔はヒカリに目で合図したヒカリはうなずき、ドアを開ける。
ガチャ・・・
「ヒカリーーーーーーー!!!!」
いきなりドアの向こうから少女がヒカリに抱きついた。
「きゃあ!!」
ヒカリは倒れた。
「あははは。ごめんごめん。元気だった?」
ヒカリは少女の顔を見た。その顔に笑顔ができた。
「アッズー!!!」
「ヒカプー!!!」
二人は抱き付き合った。
「『アッズー』?『ヒカプー』?」
「誰だこいつ?」
輔が聞くと二人は抱きつくのをやめた。
「あ、皆紹介するね。わたしの従姉妹の八神 梓(ヤガミアズサ)ちゃん!!!」
「よろしく!!」

57ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:15:22
第二十九話 梓
「どうしてここに?」
ヒカリたちは部屋に梓を入れた。
「うん。・・・あっ!クッキーもーらい」
梓はテーブルにあったクッキーを一枚食べた。
「どうにも大阪は退屈でねぇ・・・これからここでしばらく過ごすつもり」
「ええ!?でも、ご両親は!?」
京が聞いたとたん梓の目が厳しくなり、あるものをにらみつけた
「あなた達、デジモン?」
梓がブイモンたちを指差す。アーマゲモンとの戦いから人間とデジモンは共同して暮らすようになったのだ。
「え?あ、ああ」
「あたしはねぇ・・・デジモンが『大嫌い』なのよ!!」
梓が大きな声で言う。
「え?」
「実はアッズーの両親はデジモンに殺されたの・・・」
ヒカリが悲しそうに言う
「「「えええ!?」」」
「アッズーの両親は数年前、ヴァンデモンが人間界に来たとき、いつまでもデジモンに抵抗し続けたの・・・そしてある日、アッズーが両親のもとに行ったときには両親は殺されていた・・・」
「そんな・・・」
「ヒカプー、やめて。」
梓が言う
「ご、ごめん」
そのとき
「プッ!!」
輔が噴出した。
「!?なによ!!」
梓が輔を睨みつける。
「いや・・・お前についてじゃないが・・・オメエらそんなふうに呼び合っているのか?」
ヒカリが赤くなる
「うるっさいわね!!どうだっていいでしょ!!ねぇ、ヒカプー?」
「ブフーーー!!!」
輔がまたも噴出した。梓は輔を睨み続ける
「輔。もうやめとけ」
ウィンランがとめに来る
「それによお・・・これから戦争が始まるんだ。そんな過去のことでデジモン嫌ってるようじゃ生きてられんぞ。見たところパートナーいねーし・・・」
「戦争!?」
「ああいやいやこっちの話」
ヒカリがごまかす
「どういうことヒカプー?デジモンでまたあたしの大切な人がいなくなるのいやだよ」
「大丈夫だって」
「フン!!」
ヒカリは輔を睨みつける
「とにかく輔君は梓ちゃんを大切にね!!アッズー、今日はここにとまらせてもらお」
「ええ!?ここってヒカプーノ家じゃないの?」
また輔が噴出す
「うん。マンション・・・もえちゃったんだ」
「でも表札には八神って・・・」
「俺も八神だ。」
輔が言う
「ヒカリ、俺はこいつを泊める気はない。」
「輔君!!」
「泊めてもらうならそれなりの礼儀があるものだ」
その言葉で梓は真っ赤になった。
「なによ!!最初笑ってきたのはそっちじゃない!!ふざけないでよ!!」
「フン」
輔はそのままおくに行ってしまった。
「・・・なによ!!最低!!!」
梓は荷物を持った。
「まってアッズー!!輔君は本とはあんな人じゃないの!!」
「知らないわよ!!」
そういうと梓は出て行った。
「・・・アッズー・・・・・」
それから部屋に沈黙が訪れた。やがて大輔たちも帰った。
ヒカリは真っ先に輔の部屋に向かった。

58ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:15:38
第三十話 犯人
「輔君」
ヒカリは部屋の前にいる
「入るよ」
ヒカリが入ると輔はいつもどうり解読をしていた。
「何でアッズーにあんなこと言うの?アッズーは両親を失って悲しんでいるのに」
「数年前に親亡くして今でもくよくよしているのかあいつは?」
「そ、それは・・・」
「それに」
輔は解読を中断した。
「あいつの両親を殺したのは『ロード』だ」
「ええ!?」
「あいつは実際にデジモンが殺しているところは見てないんだろう」
「でも、なんで・・・」
「簡単だ」
輔の顔つきが厳しくなる
「・・・・・・・11人目だ。」
「!!!!!」
ヒカリは信じられなかった。まさか自分のいとこまでが新の選ばれし子供だったとは・・・
「『ロード』は両親を殺し、さもデジモンが殺したようにした。・・・本当ならそれから2年後にパートナーが現れ、あいつは仲間になるはずだった。」
「もうパートナーは現れないの?」
「さあな・・・だが『ロード』はまだ梓を狙うだろう・・・」
「そんな・・・だったら助けなきゃ!!どうして泊めさせなかったの!!」
ヒカリは部屋を出ようとした。が、
ズキッ!!
ヒカリは左足に激痛が走った。
「うっ・・・」
「ヒカリ!!!」
倒れるヒカリの体を輔が支える。
「まだベルゼブモンのときの傷が治ってないんだ。」
「でも・・・アッズーが・・・」
「ほうっとけ」
「なんでそんなことがいえるの!?アッズーは狙われてるんでしょ!!」
「そういう運命なのかもしれない・・・」
「・・・え?」
「あいつの運命は『ロード』が両親を殺したことにより大きく変わった。これ以上運命を変えちゃいけない・・・」
「じゃあどうすれば・・・」
「あいつの運命が残酷にならないように祈るんだな。」
そういうと輔は再び解読に取り掛かった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「・・・・なんのようだ?」
大輔は『黒狼』の集団に囲まれている。
「君は輔のつれだったはず・・・」
中から魁人が出てきた。
「君の力が見てみたい・・・」

59ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:15:53
第三十一話 大輔VS魁人 前編
「さて、君はデジモンのパートナーがいるな」
神沢がクダモンの小さな頭をなでながら言う。
「明日、デジモン勝負だ!」
「・・・・・・。」
大輔から返事がない。
「逃げることはできないよ」
神沢が指をパチンと鳴らすと『黒狼』のメンバーがナイフやスタンガンなどの武器を出す。
「君を倒せれば輔の力の正体が何なのかわかる」
「くっ・・・・。」
「さぁ・・・どうする?」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「で、挑戦受けちまったのか?」
輔が聞く
「ああ。」
大輔が答える
「馬鹿じゃないか?」
輔が大輔を馬鹿にした目つきで見る
「なに!?」
「輔君なんとかならないの?」
「知るか。受けちまったからにはしょうがねぇ・・・死んで来い」
輔が親指を下に向ける。
「どういうことだてめ!!」
「そう言うこった。お前じゃ勝てまい・・・」
「今日のいつからなの?」
タケルが聞く。今は朝のHRの時間だ。
「放課後あの廃墟で・・・」
「だ、大丈夫ですか?」
北野が聞いたが、大輔はもう頭の中が真っ白だ。何せ生身で輔と互角に戦った相手なのだから

放課後・・・

「おい・・・行かなきゃならねーか?」
大輔がおびえる。
「ったくだらしないわね!!」
京が大輔の背中を強く叩く。
「はい行く!!」
「み、京さん。相手はあの神沢ですよ・・・」
伊織が言う
「本宮・・・本当に大丈夫か?」
賢がさっきからこれを繰り返し言っている。
「ヒカリ・・・」
突然輔がヒカリを呼ぶ。
「何?」
輔はある方向を指差す。そこには梓がいた。向こうもこちらに気がついたらしく、しばらくこちらを見ていたがやがてまたどこかに歩いてった。
「アッズー・・・」
「よせ」
輔が止める
「ヒカリちゃ〜ん」
大輔が情けない声でヒカリ近づく。
「もうだめかもしれない・・・」
これまた情けないことを言う
「だ、大丈夫だよ」

「きたか・・・」
廃墟ではすでにクダモンと神沢がいた。
「大輔君がんばれ!!」とヒカリ
「負けんじゃないよ!!」と京
「がんばって!!」とタケル
「お、応戦します」と北野
「死んで来い」と輔(親指を下に向ける)
「輔テメーーー!!!」
「スタート」
いきなり神沢が言った。それと同時にクダモンの体が光った。
「クダモン進化!!!レッパモン!!!」
クダモンは仮面をかぶった尾が刃になっているキツネ型デジモンになった。
「アアもうこうなりゃやけくそだ!!ブイモン!!」
「オーケー!!大輔!!!」
「ブイモン進化!!エクスブイモン!!!」
お互いはそれからにらみ合っている
「「勝負!!!!!」」
二人と二体は同時に攻撃にかかった。
『エクスレイザー!!!』
『駆駆裂空斬!!!』

60ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:16:19
第三十一話 大輔VS魁人 前編2
エクスブイモンの光線がレッパモンの巨大な刃物ではじかれる。レッパモンはそのまま攻撃を仕掛けた。
「避けろ!!」
大輔とエクスブイモンは避けた。そしていた場所にはレッパモンの刃が切りつけられる。そこには大きく深い斬跡が残っていた。
「なんて切れ味だ!!」
「まだ終わっちゃいねえ!!」
レッパモンはそのまま回転し、さらに斬りかかる。しかし
ガシッ!!!
エクスブイモンが刃を真剣白刃取りで止めた。エクスブイモンはレッパモンの顔に強烈な一撃を加えた。
『ストロングクランチ!!』
レッパモンは中に吹き飛んだ。レッパモンの仮面に亀裂が走る。
『エクスレイザー!!!』
さらに追い討ちをかけるように光線が直撃する。
「ぐああああああああ!!!!」
レッパモンはそのまま天井にぶつかった。天井が崩れ、魁人に襲い掛かる。
「チッ!」
魁人はかろうじて避けた。しかし魁人の目の前にはエクスブイモンがいた。
「何!?」
エクスブイモンが攻撃をしようとしたとき、
「待て、下がれ!!」
大輔の言葉でエクスブイモンはレッパモンの刃をかわした。
「あぶね〜」
その様子を見てヒカリは輔に聞いた。
「ねえ・・・大輔君は身体能力が上がったのは知っているけど、エクスブイモンも身体能力が上がってない?話によるとブイモンとワームモンはずっと四つ葉のクローバーを探してたみたいだけど・・・」
「ああ。確かにブイモンは何もしてねえ・・・だが大輔の身体能力が上がるとブイモンの身体能力も上がる。選ばれし子供は2人で一つだからな。それにデジモン強くして人間強くするよりも人間強くしてデジモン強くしたほうが確実にいい。」
「輔!!!」
突然大輔が呼んだ。
「なんだ!!?」
「『アレ』いいかー!?」
「好きにしろー!!」
「『アレ』って?」
「ン?まあみてろって」
エクスブイモンはブイモンに戻った。するとまたブイモンは光りだした。しかしそのヒカリはエクスブイモンに進化するときの光でもデジメンタルの光でもない。
「ブイモン!!!Ⅴ進化!!ブイドラモン!!!」
進化した瞬間そのデジモンはレッパモンを殴り飛ばした。それはエクスブイモンのストロングクランチより強烈だ。
「なにあれ!?」
「ブイモンのもう一つの進化した姿。ブイドラモン。」

61ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:21:44
第三十一話 大輔VS魁人 後編
ブイドラモンに進化してから大輔は有利になった。
何しろブイドラモンはエクスブイモンとは違って、素手で強力な一撃を与えることができる。
魁人とレッパモンはさっきから押されている。
「ブイドラモン!!!」
大輔の声でブイドラモンはレッパモンの刃を避けた。そして刃に攻撃をした。
『ブイブレスアロー!!!』
Ⅴ字型の光線がレッパモンを吹き飛ばす。レッパモンはそのまま廃墟を突き抜けていった。
「レッパモン!!」
するとまもなくレッパモンが魁人の隣に戻った。
「魁人。こいつらの力は予想外だな・・・」
「ああ・・・なめやがって・・・」
魁人は舌打ちをした。
「こうなったらもっと強烈な奴になるぞ・・・」
「いいのか?」
「ああ」
するとレッパモンの体が大きな光を発した。
「レッパモン!!!超進化!!!チィリンモン!!」
レッパモンは空を翔る聖獣型デジモンになった。
輔は口笛をヒュウと吹いた。
「完全体にまでなれるとはな・・・大丈夫か?『チリチリゴーグル』」
「その呼び方やめろ!!!」
大輔が怒る
「・・・まぁ、大丈夫だがな・・・」
すると今度はブイドラモンの体が光を放った。
「ブイドラモン!!!Ⅴ超進化!!!」
そこには大きな羽を広げた青い竜型デジモンがいた。
「エアロブイドラモン!!!」
二体は空中でにらあっている。
『疾風天翔剣!!!』
チィリンモンが風のようにエアロブイドラモンに襲い掛かった。
エアロブイドラモンはすぐさま避けた。しかしチィリンモンはすばやく方向を変え、エアロブイドラモンの後ろに回った。
「ハァ!!!」
チィリンモンの角がエアロブイドラモンに突き刺さった。かに見えたが・・・
ギシッ   ギシッ
エアロブイドラモンはチィリンモンの角を掴んでいた。
「ふん・・・」
大輔が言った。
「お前等は確かに強い・・・だが、」
続いてエアロブイドラモンが言った。
「俺達は輔の修行を乗り越えたんだ。(ブイモンは四つ葉のクローバー探ししかしていない・・・)」
「だから」
「お前達が強くても」
「俺達も」
「初めと比べたら」
二人同時に言った。
「「強くなったんだーーー!!!!」」
エアロブイドラモンはチィリンモンを投げ飛ばした。そしてエアロブイドラモンの体が光った。
『ドラゴンインパルス!!!!』
エアロブイドラモンの体から巨大な竜の形をした光線が出た。
「よ、避けろ!!チィリンモン!!!」
しかし遅かった。巨大な光線はチィリンモンに直撃した。
「ぐわああああアァァァァァァァ!!!!!」
チィリンモンはクダモンに退化し、床に落ちた。
「クダモン!!」
魁人はクダモンを拾い上げ、抱きしめた。
「すごい・・・」
ヒカリはただそう言うしかなかった。ほかの皆もあんぐり口をあけている。
大輔とエアロブイドラモンは魁人の所に歩いてきた。
「「俺達の勝ちだ!!!」」

62ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:22:09
第三十二話 動きはじめた闇 前編
輔達は戦いが終わったあと黙って廃墟を出た。魁人はクダモンを抱いたまま静かにしゃがみこんでいた。
大輔が廃墟を出る直前に言った。
「お前の誇りを傷付けるつもりは無かった。・・・だがこうなったからには仕方がない。」
そういうと大輔は廃墟を出て行った。
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「いやーありがとう。おかげで助かったよ」
公園で一人の少女梓が向かい側にいる黒い服を着た少年黒須凶魔にいった。
「いえいえ、大した事ありませんよ」
「今日は安アパートが見つかったからそこに住むよ。ヒカプーにもっとあいたいしね。」
「・・・・・輔さんがいてもですか?」
その言葉に梓は動揺した。
「あんな最低男なんて知らないもん。あたしはヒカプーともう一人の男に会いに来たの」
「・・・・その男って?」
それを聞くと梓は顔を輝かせた。
「あたしの彼氏でねー。つい前までは大阪で一緒に暮らしてたんだけどいきなり『お台場に行く』とかいってぞろぞろ部下従えて行っちゃったのよ〜。でねでね!その彼がすごくかっこよくて、頭もいいし!!力もすさまじいの!!でね・・・」
梓が語り続けようとするのを黒須が手で制した。
「・・・・なるほど。君は輔と仲が悪いのかい?」
「って言うかー。あいつマジサイテーなの!だってね・・・」
「それはこちらにとって好都合だ。」
黒須が冷たい声で言う。
「・・・・え?」
「そう、君達が全員そろっては困るんだよ。」
黒須が笑う。夕日の光が顔に当たってよりいっそうおそろしい笑みに見える。
「な・・・・・・なに?」
その時、黒須の隣に黒い竜型デジモンが表れた。
「・・・・・デジモン」
その時、デジモンが低い声で喋りだした。
「ゴシュジンサマ。コイツノココロクッテイイ?」
「ああいいさ。今日は味わって喰えよ。『真の選ばれし子供』の心だから・・・」
「ワカッタ」
そういうとデジモンは梓に近寄った。
「い、いや!!くるな!!何よあんた!?」
梓が黒須に向けて言う。
「僕かい?・・・・『ロード』。まぁすぐ忘れるけどね」
するとデジモンは巨大なあごを開けた。
「イッタダキマース」
「きゃああああああああああああああ!!!!!」
ズムッ!!!

(・・・・・なにもこない?)
梓が恐る恐る目を開けるとそこには正義の味方のような姿のデジモンが黒いデジモンに素手の一撃を食らわしていた。
「ヤレヤレ。大丈夫ですか?」
すると梓の体が何者かに引き上げられた。そこにはウィンランがいた。
「なによあんた?」
「ウィンランといいます。輔に影であなたの護衛を任せられてたものです。」
「輔が・・・?」
「チッ!!」
黒須が舌打ちした。
「なるほどあなたが『ロード』の正体。いい情報ゲットしました。」
するとウィンランがD3のボタンを押した。
すると目の前に陣のようなものができ、輔たちが出てきた。
「よくやったウィンラン。お前にしては上出来だ。梓を守れ」
「わかりました。」
「な、なに?何なのあんたたちは!?」
梓が言う。輔は振り向いて言う。
「『光の戦士』・・・かな?」
「いって〜輔このワープ装置衝撃強すぎるんだけど」
大輔が立ち上がる。
その時ヒカリは黒須を見つけた。
「黒須君!!!」
しかし黒須の顔には笑みが浮かんだ。
「クククク。アーハッハハハハハハハハ!!!!」
すると黒須は一瞬にして『ロード』へと変わった。
「いやみごとだな。ほうっておくと見せかけて護衛を付けるとはなぁ・・・」
「お前なら気づいてただろう」
輔も笑う。
「まあな。」
「大輔!!賢!!!デジモンは任せた!!!」
そういうと輔はすばやく剣を出し、『ロード』に斬りかかった。
『ロード』もすばやく剣で防いだ。
「「戦るか!!」」

63ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:22:25
第三十二話 動きはじめた闇 後編
さっきから輔とロードは激しく剣を打ち合わしている。
その隣では、大輔たちとロードのデジモンがたたかっている。
「すこしは強くなったじゃないか!」
ロードが言う
「大輔たちと修行して俺も強くなったんだよ!」
輔が言い返す
「あのデジモン・・・純人を襲った奴だな!?」
輔が言う
「その通り、彼はバイオリザモン!!人間の心を食うデジモン!!心を食われたら最後!!死ぬってことだ!!!」
「ふざけるな!!」
輔がロードを攻める

一方大輔たちは・・・
「ハァ・・・ハァ・・・強いぜこいつ」
バイオリザモンは全員が束になってもかなわない
バイオリザモンがでかい口をあけた。
そこから黒い球体が出てきた。
「まただ!!」
全員は避けたがその後フニャリと倒れこんだ。
「くそ!!なぜか力が抜ける!!」
「本宮!!」
賢が大輔を呼ぶ。大輔と賢は目で合図する。
するとパイルドラモンの体が光った。
光がやんだと思うとバイオリザモンの体に巨大な風穴が開いた。
「グオオオオオオオオオ!!!!」
消えていくバイオドラモンの目の前にはインペリアルドラモンファイターモードがいた。

「お前のデジモン!!やられたな!!」
輔が笑う。しかしなぜかロードの顔にも笑みが広がる。
「?何だ?」
「いや、どうしてこうも簡単にことが運ぶのが楽しくって・・・」
バイオリザモンの体は消え去ったが変わりに巨大な扉が現れた。
扉がゆっくり開く。
そこは暗くて何も見えない。
「な、なに?」
するとロードがヒカリの前に現れた。
「逃げろ!!ヒカリ!!その中は・・・」
「ようこそ・・・『ダゴモンの海』へ」
ヒカリはそのまま扉の中に吸い込まれてしまった。

64ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:22:44
第三十三話 消えた輔
(暗い・・・何も見えない・・・何も感じない・・・)
ヒカリは暗い闇の中をさまよっていた。
やがてヒカリはある場所で立ち止まった。
そこは波の音がする・・・暗い・・・暗い海。
「きゃああああああああああああああ!!!!」
ヒカリは悲鳴を上げた。今いる『ダゴモンの海』は昔とは違う恐ろしさがある。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ロード!!ヒカリを返せ!!」
「無理だね!!君が助けに行けば!?」
扉はまだ開いている
「俺が・・・」
「待て!!俺が行く」
行こうとする大輔を止め、輔が言う。
「いいのか?俺はあいつ(ダゴモン)と手を組んで奴に強大な闇の力を与えた。右腕がどうなるか・・・」
「!!!!!」
輔は震える手で右手を押さえた。
「・・・・輔?」
大輔が呼ぶが返事がない
「ククク、じゃあ俺は戻って高みの見物としましょうか。闇はもう動き出す」
そういうとロードは消えた。
「待て!!!」
大輔が言ったが遅かった。
輔は扉に入っていった。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「いや・・・・・・いや・・・・・・いや・・・いや・・・いや・・・」
ヒカリはさっきからこれを繰り返している。
ストン!!
突然何かが落ちる音がした。
(ビクッ!!!)
すると何かがヒカリの額に触れてきた。
「ヒカリ・・・落ち着け・・・」
何かヒカリの額に触れたものが光ると、ヒカリは始めて輔だと知った。
「輔君!!」
ヒカリは輔に抱きついた。しかしすぐに体はずれ落ちた。
輔は大量の汗をかいていた。右手の呪いが光る。
「た、輔君!!」
「は・・やく・・・まだ門は・・・閉じ・・て・・ない・・・・。」
ヒカリは上を見た。そこにはかすかな光がある。
「ダゴモンが・・・くる・・・はや・・く・・・。」
「どうやって!?輔君も早く出ないと呪いで!!!」
「俺はどうだっていい!!」
ヒカリはひるんだ。輔がヒカリに対してここまで怒ったのは初めてだ。
輔はD3のボタンを押した。するとヒカリの体が宙に浮いた。
「輔君!!」
「大・・・丈夫だ・・・俺も・・・行く・・」
扉の入り口では大輔たちがヒカリの体を捕まえた。そのとき
ギ・・・ギイィィィィ・・・・
扉が閉じ始めた。
「!!!輔君早く!!」
しかし輔はひざまずいている。
「が・・・っは!!かはっ!!げほ!!」
輔は血を吐いた。
「いったいどうしちまったんだ輔の奴!!」
「早く早く!!!」
「フ・・・残念・・・・お客だ・・・」
そのとき、恐ろしいうなり声が響いた。
「いやああああああああああ!!!!!!」
「うわああああああああああ!!!!!!」
ヒカリと賢は悲鳴を上げた。
「ヒカリちゃん!!賢!!」
「くっ、輔・・・君」
ヒカリは残り50cmの間から扉の中を見た。
そこでは信じられないことがおきていた。
(輔君がダゴモンと闘っている・・・)
「あああ!!!なんてこったぁ!!!!」
大輔が頭を抱える。
「ヴァロドゥルモン!!!迎えにいける!?」
「ぐ!ダメだ秋!!狭くて通れない!!」
扉は徐々に閉まっていく・・・残り30cm
「輔君!!早く!!!お願い!!!」
輔は剣を止めた。そしてヒカリのほうを向いた。
「・・・・・待ってろ」
後ろではダゴモンが銛を輔に振り下ろした。
そのとき、扉が閉まった。

65ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:22:59
第三十四話 大きな犠牲
「あ・・・・・・・」
ヒカリは扉を見つめている。
   輔が死んだ・・・
誰もがそう思った。いくら輔でもあれでは助からない。
誰もが涙が止まらない。
ガシャアアアアアアアアァァァァァン!!!!!
扉がものすごい音で砕け散った。
「わああああああああああああああああ!!!!!」
ヒカリは悲鳴を上げ、体から強大な光が放たれた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そのころ、デジタルワールドの砂漠の真ん中を一人の金髪の少年と耳(?)の大きなデジモンが歩いていた。
「あつい、あつい、あつい、あつい、あつい」
デジモン・・・テリアモンがこの言葉を繰り返しながら歩いている。
「黙って歩け」
金髪の少年・・・ウォレスがあきれた顔で言う。
「輔たち、『手紙』見つけてくれたかな〜」
テリアモンがふらつきながら言う
「わからない。とても難しいところに隠したし、何よりベルゼブモンがいたから・・・」
「ベルゼブモン傷だらけで帰ってきたけど何とか制裁を受けずにすんだね」
「余計なことは言わなくていい・・・」
そういうと二人は巨大な爆発あと・・・ギガハウスのあった場所に着いた。
「・・・・・探すよ」
「ありませんように・・・」
そういうと二人は黙って穴を掘り始めた。
しばらくたってテリアモンが言った。
「・・・・・あったよ」
ウォレスはため息をついていった。
「仕方がない・・・」
テリアモンは一つの小さな箱を持ってきた。ウォレスはその箱をあけ、中の紙を取り出した。
「・・・・・どうするの?」
テリアモンが聞くとウォレスは呪いのある手を押さえた。
「奴らが何故僕をすぐ殺さないか・・・やっぱり何かたくらんでいる。」
そういうとウォレスは紙を捨て、歩き出した。
「ウォレス〜」
テリアモンはその後をついて行く
その紙には最後にこう書かれていた。『助けてくれ』と・・・

66ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:23:16
裏話
ある神殿の中で一人の少年が言う
「なぁ・・・あのしぶとかった奴・・・」
「輔のことか?」
もう一人が聞く。
「ああ。俺はあいつが死んだようには思えないんだが・・・」
「死んだんじゃねぇの?やっぱ。・・・あいつは呪いを受けてる。もしダゴモンに勝ったとしてもあの世界からは逃げられない。」
「そうか・・・・・?、ウォレスが消えたじゃねえか。」
「ああ、あいつなら部屋にいると思うぜ」
「それはないわね」
臣禅 舞が来た。
「あたしがさっき行ったときには部屋にいなかった。きっと地下牢じゃないの?」
「またか・・・」
「でもまぁ地下牢なら暁(アカツキ)がいるから奴も変なまねはできまい。」
そのとき、巨大な神殿の扉が大きな音を立てて開いた。
そこには炎のように赤い髪と目をした少年がいた。
「ようアカツキ」
「そのカタカナで呼ぶような発音やめろ。交代だ。獏哉はどこだ?」
「それよりウォレスをほったらかしてどうするつもりだ?」
そういうと暁の表情が変わった。
「ちょっと待ておい。誰がウォレスが来たといった。」
「はい?」
「じゃあ・・・どこに?」
するとまた神殿の扉が開いた。そこには黒マントのロードとそいつに首筋を掴まれて引きずられているウォレスの姿があった。
「ヒュウ♪こりゃまた大変なことに・・・」
ロードは黙ってウォレスを神殿の中心に放り、奥にあるいすに座った。
「暁。5分以内に全員集めろ」
「はい」
3分ほどたつと神殿の中は数体のデジモンと人間が集まった。
「かー。こいつまた何かやらかしたのか?」
「余計なことでしゃべらんでいい。」
「へいへい」
獏哉はあとずさった。
「お前は俺の考えが知りたいようだな」
「う・・・くっ」
ウォレスがロードを睨みつける。
「・・・・・気にいらねぇ」
ウォレスの方にロードの剣が突き刺さる。
「ぐああぁ!!」
「お前あそこで何やっていた」
「な、なにも」
「ふん。まぁいいや。話を戻すがお前は俺の考えが知りたい・・・そうだろ?」
ウォレスは黙ってうなずいた。
「知る必要はない。・・・だが『コイツ』だけはみてろ」
パチン!
ロードが指を鳴らすとロードの後ろの壁が消えた。そしてそこには・・・
ドクンッ・・・ドクンッ・・・ドクンッ・・・
「!!!!!」
そこには巨大なデジタマがあった。
「これがなにかわかるか?」
「・・・・・・・。」
「俺の最強兵器だ・・・。」

67ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:23:35
第三十五話 お泊り会(?)
ヒカリは気がついたら輔の家で寝ていた。
大体何が起きたのかは覚えている。ヒカリが強大な『力』を発して誰も止められないとこをウィンランが気絶させ、今ここにいる。
ヒカリは部屋から出ようと扉を開けたそのとき
ガンッ 「痛アァッ」
見ると扉の前にはタケルがいて尻を押さえてる。
「きゃっ、タケル君大丈夫?・・・っていうかなんでここに?」
「あっ!!ヒカリちゃんだ!!ヒカリちゃーん!!」
すると1階からあのやかましい声が聞こえた。
「大輔君!?」
ヒカリはタケルとロビーに降りた。
そこには新の選ばれし子供達(ウォレス、魁人、梓を除いて)とそのパートナーがいた。
「みんな!!なんで!!」
「今日はここに皆泊まるの。明日は学校サボってここにいる。」
京がきっぱりと言う
「え?でも明日は何してれば・・・」
「それは明日しだい。マスターに会いに行かないと」
「ところでヒカリちゃん」
京が寄る。
「な、何ですか?」
京は輔が解読し途中のCDと解読したての書類を出した。
「あたしが最後まで解読して見せる!」
「京さん・・・」
「あと・・・」
タケルが大輔たちをパワーアップさせた光の玉を出した。
「僕達も強くなる!そしてロードからヒカリちゃんを守り、戦争ができないようにする!!」
そのときヒカリは耳を疑った。何故タケルが戦争のことを知っているのか?
「ちょっと待って何で戦争のことを・・・」
「今日一度マスターに会いにいったんだ」
「それよりヒカリさん」
伊織が歩み寄る
「教えてくれませんか?あのことを。マスターも知らないといってました。」
ヒカリはとっさに呪いのことだとわかった。
その夜、ヒカリは知っているすべてのことを話した。
「そうなのか・・・」
「じゃあ・・・輔さんは・・・そのことを・・・」
北野は涙を流した。
「アアもうだから泣くなよ〜。」
大輔が慰める。
「いや・・・確かにそうだ・・・輔君は僕達に心配されないように・・・」
その後色々話した後、気がつけば皆寝ていた。

68ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:23:51
第三十六話 死のサッカー 前編
輔の家に泊まって3日、マスターと修行をしようとヒカリ達は言ったが、マスターは
『準備があるから待て』
と言ったきりだ。
そして3日目の朝。ヒカリは誰よりも早く起きた。
ヒカリは黙って台所に行き、冷蔵庫から麦茶を出した。いつの間にか梅雨は過ぎ、夏に入ろうとしている。
ヒカリは輔が死んだ悲しみからまだ開放されない。
「おはよう。ヒカリちゃん。」
気がつくとタケルが台所に入ってきた。その後にウィンランもついてきた。
「おはよう。タケル君。ウィンラン君。」
ヒカリは麦茶を入れた。
「2人は?」
ヒカリが2人に聞く。
「ああ。ありがとう。」
「あ、俺はいい。」
タケルが頼み、ウィンランが断った。
「あっ、ヒカリちゃん。あたしにも。」
京が出てきた。そのあとぞろぞろと次から次へと起きてきた。
「朝食にしよ。」
そういうと女子衆は準備を始めた。そのとき・・・
トゥルルルルルルル・・・トゥルルルルルルル・・・
電話が鳴った。
「あっ、俺が出るよ。」
大輔がゴーグルをかけながら行く。
ガチャ
「はいはい〜八神でーす。」
「いつから八神になったんでしょう・・・」
伊織がぼそりとつぶやく。
「ふむ・・・ふむふむ・・・ああああああああああ!!!!!!」
突然大輔が大きな声を出すのでヒカリは危うく食器を落としそうになった。
「な、何!?」
大輔は受話器を置いた。
「大変だぁ!!今日はサッカーの新人戦だったぁ!!」
「あ、レギュラーになったんだ・・・」
タケルが顔を洗いながら言う。
「当たり前だ!!アアどうしよう!!」
「場所は近いでしょ?食パン咥えながら言ったら♪漫画みたいに」
「おお!それだ!!」
「マジでやるのかよ・・・」
大輔は家を飛び出した。
「いってらっしゃーい!!!」
「僕らも応援しようか」
「朝食済ましたらね。」

「遅いぞ大輔!!」
「わりぃわりぃ!!」
「気を引き締めていけ!!相手にはとんでもない1年がいるぞ」
同士が指差した方向には相手のチームにいる赤い髪と赤い目をした少年がいた。
「名前は爛概 暁(ランガイ アカツキ)って言って、あいつとサシでサッカー勝負した奴は皆ズダボロにされたんだよ。・・・極悪ラフプレーで・・・」
ラフプレーとは審判にばれないように不正をすることだ。
「大丈夫だよ!任しとけ!」
大輔は太一からもらった大切なゴーグルを磨いた。そのようすを暁は影で見ていた。

ピピーーーーッ
「ああ!始まるぞ!!」
ヒカリ達は観客席に着いた。
「大輔君がんばれー!!」
「負けるなー!!」
その時ヒカリは暁を見つけた。するとヒカリの表情が変わった。
「・・・ヒカリちゃん?」
「あの・・・赤髪の人・・・なんかいやな感じがする・・・」

「大輔君・・・だっけ?」
暁が大輔のもとに寄る。大輔は少し警戒した。
「・・・・・なんだ?」
「まあお互いがんばろうね。全力で。」
暁は笑顔を作り、手を差し出した。
「あ・・・ああ・・・全力で・・・」(何だ。結構普通じゃないか・・・)
大輔はそう想うと気が楽になり手を出した。すると・・・
ドスッ
「ぐっ!!」
大輔の腹に暁の拳が入る。
「全力で・・・『潰してあげる』・・・」
暁はそういうと行ってしまった。
「くっそ・・・」
「大輔!!早くしろ!!先攻だ!!」
ピーーーッ
キックオフ!大輔は猛スピードで進んでいった。
「いけー大輔君!!」
「押せー!!」
ゴールまであと少し、そのとき
ゴッ!!
「ガッ!!」
大輔は後頭部に痛みを感じた。そして目の前には暁が現れた。
(くそ!!)
大輔は思いっきりボールを蹴った。暁がボールを蹴るのと同時だった。
威力で負け、大輔の右足は吹き飛ばされ、血が噴き出た。
「ぐっ・・ああああああああああ!!!」
大輔は右足を抱えた。
それを見下すように暁がいた。
「『死のサッカー』は始まったんだよ。」

69ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:24:12
第三十六話 死のサッカー 中編
ピーッ 「タイムアウト!!」
「大輔!!」
「大輔君!!」
皆が足を抱える大輔のもとへ寄る。

北野が大輔の足に包帯を巻く。
「こんな・・・人間技じゃない!」
「ああ。奴は小学生のころからとんでもない力で血を見てきて有名だ。」
サッカーチームのうち一人が言う。
そのとき、サッカー部顧問の清水先生が来た。
「大丈夫か?」
「は、はい・・・続けましょう・・・」
「ダメよ大輔!!足怪我したんだから!!」
「大丈夫だ・・・ほら」
大輔は皆の前で軽く足踏みする。
「先生。行かせてください。」
「・・・・・・・わかった。」

ピーッ
今度は相手ボールだ。相手の選手が迫ってきて暁が見つからない。
そのとき、大輔めがけて高くボールが飛んで来た。
「チャンス!!」
大輔は思い切り頭を突き出した。
「バーカ」
するとボールの反対側に暁がいた。
2人は同時にヘディングをした。
バキィン!!
大輔は地面に叩きつけられた。
「くそっ!!」
大輔は頭を上げたとき、
ボトッ
何かが頭からずれ落ちた。
「!!!!!」
そこには片方にひびが入ってもう片方が完全に割れて穴が開いて、後頭部辺りにかけるゴムか切れた。ゴーグルがあった。
そして大輔の頭からも血が出てた。
「あああああああああああ!!!!」
大輔は急いでゴーグルを拾い上げた。
そこへ無傷の暁が来た。
「よくも・・・よくも・・・」
大輔は震えている。
「よくも俺の宝物を!!!!!」
「フン。そんな安っぽいのが宝物!?君もかわいそうな人間だねぇ」
「てめぇ・・・」
大輔が暁を鋭く睨みつける。
周りには他の選手が集まっている。
大輔は立ち上がり暁の胸倉を掴んだ。
「これは・・・これは太一さんからもらった大切な物なんだよ!!」
「そんなこと知るか!どうせ太一って奴も今は心の抜け殻だろ?」
「!!!おい・・・なんでお前がそんなこと・・・」
「さあねぇ・・・」
暁が不気味に笑う。
「まさか・・・まさか・・・」
「キーワードは・・・『ロード』」
「!!!!!」
「ヒヒヒ。これで俺が何者か大体わかっただろう?・・・あーあと、その太一のもとパートナー、使わして貰っている。」
「!!!アグモンを!?」
「ヒヒヒ。」
ピピー、ピー、ピピー
審判が激しく笛を鳴らす。
「ちょっと待ってください審判!!大輔君の治療時間をください!!」
大輔のチームメイトが言うと大輔は頭を治療した。
それを影で見ている暁の額からは血が流れていた。
「チッ!!糞が!!」

「大輔君・・・」
「・・・・・ちっくしょおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
大輔のその声は大空へと響き渡った。
「大輔。お前は休め。」
清水顧問が言う。
「でも先生。大輔が抜けたら人数が足りず、試合ができません。」
「大丈夫。変わりに出る選手がいる」
大輔の肩に誰かが手を置いた。大輔が見た先にはサッカーのユニフォームを着た賢がいた。
「賢!!」
「休んでろ本宮。」
全員は位置についた。賢は暁を睨みつける。
「・・・・お前。一乗寺賢だな?あの天才少年一乗寺・・・」
「天才少年はいらないよ。」
賢が冷たく言う。
「賢!!気をつけろ!!」
「一乗寺君!!」
ピーッ
キックオフ!相手側の攻撃
賢はまっすぐボールを持った選手に向かっていった。
「バカが」
すぐ目の前に暁が現れた。
暁は空中で回転し、回し蹴りをした。
「喰らえ!!」
「お断り。」
即答だった。賢はしゃがみ、暁の蹴りを避けた。
そして暁の腹に賢の拳が入る。

70ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:24:29
第三十六話 死のサッカー 後編
「ぐあぁ!!」
暁は地面に倒れた。しかし審判は笛を吹かない。
なぜなら今での出来事はすべて0・05秒の間で起きたことなのだから・・・
賢はそのまま走って相手からボールを奪った。
「よし!!行けー賢!!」
「一乗寺君ガンバレー!!」
皆が応援している中、大輔はただ黙って壊れたゴーグルを見ていた。
「くっそぁ!」
暁はゴールに向かっている賢を睨みつけた。
賢はそのままシュートを決めた。
ピーッ
「「「やったあああああああああ!!!!!」」」
大輔を除き皆歓声を上げた。
前半終了1対0でお台場中がリード
昼食の時間になった。
「いやすごかったよ一乗寺君!まさに電光石火!」
「暁の回し蹴りまでは目で追えたんだけどな・・・」
「とにかくナイス1点!!」
そう話し終わると皆は昼食を食べ始めヒカリは大輔の忘れた弁当を出した。
「・・・・北野さん」
「!!は、はい!!」
北野は急に呼ばれたのでのどを詰まらせた。
ヒカリは北野に大輔の弁当を渡した。
「!!?わ、私が!?」
北野の顔が赤くなる。
「がんばって」
ヒカリはそう言っただけだった。
「そ、そんなこと言ってもぉ・・・」
北野は顔を真っ赤にしたまま大輔のそばへ寄った。
「あ、あの〜大輔・・・さん?」
北野は大輔の顔を覗き込んだ。相変わらずだ。
「こ、これ」
北野は真っ赤な顔で弁当を置いてその横に座った。
その2人をほかの連中は箸を止めてみている。
「ヒヒ、とんだ腰抜けだな、たかがゴーグルで」
暁が大輔の目の前にやってきた。頭にはバンソウコウが張ってある。
「・・・・その頭、どうした?」
大輔は重苦しくしゃべった。
「へっ、大した事じゃねぇ・・・決してあのヘディングのときじゃねぇぜ。ただ滑って転んで頭を打っただけだ。」
(ダサッ)
(ベタだ)
(ヘディングのときって言えばいいのに・・・)
(結構負けず嫌いなんだな・・・)
と大輔のチームメイトたちは思った。
「ヒヒ、じゃあいつまでもへこんでな」
北野は去ってゆく暁を睨みつけた。

71ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:24:55
ピーッ
後半開始。賢は暁の攻撃をかわし続け、点を入れていった。
「3対0。すごい!!絶対勝つよこれ」
「さすがは一乗寺君」
そのときウィンランが大輔の隣に来た。
「・・・・・なんだ?」
「敵のベンチを見ろ」
大輔は相手側のベンチを見ると選手を交代させていた。大輔は交替して入った選手には見覚えがあった
「・・・・・・獏哉!!」
獏哉は暁となにやら話すと不気味に笑った。
賢の攻撃が始まった。パスを受け取ると賢は真っ先に敵を掻き分け進んで行った。
「・・・・・よう。元気か?」
後ろから声がした。振り向くと獏哉がいた。
「何故お前が?」
賢が訊く。すると
ドスッ
「ぐっ」
賢の腹には暁のひざが入った。
「余所見すんなよ!」
さらに獏哉が後ろから賢の顔に拳を入れた。
「ぐはぁ」
賢は倒れた。
「賢!!」
「行くのか?」
立ち上がった大輔にウィンランが訊く。
「・・・・・。」
大輔はゴーグルを握り締めた。
「・・・・・ああ!!」
「それでいい・・・。」
ウィンランは立ち上がった。
「いつまでもメソメソしてたら輔に合わせる顔がねぇからな・・・。」
大輔が言う
「そうか・・・。」
そういうとウィンランは行ってしまった。
選手交代!大輔出陣!
「本宮!!」
賢は驚いた表情で大輔を見る。
「悪ィな賢。・・・いくか!!」
「おう!!」
「ククク。さっきまでべそかいてたのがきやがった」
「ヒヒヒ。まぁどちらも潰すがな」
相手の攻撃暁が攻めてくる。
「いかせねぇ!!」
大輔が前に立ちはだかった。右足がうずくが今はそんなことどうでも良かった。
「フン!!」
暁はボールを高く上げ、その間大輔に殴りかかった。
「ボールを放すなよ!」
二人の頭上を賢が通りボールを奪った。大輔は暁の拳を受け止めた。
「何!?獏哉!!」
暁は腕が捕まってた状態で叫んだ。
「おk!!」
獏哉が賢に襲い掛かった。が
「ほいパス」
賢は隣にいた大輔にパスをした。
「何!?」
暁の腕はいつの間にか自由の身になっていた。
賢は獏哉攻撃を受け流した後、大輔に続いて走っていった。
(奴等・・・俺たちのことをまったく気にしてない!?)
(いや・・・俺達のラフプレーを一人が守り、一人が構わず走っているだけだ)
(そしてうまいコンビネーションを繰り返す・・・)
(奴等がやっているのは正しく・・・)
大輔がゴールを決めた。
「よっしゃあああああああ!!!」
((サッカーだ!!!))

