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フレイ様人生劇場SSスレpart5〜黎明〜

1迷子のフレイたま:2004/03/02(火) 22:57
愛しのフレイ・アルスター先生のSSが読めるのはこのスレだけ!
|**** センセイ、          ・創作、予想等多種多様なジャンルをカバー。
|台@) シメキリガ・・・       ・本スレでは長すぎるSSもここではOK。
| 編 )    ヘヘ         ・エロ、グロ、801等の「他人を不快にするSS」は発禁処分。
|_)__)   /〃⌒⌒ヽオリャー     ライトH位なら許してあげる。
|       .〈〈.ノノ^ リ))    ・フレイ先生に信(中国では手紙をこう書く)を書こう。
        |ヽ|| `∀´||.      ・ここで950を踏んだ人は次スレ立てお願いね。
     _φ___⊂)__
   /旦/三/ /|     前スレ:フレイ様人生劇場SSスレpart4〜雪花〜
   | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|. |    http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/anime/154/1070633117/
   |オーブみかん|/    
              既刊作品は書庫にあるわ。
             ○フレイスレSS保存庫 ttp://oita.cool.ne.jp/fllay/ss.html

              こっちも新しい書庫よ。
             ○フレイたんSS置き場 ttp://fllaystory.s41.xrea.com/top.html

474ザフト・赤毛の虜囚 62:2004/05/11(火) 03:24
10.親友 6/8
[お願い、ジェシカ、ミーシャ話を聞いて!]

フラガ叔父様は、私と20歳以上離れている。もう数年で40に手が届く。私が叔父様と、
どうにかなる訳が無いと思っていた。

だけど、パパ、ママの死とともに、私はフラガ叔父様に囚われた。私を閉じ込めて、そして……
いや、もうフラガと呼ぶ。なんて酷い男。フラガ、許さない。許さない!!

助けて、誰か私を助けて。だけど、誰も助けに来ない。ジェシカとミーシャ、私を助けに来て。
フラガのところへ来て。私に会いに来て。会いに来てくれるだけでもいい。でないと、
私、壊れてしまう。毎日辛いの、辛くて堪らないの。でも、逃げることもできないの。
お願い、ジェシカ、ミーシャ話を聞いて!

私が、フラガに婚約させられて学校を退学する時、少しだけ、学校に来たことがあった。
その時、学校の理事長室をフラガより先に出た私は、ジェシカとミーシャと偶然再会した。

「メルデル、あなた……」
「ジェシカ…… ミーシャも。会いたかった」

「会いたかった?」
「うん、話したくてたまらなかった。一度も来てくれないんだもの」

「当たり前でしょ」
「え、ジェシカ、どうしたの」

「どうしたのは無いでしょ。あんなこと言ってて、叔父さんと婚約したって本気?」
「ミーシャ、それは違う」

「本気でも無いなら、よけい不潔だわ」
「そうそう、アンタ、叔父さんの何を狙ってるの? 財産?」
「違う、違う……」

「だったら、さっさと断って逃げりゃいいじゃない」
「そうそう」

私は、勝手なことを言う二人に怒りが込み上げる。
「逃げられるものならそうしてる。ダメなの。逃げることもできないの。どうすることもできないの!」

その時、フラガが理事長室から出てきた。

「メルデル、友達か。行くぞ、早く来い」
「ハイ、フラガ……叔父様…… あの、もう少し友達と……」

「メルデル、どう呼べばいいか教えたはずだ。呼ばないのなら今夜は、お仕置きだ」
「ハイ、済みません。ア、アル…… すぐに行きます。先に行っておいてください」

「うむ、さっさとしろ」

フラガは先に行った。ジェシカとミーシャは、そんな私を見て、避けるような目付きで言った。

「アンタって奴隷?」
「気持ち悪い…… 近寄らないで」

「ジェシカ、ミーシャ!」
二人は、私から去って行った。私は、友達を失った。フラガのせいで……
もう二度と友達なんてできない。私は一人フラガに囚われて……

ただひとつ私の救いとなる人。囚われている時、ときどき、私と体の感覚が入れ代わる人。
不思議な体験。名も知らぬ男性。白馬の王子様。

ああ、私の心を救ってくれるのは、あなたへの微かな想いしか無いの?

475ザフト・赤毛の虜囚 作者:2004/05/11(火) 03:38
ここに投下していて、いろいろな感想のリアクションが楽しいというのはあります。
特に普通の感想でも、こちらの意図が伝わっていなくて反省させられたこと多いです。
自分も勘違い感想は結構ありますし、それで荒らしたこともあって反省してます。
それはSSにも、投下のナンバリングにも反映してはいます。

キャラへの愛というか、このキャラに、こうさせたい。報われるようにしたい、というのは
大いにあります。そして、SS連載復活してから、まだ、それは完全に達成していません。
そこまでは続けるつもりで日々努力しています。

>>過去の傷
とりあえず、プラントに行けることになったミリィですが、脱出ポッドは、ちょっと……
でも、連絡艇にしても、SEEDでは前科がありありですからね。一番、安心なのは
キラがフリーダムに一緒に乗せて送ることでしょうが、フレイ様が許す訳ないか。

>>散った花、実る果実
ミリアリア・リスティアの中でフレイ様の存在は大きくなっていたようですね。フレイ様を
呼びかける言葉に心の繋がりを感じました。再び、辛く当たって来る周りにクルーゼを頼るフレイ様。
このSSでは、パパの声が前面に押し出されていますね。私は、この声を説明するために、
クローン・フレイの設定を創ったのですが、結局、うまく使えずにいるので羨ましいです。
ただ、私だと変な方向に話が進みそうなので、このまま使うことはないでしょう。

>>流離う翼たち
結構、マイペースだと思ったら、カガリが先に情報掴んでいると、不機嫌になるキース。
実際は、傲慢なタイプだったのですね。でないと、SSの進行を牛耳れないか。

避難所での書込みですが、ここのSSスレは伝統的に戦記物っぽいものが歓迎されていた
みたいなので、かえって、ふさわしい気がしてますよ。

>>『明日』と『終わり』の間に
作者さんのSSは、抜群のネーミングセンスと迫力ある戦闘シーン、それと、ラストシーンの
締めのうまさで、とても楽しませてもらっています。個人的な難を言えば、オリキャラのみ話が
続く場合、以前の話を前提にして進めるため、見逃していると、とっつき難いことがあるかも
しれません。ただ、それに気を使って、極力、フレイ様を話に加えているのは分かります。
決して、ここにふさわしくないとは思っていません。特に、今いる作者さん達は、戦闘シーンが
少なめの方が多いので、貴重だと思っています。以前、ちょっとペースが早くて大変だろうと
思ったことはありますので、無理をなさらないでいいと思いますから、できれば続けて欲しいと
思っています。

476過去の傷・135:2004/05/11(火) 08:27
一時間後の食堂。
「ミリィ・・・行っちゃったね」
キラが呟く。
「そうね」
フレイも少し寂しそうだ。
「寂しくなるね」
「そうね」
「これで・・・ヘリオポリスの知り合いっていったら僕達とサイだけに・・・」
「ええ、ねえ最後のミリアリアのごめんねってどんな意味なのかしら」
ごめんね・・・キラを騙していたことに対しての?分からないがまあそうだろう。
「脱出ポット、無事だといいわね」
「大丈夫だよ、モビルス−ツなんていないよ、それにいまは戦闘中でもないし」
「そうね・・・」
ほんと寂しくなるわ・・・喧嘩相手もいなくなったし、ミリアリア・・・あんたとは軍に入ってからは喧嘩ばっかりしてたけど・・・それでも、友達だって思ってたのよ私。
「ミリアリアさんは行きましたか」
ラクスとアスランがフレイに歩み寄ってきた。
「ラクス・・・アスランさん」
「少し冷たい言い方だったが彼女のためだ」
「はい、私も・・・ところでアスラン」
「はい?」
「なぜミリアリアさんが貴方の部屋にいらしたのですか?」
アスランさんの顔が凍りつくのが私には分かった。

その頃ミリアリアの乗った脱出ポットは一機のモビルス−ツと遭遇していた。
「あれって・・・デュエル!?」
<お前はディアッカの!?>
とイザ−ク・ジュ−ルは言った。

477『明日』と『終わり』の間に(終)・夕方:2004/05/11(火) 08:36
「うわぁーーー!?フッ、フレイ!しっかりしろぉっ!!」
「・・・・・・」
 
 いきなり倒れるなんて、一体どうしたっていうんだ?何だか私の料理を口にした瞬間こうなったような・・・?まさか・・・、食中毒!?いや、それはないな。食材は全て昨日仕入れたものばかりだ。それとも、私が半ば強引に病院から連れ出したから、そのストレスで?でもあれだけ楽しそうだったんだし、それもどうかなぁ?・・・てそんなことのん気に考えてる場合じゃないだろ!!

