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【遥かなる】さらば友よ【旅路】

1テスタメント:2003/07/23(水) 23:44
燦緒や眞深ちゃんが転入してきて、僕のここでの生活はますます楽しいモノになった。
正直、あの生真面目なアキオがここでの生活に馴染めるか心配だったんだけど、
「アーキオくーん。ここの問題はどうやって解くのかなあ?」
「う〜ん…。この手の問題で苦戦してたらお先真っ暗だよ?」
「そんなことボキだって判ってるよぉぉぉおおおおお!!!!!!」
今ではこんな風に山田を詰れるくらい、ここでの生活に馴染んでくれてる。
今思うと僕も、東京に居た頃と比べるとここに来て明らかに変わった。
変わったと言うよりは…大切なモノを手に入れたと言った方が正解かな?
ここに来て、12人の妹達に出会って、眞深ちゃんに出会って、じいやのサポートを受けて…。「ボ、ボキは?」
勿論、燦緒も大切なモノを手に入れてる。
「………皆井もここに来たら手に入れられるのかな?」
皆井、東京時代の僕の友達…。でも今は…。

昔の僕らは沢山勉強して、(・∀・)イイ!!大学を出て、社会を動かすエリートになることしか考えてなかったんだ。
恐らくそれは、ビクトリー塾という怪しい宗教じみた塾に通っていたせいだろう。
そもそも、参考書を読みながら合格発表を見に行くってのがどうかしてた…。
「航!!」
そんな風に昔を思い起こしていると、燦緒が僕の前に緊迫した表情で迫っていた。
「ど、どうしたんだよ?そんな顔して…」
「…皆井からメールが来たんだ。……もうすぐ夏休みだから、気晴らしにプロミストアイランドに遊びに来るつもりなんだって」
何でだろう?それを聞いて、僕は、何だか不吉な塊のようなモノを胸に抱いてしまった。


お願い:シスプリ以外のタイトルは含めないで進めてくださいm(_ _)m

2赤月華:2003/07/26(土) 23:01
「で、いつ来るって言ってるんだ?」
とりあえず、その嫌な思いは置いといて僕はアキオに日時を聞いた。
「ちょっと待てよ・・・・えっと、8月上旬ごろに行くって書いてあるぞ。」
上旬か。たぶん大丈夫だな。
「じゃあ、詳しい日時が決まったらメールしてくれって返信しといて。」
「もうそうしてるよ♪」
さすがはアキオ。対応が素早い。
「よし。じゃあ皆井が来るその日に向けていろいろと準備をしよう!」
そう言って僕は天に向かって拳突き上げた。
「ああ!皆井のやつを驚かせてやろうぜ!」
そう言うとアキオも僕と同じように拳を突き上げた。
「・・・ボキのこと忘れてない??」
僕のとなりで山田がそんなことを呟いた・・・気がした。

3テスタメント:2003/07/26(土) 23:29
夏休みに入っても燦緒からの連絡はない。それはつまり、皆井からの連絡がないということだ。
八月三日、この日、僕は山田と一緒に僕の部屋で夏休みの課題をしていた。
まあ、山田は僕の書く答えを丸写しにしてるだけなんだけど、ね。
「お兄ちゃーん、お客様ですよ〜」
ドアの向うから可憐っちゃんの可憐な声が(マンマやんけ)聞こえてきた。その声に先に反応したのは何故か山田だった。
「か、か、可憐ちゅあーん!今逝くからね―!!」
すかさず山田の服を掴み取る。
「何で山田が行くんだよ」
「いいじゃないか〜。どうせお客様って燦緒だろ〜?」
うん。確かに、他にウェルカムハウスを訪れる人は考えられない。だからって山田が行く理由にはなってない。
「今行くよ」
ガチャ。扉を開けると可憐ちゃんの可憐な姿が(マンマやんけ)目に写映る。
「燦緒さんがお待ちですよ♪」