結果5対2でお台場中の勝利だった。
「やったね!大輔君!」
「おうよ!!・・・・・賢」
「ん?何だ?」
「・・・・・・ありがとよ」
「・・・・・ああ」
その様子を近くの土手で見ている2つの影があった。
「本宮大輔」
「一乗寺賢・・・・か」
2人の後ろに黒い渦が現れた。
「「いつか必ずぶっ潰す!!!」」
そういうと二人は渦の中へと消えていった。

72ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:25:10
第三十七話 学校での闘い 前編
今日は終業式。大輔達は前日に自分の家に帰った。
「いってきまーす」
ヒカリは家の鍵を閉め、学校へと向かった。途中で皆ともあった。
「大輔君。足大丈夫?」
「もう平気だよ。大丈夫」
大輔が言うと
「ふーん。大丈夫ねぇ・・・」
ウィンランが大輔の怪我した足を蹴る。
「ぎゃあああああああ・・・ってウィンラン!そういやお前学校は!?」
「ああ。そこんとこノープログレムだ」
そのとき
「きゃあ!!」
北野が突然悲鳴を上げた。その先には半壊した学校があった。
「な、なんだぁ!?」
「大輔。デジモンの気配がする」
ブイモンがいう。
「本宮ー!!」
「大輔さーん!!」
大輔達が来た道を賢と伊織が走ってきた。
「二人とも!!」
「あれを見ろ」
賢が屋上を指差した。そこにはすでに登校した生徒が一つにまとめられて捕まってている。そして横には巨大な爆弾がある。
「これはゲームだよ」
突然聞きなれない声が聞こえた。
そこには一人の少年がいた。
「・・・ロードの狗か」
「狗とは失礼な!!・・・まぁいい。あの爆弾はちょうど一時間後に爆発する。ここら一帯はすべて何もなくなるね。ルールは爆弾が爆発する前に学校にいるDデジモンを倒し、屋上に行き爆弾をとめろ。ただそれだけだ」
「何!!」
「ふざけるな!!」
「ふざけてなんかいないさ。これでも本気だよ。まぁ頑張ってね」
そういうと少年は黒い渦に吸い込まれていった。
「・・・早速来たぜ」
ウィンランが言うと半壊した校舎の影から巨大なアンデット系のデジモンが出てきた。
「スカルマンモンか・・・究極体だ」
「私に任せてください!!」
北野が言った。
「北野さん!?」
「ファルコモンなら究極体と戦えます!!」
「・・・・・わかった!!」
そう言うと大輔達は走っていった。
途中で後ろからファルコモンが進化する音が聞こえた。
「プールから悲鳴が聞こえる!!」
「あたしが行くわ!!」
京は勝手に行ってしまった。
大輔達は校舎に入った。
「早くいかねぇと!!」
大輔達が廊下を走っていると急にウィンランが立ち止まった。
「・・・・・ウィンラン?」
ウィンランは理科室の前で立ち止まっていた。
「お客らしい。ここは任せろ」
「ウィンラ・・・」
「早く行け!!戦いは始まっている!!」
ウィンランが怒鳴る。
「・・・・・ああ!!」
大輔達は走っていった。
ウィンランは理科室に入った。
そこには鳥人型のデジモンがいた。
「カラテンモンか・・・」
「戦闘開始だな」

73ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:25:26
第三十七話 学校での闘い ウィンラン編
大輔達は廊下を走っている。
「・・・なぁ、俺が思うに・・・もっと簡単に屋上への行き方があるようなんだが・・・」
大輔が言う
「僕もさっきからそうだと思っているけど・・・なんだか思いつかない」

空から行けるのにねぇ・・・

サイバードラモンとカラテンモンは睨み合ったままだ。
「3分で片付けろ」
ウィンランが言うとサイバードラモンはカラテンモンに襲い掛かった。
『サイバーネイル!!!』
しかし、カラテンモンは腰に挿した剣でサイバードラモンの爪を受け止めた。
「・・・貴様らは何故闇に逆らう?」
突然カラテンモンが言った。
「!!!お前!!喋れるのか!?」
ウィンランが訊いた。
「左様。闇デジモンの中には意識があり闘う者もいる」
「じゃあ、お前達は意識はあっても洗脳されているのか!?」
「質問しているのはこちらだ!!!」
カラテンモンはサイバードラモンの爪を弾き、サイバードラモンに斬りかかった。
しかしサイバードラモンは攻撃をかわし、爪で切りつけた。しかしそれもカラテンモンの剣で防がれてしまう。
「私は闇こそが絶対だと思っている!闇には光なんぞにはない力がある!!そして今の光の戦力と闇の戦力とを合わせたら到底光に勝ち目はない!!なのに何故・・・」
「光にも闇にはない本当の力があるんだよ」
「・・・・・何!?」
「光には闇なんかのくだらん力よりも強力な力がある。それも・・・」
「そんな力なんぞ、もろいものだぁー!!!」
カラテンモンはウィンランに斬りかかった。
「・・・いつの間にか3分足ったな・・・」
ウィンランはぼさぼさの長い髪を翻し、理科室を出た。
ウィンランの背後では勝負はついていた。カラテンモンの体をサイバードラモンの腕が貫く。
「話だけで終わってしまった・・・」
4分52秒03
「まだまだ修行が足りないな」
「知るか」
ここへ来てサイバードラモンが始めて口を開けた。
「・・・・・で?君は誰だ?」
ウィンランの目の前には一人の少年がいた。ウィンランと同い年くらいだ。
「大丈夫。敵じゃない。そのうちわかる」
そういうと少年は消えてしまった。
「・・・・・輔と同じ気配がしたな」
「ああ」

74ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:25:42
第三十八話 学校での闘い 京編
「何で・・・お前が・・・」
大輔たちの目の前にはかつて倒したデビモンがいた。
「フン!ロードに従うとの契約で蘇ったのよ・・・もちろんあいては?」
「ああ・・・僕だろ?」
タケルが前へ進み出る。
「大輔君・・・先に行って。ヒカリちゃんはしっかり守ってよ!」
「ああ・・・」
そういうと大輔達は再び走り出した。背後ではエンジェモンの『ヘブンズナックル』とデビモンの『デスクロウ』が衝突した音が聞こえる。

「はぁ・・・はぁ・・・」
京はプールの水道の裏に隠れている。しかし水道は穴だらけで京は肩から血が流れている。
「大丈夫ですか京さん?」
ホークモンが訊く。
「大丈夫。それにしても・・・」
京はこっそりとプールの方を見た。
そこには小さくて丸い棘が沢山ついているデジモンがいた。
「まさか究極体だなんて・・・」
「確か『プクモン』と言います。技はさっきの通り・・・」
「拳を『バン!!』で『ドーン!!!』でしょ?」
「はい」
するとプクモンは拳を合わせた。
「来る!!!!」
『ニードルスコール!!!』
プクモンの頭から四方八方へと鋼鉄の棘が飛ぶ。
棘はいとも簡単にコンクリートでできた水道を貫き、京の背中を直撃した。
「きゃあああ!!!」
「京さん!!!」
ホークモンも頭にかすり傷ができている。
「くっ・・・なんて鋭い棘なの・・・」
京は体を動かすのもとても困難だ。
ホークモンは京の背中に深く突き刺さった棘を取った。
「京さん!動けますか!?ひとまず逃げましょう!!」
ホークモンが京を担いで歩き始めたら目の前にプクモンが現れた。
「!!!京さん!!」
ホークモンは京を伏せさせた。
プクモンは拳を合わせた。
ズドドドドドドドッ!!!
ホークモンの体中に鋭い棘が何本も突き刺さった。
「ぐああぁぁっ!!」
「ホ・・・ホークモン!!!」
(京さんは・・・京さんは・・・)
さらにプクモンは拳を合わせようとした。
(私が・・・守る!!!)
突然京のD3とホークモンの体が光りだした。
「ホークモン!ワープ進化!!!ヴァルキリモン!!!」
突然プクモンの片腕が切り落とされた。
京の前には片手に剣を持ち、肩には金色の鳥が止まっている鳥人型のデジモンがいた。

75ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:26:23
第三十九話 学校での闘い タケル編
『フェンリルソード!!!』
ヴァルキリモンが金色の剣でプクモンを真っ二つにした。
「プ・・・ププ・・・」
プクモンはヴァルキリモンが剣を一振りすると消えてしまった。
「凄い・・・」
京は突然起こったことにとても驚いている。だがそれと同時に怒りも湧き出た。
「殺した・・・・!?何で殺したのよ!!!」
ヴァルキリモンは振り返った。
「輔さんは言ってました・・・。助けるには殺すしかないと・・・」
「だからって・・・」
「京さんを守るためにやったことです!!!」
京は言葉が出なかった。目の前にあの金色の鳥が下りてきた。その目はとても悲しそうだ。
(・・・ヴァルキリモンも・・・本当はやりたくなかったのね・・・)
京はそう思うと立ち上がった。
「行くよ!早く皆に参戦しないとね!!」
「京さん怪我は!?」
「大丈夫よ!だいじょ・・・アイタッ!!!」
京は倒れた。
「み、京さん!!!」

『デスクロウ!!!』
デビモンの黒い手が襲い掛かる。
『ヘブンズ・ナックル!!!』
エンジェモンは拳から光を放った。しかし、それはあっけなく弾かれてしまう。
「フン!何度同じことをやっているつもりか!?私はロードにさらに力ももらった!!完全体や究極体にもなっていいんだぞ?」
デビモンの腕がエンジェモンの首を絞める。
「ぐ・・・あっ・・・」
「エンジェモン!!!」
エンジェモンは『ホーリーロッド』でデビモンの胸を貫いた。が、
ズブズブ・・・
エンジェモンの『ホーリーロッド』はデビモンの体へと吸い込まれてしまった。
「何!?」
「これしきのことで私が倒せると思うか!?随分となめられた物だな!!!」
デビモンのもう片方の腕がエンジェモンの翼を一つもぎ取った。
「ぐあああああああ!!!」
「エンジェモン!!」
「さあ、見せてみろ!!お前達が私を倒してからどれほど強くなったかを!!」
「くっ、いくぞ!!エンジェモン!!」
エンジェモンの体が光りだした。
「エンジェモン!!超進化!!ホーリーエンジェモン!!!」
『エクスキャリバー!!!』
ホーリーエンジェモンの剣がデビモンの肩に深く突き刺さる。
「ぐおあっ!!!・・・・・フッ、少しは効いたぞ!!」
ズブズブ・・・
「何!?また!?」
ホーリーエンジェモンの『エクスキャリバー』がデビモンの肩に沈んでいき、ホーリーエンジェモンの腕が半分取り込まれた。
「なっ!!!」
「捕まえた!!!」
デビモンの『デスクロウ』がホーリーエンジェモンの体を貫く。

「なぁ・・・やっぱり他に道はないのか!?もっと簡単な方法!!」
「わからない・・・ここは広いからなぁ・・・」
その時、伊織が何かにつき飛ばされた。
「伊織!!!」
そこにはオレンジ色の犬型のデジモンがいた。
「ドッグモン・・・」
「何だこのマヌケ面」
大輔が言うとドッグモンはいきなり噛み付いてきた。大輔は間一髪でかわした。

76ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:26:39
「わっ!!危ねぇ・・・」
ドッグモンは大輔に向けて唸り声を上げている。
「待て!!!」
ドッグモンは声のしたほうを向いた。そこにはいつの間にか進化したのかアンキロモンがいた。アンキロモンは頑丈な尾でドッグモンを吹き飛ばした。
「これでおあいこだぎゃ!!」
「大輔さん!!先に行って下さい!!」
伊織が言う。
「大丈夫か!?」
「はい!急いで!!いつの間にか45分も経ってます!!」
「マジで!?」
「あと15分」
「急いでください!!」
「わ、わかった!!負けるなよ!!」
大輔、賢、ヒカリは走り出した。

「やれやれ・・・迷ったぞ・・・」
理科室の周りでウィンランがうろちょろする。
「相変わらず方向音痴だな・・・」
「お前もそうだから迷ってんだろ?」
ウィンランがサイバードラモンの胸を叩く。
「確かに・・・」