「・・・カ、ガリ・・・」
「!フレイ、気が付いたのか!?」
「大丈・・・夫、よ・・・。私・・・は・・・」
「今の状態からはどー見ても説得力無いぞその台詞!無理して喋るな!」
「平気よ。私の想いが・・・キラを守ってるように、キラの想いが・・・私を守ってくれてるから・・・」
「・・・言ってる意味がよくわかんないぞ?」
「・・・ねぇ、カガリ。いつか、聞こうと思ってたんだけど・・・」
「何をだ?」
「・・・私、知ってたの。本当のことを・・・。でも、本当はカガリの口から聞きたかったの・・・」
「!それって・・・!?」

 こいつ、もしかして記憶が戻ったっていうのか!?まさかこんな時に!どうしよう?キラからは本当のことは言うなって言われてるし・・・。

「だから今、本当のことを教えて・・・。本当は・・・」
 
 ・・・ゴクッ!

「・・・カガリ、彼氏なんていないんでしょ?」

 ・・・え?

「いいのよカガリ。私と話を合わせようとして今まで無理してたんでしょ?でも気にしないで。私はそんなことでカガリを笑ったりはしないから・・・」
「・・・・・・」
「さぁカガリ、今貴女の口から本当のことを教えて・・・」
「・・・だよ・・・」
「えっ?何?」
「本当のことだよ!!お前まさかずーっと疑ってたのか!?」
「・・・ガクッ」
「ってオイ!都合良く気を失うなぁ、しっかりしろ!!」

 こいつ、今までそんなこと考えてたのか?・・・正直ショックだったよ、今の・・・。とにかく救急車を・・・。!んっ、指がかすかに動いてる?それも零れたソースをつけて。ひょっとして、何かを伝えようとしてるのか?一体何を・・・?・・・『カ』・・・、・・・『ガ』・・・。ってそれ私の名前かよ!?まさかダイイングメッセージのつもりか!?止めろ!!

 あーもう、どうすりゃいいんだ!?キラ、アスラン!!どっちでもいいから早く帰って来てくれぇーーー!!!

 次回予告
『始まりはただ純粋な想いから。大切な者の笑顔が見たいという切なる願いは悲しい結末を呼ぶ。それでも想いは潰えることなく、新たな可能性へと向かい羽ばたく。次回、「『明日』と『終わり』の間に」、『編物編』。立ちはだかる試練に、立ち向かえ!ガンダム!!』

 !えっ、予告!?これ続くのかよ!?

 ・・・嘘です。

478『明日』と『終わり』の間に(終)・夕方:2004/05/11(火) 08:57
 様々なご意見、有難うございました。自分がいかに甘ったれた考え方を持っていたか分かりました。取り敢えずしばらくはもう一度じっくり考えてみるつもりです。お騒がせしました。

》散った花、実る果実
 リスティアさん、足を・・・。ようやくフレイ様と分かり合えてきたというのに悲しすぎます。フレイ様も根拠の無い敵意を向けられていますし・・・。
 何だかまたクルーゼが目立ち始めましたね。悪い方向に進まなければいいんですが。

》過去の傷
 アスラン、やはりピンチを迎えましたね。これからは何となく彼とラクスが中心になりそうな気がします。この二人の喧嘩ってどんなでしょう?
 ミリィはイザークに保護され一安心ですね。やっぱり脱出ポッドじゃ心持たないですし。

》赤毛の虜囚
 メルデルさん、まるで手のひらをひっくり返されるように・・・。悲しいですね。悪いのは全部アル・ダ・フラガなんですが。そしてこれから彼女を待つのはあの波乱万丈な人生なんですね。
 
》流離う翼たち
 カガリ、ナタルさんに正体を知られてしまいましたか。彼女はよくこうした重要な場面に登場していますが、今回も何らかの役割があるんでしょうね。果たして彼女やキースさんはこれからどうするんでしょう?

479過去の傷・作者:2004/05/11(火) 09:41
ミリィのことに対してなんですが、これからはこんなことはほとんどないですが、少しは・・・でないと物語が狭まれてくるんです・・・すいません、でもミリィはほんとに好きなんですよ、ただ皆さんに不満を持たれあまりいい印象を受けなかったことに対しては作者として反省すべきことかもしれません、すいませんでした。

>>478
もっと自身もってください、お上手なんですから、私なんてとても。
>>翼たち
こ、これは凄い修羅場に・・・正体ばれましたか、怖いです・・・。
>>ザフト・赤毛の捕囚
メンデルさん可哀相です、悲しい運命に振り回されてますね・・・。

480過去の傷・136:2004/05/11(火) 12:31
「は・・・?」
「いえ、ですからなぜミリアリアさんが貴方の部屋にいたのか気になりまして、どうなんですか!?」
「そういえばそうよね、どうしてなんですかアスランさん?」
「ア、アルスタ−二等兵まで・・・」
これで分かる、いや前々から分かってはいたがアスランはラクスには頭が上がらない、尻に敷かれているのだ。
というわけで・・・。
「ラクス・・・その・・・申し訳ありませんでした」
そしてラクスに頭を下げた。
「謝るということはやましいことがおありなのですね?」
流石に鋭いわねこの女。
「ではお部屋でじっくりとお話を聞かせていただきます」
「あ、あの・・・これからキラと実戦練習が」
「そうですか、ではそれが終わりになられましたら私のお部屋に来てくださいね」
「は、はい了解しましたラクス・クライン、では!」
そして逃げるようにアスランさんは去って行った。
「じゃあ僕も・・・」
そしてキラもそのままアスランさんを追った。
残った私とラクスは・・・。
「ラクス、お互い大変よね・・・」
「はい・・・」

その一時間後。
「え!?」
通路を歩いていたフレイはアサギとマユラに会い話を聞いていた。
「また昨日みたいにキラさんと語りあいたいよね」
キラと語り合う?なんのこと言ってるのかしら・・・。
そして私は二人に声をかけた。
「あの・・・なんのこと話してるの?」
「いえ、昨日私達キラ君と話したくて夜部屋に誘ったんです、そしてら来てくれて、それからお菓子食べながらいろんな話を・・・」
な、なんですって!?あれだけ他の子とは話すなって言っておいうたのに・・・あの馬鹿!もう許さない!部屋に上がったですって!?他の女の子の部屋に!?
そしてフレイはパイロットロッカ−に急いで走っていった。

481SEED if 〜Fllay Selection〜 ②:2004/05/11(火) 22:50
キラを拒絶した私には往く当てがなく、とぼとぼと廊下を歩いていた。
途中、誰かとすれ違ったが誰も気に留めることはない。
当たり前のことだった。
私を見てくれる人もうはいない。
最初はサイが私を見てくれていた。
でも、それが邪魔になって私はサイを傷つけた。
そして、キラ。
私だけを見るように、そして私の思うとおりにするために関係をもった。
それだけを、パパの復讐だけを考えていた。
でも、キラは違った。
『キラは・・・』



立ち止まって、キラのことを思い浮かべる。
『コーディネーターなキラ、泣き虫なキラ、怖いキラ、苦しんでいるキラ、優しいキラ。』
いろんなキラが浮かんでは消えていく。
心がチクチクと痛む。
どうして?
キラを、コーディネーターを怨んでるはずなのに。
自問自答をしていた時、通路の先から明るい声が聞こえた。




