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フレイ様人生劇場SSスレpart5〜黎明〜

94流離う翼たち・433:2004/03/15(月) 21:08
 マドラス近海では、1隻のザフト潜水空母がマドラス港を監視していた。その中にはもう執念さえ感じさせるしつこさでザラ隊とジュール隊が乗っており、アークエンジェルをここまで追って来たのである。
 潜水艦内に自分用の部屋を与えられたアスランは、そこのモニターからじっとマドラスを見ていた。

「・・・・・・キラ、フレイ、お前たちはそこにいるのか?」

 アークエンジェルがいる以上、それは分かりきった問い掛けである。敵として出てこれば今度こそ倒すと決めているのだが、あそこに居ると思うともう一度会って説得したり、話がしたいという気持ちも出てきてしまう。やはり、顔を知っている相手と戦うのは良い気がしない。
 アスランがそんな事で悩んでいると、何時ものように書類の束を抱えたエルフィが入ってきた。

「隊長、今日の仕事ですよ」
「・・・・・・1日くらい書類を見ない日が欲しいな」
「平和になったら幾らでも満喫してください」

 ピシャリと言ってエルフィはデスクの上に書類の束を載せた。それをパラパラめくりながらアスランは嫌そうに顔を顰める。そこにはまたしても部下たちの出した始末書やら他部署から苦情が積み上げられている。なぜか上司に関する苦情まで混じっている。アスランが世を儚むのも仕方が無いだろう。最近、比喩ではなく生え際が後退しているし、胃薬の量も増えている。精神安定剤に手を出す日も遠くは無いだろう。
 それを見たエルフィは仕方なくモニターに手を伸ばした。

「そういえば隊長、マドラスのTVが入るんですよ。気晴らしにどうです?」
「TV? そうだな、それも良いか」

 アスランが同意したので、エルフィは早速モニターを操作してマドラスのTV用電波を受信させた。そして、最初に飛び込んできたのは、なんとも奇妙な宣伝であった。

「何をしている!」
「はぁ?」
「うちの会社の規則を見ろ!」

 上司が指差す先には、天井から下げられた看板があり、そこにはこう書かれている。
【必ず半ズボン着用】

「さあ、これを穿くんだ」

 上司が半ズボンを手に迫ってくる。彼は焦りながら仲間を振り返るが、そこには半ズボンを穿いた部下たちがずらりと立ち並び「係長、早く穿いてください。規則なんですから」と言っていた。
 彼はズボンを剥ぎ取られそうになりながら電話を取り、とっさに番号を押した。

 部下や上司に恵まれなかった時は、フリーダイヤル○○○−×××××・・・・・・

「ヘルプゥゥゥゥゥ!!」
『はい、スタッフサービスです』


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