屋上には二人の少年がいた。
「やれやれ、バレるとは思ってたけど・・・」
「バレねぇとはよほどの馬鹿だなあいつら・・・」
「ああ・・・空があるのにねぇ・・・」
少年のうち1人が外を見た。そこでは北野とヴァロドウルモンがスカルマンモンと闘っている。
「究極体にはなれるけど経験が足りんなあの女・・・!!!おい!東谷(ヒガシヤ)!!プクモンがやられたぜ!しかも新たな進化までしやがった!!」
「おいおい冬扇(トウセン)・・・俺達ロードに殺されねぇだろなぁ・・・」
「大丈夫だろ?あと2体送られてくるらしいから」
冬扇がそういうと目の前に2つの黒い渦が現れた。
「お♪噂をすれば早速!!」
2人の目の前には巨大な昆虫型デジモンと・・・
「マジかよ・・・」
東谷がもう1体のデジモンを見て震える。
「『メフィスモン』かよ・・・こりゃロードも本気だぜ・・・」
冬扇が腕を組む。
「まあいい・・・メフィスモン。お前はここにいろ。『グランクワガーモン』。そこの奴をさっさとかたずけろ」
東谷が北野を指差す。
オオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォ・・・・・
メフィスモンが巨大な咆哮をあげた。
それは町中に響いた。
「ぐ・・・あああ・・・」
ホーリーエンジェモンは自らを貫いているデビモンの腕をつかんだ。
「ホーリーエンジェモン!!!」
タケルが駆け寄ろうとしたその時
「お・・・おおおおおおおおおぉぉぉぉぉ・・・」
デビモンが急に震えだした。
「がっ・・・あああああああああああ!!!!!!」
デビモンは一瞬にして消えた。そしてそこには1人の少年がいた。ウィンランの前に現れた奴だ。
「な・・・なんだ!?」
タケルがそう言うと少年はタケルを睨んだ。
(!!!!!)
その時タケルは前に1度味わったことのある感覚を思い出した。
「輔・・・・・君?」
タケルは気がついたらそう言っていた。この少年からは輔と同じ違和感がある。
少年は黙ってホーリーエンジェモンに近づいた。
「何をする!?」
「治療だ黙ってろ」
少年はそう言うとD3をホーリーエンジェモンに向けた。
するとホーリーエンジェモンの傷はあっという間に消えた。ホーリーエンジェモンはパタモンへと退化した。
「タケリュ・・・」
タケルはパタモンを抱いた。
「あ、ありがとうございま・・・」
シュッ
気がつけばタケルは少年に喉元にD3を向けられていた。
「・・・・・だめだ」
少年は言うとD3をポケットにしまった。
「・・・・・え?」
「だめだ。今のお前じゃ・・・『あいつ』は何をしていたんだ!?」
「『あいつ』って?」
「お前には関係ない!・・・いや、あるか・・・」
「あなたは何者なんですか!?」
「・・・・・『あいつ』が戻ってきたら教えてやる。・・・・まぁ、1つだけ教えておこう・・・『光の戦士』だ」
「え?」
タケルは聞き覚えがあった。しかしどこで聞いたのかまったく覚えてない。
「あなたは・・・」
タケルがもう1度少年を見るとすでに少年はいなかった。
「・・・・・輔君。君は・・・一体・・・」

77ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:26:55
第四十話 学校での闘い 魁人&北野編
「なんで・・・なんで二体とも究極体なのよ!!」
北野とヴァロドゥルモンの前には究極体のスカルマンモンとグランクワガーモンがいた。
「ものすごくついてない・・・」
「落ち込んでる暇はないよ!秋!!乗って!!」
北野はヴァロドゥルモンの背中に乗った。
「行くよ!!」
『オーロラアンジュレーション!!!』
巨大な光線がグランクワガーモンに向かう。が
『スパイラルホーン!!!』
スカルマンモンの骨が1本飛んできて光線を弾いた。
「くっ!!」
すると今度はグランクワガーモンが真っ向から向かってきた。
「距離からして・・・3・4秒!3秒で右に回避して!!」
北野が言う。グランクワガーモンはそのまま向かってきてる。
1・・・ 2・・・ 
「今よ!!」
北野の掛け声を合図にヴァロドゥルモンは回避した。そして
『オーロラアンジュレーション!!!』
背後からグランクワガーモンに光線をぶつける。
「もう一体!」
ヴァロドゥルモンはスカルマンモンにも光線を放とうとした。が
『ディメンションシザー!!!』
突然グランクワガーモンが襲ってきて、ヴァロドゥルモンの体を挟んだ。
「ぐわあああぁぁ!!!」
北野は振り落とされてしまった。
「きゃあああああああ!!!」
ドサッ!
気がつけば北野は誰かに受け止められてた。
そこにはボロボロの黒ランを着て、背中には白のペンキで狼が描かれている『黒狼』の総長、神沢魁人がいた。
「魁人さ・・・どうして!?」
「俺の『母校』が壊されるのを黙ってみてろってのか!?」
魁人は北野を立たせた。
「あの・・・あのことは?」
「ん?ああ・・・声が聞こえたんだ」
「声?」
「ああ。あのあと俺はすぐに家に帰り、寝ちまった(笑)。そしたら声が聞こえた。『お前は今の自分の強さに誇りを持っている。だがそんなちっぽけな誇りよりももっと大きな誇りを手に入れてみないか?』」
スカルマンモンが突進してきた。
「『世界一つを守ったという誇りを!!!』ってな!!!」
突然スカルマンモンの頭に穴が開いた。すると体全体がかにかが駆け巡るように爆発した。
そして魁人の前にはクダモンの究極体、スレイプモンがいた。

78ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:27:10
「いくぜ!!スレイプモン!!!」
マンモンはバラバラになり消え去った。
「殺した・・・!?」
北野が跪く。
「残るはあのクワガタ野郎だ!!」
「やれやれ」
スレイプモンはため息をつくと腕の弩をグランクワガーモンに向けた。
『ビフロスト!!』
弩から矢が撃たれ、グランクワガーモンに向かった。
しかしグランクワガーモンは巨大なあごで弾いてしまった。
「ヒュウ♪やるぅ!」
「魁人。俺は疲れた。早く帰って『じゃがりこ』が食べたい・・・」
スレイプモンが言った。
「まぁまて、こいつを倒したらすぐやるから。お前今手抜いたろ?」
「ああ」
スレイプモンがきっぱりと言う。
「次の1発で終わらせたら新発売の『サラダ味』やるから」
「俺は騙されんぞ!!『サラダ味』は1番最初の味ではないか!!」
「細かいこと言うな」
2人がそんな会話をしていると
「危ない!!」
『ディメンションシザー!!!』
グランクワガーモンが向かってきた。
『オーロラアンジュレーション!!!』
ヴァロドゥルモンの光線がグランクワガーモンを吹き飛ばした。
「あぁ!?」
魁人は北野を見た。
「敵と戦ってる最中よ!!」
北野は怒鳴った。
「おおわりいわりい。・・・だが今のは援護しなくても良かったな」
「おい魁人。こいつと一緒に闘うのか?俺は協力して戦うのがいやだといったはずだが・・・」
スレイプモンか言う。そこで北野が言った。
「私達だけじゃ勝てない!!協力して!!」
「何故貴様らと」
スレイプモンが訊く。
「協力してくれたら『じゃがりこジャーマンポテト』あげるから!!」
「よっしゃのったぁ!!!!!」
スレイプモンが即、再び襲い掛かろうとするグランクワガーモンに矢を放つ。
「・・・『じゃがりこ』そんなに好きなの?」
「ああ・・・病的にな。『バリバリの食感がたまらない』だと・・・」
「結構変わってるね(笑)」
2人が話す中、スレイプモンは矢を連射し、ヴァロドゥルモンはその援護をした。
しかし、しぶとくグランクワガーモンは生きている。
「魁人さん」
「ん?」
「やっぱり・・・殺さなきゃいけないのかなぁ・・・」
「・・・・・ああ。仕方ない」
『ビフロスト!!!』
『オーロラアンジュレーション!!!』
2つの攻撃がグランクワガーモンに直撃する。
「ギイィィアアアアアアア!!!!」
グランクワガーモンは悲鳴を上げて消えた。
北野の頬を一筋の涙が通る。

79ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:27:26
第四十一話 学校での闘い 伊織編
「ハァ・・・ハァ・・・強い」
伊織は頭から血を流している。ここは体育館。ディグモンも負傷している。
「同じ成熟期なのに・・・」
2人の前ではドッグモンが陽気に跳ね回っている。
『ドリルキャノン!!!』
ディグモンの体のすべてのドリルがドッグモンに襲い掛かる。
「キャハハハハハハハハ☆」
ドッグモンはおかしく笑うと体をゴムのように伸ばし、天井に掴まった。下ではドリル同士が相殺しあう。
『ウルトラかみつく!!!』
ドッグモンはとてつもなく大きく口を開けた。そして伊織に襲い掛かった。
「伊織!!」
ディグモンが伊織の前に先に来た。ディグモンは体の大半を巨大な口で噛み付かれた。
「ぐわぁぁぁぁ!!!」
「ディグモン!!」
ディグモンはドリルで攻撃をしようとした。しかし直前にドッグモンはゴムの様に伸びてにげる。
「ディグモン!!!」
「だ・・・大丈夫だぎゃ・・・」
(まただ・・・)
伊織は思った。
(また僕は何もしないでディグモンを『盾』にしている・・・)
実は今のようなことは何度も繰り返されていた。
(ドッグモンはディグモンの攻撃をかわし僕を狙ってくる。そのたびにディグモンは助けてくれる。僕は何もできずにただディグモンを『盾』にしてしまっている)
ドッグモンはピョンピョン飛び跳ねている。
(そんなのは・・・)
ドッグモンは大きく口を開けた。
『ウルトラかみつく!!!』
ドッグモンが襲い掛かる。
「伊織!!俺の後ろに・・・」
ディグモンが言いかけたが伊織はディグモンの前に立った。目の前にはドッグモンの巨大な口が迫る。
「伊織!!」
「そんなのは・・・いやだ!!!」
伊織は両手を広げた。
「僕も・・・ディグモン!!君を守って戦いたい!!!」
巨大な口が閉じかかる。
伊織は目を閉じた。
「・・・・・わかってんじゃねぇか・・・」
突然声がした。それに・・・
(・・・何もこない!?)
伊織は目を開くとそこにはドッグモンの上あごを右腕で、下あごを左足で止めている少年がいた。
「・・・・・輔さん?」
少年は振り返った。その少年は輔ではなくウィンランとタケルの前に現れた謎の少年がいた。
「あいつと一緒にするな」
そういうと少年はポケットからD3を出した。
「あ・・・・・」
少年はD3の持った腕をドッグモンの口に突っ込んだ。
すると、ドッグモンの後頭部から一筋の光線が出た。
「ぎゃあああぁぁぁ!!!」
ドッグモンは消えた。
「あ・・・あなたは・・・」
「早く屋上へ行け!」
少年は言った。
「え?」
「何度も言わせるな!!行け!!」
「は・・・はい!!!」
伊織は走り出した。
「い、伊織〜」
その後をアルマジモンがついて行く。
「・・・・来るか・・・輔よ・・・」
少年はそう言うと消えていった。

80ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:27:42
第四十二話 脅威の堕天使 前編
バン!!
大輔は屋上の扉を勢いよく開けた。そこには2人の少年がいた。
「こんちは。俺は冬扇 塁(ルイ)。でこっちのバカズラが東谷 ミツル」
「馬鹿とはなんだ馬鹿とは。あいつらのほうがよっぽど馬鹿だし」
東谷が大輔たちを指差す。
「なにぃ!?」
「いいか。屋上に爆弾。なのに何故学校の中を通ってきた?」
「「「アアアアッ!!!」」」
「ほらやっぱり馬鹿だ!!」
「このやろ!!」
「よせ本宮」
賢が止める。
「まずは爆弾を止めてみんなを助けないと」
「あっ、そうか!」
「あと10分よ!」
「十分だ!!」
3人は走り出した。
「・・・やっぱり馬鹿だあんた等」
突然大輔たちの前に黒い堕天使型デジモンが現れた。
「な、なんだぁおまえは!?」
「メフィスモン。そいつはやばいぞう。とめたかったらそいつを倒し・・・」
「言われなくてもわかってるぜ!!」
メフィスモンの腹にブイモンヘッドが炸裂する。が
「!?」
メフィスモンは顔色一つ変えない。そのときメフィスモンの腕に巨大な黒い玉ができた。
「!!まずい!!避けろ!!!」
『デスクラウド』
黒い球が投げられ、屋上で大爆発が起こった。

「いった〜い」
ヒカリは爆風で屋上への階段に吹き飛ばされた。
「あ〜やっとついた」
「!!!」
見るとウィンランがいた。
「ウィンラン君!!」
「ヒカリ!!」
テイルモンが階段に向かってくる。が
パラ・・・
「!!!危ない!!」
ウィンランはヒカリの体を後ろに放り投げた。その瞬間、壁が崩れてきた。
「ヒカリ!!」
「テイルモン!!」
テイルモンはヒカリの反対側にいる!!
「今行くから!!待っててテイルモン!!」
「ウィンラン!!」
見るとサイバードラモンがウィンランを壁の残骸から引きずり出してる。
「ウィンラン君!!」
「大丈夫・・・だ」
頭からは血が流れている。
「サイバードラモン。残骸をどけて」
「一気に破壊すればいいだろ?」
「だめだ。これ以上学校を壊すわけにはいかない」
「ちぇっ」

「ヒカリちゃん!!」
大輔は階段へと向かった。
「大輔!!危ない!!」
大輔の背後にはメフィスモンがいた。手には小さな黒い玉ができている。
『デスクラ・・・』
『ヘイルマシンガン!!!』
ズドドド!!!
メフィスモンの腕にいくつもの刃が刺さっている。
賢の隣にはワームモンが『友情のデジメンタル』を使って進化したトゲモグモンがいる。
「本宮!!こっちが先だ!!」
「くそっ!!エアロブイドラモン!!!」
「ああ!!!」
メフィスモンにエアロブイドラモンが向かっていった。エアロブイドラモンの体は青く光り、メフィスモンの腕には黒い玉があった。
『ドラゴンインパルス!!!』
『デスクラウド!!!』
二つの攻撃がぶつかる。

―ヒ・・・カ・・リ・・・・・―

81ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:27:58
   北野 秋
中学1年生 11月6日生まれの12歳
4人姉弟 家族は母が一人妹が二人弟が1人
パートナー ファルコモン
おとなしい性格 戦いはあまり好まない方
転校してきた日から大輔に気がある
  
   ウィンラン・レイ
中学2年 5月24日生まれの14歳
1人っ子 家族については不明
パートナー サイバードラモン
時にキレる性格(?) 強い奴となら戦いたがる韓国人
あらゆる憲法を習得している

82ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:28:13
第四十二話 脅威の堕天使 後編
二つの攻撃はお互い打ち消しあった。空中に煙が立ち込める。
エアロブイドラモンは上空から煙を見ている。煙が晴れたらもう1発撃ってやろうと構えた。しかし、甘かった
『デスクラウド!!!』
突然煙の中から黒い玉が飛び出してきた。
「何!?」
『オーロラアンジュレーション!!!』
一筋の光線が黒い玉を弾いた。
「!!!」
屋上のすぐ横の空中にはヴァロドゥルモンに乗った北野とスレイプモンに乗った魁人がいた。
「北野さん!!!」
「大輔さん!!!空から行ったほうがよかったんじゃないですか!?」
「俺たちもそれにさっき気付いたんだよ!」
そして大輔は魁人を睨みつけた。
「何でお前がここにいる?邪魔しに来たのか?」
「・・・・いや」
「『じゃがりこ』のためだ!!!」
スレイプモンが突然言う。
「それも違う」
「じゃあ何故・・・」
「安心しろ。俺はデジタルワールドを守るために闘っている。お前等の邪魔してるヒマなんかねーんだよ」
そう言うとスレイプモンはメフィスモンの右に回りこみ、ヴァロドゥルモンは左に回りこんだ。そして
『ビフロスト!!!』
『オーロラアンジュレーション!!!』
双方の攻撃がメフィスモンに向かう。が
『デスクラウド!!!』
メフィスモンの両腕に黒い玉ができ、双方の攻撃を弾いた。
「!!!馬鹿な!!究極体2体の攻撃を!?」
するとメフィスモンは特大の黒い玉を出した。しかしまだ撃ってこず、黒い球は少しずつ巨大化している。すると
『イレイズクロー!!!』
『ホーリーアロー!!!』
『ヘブンズナックル!!!』
『アウルヴァンディルの矢!!!』
メフィスモンの腹にいくつもの爪撃と一つの拳と2つの矢が刺さった。
「大輔君!!!」
屋上への階段からはヒカリ達が出てきた。
ボコッ
「!!!」
突然メフィスモンの足場が崩れたと思うとそこからいくつものドリルが出てきた。
『ドリルキャノン!!!』
ズドドドドッ
メフィスモンの体にいくつものドリルが刺さった。
地面からはディグモンと伊織が出てきた。
「皆さん!遅れてすいません!!!」
そういうと伊織はみ皆の横についた。
「ちっ、メフィスモン!!!ヒカリは捕まえ、以外は殺してよし!全力でやれ!!!」
メフィスモンの腕にはまだ黒い玉があった。
「おい!!あいつアレだけダメージを食らってまだ立っている!!」
「大輔さん」
北野が耳打ちしてきた。
「捕まってる皆さんが裏から逃げるようにしました。爆発まで後3分です」
「・・・・・わかった。・・・賢!ジョグレスだ!!!」
「わかった!!!」
「エクスブイモン!!!」「スティングモン!!!」以下略
2体はパイルドラモンになった。
「いくぜ!!!」
「「「「「おう!!!!!!」」」」」
メフィスモンの黒い玉も超特大になっている。
『デスクラウド!!!!!』
黒い玉が迫ってくる。
気がつくともう目の前にあった。
(((((早すぎる!!!!)))))
屋上で大爆発が起こった。
パラ・・・ パラ・・・ カラカラカラ・・・
「あーらら。こりゃヒカリまで殺したかもねぇ・・・」
冬扇が言う。
「暢気なこと言うな!爆弾は無事だが、ヒカリが死んだら俺達殺されるぞ!!!」
しかしヒカリは生きていた。ヒカリだけじゃない、大輔達も。しかし誰もが動けなく、パートナーは皆退化してた。
「そんな・・・ここまで力の差が・・・」
「こっちには・・・究・・・極体が3対も・・・・いたのに」
「ち・・・くしょう・・・」
大輔はポケットからゴーグルを出した。
「太一・・・さん・・・俺は・・駄目な・・・・・男です・・・。・・・・・輔」
大輔は輔の戦う姿を思い出していた。
(お前は・・・いつも・・・前を向いていた・・・強さがあり、大きな自信もあった・・・なのに俺は・・・)
大輔は涙がこぼれた。ヒカリにはその光景が見えた。気が付けば自分の涙を流していた。
「・・・・・輔君」
目の前にはメフィスモンがいた。
「助けて・・・・輔君・・・・」
ヒカリはかすれる様な声で言った。
その時、メフィスモンの後ろに巨大な扉が現れた。
「!!!!!」
「な、なんじゃこりゃああああああ!!!!????」
東谷はひっくり返ってしまった。
「これは・・・」
それは『ダゴモンの海』へいく扉だった。
ゆっくり扉が開かれる。

83ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:28:37
第四十三話 帰ってきた・・・
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
扉の奥から声が聞こえ、ゆっくりを扉が開いていく。
誰もがそれを黙ってみていた。
扉は完全に開ききったらバラバラに砕けちった。
そしてそこには・・・・・
「・・・・・輔・・・君?」
ヒカリは言った。そこにはあの戦士・・・八神 輔がいた。
「輔!?」
「本当にお前なのか!?」
「輔さん!?」
「えっうそっマジ!?」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ガタッ
ロードは椅子をひっくり返して立ち上がった。
「この感じ・・・・・馬鹿な!!!」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
輔はヒカリの傍によった。
そしてヒカリの頬に手をやる。
「・・・・・なんで泣いてる?」
輔は訊いた。その声はとても懐かしかった。
「輔君・・・・もう・・・・ホントに死んじゃったかと・・・」
「俺は『待ってろ』って言ったはすだが?」
「うん。うんうん」
ヒカリは涙が止まらなかった。
輔はD3を出した。
「ちょっと待ってくれ」
輔はそういうとメフィスモンのほうへ向いた。
「てめぇか・・・ヒカリたちをこんな目に合わせたのは?」
D3が強大な光を放つ。ヒカリたちは剣をだすだろうを思った。しかし、ただの剣ではなかった。
D3は姿を変え、光線状の剣を出さずD3の画面が中心の固体の白い剣へと姿を変えた。
気が付けはメフィスモンの肩から腹まで大きく切り裂かれていた。
「ギャアアアアアアアアアアア!!!!!」
「くそっどうする!?」
「邪魔が入った!一旦引くぞ!!」
そう言うとメフィスモン、東谷、冬扇は黒い渦の中に消えていった。
輔は剣をしまうと爆弾の方へ向かった。そして爆弾に触れて何か唱えると爆弾は消えた。
「輔・・・君・・・」
ヒカリは少し動けるようになった。
大輔達も立ち上がった。
輔は皆の前に来た。
「待たせたな・・・」
ヒカリは輔に抱きつき、皆は歓声を上げた。がしかし、
   ドクン
「!!!!!!」(この感じは!?)
輔はヒカリを突き放し後ろを向いた。ウィンラン、タケル、伊織はこの感じを知っている。
屋上の端にはあの少年がいた。
「おっと、すまんねぇ・・・涙の再会を邪魔して・・・」
少年は不気味に笑った。
「何でお前がここにいる?」
輔が少年に訊いた。すると少年はまた笑った。
「おいおい。俺がいちゃいけねぇのかよ・・・ひどいぜ・・・『友』よ」
(え・・・・・・?)
ヒカリはわけがわからなかった。ヒカリだけじゃない。輔以外全員そうだった。
「ちげぇよ・・・」
輔が言った。
「『何故お前が生きてる』って訊いてんだ!!!お前は『殺された』筈だろ!?」
「輔君。・・・・誰?」
ヒカリは震えながら訊いた。
「奴の名は・・・」

84ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:28:52
   神沢 魁人
高校2年生 9月1日生まれの16歳
1人っ子 家族は母が大阪にいて父はイギリスにいる 
パートナー クダモン
少し荒っぽい性格 強い奴と戦いたがる
『黒狼』の2代目総長(1代目は不明)
大阪にある人を残してお台場に来た

85ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:29:07
第四十四話 生き残った戦士 前編
「きゃはは!あははははは!」
ここは夜明け前のどこかの草原。そこで一番大きな一つの丘に一人の少女が笑いながら走ってきた。小さな木彫りがありその中心に青く澄んだ水晶のようなもの埋め込まれているアクセサリーを首にかけている。
「ほらほら〜、輔〜、一樹(カズキ)〜、早く早く!」
少女が言うとその丘に2人の少年が来た。
「待てよ、まだ時間じゃないぜ」
一樹は丘に腰を下ろす。
「いーの。輝真(キョウマ)も早く〜」
少女が言うとまた一人、黒髪の黒い服を着た少年が来た。
「またそんな黒ずくめの服着てんのか」
「お前には関係ない」
黒髪の少年が冷たく言う。
誰もが腰にD3をぶら下げていた。
その時、4人の顔が一気に明るくなった。日が昇ってきて4人を照らしていく。丘からは朝日がよく見える。
「はー、綺麗・・・」
「ああ」
「いつ見ても」
その時、輝真は黙って丘を降りた。
「?ねぇ、どうしたの?」
少女が訊く。
「いつもいつも同じもの見て楽しいか?」
輝真は馬鹿にするようにいった。
「おいおい、じゃあ何でいつもここには来るんだよ輝真?」
今度は一樹が訊いた。
「その名は気に食わない。どうせなら苗字の『黒須』と読んで欲しいな」
「何でだ?いい名じゃないか?」
「それが気に食わん。『黒須』と呼べ」
「そんなことと言ったら、両親悲しむよ」
少女が言う。すると黒須の目つきが変わった。
「俺たちは親の顔も知らない。どんな人かも知らない。親に関しては何も知らない!親はいないも同然なんだよ!!この女(アマ)!!!」
その時、一人の少年が黒須を押し倒した。輔だった。
「てめぇ・・・」
輔は黒須を睨みつける。
「もいっぺん言ってみろコラァ!!!」
その時、輔の体を誰かが押さえつけた。
「やれやれ。またここか・・・」
一人の大きな男が(170センチはある)輔を押さえつけていた。
「早くしろ。今日も修行だ。12人そろわないとできない」
「くそ!!放せ!!山微士(ヤマビシ)!!!」
しかし山微士は放さず輔を連れて行った。残りの3人も後からついて行った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「生きていたのか・・・」
ここは屋上。ここである二人が再び会った。
「久しぶりだな。輔」
「一樹!!!」
輔は少年の名を叫んだ。
「やっと思い出したか?」
そういうと一樹はD3を取り出した。D3は光ったと思うと長い白い片端が鉾、片端が棍棒の武器になった。
「!!?何のつもりだ?」
輔が訊く。
「決まってんだろ・・・お前を殺すんだ」
一樹は気が付けば輔の目の前にいた。
「!!!」
輔は剣で防ごうとしたが遅かった。一樹は輔を棍棒で殴りつけた。
「がっ・・・」
輔はふらついた。
「俺たちを『裏切った』お前をよ!!!」
一樹の目は怒りに燃えていた。

86ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:29:24
第四十四話 生き残った戦士 後編
「くっ・・・そ・・・」
輔は脳震盪を起こしていた。
一樹は今度は鉾で斬りつけようとした。が
『デスペラードブラスター!!!』
パイルドラモンの攻撃を一樹はギリギリでよけた。
一樹が睨む。パイルドラモンは次の攻撃のため構えている。周りには大輔たちとそのパートナーがいた。
「よ・・・・せ・・・」
輔は何とか立っている。
大輔が言う。
「何がなんだかわからねぇがやっと会えた輔を黙って殺させるわけにはいかねぇ!!」
「そうです!!輔さんが何をしたというのですか!?」
伊織が訊く。
一樹はしばらく黙ってこういった。
「こいつは・・・仲間を裏切った・・・もちろん俺も裏切られた・・・そのせいで仲間は死んだ。」
「輔さんがどう貴方と貴方達を裏切ったんですか!?」
「こいつが俺達と共に戦っていたら仲間は死ななかった。だがこいつは戦わずどこかに逃げていたんだ!」
「ち・・・がうんだ・・・」
輔が意識を取り戻してきた。しかし輔の言葉を聞かず一樹は続けた。
「何よりも信じられなかったのはこいつは・・・『自分の愛した女』を殺したんだぞ!!!」
「!!!!!」
ズバァッッ!!!
「ぐあああああ!!!」
一樹は輔に肩を斬りつけられた。一樹は倒れた。
輔は一樹を睨みつけていた。
「今・・・なんていった?」
輔が冷たく訊く。
「俺が・・・殺しただと・・・!?」
一樹はゆっくり立ち上がった。
「ああ。俺は見た。お前が彼女を殺した所を!!!!」
バキィィン!!!!!
輔の剣と一樹の鉾がぶつかる。その時輔の懐からあるものが出てきた。
それは小さな木彫りがありその中心に青く澄んだ水晶のようなもの埋め込まれている首飾りだった。
「!!!!!」
一樹の表情が変った。
「お前・・・なぜそれを持っている?」
その時
『デスペラードブラスター!!!』
一樹はすれべ攻撃をかわしたが目の前には輔が斬りかかろうとしていた。
「くっ・・・」
一樹は目を閉じた。
「やめて!!!!!」
輔の剣が一樹の目と鼻の先で止まった。
言ったのはヒカリだった。ヒカリは泣いている。
「どうして貴方達が闘ってるの?仲間じゃないの?」
「ヒカリ・・・」
輔は剣をしまった。
一樹も武器をしまった。
(そうか・・・彼女がヒカリ・・・)
一樹は輔から離れた。
「彼女がいたんじゃ戦えない・・・また会おう。そして今度こそ殺す」
そういうと一樹は姿を消した。
しばらく沈黙が訪れた。

87ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:29:39
裏話 
「馬鹿な!!馬鹿な馬鹿な馬鹿な!!!!」
神殿の中でロードは混乱していた。
「輔が・・・生きてた・・・いやしかし、それよりも!何故・・・何故一樹がいる!?」
ロードは神殿の中を歩き回っている。
「なぁ・・・一樹って誰だ?」
獏哉が隣にいる冬扇に訊く。
「知らん。だがもしかするとあいつもロードの言う『光の戦士』だかじゃ・・・」
「生きてたのは輔だけだと聞いてるぞ」
「そこがわからん。そもそも『光の戦士』ってのがいまいちわからん」
ロードは奥にある椅子に座った。
「くそっ!!!」
ロードは頭を抱えた。
「ありえない・・・一樹は殺したはず・・・輔以外『光の戦士』は殺したはず・・・『あの女』も・・・」