「お父さん達、元気でよかった。」
「ああ、ほんとな。」
サイたちだ。
声にはうれしさがあふれている。
私とは対極な存在。
『どうして、私だけ・・・』
私はサイ達とは逆のほうに走り出す。
私には誰もいない。
どこにも場所がない。
私にはアークエンジェルが出口のない迷路に思えた。



迷路を彷徨いながら、何度もキラの部屋の前に着く。
キラに会いたくないのに、心のどこかでキラが気になる。
ここにはキラはいない。
オーブに出向している。
この部屋は私がいた部屋。
でも、私の部屋じゃない。
キラの部屋。
来てはいけない場所。
時間的に、キラが帰ってくる。
だから、ここから一番離れたところにいこう。
私は何度も振り向きながらキラの部屋から離れる。
たどり着いた場所は。
誰も使っていない、冷たい部屋。
私は毛布で身体をくるみ、部屋の隅でひざを丸めた。
『寒い・・・』
誰の匂いもしない部屋はとても寒かった。

482SEED if 〜Fllay Selection〜 作者:2004/05/11(火) 23:07
この話は基本的にフレイ様視点で進むので独白が多いです。
とりあえずIFな話を目指します。

〉〉赤毛
  メルデルさんは、波乱万丈の人生へと急転直下ですね。
  辛い道ですな。
  アルダ・フラガ、やばすぎですよ。

〉〉過去の傷
  ミリアリアはひとまずイザークに保護されたみたいでほっとしてます。
  だけど、すぐさま修羅場2連発。
  休まることなくどきどきです。

〉〉流離う
  カガリ自身の正体とカガリの正体がいっぺんに語られるといううまい展開ですね。
  キースの話に二人は納得できるのでしょうか。

〉〉『明日』と『終わり』
  壊滅的な料理を食べて都合よく気絶するフレイ様が素敵です。
  ダイイングメッセージに語られる真実はいかにって感じですね。
  応援してます。

483キラ(♀)×フレイ(♂)・43−1:2004/05/11(火) 23:44
サドニス島で最も忙しい一日。
一月に一度、悪魔の壁(デーモン・ウォール)が開放される時間帯を、サドニスでは
そう呼んでいる。禁断の開かずの扉が開いてから、再び門(ゲート)が閉じるまでの
凡そ十八時間以内に、物資の流入や、入国または出国手続きを全て果たさねばならない。
遅延は一ヶ月の島内封印で済めばまだマシな方で、場合によっては生命に関わるケース
も十分に有り得るので、この日は一日中、島全体が緊迫感に包まれている。
まあ中には、この機に入国し、用件を済ませたら、再び壁が閉じる前にとんぼ返りで
出国を果たすタフなビジネスマンの兵(つわもの)もいたりするが…。
出国用に使用される北岸部の港に、様々な大きさの船が団子状態でひしめき合っている中、
航路局からの指示により、本来なら入国に使われる南岸部の港に、まるで貸し切り状態
のように、悠々と一隻の大型船が停泊している。
“足付き”のコードネームでザフトから追われている、地球連合軍の強襲機動特装艦
アークエンジェル(大天使)だ。一見、VIP待遇を受けたかのように見えるが、
実は揉め事(戦争)に他の民間船を巻き込まない為の単なる隔離処置である。


「どうやら何とかなりそうね」
マードック軍曹からの報告書を読み上げたマリューはホッと安堵する。
この二日間の滞在中に、AAの外装修理はほぼ完了し、緊急(スクランブル)発進
の準備も整っている。ただし、修理の方はあくまで応急的なモノでしかなかったが、
この廃棄されたドック内では設備も資材も不十分だったので、致し方ないだろう。
「これでも、以ってあと一・二回の戦闘ってところかしら。やっぱり、一度は本格的
な修理をする必要性があるわね。となると、どうしてもオーブ本国に寄港…」
「あんまり難しく考えるなって、マリューさん」
元整備兵の視点から艦の耐久度を皮算用して、気難しそうに唸っている彼女に、
何時の間にか艦長室に入室してきたフラガがコーヒーを運んできた。
「ムウ…」
彼から珈琲のカップを受け取ったマリューは、頼もしそうにフラガを見上げる。
この二人は、既にプライベートではお互いを名前で呼び合う仲になっている。
「サドニスに寄ったのは正解だったみたいだな。艦の修理もそうだけど、クルー連中や、
とくにキラ達ヘリオポリス組にとっては、良いリフレッシュ休暇になったみたいだぜ」
「そうであってくれれば良いのだけど…。キラさんには色々と酷い事をしちゃったしね」
マリューは例の一件を未だに気にしているみたいだ。尚、二人は、フレイの匙加減一つで、
危うくキラがザフト兵に拉致され掛けた事実を知らない。
「まあ、その分は、俺ら(幹部)が割りを喰う羽目になっちまったけどな」
フラガは軽く両肩を竦め、マリューは少しだけ申し訳なさそうに俯いた。
「それは仕方ないわよね。私たちは「死ね」「殺せ」と命令する立場なんだから。
一度、戦闘が始まったら、あの子達には何もしてあげられないしね」
個としては極めて善良な領域に属するマリューを、フラガは擽ったそうな表情で見つめる。
戦術判断能力に関しては、フラガでさえも疑問符を付けざるを得ない艦長さんだが、
下々の労働の成果を不当に搾取する上役が多い中で、職権を乱用することなく、
自ら貧乏籤を引こうとする彼女の姿勢は、指揮官として高く評価出来ると思う。
あとは、彼女に欠けている能力(戦術眼)を補ってくれる有能な副長(ナタル)と、
もう少し折り合いをつけてくれれば…と考えたが、これが一筋縄ではいかない難事だ。

「…で、ここからは仕事の話なんだ。先程、バジルール中尉とも話し合ったんだが」
再びフラガは、精神のチャンネルを戦闘用へと切り替える。ナタルの名前を聞いた瞬間、
マリューな眉がピクリと動いたが、フラガは敢えて無視する事にする。
「じきに悪魔の壁が消えそうなので、航路局から出港をせっつかれているだろう?
なら、発進と同時に、戦闘準備を整えておいた方が良いぜ」
「えっ!?」
「今、俺達を躍起になって捜索している敵さんも、まさか俺達がデーモン・ウォールの中
から出てくるとは思ってないだろ?何時もは襲撃に脅える側だったけど、上手く機先を
先んずれば、今度はこっち側から奇襲を仕掛けられるかも知れないぜ」
狐につままれたような顔のマリューに、フラガはウインクしながら手順を説明した。

484キラ(♀)×フレイ(♂)・43−2:2004/05/11(火) 23:45
まるでサドニス島を外敵から守るかのように島外を取り囲む磁気嵐が消失し、この海域
一帯は穏やかな晴れ模様に包まれる。ホバークラフトのように海水を巻き揚げながら
海上を移動するアークエンジェルの艦内に、第一級戦闘配備の警報が鳴り響いた。
「おいおい、もうドンパチをおっぱじめるつもりかよ!?」
サドニスでのバカンス気分に幾分緊張感が薄らいでいた艦内のクルーは、大わらわで
自分達の持ち場へと走っていく。カガリもそんな中の一人で、他のクルーに紛れ込み
ながら、慌ててスカイグラスパーの格納庫へと向かっていたが、人の流れに逆流する
かのように反対側から歩いてきた人物と肩をぶつけ合ってしまう。
「あっ…悪い…って、お前!?」
反射的に謝罪しかけたカガリの瞳に隠しようのない敵意が浮かんだ。
「これは、これは、カガリ君じゃないか。昨日は僕のキラがお世話になったみたいだね」
何とまあ、カガリが衝突した相手は、彼がAA内で最も嫌っている人物だ。