4赤月華:2003/07/26(土) 23:59
「やあ、いらっしゃい。アキオ。」
玄関まで行きアキオに声をかける。
「ああ。皆井からメールが来たから伝えにきたんだ。」
「ありがとう。まあ、上がってくれよ。」
「いや、今日は遠慮しとくよ。眞深のやつがうるさくてな。」
そう言うとアキオは少し嫌そうな顔をした。
「そうか、なら仕方ないな。で、皆井は何日に来るんだい?」
「言ってた通り、上旬の8日に来るってさ。」
「8日か。まだ日にちもあるし、明日にでもみんなでどんなことをするか決めよう。
 あ、そうだ。眞深ちゃんも連れてきてくれよ。」
僕はアキオにそう提案した。
「ようし、分かった。じゃあ、また明日な。」
「うん、また明日。」
別れの挨拶を交わすとアキオは家に帰っていった。
さっそく明日みんなで集まる前にいくつかアイデアを考えとかないと・・・。
「わったるく〜ん。この問題が分かんないだけど、教えてくれないか〜〜い??」
僕の部屋から山田の声が響く。全く写してるだけのくせに。
「分かった分かった。いまいくよ。」

5テスタメント:2003/07/27(日) 00:34
「ねぇねぇ。今の聞いた?」
      「……また…兄くんがお客様を…招き入れるようだね……」
    「チェキ」    「お客様って、あんまり良い響きがしないわねぇ…」

  「燦緒さんの時、大変でしたからね…」       
             「……だけど…今は彼から不吉の相は……出ていないよ…」
「チェキ」  「次のお客様はどんな人かしら?」   「また、兄君さまを連れ去るような邪なる者でしたら、今度こそワタクシが成敗してくれますわ!」
     「…そうね。何としてもこの島から追い出さないとね…」
         「チェキ」  「…じゃあ………他の皆にも…知らせよう……」

6テスタメント:2003/07/27(日) 02:47
「ふむふむ…。皆井さんは兄チャマが東京にいたとき、塾で知り合った友達なんですね」
「うん。あの頃はすごく気があってたんだ。僕も皆井も勉強のことしか頭になくて…」
そう言って僕は皆井と過ごした日々を思い出してみた。だけど、勉強のこと以外何も思い浮かばない。
僕と皆井は確かに友達だっとけど、僕らはお互いの笑顔を知らなかった。遊んだこともなかった。
「えーと、次の質問デス。皆井さんの弱点とはズバリ何デスか?」
「い、一体どうしたんだい?そんな事訊いてどうするの?」
最近、四葉ちゃんをはじめ他の妹たちの様子が明らかに可笑しい。
皆井が来る前に部屋を飾ろうと誘っても皆、「忙しいからって」言って手伝ってくれないし。
気が付いたらウェルカムハウスには僕一人きりで、他の妹たちは皆どこかに出かけてたり。
四葉ちゃんなんて、今みたいにやたらと皆井のことを訊いてくる。
ほんと、訳がわからない。
「いーから答えてください!兄チャマのためなんです!!」
「僕の…ため?」
またっく訳がわからない。


8月7日 午後10時代
とある家の、ろうそくだけが光を灯すとある部屋の中。13人の少女達がそれを中心に輪の形になって座っている。
「いよいよ明日よ…。みんな、わかってるわね?」
ツインテールの長い少女がそう皆に問いただす。
「もちろんです。皆井さんが何か良からぬことを企んでいることは既に周知の事実ですもの」
和服で触覚の生えたポニーテール少女が力のこもった声で返答する。
「私のメカによる分析と」
「四葉の推理と!」
「………私の占いでね……」
まるでこの部屋の雰囲気は、何か悪巧みを目論む悪の組織か悪魔召喚を目論む黒魔術の儀式のようだ。
「でも眞深ちゃんが力を貸してくれるのはありがたいよねー」
ボーイッシュスタイルの少女。
「まー、燦緒あんちゃんの時に色々迷惑かけたしね。今回はそのお詫びよ、お 詫 び 」
真紅の髪が頭の両サイドから噴火しているような少女。
「それじゃ、みんな。作戦はさっき話した通り。解ってるわね?」
おそらく、このツインテールの長い少女が頭(ドン)だろう。
「チェキ」
「それじゃ、みんなで円陣組みましょ!」
頭の少女の呼びかけに他の12人の少女たちは力強く頷き、立ち上がり、円陣を組む。
彼女たちの想いは、甲子園球場の野球少年たちのそれのように熱く煮えたぎっている。
満月が太陽の光を受け神々しい光を放っている。遠くで猫同士が争っている声がする。
ヒュ―…。花火が上がる。ドーン!漆黒の夜空に真っ赤な花火が咲いた。そしてそれは血しぶきのように拡散した。
それを頭の少女は闇に染まる部屋からしっかりと拝んでいた。
「祭りの始まりよ」

