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ザフト@女だったら避難所

137手料理 4:2005/09/18(日) 23:08:16
銘々口々に騒ぎ立てる中騒動の元となったキラ・ヤマトは不思議なことに気がついていた。
ここにピンクの核弾頭、もといラクスの姿が無いことを。
そして当の本人のアスランの姿が一向に見えないことを。
アスランはともかく面白い話があったらふわふわふよふよ漂いながらやってくる、大概の騒動の元、ラクス・クラインがいない。
「・・・まさか。」
「キラ・・・。」
慌てて立ち上がろうとしたキラの背後、ちょうど食堂の入り口付近で細い声が上がった。
振り向かなくても分かる。キラの恋人アスランだ。
そしてキラからは丁度背後になって分からない彼女を見て、彼の真正面に座っていたフラガの顔が―紙のように真っ白になった。
それと共になぜかぐつぐつもわもわといった不思議な擬音。それが絶えずアスランのほうから聞こえてくる。
聞きたくない。知りたくない。ああ、でも。

神様、何故人間は恐ろしい物、見てはならないものにこうも惹かれるのでしょうか?

キラは信じてもいない神にちょっとだけ祈る。
そんなキラの目の前で一昔前の少女漫画のようなノリでフラガがふうっと気絶した。
隣のマリューは眼の焦点があっていない。横を向けば・・・ミリアリアはとうにいない。貧乏くじ引きが日課のサイはわけの分からないまじないの言葉を呟きながら高熱患者のようにがたがた震えている。
「お、アスラン。新作か?」
「うん・・・。今度はラクスに手伝ってもらったんだ・・・。ラクスは『お菓子しか作ったことがありませんの』とか言っていたけど・・・
やっぱり料理したことがある人は違うな。手際が違う。」
「アスランだってあんなに一杯ハロを作れるじゃないか。」
「料理とハロは違うよ。料理には決まった筋道が無いからどうやっていいのか見当もつかないんだ。
ラクスは『とりあえず刻んで煮込めば何とかなりますわ』といってくれたんだけど・・・料理には配線とか回路とかそういったものが無いから苦労した・・・。」
「へぇ、でもこないだのも見た目は及第点だったと思ったけど・・・今度のはあれだな。外見を裏切っていませんって感じ。」
それはどっちの意味でだカガリ。
思わず突っ込んでからキラは未だ背後で繰り返される能天気な会話を呆然と聞いていた。


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