淀んだ空気が二人の間を覆った。良くしたもので、フレイの方でもカガリを疎ましく
思っているようで、非好意的な視線でカガリを見下ろしていたが、第一級戦闘配備が発令
されている緊急時を考慮してか、そのまま大人しくカガリの脇を通り過ぎようとしたが、
「おい、待てよ。どこへ行くんだ?この警報が聞こえないのかよ!?」
これから戦闘が始まろうとする時に、非戦闘区域に向かおうとするフレイの行動を
訝しんだカガリに呼び止められ肩を掴まれた。
「どこって、自分の部屋へ戻るんだよ。これから昼寝をするつもりなんでね」
「はあっ!?」
あまりにピントぼけした回答にカガリは唖然とする。ドンパチの最中に仮眠を取ろう
とするフレイの胆力(能天気さ)には、感心するよりも、呆れ返る他ないだろう。
「そんなわけで、邪魔しないでくれないかな。最近、キラがどんどん手強くなってきて、
中々満足してくれなくなったから、ここのところ、少し寝不足なんだ」
カガリのキラへの想いを知ってか知らずか、わざわざ彼の神経を逆撫でするような台詞を
平気で吐き、カガリは必死に歯軋りを堪えたが、それ以上にカガリの勘に触ったのは、
戦時中に安全な場所へ逃げ隠れしようとするフレイの軟弱な態度そのものだ。


「お前、本気で言ってるのか!?皆がこれから生命を賭けて戦おうって時に、
一人だけ安全な所から高みの見物を気取るつもりかよ!?」
「おいおい、あまり人聞きの悪い事を言わないでくれよ。単なる役割分担の違いだろ?
非常(戦闘)時だけ活躍すればよい助っ人の傭兵君と違って、朝昼晩とクルー全員の食事
を毎日作り続けている僕は、多分、AAで一番の働き者なんだぜ」
フレイはさり気無く、短時間で美味しい所だけを総取りしている分際で、手前勝手な理論
を振り翳すカガリに、労働基準法違反オーバーの自分の実労働時間の長さをアピールする。
「確かに君達戦闘パイロットはエースかも知れない。けど、華やかなスポットライトを
浴びるF1ドライバーも、それを支えるメカニック無しでは存在しえないのと同じように、
君の機体を整備するクルー達や、さらにその下で、クルーの健康基盤を支える僕のような
下積みがいなければ、軍隊そのものが成り立たないのだよ。判るかい、エース君?」

そうだよ。僕がその気になれば、ザフトに対して難攻不落を誇っているこの不沈艦を、
内側から壊滅させることも十分に可能なんだぜ?
フレイは子供をあやすような穏やかな口調の裏側で、相当に悪魔的な考えを閃かす。
極めて性質(たち)の悪い事に、このフレイの宣言は虐められっ子の誇大妄想ではなく、
現実的に具現化可能な事象だ。彼の部屋には、クルー全員を毒殺可能な分量の無味無臭
の強力な毒物がストックされている。フレイには、毒殺を実現する立場と手段と、
何よりも、本当に大量殺戮をやってのけられるだけの覚悟(狂気)を保持していた。

485キラ(♀)×フレイ(♂)・43−3:2004/05/11(火) 23:45
「判ったかい、君達が忙しい時(戦闘中)こそが、僕に許された唯一の休憩時間なんだ。
それに、何ら専門的な技術も持っていない素人の僕が、戦意だけを空回りさせて、
戦闘部署間をノコノコとうろつかれるよりも、部屋に篭もって、枕を抱え込んでガタガタ
震えて大人しくしている方が、各部署にとっても有り難い話しだと思うけどね?」
実に分を弁えた発言ではある。確かに、世の中には『有り難迷惑』という諺があり、
ヤル気多寡、能力不明な人間の参入ほど、修羅場で足を引っ張る存在は他にない。
(例:一レジスタンス(明けの砂漠)の、正規軍同士の戦闘への強引な介入など)
カガリもその辺りの理屈が判らない程、もう子供(世間知らず)ではなかったが、
それがフレイの口から出ると妙に白々しい響きを帯びるは何故だろうと不思議に思った。


「キラは…お前の彼女は、お前を守る為に危険な戦場で必死に戦っているんだぞ。
それでも、お前は何とも思わないのか!?」
フレイの本音は別の所にあるのではないかと当たりをつけたカガリは、今度は別口から
攻めてみる。だが、キラの名前にも、フレイはさしたる感銘を受けた様子はなかった。
「だからって、今の無力な僕に一体何が出来るというんだい?
僕に可能なのは、彼女が無事に僕の元へと戻って来てくれるように祈る事だけさ。
ああ、キラ。愛しき殉教者よ。君の涙を思うと、僕の心は張り裂けそうだ」
両掌を胸に当てる大仰な仕草で、キラの身を案じる振りをしながらも、大きな欠伸を
噛み殺そうとするフレイの不誠実な態度に、プツンとカガリの中で何かが切れた。
カガリは改めて、自分が滅ぼさねばならない本当の敵は、これから戦うザフト軍など
ではなく、目の前のこの悪魔(フレイ)であることを、本能的に確信する。
傍から見ればカガリの思考は、シスコン全開の理不尽な言い掛かりそのものでしかないが、
結果的には、彼は偏見の密林を強引に突破して、真実の城に辿り着いた事になる。

「…じゃ、そういうわけで!?」
いい加減にこの場を去ろうとしていたフレイの腕を、カガリは強く掴んだ。
「おいおい、何のつもりだい、カガリ君?僕にそっちの趣味はないと…」
フレイは冗談っぽく軽口を叩いたが、カガリは乗ってこなかった。
「……来い!」
「はぁ!?どこへ連れてくつもりだい?」
「いいから、黙ってついてこい!」
困惑した表情のフレイの質問を無視すると、カガリは強引にフレイを引き摺り出した。
何時もキラばかりを危険な戦場で矢面に立たせて、自分は安全な処で、涼しい顔して
大物風を吹かしやがって…。お前にも、戦場の本当の恐怖をたっぷりと味合わせてやる。

486キラ(♀)×フレイ(♂)・43−4:2004/05/11(火) 23:46
その頃、不眠不休で哨戒を続けていたザフト軍の二隻の潜水母艦は、捜し求めていた標的
(足付き)を突如発見したことで、反ってパニック状態に陥っていた。
「レーダーに機影あり。足付きです!
出現ポイントからすると、どうやら今までサドニスに潜伏していたものと思われます」
「何だと!?どうやって悪魔の壁(デーモン・ウォール)を突破していたというのだ!?」
クストーの艦長が大声でオペレーターに問い掛けたが、当然満足する解答は得られない。
本来なら探し物を見つけた事を喜ぶべきだが、甚だ不味い事に、MSの半数以上は哨戒
の為に遠出で出払っていたのだ。このままでは各個撃破の格好の餌食である。
「モラシム隊長に連絡しろ!哨戒中のMS隊をすぐに呼び戻せ!」
クストーの艦橋内は大慌てだ。そうこうしている間に、アークエンジェルから出撃した
二機のスカイグラスパーに、自分達の位置を捕捉されてしまった。

「見つけたぞ。ドンピシャみたいだな」
レーダー内に、ボズゴロフ級二隻の機影を発見したフラガは軽く口笛を吹く。
今回はフラガは、海中の潜水艦を攻撃するケースを視野に入れている為に、
お気に入りのソードパックではなく、狙撃用のランチャーパックで出陣している。
スカイグラスパーを海上すれすれの位置に低空飛行させたフラガは、この高度を維持
しながら、320mm超高インパルス砲アグニを発射する。かつてヘリオポリスのコロニー
の外壁を一撃で貫通したゴッドフリートに匹敵する高密度のエネルギーの塊は、海壁を
薄紙のように貫き、ボズゴロフ級の一隻に直撃し海の藻屑にした。

「クッ!、海上に浮上しろ!ディンを射出して撃退させろ!」
カーペンタリア基地からの増援である僚艦を失い、さらには惜しみなくアグニ砲を
連射するグラスパーの猛撃に恐れをなしたクストーは慌てて浮上を開始する。
だが、その行動はフラガの想定範囲内でしかなく、敢えてクストーがディンを打ち上げ
ようとする瞬間を狙って、再度アグニの照準をボズゴロフ級のMSハッチに定めた。
「残念だが、一歩遅い。悪く思わないでくれよ」
火神(アグニ)の鎚が一振りする。派手な水飛沫と共に、艦は爆発炎上し、クストー内
のMS隊は、戦死する機会すら与えられないまま母艦共々消失した。


