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ザフト@女だったら避難所

89ミエナイクサリ・2:2005/07/26(火) 22:30:44

部屋の暗闇の中に、一人の――少年と呼んでしまってもいいであろう年頃の――男が立っていた。
彼は椅子に腰掛ける女性の裸体を、まるで視線で舐め回すように見つながら、未だ幼さの残るその顔に小さな微笑みの表情を浮かべていた。


「・・・・キラ・・・・?」
椅子に腰掛けている女性が、今にも消え入りそうな声で少年の名前を呼ぶ。
少年は女性に歩み寄り、その耳元で「大丈夫。ちゃんとここにいるよ、アスラン」と優しく囁いた。
するとその女性の口からから、安堵の小さな溜め息が漏れた。きっと彼の声が聞こえなくなった事に不安になったのだろう。

キラは更にアスランの耳元に顔を寄せると、先と同じ優しい声で囁いき始めた。

キラ「大丈夫?恐くない?」

アスラン「べ、別に恐くなんて・・・・!・・・・・・・・ほ、ほんの少し・・・・だけ・・・・」
少女はうつむき加減にそう呟いた。
キラ「そっか・・・・やっぱりそうだよね。アスランが嫌なら仕方ない、やっぱりやめとこうか」
キラが少し淋しそうにそう言うと
アスラン「そ、そんな!嫌だなんてそんな訳・・・・!!」
とアスランが声を張り上げた。その反応に対してキラは
「・・・・ありがとう、アスラン」と耳元で優しく囁き、彼女の髪を撫でた。

―――だが無論、彼にはアスランがそう応えるであろう事は始めから分かっていた。

全裸で目隠しをされているとはいえ、別に彼女は縛られているわけでも、手枷をはめられているわけでもない。つまり、もし本気で嫌なのであれば、自ら目隠しをとってさっさと服を着てしまう事だってできるはずだ。
しかし、彼女はそうはしなかった。そうしないという事は、彼女が本気で嫌がってはないという事だ。
そしてそれより何より、キラには絶対の自信があった。「彼女が自分に逆らう事など有り得ない」という、絶対の自信が・・・・・・・・


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