ガチャッ
地下牢に暁が入ってきた。
見張りとしていた舞があくびをした。
暁は一番手前の牢を見た。そこには隅に縮こまっているウォレスがいた。
「交替だ。舞」
「はいはい」
舞はゆっくり立ち上がると出て行った。
「おい!」
暁がウォレスの牢によりかさる。
足元には5時間前に置いた昼食があった。どれも全く手をつけられていない。
「また飯食わずに・・・死ぬぞ?」
「・・・・・テリアモンは?」
ウォレスが顔を上げる。
「大丈夫だ。・・・ロードから伝言だ。喜べ。『明日から3日間の自由期間をやる。どこえ行くなり何なりしろ。ただし、余計なことはするな。さもなくばあの『2人』の命は無い』ってな」
そう言うと暁は鍵を開けた。
「さっさと行け!テリアモンは外にいる」
ウォレスは黙って牢を出た。

88ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:29:59
第四十五話 大輔VSウォレス 前編
あれから翌日・・・
ヒカリと輔はあまり離さなくなり、両者ともそのつもりは無さそうにある。
そんなある時
「はぁ!?サマーメモリー!?」
「頼む!!」
輔の目の前には大輔が頭を下げている。
「どうしてもサマーメモリーに行きたいんだ!!」
輔はしばらく考えてこう言った。
「・・・・・ウォレスの事か・・・」
「ああ。あいつが何で裏切ったのか、一体何を隠しているのか、何があったのか、あの花畑に行けばわかるかもしれない」
「・・・・・わかった。だが見張りとしてウィンランを・・・」
「いや、俺だけ行かしてくれ・・・」
「何!?」
「一人がいいんだ・・・頼む!!!」
大輔は両手を合わせた。
「・・・・・わかった」

そして放課後・・・
「サマーメモリーかぁ・・・遠いなあ・・・」
輔はそういいながらD3で移動陣を書いている。
「ホント・・・1人でいいの?」
ヒカリが訊く。
「・・・・・ああ。今日中には帰る」
「気がすんだらメールで呼べよ」
輔が言う。ちょうど陣が完成した。
「よし!」
大輔は陣の手前に立った。
「それじゃ・・・」
「いってらっしゃい」
「ああ」
大輔はブイモンと陣に飛び込んだ。しばらくすると陣は消えた。
「大丈夫かなぁ・・・」
「さあな・・・」
ヒカリと輔は言った。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「・・・・着いた」
大輔とブイモンは花畑に立っていた。

「ここは久しぶりだね。テリアモン」
ウォレスが言う。
「・・・・・大輔たちと一緒にチョコモンと戦った場所・・・」
テリアモンは悲しそうに言う。

「・・・大輔」
突然ブイモンが言う。
「?何だ?」
「デジモンの・・・気配・・・」
「何!?まさか敵・・・」
「違う!!」

「ウォレス・・・誰かいる・・・」
「ロードの見張りか?」
「ううん」

「「これは・・・」」
「グミモン!!!」「ブイモン!!!」
御互い相手を発見した。
「・・・・・ウォレス?」
「大輔・・・」
「グミモン・・・」
「今はテリアモンだよ。ブイモン・・・」
2人は身構えた。
「!?おい!!何のつもりだ!?」
「決まっている!・・・敵は倒す!!」
テリアモンの体が光った。

89ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:30:14
第四十五話 大輔VSウォレス 後編
「テリアモン!!進化!!ガルゴモン!!」
ガルゴモンは腕のガトリングを向けてきた。
「待て!!待ってくれウォレス!!俺は闘うつもりは・・・」
『ガトリングアーム!!!』
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!
超連射が大輔を襲う。
「ブイモン!!進化!!エクスブイモン!!」
エクスブイモンは間一髪で大輔を助けた。
「ウォレス!!話を聞け!!」
「大輔!!無駄だよ!!」
「ウォレス!!」
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!
さらに超連射が来る。エクスブイモンは大輔を掴んだまま飛んでかわした。
銃撃も後を追ってくる。エクスブイモンは空中で華麗に旋回して銃撃を避け、ガルゴモンに向かっていった。
大輔は途中で飛び降りた。
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!
エクスブイモンは銃撃をかわし続け、ガルゴモンと距離を縮めていく。
エクスブイモンは標的を定めようとした。腹のX字の模様が光る。
『エクス・・・』
その時、エクスブイモンは標的を見失った。ガルゴモンは背後にいた。
「!!!!!」
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!
「ぐわぁああああああああああああ!!!!!!」
エクスブイモンは全身に銃撃を受けた。エクスブイモンはブイモンに退化し、地面に落ちた。
「ブイモン!!!」
大輔の行く手にガルゴモンが現れた。
「!!!」
ガルゴモンはガトリングを向ける。が、撃ってこない。
「・・・・・?」
大輔はウォレスを見た。ウォレスは泣いていた。
「!!!・・・ウォレス・・・」
「う・・・ああぁ・・・ぁ・・・」
ウォレスは頭を抱えた。その時
ジュウゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・
ウォレスの呪いの焼印が光った。
「ぐ・・・あああああああぁぁぁぁ!!!!」
ウォレスは倒れた。
「ウォレス・・・お前・・・」
「ぐ・・・」(いやだ・・・大輔と戦いたくない)「く・・・あぁ・・・」(いやだ・・・いやだ・・・)
(いやだああああぁぁぁぁ!!!!!)
「行くぞぉ!!!ガルゴモン!!!!」
ガルゴモンの体が光った。
「ウォレス・・・」
「ガルゴモン!!!ワープ進化!!セントガルゴモン!!!」
大輔の目の前にはセントガルゴモンが現れた。
(ウォレス・・・お前はずっと苦しんでいたのか・・・)
大輔は涙を流していた。
(ロード・・・ゆるさねぇ!!!)
ブイモンの体が黄金色に輝いた。
『エクストリームジハード!!!』
突然1つの雷球がセントガルゴモンにぶつかった。
大輔の前にはマグナモンがいた。
「ウォレス!!俺はお前に勝ち、お前を連れ戻す!!そして・・・一緒にロードを倒すぞ!!」
『エクストリームジハード!!!』
『ジャイアントミサイル!!!』
1つの雷球と2つのミサイルがぶつかった。
1つの雷球とミサイルがお互いを相殺した。
しかしもう1つのミサイルは大輔とマグナモンに向かう。
「・・・・・ウォレス」
大爆発がおこった。
ウォレスはただ呆然と立ちこもる煙を見ている。
隣にはテリアモンがいた。
「帰ろう・・・ウォレス・・・」
2人の後ろに黒い渦が現れ、2人はその中に消えた。

煙が晴れたあとには大輔とブイモンが倒れて、その前には輔がいた。
「すまん大輔。来るのが遅かった・・・」
大輔は泣いていた。輔は黙っている。
「・・・りてぇ・・・」
突然大輔が何か言った。
「大輔?今なんて?」
大輔は大きく息を吸った。
「強くなりてぇ!!!!!」
大輔は起き上がった。
「そして・・・あいつを連れ戻す!!!」
「・・・・・ああ」
ブイモンも起き上がり、3人は花畑を見た。
どの花もウォレスを待ってるかのようだった。

90ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:30:41
第四十六話 輔の過去 前編
ヒカリは輔の部屋に入った。
輔はさっき大輔のところに急いで行った。
輔の机の上にはあの首飾りがあった。
ヒカリはいけないとわかっていてもその首飾りを手にとって見た。
中心の青く澄んだ水晶は角度を変えるたびに様々な輝きをする。
ヒカリは水晶に触れてみた。
「!!!!!」
ヒカリは今まで味わったことの無い感覚をくらった。意識がどこかに連れて行かれた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヒカリはどこかの草原にいた。空は暗い、いや、夜明け前なのだ。
その時ヒカリは一つの丘を見つけた。見る限りでは1番大きい。
その時誰かが丘に登ってきた。ヒカリと同い年くらいの少女だ。髪の色はヒカリと同じ、青い瞳に肩までかかったショートヘア、そして、
少女はあの首飾りをかけていた。
ヒカリは気付いた。自分の姿がない。いや、自分は意識だけだった。
少女が後ろを振り返って何か言うと2人の少年が現れた。
「!!!!!」
輔と一樹だった。しかし輔は何か違った。その表情は今とは違い、やさしい表情がこもっていた。
そしてもう1人
「黒須凶魔!!!」
ヒカリは声を出したつもりだが。何も聞こえない。
4人は昇ってきた朝日を見た。そのあと何か会話をしていると突然輔が黒須を押し倒した。
するといきなり大きな男が現れ輔を捕まえている。輔は必死にもがいている。
ヒカリは皆が腰にD3を付けているのが見えた。
5人は丘から見えなくなった。その時ヒカリは気付いた。
「私、輔君の過去にいる!!!」
ヒカリは後を追いかけた。
5人は大きな神殿に入っていった。
ヒカリもあとに続き、神殿に入った。
そこには輔達を入れて12人の子供が集まっていた。
誰もがD3を持っている。
ヒカリは上を見た。そこには
「!!!!!」
強大な光が2つあった。
2つの光が何か言ったと思うとそれぞれが武器を出してお互いに闘い始めた。
その時記憶が早送りされたように視界が揺れた。そして気が付くと輔と2つの光だけが神殿の中にいた。
お互いは何かを話しているが何を言っているのかわからない。その時
ドゴアァァァァァァァ・・・・
突然外で大きな音が響いた。
輔も気付いたようで外に出た。
ヒカリも後に続いた。
外ではものすごい戦いが繰り広げられていた。
黒須が他の子供達と戦っている。1人で。
その時、また視界が揺れた。
目の前には輔がいた。
あちこちに子供達の死体がある。しばらくするとその死体は消えていった。
輔は戦い場所とは随分はなれた場所まで歩いていった。
そこにはあの少女が血まみれで倒れていた。
「!!!!!」
輔は少女を抱きしめた。その時、ある名前だけが聞こえた。
「サヤカ・・・」
輔は泣いていた。目から大量に涙が溢れている。
サヤカはまだ意識があった。
サヤカは輔に何か言うと輔の首にあの首飾りをかけた。
サヤカは輔の涙を拭うと優しく微笑んだ。
ヒカリはわかった。輔の愛していた女はこのサヤカだ。
サヤカは足から段々と消えていった。
輔は泣き止まない。
最後にサヤカを強く抱きしめた。サヤカも涙を流し、完全に消えていった。
輔はその場に泣き崩れた。
ヒカリはすぐ近くで一樹が見ているのに気付いた。
そしてもう一つわかった。一樹はサヤカを殺したのは輔だと勘違いしているのだ。
その時、ヒカリはいきなり意識が戻った。
ヒカリは輔の部屋に立っている。
頭はがんがんする。
「・・・わかったか?」
突然声がしてヒカリは振り返った。輔がいた。
「・・・・・うん」
ヒカリはただそう答えると首飾りを机の上において部屋を出た。

91ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:30:58
第四十六話 輔の過去 後編
ヒカリは自分の部屋で泣いている。輔にあんな悲しい過去があるとは思わなかった。
「どうしたの?」
背後で声がした。いつの間にか部屋の扉は開かれ、ウィンランがいた。
「ウィンラン君・・・」
「お邪魔してます・・・」
ウィンランは礼儀正しく礼をする。そして目で「で?」と訊いている。
「ううん。なんでもない」
ヒカリは涙を拭った。
「なんでもないじゃないでしょ。大泣きしてたぞ」
ウィンランはポケットからガムを出し、口の中に放り込んだ。
「どう?ガム?」
ヒカリは黙って首を横に振った。
「まぁ話したくないならそれでいい。良い情報と悪い情報を持ってきた。良い情報はあんたの両親。しばらく落ち込んでてやつれちまったけど今日からまたちゃんと仕事をし始めた。太一さんの看病は2人が1日交代でするそうだ」
ヒカリは顔が明るくなった。今の情報は確かに良い情報だ。ヒカリも両親が心配だったのだ。
「後悪い情報・・・大輔が入院した」
「!!!!!」
ヒカリの表情が一変する。
「どうして!?」
「向こうにウォレスがいて、戦ったそうだ。もちろん負けた。まぁ2,3日もすれば退院するだろう」
その時ウィンランが扉から離れた。ウィンランの影から輔が出てきた。
「輔君・・・」
ヒカリは輔と目を合わせられなかった。
「ウィンラン。皆に20分後大輔の病室に集まれと言ってくれ」
「へーい」
ウィンランはガムをりんご大に膨らませるとフーセンが破裂し顔面を覆った。
「ぉおわ!?」
「何やってんだ馬鹿」
輔がウィンランを足蹴にする。
そのあと輔も部屋から出た。
「行くぞ」
突然言われてヒカリは動揺したが輔の後に付いていった。