「これで仕事の半分は終了だな」
ここまでの戦闘経過は、呆れるほどワンサイドにAA側のペースで推移している。
敵母艦二隻撃墜という偉業を成し遂げたフラガだが、その成果に奢ることなく、既に
心は次の標的を定めている。そろそろ、敵の哨戒部隊が戻ってくる頃である。
「カガリ、今回はお前が囮役だが、出来るか?」
レーダー内にディン数機の機影を発見したフラガは、ソードストライカーパックで
出撃したカガリに是非を問い掛ける。若輩のカガリにフラガの真似事(戦闘機での接近戦)
をしろなどとは結構無茶な要求ではあるが、フラガの見立てでは、彼の本来の適正は
アグレシッブな性格に由来する攻撃力でなく、野生本能的な防御勘の方だと見ているので、
撃破は無理でも、敵を撹乱するぐらいの芸当はしてくれるだろうと期待していた。
「任せてくれよ、兄貴。ディンを十七個に分解してやるよ」
そのフラガの期待に応えてか、極めて頼もしい返事が通信機から聞こえてきた。
「だといいんだけどね…」
…続けて、カガリ以外の男性の声が聞こえたような気がしたフラガは軽く小首を傾げる。
「んっ!?今、何か言ったか、カガリ?」
その回答を得るよりも先に、母艦を沈められて怒り心頭のディン部隊が接近してきた。
兄弟鷹は、前回の役割を変更した上で、再びディン隊と激突する。

487キラ(♀)×フレイ(♂)・43−5:2004/05/11(火) 23:46
「ええい、一体全体どうなっておるのだ!?」
モラシム隊長は不機嫌さを隠せなかった。足付き発見の報を受けて、慌てて戻ってきた
のは良いが、クストーからは一向に続報はない。海中にはボズゴロフ級の外壁と思わしき
残片が多数浮遊しており、何が起きたかの大凡の推測はつくが、彼の理性がその現実を
認めるのを躊躇わせていた。確かに、この短時間に、ザフト軍の潜水母艦二隻が、
たかだが数機の戦闘機に沈められたなど、在ってはならない由々しき事態だ。
本来、寡兵で数倍の敵と渡り合えるのが、コーディネイターとナチュラル間の正しい
キルレシオなのであり、実際、クルーゼ隊は、足付きを逃し続けているとはいえ、
ハルバートン提督率いる第八艦隊の十倍近い戦力を壊滅させているのだ。
このままオメオメと帰参する事は出来ない。何としても、足付きを沈めなければ…。


モラシムが苦悩している間に、エールモードのストライクが、海中に飛び込んできた。
ストライクを迎撃しようと、周りのグーンが前腕部のミサイルを向けかけたが、
悪戯に交戦させても、反って被害が増すばかりだと判断したモラシムは部下達を制した。
「お前達の敵う相手ではない。奴は私が引き受けるから、その間に、足付きを撃破しろ」
その隊長のお言葉にパイロット達のプライドが傷ついたが、ストライクの手強さは前回の
戦闘で身に染みているし、PS装甲を短時間で突破する有効な武装がグーンには装備
されていないのも事実だ。渋々ではあるが、モラシムの命令を受け入れたグーンの群れは、
標的をストライクから足付きに変えて、次々と海上へと浮上していく。

「行くぞ、ストライクめ。モラシム隊の底力を見せてくれるわ!」
PS装甲に唯一有効なフォノンメーザー砲で牽制しながら、ゾノはヒット&アウェイ
を繰り返して、少しずつ戦場を移動させ、ストライクを足付きから引き離した。
部下たちに豪語したモラシムだが、実は彼にもキラと互角に渡り合う自信はない。
隊長自身が囮となり、手負いの足付きを仕留めるまでの時間を稼ぐつもりである。
ストライクの攻撃を必死で避けながら、部下達が凱歌を挙げるのを待ち続けていたが、
グーンの集中砲火を浴びながらも、何故か一向に沈む気配を見せない足付きのしぶとさ
にモラシムは次第にイラつき始める。
モラシムの一連の状況判断自体はそれほど戦理から外れたものではなかったが、
彼にとって不幸なことに、足付きはサドニスでの応急修理により、前回の戦闘終了時
のモラシムの見立てよりも、艦の耐久力を大幅に回復させていたのだ。
遣る事成す事、全てが裏目裏目にと出ており、彼は今年、相当な厄年のようだ。


グーンの絶え間ない波状攻撃によりアークエンジェルの艦橋は揺れ続けている。
軍事上の通念を大幅に凌駕する艦の異常な耐久力により何とか持ち堪えてはいるが、
物理的法則に従って運用されている以上、ラミネート装甲にも何時かは限界が訪れる。
だが、ヘルダートでは、海中と海上を行き来するグーンに決定的なダメージは与えらない。
ここで、艦長のマリューは常人には及びもつかないとんでもない奇策に出た。
バレルロール(180度の宙返り)である。
常識人のナタルの反論を一蹴して、艦長権限で自分の意見を押し通したマリューは、
艦橋のクルー全員にシートベルトを付けさせて、艦内放送でその旨の警告を流すと、
その奇抜なアイデアを実行へと移した。

「な…何だ!?」
ラッコのように海中に仰向けにプカプカと浮かんでいたグーンのパイロット達は、突然
バレルロールを敢行し、船腹と艦首の位置をそっくり入れ換えた足付きにパニクった。
さらに不味いことに、今まで死角に潜り込んで、好き放題に一方的な攻撃を繰り返して
いたというのに、今では自分達はゴッドフリートの射角に入り込んでしまっているのだ。
彼らがその事に気付いた瞬間、ゴッドフリードが火を噴いた。アークエンジェルの下に、
水柱が連続して炸裂し、グーン隊は一瞬にして壊滅した。

488キラ(♀)×フレイ(♂)・43−6:2004/05/11(火) 23:47
アークエンジェルは、そのままクルリと一回転して、艦首を正常な位置へと戻した。
「良し良し、上手くいったわね」
自ら発案した戦術で、はじめて成果を収めたマリューはホクホク顔である。
「指揮官が局地的な戦況に一喜一憂していてどうする!?」
クルーにシートベルトの着脱を指示していたナタルは天邪鬼にそう考えたが、
大人気ない発想だし、今の彼女に忠告しても効果はないだろうから沈黙を守った。
それよりも、今回の奇手に支払った代償への後始末の方が大変そうである。
自分達の部屋がどんな状態になっているか考えただけでナタルは憂鬱になった。
ただ、副産物的に一つだけ良いことも存在している。
何故か宿主不在のフレイの部屋で、彼の机の引き出しの中に隠されていた毒物の瓶が、
バレルロール敢行時に、床下に投げ出されて、内容物が溢れ出たのだ。
今、フレイの部屋はバイオハザードに汚染されたL4コロニーのような惨状になっており、
これはこれで、後始末が面倒そうではあるが、結果としては、マリューはAA内に内包
されていた潜在的な危機を意図せずに取り除いたことになる。


「何たる様か…」
海中へと沈んでいくグーンの残骸をモラシムは呆然として見下ろす。
クストーはおろか、空中に展開するはずのディン部隊からも応答はない。
どうやらこの戦場で生き残っているのは隊長である彼自身のみのようだ。
「お…おのれぇ、ナチュラル共めぇ〜!!かくなる上は…」
既にこの戦闘の勝敗は決している。ただ、隊を全滅させた上で、自分一人が逃げ戻るなど、
出来よう筈がない。余裕を失ったモラシムは血走った目をストライクに向けると、ゾノを
水中モードに変形させて突進してきた。キラはミサイルで迎撃しようとしたが、何故か
モラシムは避けようともせずに、被弾しながらも、最短距離を突っ切ってきた。
「よ…避けない!?」
モラシムの神風特攻にキラは唖然とする。PSで守られていないゾノはかなりのダメージ
を負ったが、機体の損傷を無視して、そのままストライクに体当たりを敢行する。
「貴様も道連れだ、ストライク!一緒に地獄に堕ちろ〜!!」
ストライクに抱きついたゾノは、スクリューをフル回転させて、7000m級の深度を
誇るジャワ海溝へとストライク共々沈んでいく。