7赤月華:2003/08/05(火) 23:48
「あれ、じいやなんでここに居るの?今は船の渡しに行ってる時間じゃ・・」
いま僕とアキオは船の渡し場に来ている。皆井を出迎えるためだ。
「これは航様。今日の渡しは新人に任せましてな。わしは休んでおるのですじゃ。」
「新人?一体だれが・・・・」
その時だった。海から聞き覚えのある声が聞こえてきたのは。
「わったるく〜ん!今から君の友達をボキがそっちに連れて行くからねー!!」
そんなバカな!なんで山田が船の運転を!?
「免許を取ったから今日は自分に運転させてくれと言うから任せましたのじゃ。」
じいやがキセルを加えたまま言った。
「おい、航!!」
アキオを声を上げた。
「あの船、黒い煙を吹き出したぞ!!」

8名無しさん:2003/08/06(水) 00:30
「一体どうしたんだ…?後のモーター辺りから黒鉛が吹き出ているじゃないか?」
「そ、そんな事ボキだって判らないよぉぉおおおお!」
「ちゃんと出発前に点検はしたのか?」
「当たり前じゃないかぁああ!何も異常は無かったはずなのに、どうして!?」
なるほど、航は今までこんな奴と一緒に居たのか。どうりで、航もアンポンタンになってる訳だ。
…それに、プロミストアイランドの中央に位置してあるあの像……ふざけてるのか?
「うぉぉぉぉおおおおおお!!!!!!船が沈み始めたぁぁぁぁぁああああ!!!!!」
しかし、燦緒までもがこんな下らない島に行ってしまったなんて…………どう言う事だ…。
航がこの島に越した後、僕は燦緒と一緒に二人でエリートの道を進むための勉強に没頭していた。正直、燦緒と勉強以外に何かをした記憶はない。
そんなある日、燦緒が「航を連れてくる」と言って東京を出た。しかし、彼は一度は航を連れて帰ってきたものの、再び島に戻る航を追って、彼も再び島に行ってしまった。


――――それから、彼が東京に戻ることは無かった――――



「春歌ちゃん!止め頼んだわよ!!」
「はい!任せてください!咲耶ちゃん!」
プロミストアイランドの中央にある像の頂上。そこには、皆井滅殺プロジェクトの頭である咲耶をはじめ、幹部格の春歌、四葉、兵器製造員の鈴凛の血に飢えたような姿があった。
「はい、春歌ちゃん!」
四葉が春歌の右目に虫眼鏡を翳す。
「どうデスか?よく見えますか?」
「はい!バッチリですわ!」
そして、春歌は得意の弓矢を射る。この弓矢はそんじょそこらの弓矢とは格が違う。鈴凛の発明品なのだ。
「いっけぇぇぇええええ!!」
ビュン。閃光の奇跡を残し、春歌の射た矢は皆井の乗っている船めがけ飛んでいく。
「今よ!春歌ちゃん!その弓についてるボタン押してみて!」
「……これ、ですか?」
ポチッ、とな。矢が炎を纏い突き進む。
「わぁ〜。さすがは鈴凛ちゃんの発明デスぅ〜」



ズガン!!大きな物音がした。それもこの船からだ。何となく想像はついたが、とりあえず後を振り向いてみた。
「やっぱりか」
モーターがすっかり何かに貫通され、船の後部はおぞましい程に炎上していた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!どうすればいいんだぁぁぁああ!!!!!!!ボキはぁぁぁぁあああああ!!!!」
慌てふためく馬鹿を隣に、僕はいたって冷静だった。
そして、あまりにも突発的なこの事故が怒ったことで悟った。
「僕は、あまり歓迎されていないらしいな」

9テスタメント:2003/08/06(水) 16:53
×そして、あまりにも突発的なこの事故が怒ったことで悟った。
〇そして、あまりにも突発的なこの事故が起こったことで悟った。

(′□`)…


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