大輔のいる病室に(梓、ウォレスを除く)真の選ばれし子供がそろった。
「どうしたんだ輔?」
大輔が訊く。輔は黙って首飾りを机に置いた。
「全員。この水晶に触ってくれ」
「何でだ?」
魁人が訊く。
「いいから早くしろ。・・・ってか、魁人いつからいた?」
「学校の件からいた」
魁人が苛立たしげに答える。
全員が水晶に手を伸ばす。ヒカリは腕を輔に掴まれた。
「お前はもういい」
皆は一瞬意識が飛んだと思うとまた元に戻った。涙を流していた。
「どういう・・・ことだ?」
大輔が訊く。
「じゃあすべて説明しよう。2度は言わんぞ」
そう言うと輔は深く深呼吸をした。
「昔、親も知らず自分の生まれた場所も知らず、『光の戦士』が生まれた。『光の戦士』とは再び光と闇の戦争が起こること、それを防ぐために真の選ばれし子供の護衛にもなる者のことだ。『光の戦士』が唯一知っていたのは名だった。俺は八神 輔。そして今のロード、黒須凶魔も『光の戦士』だった。俺達は全員で12いて、それぞれが力をもらい己を鍛えた。力をくれたのは、いや、俺達『光の戦士』を『作った』のはデジタルワールドの神、チンロンモン達よりも上の存在、『ホメオスタシス様』と『イグドラシル』だ。あの2つの光がそうだ。そして俺達が力をもらう時、黒須は通常の数倍の力を奪い取っていた。それは誰も知らなかった。そして俺には愛する女ができた。蒼神(アオガミ) サヤカ。そしてある日、俺は『ホメオスタシス様』と『イグドラシル』の呼び出しを受けた。2人は黒須の異変に気付いていた。黒須は『闇の紋章』を手にしていた。そのことを俺に言ったときにはもう外では始まっていた。黒須の裏切りが。俺はすぐ行こうとしたが『ホメオスタシス様』と『イグドラシル』に止められた。俺じゃ黒須に勝てないといわれた。俺は何とか戦いに参戦したが、もう終わっていた。そこには血の海しかなかった。そして最後・・・」
「愛する人が死んだ」
「「「「「!!!!!」」」」」
全員がヒカリを見た。
「そうでしょ?」
ヒカリは訊いた。
「・・・・・ああ。・・・そしてそのあと『ホメオスタシス様』と『イグドラシル』は黒須に封印され、俺達が修行していた世界、『人間界とデジタルワールドの狭間』は黒須の世界となり、闇の本拠地となった」
「お前等デジタルワールドで修行してたんじゃなかったのか?」
「違う。そして俺は1度黒須に会った。仲間の敵だと思ったのが間違いだった。俺はまんまと負け、呪いをかけられた。」
その時ヒカリは気付いた。輔の呪いがない!?輔の右腕には焼印が無かった。しかしヒカリはそのことを口にしなかった。何故だかは自分でもわからなかった。

「輔・・・・・殺す・・・・・」

92ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:31:14
裏話 
「お帰り。ウォレス」
ロードは自分の前にいるウォレスに言った。
「どうだった休日は?・・・と、そういや邪魔が入ったんだね」
ウォレスは黙っている。
「大輔・・・あいつはなかなかしぶといな。辛うじて生きてる。あの時お前、手加減したんじゃないよな?」
ウォレスは黙っている。テリアモンが前に出た。
「全力で戦いました。ただあいつがしぶとかっただけです」
「そうか?ウォレス。確かお前あのとき少し大輔と戦うのに動揺してたな?ん?」
「・・・・・いえ。ロードの敵は僕の敵。何も迷うことはありません」
「ほう・・・ではお前はあちら側に行くことはないと」
「・・・・・ハイ」
「じゃあ『これ』は何だ?」
ロードは懐から1枚の紙を出した。ウォレスがギガハウスに埋めといた輔達への手紙だ。
「!!!それは!」
「おしおきだな」
ジュウウウウウウ・・・
ウォレスの呪いの焼印が赤く光った。
「ぐああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ウォレスは倒れこんだ。
「ウォレス!!」
その時、テリアモンも何かの力に押されて吹き飛ばされた。
「テ・・・リア・・・モン・・・・」
ロードはウォレスの目の前に来た。
「何度言わせる気だ?え!?『あの2人』がどうなってもいいのか?」
ウォレスはロードを睨みつけた。
「・・・・・牢に入っとけ」
そう言うとロードは歩いて行った。
「く・・・そ・・・ぉぉ・・・」
ウォレスはしばらくそこに座り込んでいた。
(輔・・・大輔・・・皆・・・)

93ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:31:29
第四十七話 三又の槍
「・・・で、どうする気なん『だ』?」
ウィンランが『桂馬』で輔の『歩』をとる。
「何が『だ』?」
輔が『歩』を進ませる。
「大輔は明日退院する。修行はどうするのか訊いてん『だ』」
ウィンランが『金』を『玉』の前におく。
「さぁな。マスター達といろいろ話し合ってい『る』」
輔が『飛車』でウィンランの『桂馬』をとる。
「はっはぁ!そうくるか!読んでるわ!」
ウィンランは『角』で『桂馬』をとった輔の『飛車』をとる。
わかっていると思うが2人がやっているのは将棋である。
「・・・王手、詰み」
輔がウィンランの『玉』の横に『金』をおいた。
「ええぇ!?あ!ほんとだ!!」
「俺の勝ち♪」
「ちくしょう!!」
ウィンランが将棋版をひっくり返す。
「・・・で、『お前』はどうするんだ?」
ウィンランが訊く。
「どうって?」
「一樹とか、お前俺たちに話してないことがまだ山ほどあるだろ」
「・・・まぁ、お前には関係ない」
ウィンランは輔の右腕を見た。
「呪いの印・・・なんで消えてる?」
「さぁな・・・ダゴモンの海から戻ったときにはこうなってた。それにダゴモンの海での記憶がない。だが今のところ2つの考えがある。1つはなんらかによって呪いが解けた」
「もう1つは?」
輔はしばらく黙って言った。
「・・・もう1つの考えがただしかったら・・・俺・・・」

ヒカリはテイルモンと商店街本通りを歩いていた。
「あっヒカリさーん!」
声がしたと思うと20m程先の『立ち読み絶対許さない!』で有名な『山崎書店』から北野が出てきた。
「どうしたんです?」
「ううん。ちょっと散歩に。北野さんは?」
「ちょっと小説を」
北野が紙袋を見せる。
「ファルコモンは?」
テイルモンが訊く。
「家で妹たちの遊び相手をしてる」
「北野さんって妹いたんだ!」
「正確には妹2人、弟1人で」
2人はそのまま大輔をお見舞いに行くことにし、病院へ向かった。
その時、2人のもといた場所に黒い渦が3つ現れた。
黒い渦から黒マントが3人出てきた。3人ともフードで顔が見えない。
3人はヒカリと北野を見た。
「どっちがヒカリだ?」
1番背の高い黒マントが言う。声からして男だ。
「あーあれ、あの髪短いほうの・・・」
ヒカリと背が同じくらいの黒マントが言う。女だ。
「・・・いくぞ」
もう1人、大輔を同じくらいの背の男が言った。

大輔は爆睡していた。
「グガー、グゴー、ガー、ゴー・・・」
ヒカリと北野はあきれていた。
「元気・・・そうね」
「・・・はい」
その時、大輔が目を覚ました。
「・・・ヒカリちゃん!?」
大輔は飛び起きた。
「・・・それに北野!見舞いに来てくれたのか!」
「元気そうで何より。ブイモンは?」
「多分家で姉ちゃんにこき使われてんじゃねえの?」
4人は大笑いした。
「じゃあ私はお兄ちゃんのところに行くね」
ヒカリは北野に「がんばって!」とガッツポーズをする。
「えええええ!!??もっといてくれよぉ〜」
「じゃあね」
ヒカリは病室を出た。
「ヒカリ、のど渇いた」
「そうね。夏だから。アイスでも買ってからにするか」
「うん」
「あっヒカリちゃん」
タケルガ歩いてきた。
「タケル君!」
「何してるの?」
「お兄ちゃんところへ行く前にアイスでも・・・」
「えー!?アイシュー!?」
突然タケルの背後からパタモンが出てきた。
「僕も僕も!」
「わかった。買ってきてあげる」
「わーい!」
「タケル君は?」
「あっ僕はいいよ。ありがとう」
「うん」
「それじゃ・・・」
タケルは歩き出した。ヒカリはタケルが見えなくなるまでタケルを見つめた。
テイルモンはそんなヒカリをいやらしい目で見ていた。
ヒカリは近くのコンビニへ向かった。
「ヒカリ、あまり二股かけないように」
「へ?」
「輔とタケル。どちらかを選ぶのは・・・」
ヒカリの拳炸裂!
「そんなんじゃないわよ!!」
ヒカリは顔が真っ赤だ。
「あはは。ごめんごめん」
ヒカリは外へ出た。その時
シュザサッ
ヒカリの前に黒マントが3人現れた。
「あなた達・・・誰?」
真ん中の男が言った。
「俺達はロードの資格、『三又の槍』!!!」

94ヤム&マリ ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:31:45
第四十八話 ヒカリがさらわれた!?
「できれば争いはしたくない。おとなしく来てくれるか?」
真ん中の男が言う。
「断ったら?」
ヒカリが訊く。
「病院を破壊する」
1番背の高い男が言う。
「なんですって!?」
「来てもらおうか」
真ん中の男が手を差し出す。その時
『エアショット!』
空気砲が男の腕をはじいた。
「チッ!」
「ヒカリちゃーん!」
病院からタケルとパタモンガ出てくる。
「やれやれ、邪魔が来たな」
タケルはヒカリの前に立った。
「ヒカリちゃんに手を出すな!!!」

「ウィンラン」
「あいよ」
輔とウィンランはチェスを後にして家を飛び出した。
「病院で反応あり。魁人が近いな。奴にこのことを伝えろ」
「アイ・サー!」
ウィンランはDターミナルを出した。
「・・・後ブイモンとファルコモンを」
「了解」
そういうと2人は分かれた。

「手を出すな・・・か」
真ん中の男が言う。
「そこまでしたくはなかったんだけどねぇ・・・」
そう言うと3人はフードを取った。
真ん中の男は金髪美少年、隣の少女は茶髪のパンクヘア、大きな男は黒髪オールバックのにきび顔だ。
「はじめまして、赤林 竜(アカバヤシ リョウ)です」
「宮島 弓(ミヤジマ ユカリ)」
「・・・石怪 真(イシカイ シン)」
3人は名を名乗り、D3を出した。
「ナイトメアドラモン」
「リズマモン」
「ゲデュクモン」
3体のデジモンが現れた。
『『『三又の槍』』』
3体が巨大な力に包まれ巨大な力が槍のようになった。

95天神彰竜 ◆V5QNkCKgUg:2006/10/15(日) 19:32:47
完了しました!どうでしょうか?
また何か会ったら言って下さい。

96ハチ:2006/10/15(日) 19:38:32
す、すごく早かったですね!驚きです!!

97マリ:2006/10/15(日) 19:44:21
どうもありがとうございます。
あと数ヶ月くらい来ないのは彼のほうで私はまれにきますので
そん時はよろしくお願いします!

98マリ:2006/10/22(日) 12:31:34
『エクスキャリバー!!!』
ホーリーエンジェモンはエクスキャリバーで立ち向かった。が、その巨大な槍のような力は突然3つに分かれた。
「!!!」
ホーリーエンジェモンを三又の槍状の力が貫く。
「ぐああああああぁぁぁぁ!!!!!」
「ホーリーエンジェモン!!!」
「まだまだぁ!!」
三又の槍は向きを変え、タケルへと向かった。
「う・・・うわあぁぁぁ!!!」
『ビフロスト!!!』
突然いくつもの矢が三又の槍にぶつかった。
三又の槍は軌道がずれ、刺客の3人へと向かった。
「チッ!」
3人はかろうじて避けた。
「魁人さん!」
空にはスレイプモンに乗った魁人がいた。
「よう。大丈夫か?」
「はい!」
「くるぞ!」
三又の槍はスレイプモンに向かった。

99マリ:2006/10/22(日) 12:32:07
すいません
時間がなくて少ししかかけませんでした。
また時間があったら書き込みます。

100マリ:2006/10/25(水) 09:49:40
『ビフロスト!!』
スレイプモンは矢を連射した。
三又の槍が魁人もろともスレイプモンを飲み込んだ。
「「ぐあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
2つの悲鳴が聞こえた。
「魁人さん!!!」
魁人と退化したパフモンがもろく落ちた。
「テイルモン!!」
「うん!」
ヒカリのD3が光った。
「やめろ!!」
ウィンランがブイモン、ファルコモン、サイバードラモンを連れてきた。
「お前は戦いに参加するな!!」
「ウィンラン君!!魁人さんが!!」
ウィンランは倒れている魁人を見た。
「・・・・・わかった。ブイモン、ファルコモン。早く」
「わかった」
ブイモンはファルコモンに掴まって大輔と北野がいる病室に向かった。
「ウィンラン君・・・」
タケルは退化したトコモンを抱えている。
三又の槍は元の3体に戻った。

「・・・邪魔だよ」
輔の前には一樹がいた。
「言ったはずだ。次あったら殺すと・・・」
「だ〜から、ヒカリがあぶねぇんだよ。時間がねぇんだ」
「俺は・・・お前を・・・殺す」
「聞けよ。あんまりくどいと『ゴビ砂漠』に飛ばすよ?ヒカリが大変なんだ。どいてくれ」
「俺は決してお前を許さない。殺す!!」
「すげーな。そこまで相手の話無視した奴は初めてだ」
一樹は鉾を出した。
「行くぞ」
「最後まで無視か」

『イレイズクロー!!!』
サイバードラモンがゲドゥクモンに襲い掛かった。
「・・・・・」
ゲドゥクモンの拳が巨大化した。
『悪魔の鉄拳』
ゲドゥクモンはサイバードラモンを殴り飛ばした。
「がっ!」
『オーロラアンジュレーション!!!』
リズマモンに光線が迫る。
バシィッ
リズマモンは素手で光線をはじいた。
「そんな・・・」
「北野、奴等強い」
「あら?それは違うわ」
弓が笑う。
「あんた等が弱いのよ」
リズマモンは腰に差してある日本刀に手を掛けた。
『妖刀幻桜』
ヴァロドゥルモンの周りに大量の桜の花弁が現れ、その中には何体ものリズマモンが混じっていた。
「「!!!」」
「あなたに」「本物が」「わかるかしら」「ふふふ」
『オーロラアンジュレーション!!!』
ヴァロドゥルモンの光線が1体のリズマモンに直撃した。
しかしリズマモンは霧のように消えた。
「はずれ」「馬鹿ね」「『1』」
ヴァロドゥルモンは次々とリズマモンを消していく。
「はずれ」「『4』」「はずれ」「『5』」「『6』」
リズマモンは残り1体となった。
『オーロラアンジュレーション!!!』
光線がリズマモンに直撃した。
「やった!」
しかしリズマモンは笑った。
「はーずれ♪『7』」
「え?」
ヴァロドゥルモンの周りを桜の花弁が囲む。
「サヨナラ♪」
『桜嵐七斬撃!!!』


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