「こ…この人、まさか私と一緒に…」
モラシムの意図を悟ったキラはサーッと表情を青ざめさせる。冗談ではない。
無意識のうちに地獄逝きの相棒を探していたキラだったが、フレイやアスランなら
ともかく、顔も知らないムサイおっさんと心中するなどゴメンだった。
キラはゾノを振りほどこうと必死にもがいたが、モラシムの執念が憑りついたかの
ように手負いのゾノはビクともせず、あまりに懐深くに潜りこまれて拘束されている
為に、アサルトナイフの一撃も空を切るばかりで、ゾノの背中まで届かない。
その間にも、深度はどんどん深まっており、コックピット内もミシミシと嫌な音を
立てながら軋み始めた。何かこの状況でも使える武装は…。追い詰められたキラの
視界に、メインスクリーン上のゾノの赤色のモノアイが映し出された。

次の瞬間、ストライク頭部のイーゲルシュテルンが火を噴き、モノアイを直撃する。
「な…何だ!?」
メインカメラを潰され、視力を失ってモラシムが混乱した隙を逃さずに、キラは
ゾノの拘束を振る解くと、そのままゾノを踏み台のように蹴って、海上へ浮かび
上がるための浮力(推進力)を確保する。
「ぐおおぉおお!!!!!」
ストライクに蹴落とされ、さらなる奈落の底へと落下していったゾノはとうとう水圧に
耐え切れずにペシャンコに潰れ始めた。モラシム隊長の最期を見届けながら、ゆっくりと
海上に浮上していくキラの瞳からは涙が溢れ出して止まらなかった。

489キラ(♀)×フレイ(♂)・43−7:2004/05/11(火) 23:47
キラがモラシムと交戦し始めたのと時を同じくして、敵母艦を撃破したフラガとカガリ
の二人は、そのままディンの群れを相手に延長戦を行っていた。
戦況は、ナチュラル、コーディ間のキルレシオを無視したフラガの異常な活躍で、
敵ディンの残数は既に残り一機まで減らされている。囮役のカガリも、良く役割を
果たしていたが何故か不機嫌だ。それは、目に見える類の派手な武勲を挙げられないが
故ではなく、彼の後ろにいる男性の存在に起因していた。スカイグラスパー二号
の後部座席には何故かフレイが乗っていて、退屈そうに欠伸を噛み殺している。

「おい、フレイ…」
ディンの機関銃の連射を避けながら、カガリが忌々しそうに声を掛ける。
「何だい、エースパイロット君?」
「もっと焦れよな、お前。もし被弾したら、この瞬間にも俺達はそれでお陀仏なんだぞ」
カガリはそれとなく脅しを掛けたが、フレイは何ら危機感を覚えた様子はない。
「ナンセンスだね。僕が慌てた所でどうしようもないだろう?
この機体の命運は、君の意思と力量のみで成り立っているんだからね」
涼しげな表情で実に可愛げのない口を叩くフレイにカガリは舌打ちする。
実際、当てが外れた気分だ。こんな筈ではなかった。あいつのようなタイプは、
自分が安全圏にいられることを前提にしているからこそ、大物ぶっていられるのだ。
ちょっと危険区域に放り込んでやれば、直ぐに本性を現して醜態を晒すものと思い、
わざわざここまで拉致してきたというのに、一向に堪えている様子がない。
どうやらフレイは悪い意味で、口先だけの凡人とは一線を画する存在らしい。

これだけじゃ、まだ、恐怖心が足りないのか?
そう思い込んだカガリは、ソードを展開すると左舷方向からディンに近接戦闘を
挑んでいく。接近し、どんどん大きくなっていくディンの迫力に流石のカガリも
生唾を飲み込んだ。ディンがサーベルを大きく振りかぶった。左か?右か?
カガリはヤマ勘で、ディンのサーベルの軌道を先読みして空中旋回を行う。
ヤマは見事に命中し、ディンの斬撃を紙一重で回避したカガリは、そのまま
ビームソードの一撃でディンを真っ二つに切り裂いた。


「ははっ…。どうだ見たか、フレイ?流石にビビっただろ?」
カガリの心臓はまだドキドキいっている。もう一度やれと云われても多分出来ないだろう。
「これは、君が女装していた時の鬘じゃないか?そうか、前回の戦闘中に脱げたんだね?」
…どうやら全く正面を見ていなかったようだ。フレイは実に興味深そうに小脇に落ちて
いた焦茶色の鬘を拾い上げた。
「お…お前なぁ………!?」
一世一代の清水の舞台を物の見事にスルーされて切れたカガリは、怒りと共に後ろを
振り返ったが、途中でその表情が凍りついた。戦場でも飄々としたポーズを維持
しながらも、フレイの瞳が灰色に濁っている事実に気付いたからだ。
こ…こいつ、壊れてやがる!?
カガリは戦場で、こんな目をした人間を幾人か見たことがあった。常軌を逸した戦闘で
精神に異常をきたした者、大切な人間を失って心を閉ざした者は皆、ああいう濁った瞳の
色をしていたのだ。どうやらフレイは何らかの要因で既に魔に憑りつかれていたらしい。
じょ…冗談じゃない、こんな奴にキラを…。
カガリがフレイの危険度を再認識した刹那、そのキチガイ(フレイ)の口元が動いた。

490キラ(♀)×フレイ(♂)・43−8:2004/05/11(火) 23:48
「カガリ君。前、前…」
フレイはそう呟きながら、前方を指差している。慌てて正面を振り向いたカガリの視界に
ザフトの輸送機の姿が映った。どうやら、カガリがフレイに気を取られていた一瞬の間に、
機体はアークエンジェルへの帰還コースから外れて、とんでもない場所に迷い込んで
しまったみたいだ。
「な…何い!?」
カガリは反射的に機銃の引き金を絞ったが、同時に輸送機側からの反撃も行われた。
グラスパーと輸送機との短い交戦は、痛み分けという形を取り、共に推進部に被弾して、
黒煙を吐き出しながら、そのまますれ違った。

「クッ!両足しっかり踏ん張ってろよ、フレイ!このまま不時着する!」
機体の制御が効かなくなったカガリは、グラスパーをそのまま無人島の近くの海域
に強行着陸させる。グラスパーは派手な水飛沫を上げながら、辛うじて陸地に乗り上げ
る地点でストップした。

二人はまだ知らなかった。先程カガリが相打ちで仕留めた輸送機には、イージスと
そのパイロットであるアスランが搭乗しており、その機体をパイロットごと、
カガリ達が不時着した無人島へと落下させていた事実を…。

キラの初恋の君であり、現在キラと敵対しているアスラン・ザラ。
キラの双子の兄であり、キラの身を案じているカガリ・ユラ。
キラとの肉体関係を持ちながらも、キラを母の仇と付け狙うフレイ・アルスター。

キラを巡る三人の男性が、狭い無人島の中で、仲良く(?)呉越同舟する羽目となった。




次回偽予告「黒フレイ VS 純情アスラン」

「君がアスラン君かい?」
「何だ、お前は?」
「キラの最初(はじめて)の男かな?」
「なっ!?」

「『もう戦いたくない』、『これ以上、誰も殺したくない』、『まだ死にたくない』とか、
泣き言ばかり抜かす軟弱なキラを、宥め、賺し、時に抱き締めたりキスしたりして、
再び戦場へと送り込むのが、アークエンジェルでの僕の役目さ。
まっ、言ってみれば、キラ専属のメンタル・カウンセラーってところかな」

「き…貴様、貴様はキラを利用し…」

「おいおい、アスラン君。あまり人聞きの悪いことを言わないでくれよ。
これでも、僕はキラを愛しているんだぜ?
飴と鞭の理論で、ちょっと彼女の居場所に危機感を与えてやれば、
僕の大嫌いなコーディネイターを泣きながら殺し尽してきてくれるし、
人を殺して傷心の晩に、甘い言葉を耳元で囁いてやれば、夜伽の相手だって務めてくれる。
こんな素敵な恋人が他にいるかい? くっくっく…」

「殺す!殺す!殺してやる!お前だけは絶対に許さねえ!!」


「……おい、お前ら。本編(オリジナル)での主役だった俺の立場は?」

491ザフト・赤毛の虜囚 63:2004/05/12(水) 08:12
10.親友 7/8
[そう、メルデル。メルでもいい?]

親友だったジェシカとミーシャに絶交された。私を軽蔑している。

誰もが、私を、こんな目で見る。フラガと婚約させられてから、誰と紹介されても、いつも、
気持ち悪いと引いた目で見られる。そうじゃなきゃ、私を珍しいものを見るようにする。
フラガに連れられて、コーディネータの出産に関することを聞きにL4コロニー・メンデルの
研究所に行った時もそう。フラガは仕事があると早々に退散し、私一人残されて、担当医の
好奇の目にさらされた。担当医は、いやらしい目で私を見て、変なことばかり聞く。

その時、書類を取りに来た若い女医が、私の担当医に言葉をかけた。

「何、変なこと聞いてるのよ。この人、嫌がってるじゃない」
「なんだよ、必要事項だろ」

「どう見ても、そうは見えないわ。興味本意で聞いてるようにしか思えない。
 別に関係ないじゃない、これから結婚する人との歳が多少離れてたって」
「だけど、この二人は異常だぞ。なにか不穏な関係の匂いがする」

「どこが、異常だ! そういうアンタの方が、よっぽど異常で、無神経だ。いい加減にしろ!」
「なんだ、年上に向かって。お前、入ったばかりの新人だろ。自分の立場って言うものを」

「年上でもなんでも、間違っている事は許さない。アンタ謝んな。でないと、私が相手になってやる」

「あの、私、こんなの慣れてるから、もういいから、こんなこと……」私はさすがに女性を止めに入る。

「心配しなくていいよ。こんなのって、私は許さない。謝れ、このヤロウ!」
「なんだと! 所長に言って、お前なんぞ、やめさせてやる。覚えてろ!」

捨て台詞を残して、担当医は診察室を出て行った。私は、その女医と二人残された。

「フン!勝手に言ってな。間違ってるのはアンタの方なんだから」

「あの、ホントに大丈夫なの。あなた?」 私は問いかける。
「平気、平気。あんな女の敵のセクハラ医師許せないから」

私は、この女性を見つめた。
「あなた、名前は?」
「ヴィア・ヒビキ。あなたは?」

「メルデル、メルデル・シェトランド……」

だけど、私は、もうすぐシェトランドの名前さえ奪われることになる。私もフラガになってしまう。
私は辛い想いに目を伏せる。

「そう、メルデル。メルでもいい? なんか、呼びやすいし」

その言葉に、私は懐かしくなった。ママを始め、小さい時はいつも『メル』と呼ばれた。
フラガになることで感じていた辛い想いが、ヴィアに『メル』と呼ばれることで癒された気がした。

「いいわ。ヴィア、よろしく」
「メル、よろしく。彼氏と歳が離れているからって、色眼鏡で見られても、くじけちゃダメよ。
 愛してるんだったら胸を張って」

「うん…… ありがとう、でも、私……」チクリと胸が痛む。否定しようとして言葉を濁す。

でも、その前にヴィアは大きな声を上げた。
「あ、いっけない!」

「どうしたのヴィア?」
「ユーレンに止められてたんだった、こういうの。また、怒られる。ヤッバー!」

「え、え、ユーレンって誰?」
「私の旦那。私の言葉づかい荒くて、すぐ喧嘩するの直すように言われてたんだった」

「あなた、結婚してるの?」
「そう、あなたも若いけど、こっちも研究所に入って、すぐ結婚したもんだから。色々言われて」

「旦那さんって年上?」
「私はタメ歳。でもね、結構、頼れるんだ。あんま考えてること言わないけど」

「ヴィア、愛してるんだ旦那さんのこと。羨ましい……」

私の見つめる目に、さっきまで男言葉で威勢の良かったヴィアは、真っ赤になって黙り込んだ。
そして、照れ臭い顔で話す。

「いや、そんなんじゃ。やめてよ。そんなこと言うの……」

なおも、羨望の眼差しで見つめる私に、ヴィアは真っ赤な顔のまま、ポツリ、ポツリと自分のことを話しだした。

「ユーレンとは、小さい頃からの幼馴染よ。それで、いつの間にかズルズルと。こんなのありふれてるよね」
「いえ、全然、そんなことない。幼馴染って素敵だわ」

「そうね、ユーレン、私のこと、いつも、気にかけてて。私が両親と喧嘩して家出同然で飛び出した時も、
 いろいろ助けてくれた」
「それで、旦那さんと結ばれて…… ヴィア幸せそうね」

自分の恋愛を、大切なもののように話すヴィアに、私は、心が暖かくなり、もう忘れてしまったかと
思っていた笑顔を見せている自分に驚いた。

492ザフト・赤毛の虜囚 作者:2004/05/12(水) 08:22
>>『明日』と『終わり』の間に
ネメシス・フレイ様、記憶が戻ったかと焦りましたが、カガリへの勘違いで済んで良かったです。
カガリもくじけることは無いぞ、コーディネータのアスランは、きっと料理も、すぐにうまくなるでしょう。ん?
という訳でおもしろかったです。また、「The Last War」の再開を楽しみにしています。

>>過去の傷
ミリィはイザークに助けられたことで、どうやら早くディアッカと会えそうですね。良かったです。
しかし、その後、ラクスとフレイの修羅場が。アスランはともかく、キラは自業自得でしょう。

>>SEED if 〜Fllay Selection〜
しばらく、この時点で話が進むのですね。抜け殻状態のフレイ様。しばらくは一人寂しい部屋で
今の自分を見つめ直し、どんな結論を出すのでしょうか。

>>キラ(♀)×フレイ(♂)
エール・ストライカーが水中で使えたりと、モラシム艦長もとい下村さん、大喜びの内容でしたね。
バレルロールもやってましたし。ということは船酔いはスルー? って、フレイ(♂)様じゃ無理ですな。
ところで、潜水母艦のクストーって、アラスカの後、クルーゼが乗るやつじゃなかったかな。
あっさり沈んでしまったけど、この辺も変わるんでしょうね。
次は、フレイ(♂)様も加えて、野郎ばかりの運命の出会いですか。助けに来たキラ(♀)が
誰に抱きつくのかが楽しみだったりします。

493過去の傷・137:2004/05/12(水) 09:58
フリ−ダムとジャスティスは壮絶な戦いを繰り広げていた。
といっても実際は練習なので当然だが両者とも本気ではなかった。
フリ−ダムが斬りつける、しかしジャスティスは回避するとビ−ムを叩き込む、そんな練習が繰り返されていた、そんな時。
<キラ、ちょっと待ちなさい!>
プロヴィデンスが接近してきた。
<フレイ!?なんで?君は今日は休みの日じゃ・・・>
<そうだ、アルスタ−二等兵、君は・・・>
<アスランさんは黙っててください、こんな浮気者・・・許さないんだから!>
プロヴィデンスはフリ−ダムに向けてドラグ−ン・システムを発射すると同時に斬りかかった。
<フレイ!落ち着いて!>
<私を好きとか言いながら・・・この・・・浮気者!!!>
<フレイごめん!仕方なかったんだ!誘われて・・・>
<なによ!私のことは遊びだったの!?>
そう言いながらプロヴィデンスは斬りつけるがそれをフリ−ダムは全て回避する、このあたりは流石である、というよりコ−ディネイタ−にナチュラルが敵うはずはないのだが、フレイの戦闘能力は凄まじい。
<フレイ、早とちりしないで!君のことは好きだよ!だいたい守ってくれるって言ってたじゃないか!>
<なんで避けるわけ!?>
<だって損傷するだろ!痛いし!>
<知ったことじゃないわ!>
そしてプロヴィデンスはジャスティスを見た。
<アスランさんも手伝ってよ!>
<手伝うってなにを・・・>
<この浮気者の緩んだ心を叩きなのすのよ!この男は私という女がいながら・・・>
<・・・・・・>
<アスランさんは私とキラいえこの浮気者のどっちの味方なのよ!?>
<俺は・・・アルスタ−二等兵の味方だ、浮気など許せるものか・・・!>
と自分のことを100%棚に上げアスランは言った。
そしてこれからプロヴィデンス、ジャスティスとフリ−ダムの戦いが始まる。

494過去の傷・138:2004/05/12(水) 10:16
「おかえりなさい、イザ−ク」
「ただいま戻りました、それより母上も戻っておられたのですか!?」
「ええ、でもまたでかけなきゃならないのよ、だから後は頼みますね・・・」
「はい・・・」
「ところでそちらは?」
と、隣にいる少女を見る。
まだ幼く年齢的にも17くらいだろうか・・・なかなかの美少女である。
「始めまして・・・ミリアリア・ハウです」
と、その少女は言った。
「イザ−ク、男女交際は私認めてませんが・・・?」
「いえ違いますこの女はディアッカの・・・」
ミリアリアは一瞬思った、この男もアスランと同じくマザコンかもしれない・・・と。

その頃。
「「キラぁぁぁぁ!!!」」
プロヴィデンスとジャスティスはフリ−ダムに襲いかかっていた。

495過去の傷・作者:2004/05/12(水) 10:36
今回はフレイ様の嫉妬を中心に書き込んでます、これからも頑張ります、最後は少ななってしまいました、このところ変わってますので戸惑ってしまってこんなことになってしまいました。
>>SEEDif〜Fllay
この頃のフレイ様ですか、だんだんとキラの優しさに惹かれ始めた頃ですよね、ただ実際優しくされて素直になれない頃ですよね、これからも期待してます。

>>キラ(♀)
とにかくフレイ(♂)様頑張れ!そしてキラはどうするんでしょうか?抱きつくのか?

>>メンデルさん、可哀相そうに、でもヴィアさんのおかげで元気になれてよかったです、でもヴィアさんカガリにピッタリですね、でもメンデルさんこのところ可哀相でしたからほんとによかったです。

496ザフト・赤毛の虜囚 64:2004/05/13(木) 03:56
10.親友 8/8
[私は、本当の親友を見つけた]

「メルの方は?」

明るく自分のことを話し、私のことも聞いて来るヴィアに、私も、つい、おどけて心境を話しだす。
かつて、恋に憧れていたころのことを……

「私は…… 白馬の王子様……」

「え、彼って、そうなの」
「嘘、違うけど…… でもね、そんなのに憧れてたのよ。私って少女趣味かな」

「いや、そんなこと無い。そういうのって素敵よ。メルが憧れてても不思議は無いわ」

ヴィアの言葉に、私は心が暖かくなった。ヴィアには、私のこと、なんでも相談できると思った。
私は、ヴィアに、自分の不安を打ち明けた。

「ねえ、聞いてくれるヴィア? コーディネータのこと。私、不安なの」
「ああ、まかせといて、私、専門だし。なんならユーレンと一緒に相談に乗るよ」

「ええ、お願い」
「メル、彼氏のこと思ってるのね。コーディネータって彼の希望?」

ヴィアは、無邪気に私のことを聞いて来る。本当は私にとって辛いことを。

フラガは、離婚した前の妻との間に、子供ができなかった。それで、私の間に子供をもうけようと
している。名家シェトランドの血を引き、かつ、若くして聡明で、やり手で、自分の築いた資産を
狙っている他の親戚に奪われず、自分の生きている間でも、さらに富を大きくするような、そんな息子を……
それで、ビジネスに関連する能力を強化したコーディネータを望んでいる。娘なんて眼中に無い。
私は、そんなフラガの考え方は馬鹿らしいと思う。そんなのに私が突き合わされるなんて考えたく無い。
だけど、私は、いずれにしろフラガに逆らうことはできない。逆らえば、また、虜囚生活に逆戻りするだけだ。

私は、こんな自分の暗い想いをヴィアに告げるのは躊躇われた。せっかく友達になれそうな彼女に
最初から話すのは辛い。どうせ逆らえない運命なら、精一杯前向きに、フラガの考えを理解しようとした。

「そう……、彼、優れた子が欲しいと言うの。賢くて、安心して自分の仕事を継がせられるような……
 そんな自慢できるような男の子を…… コーディネータって、こういうのできるんでしょ」
「そうね、産み分けは完璧だし、他の親御さんも、みんな同じような想いを託しているわ。
 メル、大丈夫…… きっと望みは叶うわ」

そのヴィアの言葉に、私のコーディネータへの、そして運命への不安が少し和らいだ。

「ありがとう、ヴィア。お願い、もっと、いろいろ教えて」
「オッケー」
ヴィアは、親指を立てて、ニコリと笑う。

私は、本当の親友を見つけた。今は、フラガのこと言えないけど。いつか、きっと、みんな話す。
そして、ヴィア、私の心の鎖を解放して……

私の担当医と起こした一件に関して、特にヴィアに、お咎めはなかった。ヴィアは「正義は勝つ」とか、
言っていたけど、後で聞いた話だと、所長さんの力添えがあったらしい。

そして、ヴィアが、私の担当医になってしばらくしてから……

「メル、紹介する。私の旦那、ユーレン」
「初めまして、ユーレン・ヒビキです」
「え!? 嘘……」

私はビックリした。そして改めてヴィアを見た。気がつかなかった。そうだ、私が、フラガの
家で閉じ込められている間に不思議な感覚で見た時は、ほとんど裸で、顔を真っ赤に上気させてたから。
そうだ、ヴィアって、そうだ。そして、その旦那さんって……

嘘、嘘…… 私が、待ってた人。白馬の王子様?

ジェシカとミーシャの言葉が蘇る。

── メルデル、アンタ、まだ白馬の王子様待ってるの
── いい加減、そんな少女趣味捨てなさいよ

そう、白馬の王子様は、すでに人のもの。それも、本当に心を許せると思った親友のもの。
私は、どうすれば、どうすれば……

* * *

「ヴィア、ごめん……」私はポツリと呟いた。

「どうしたの、メルデル」カリダが覗きこむように見ている。

「え、え、何?カリダ、アレ、アレ?」
「メルデル、また、ぼうっとしてる。育児疲れってヤツ?」

「そんなんじゃないけど」
「ねえ、ねえ、メルデル。それより、また、ムウ抱かせて、抱かせて」

すっかり、私になつくようになったカリダは、頻繁にムウを抱かせてと、ねだって来る。

「ええ、いいわよカリダ。泣かせないでね。さっき、やっと泣きやませたんだから」
「オッケー」

私は、にこやかに微笑むカリダを、親友を見るように、暖かく見つめた。

497ザフト・赤毛の虜囚 作者:2004/05/13(木) 04:00
今回は番外的な章で、親友というテーマで、フレイとメルデルを比較してみました。
二つの時代のジェシカとミーシャは、そのための鍵で、名前と性格が同じ以外は、おそらく容姿も
違う別人のつもりです。ミリィSSのミナシロ編とのリンクは、たまたまジェシカ・ミーシャを
絡ませるのに都合が良いシチュエーションだったからで、リンクする出来事もテーマに添った
部分のみに絞っていました。

次は、ミリィSSの予定ですが、もう少し各所の調整が必要なので、しばらく時間をください。

>>過去の傷
NJC搭載MSの一大決戦が始まりましたね。動機が嫉妬というのはアレなんですが……
エザリアさんのミリィを見る目が恐いです。17歳で幼いって……

498私の想いが名無しを守るわ:2004/05/13(木) 04:34
>>過去の傷
㍉が出てくるだけでハラハラします。フレイ様はラムちゃんみたい。
あまりにも怖い予測なのですが、作者様、次の㍉のターゲットはこの
母子なのでしょうか。その展開は「悪夢は再び」という感じなので……
くれぐれも御身をご自愛ください。

499私の想いが名無しを守るわ:2004/05/13(木) 11:36
>>過去の傷
とりあえず他キャラにも配慮を。
貴方の職人としての意識を最後まで見届けさせていただきます。
全ヒロインファンとして。

500過去の傷・139:2004/05/13(木) 12:49
<フレイ、機体を傷つけないで!>
<傷ついたのは私の心よ!>
プロヴィデンスの攻撃を必死にかわすフリ−ダム。
<反省しなさいよ!少しは謝ったら!?>
<ご、ごめん・・・>
<心がこもってない!!!>
<心から誓う、ほんとにごめん・・・フレイ・・・ごめん・・・」
<まあ・・・いいわ、ならもうやめるわね、他の女の子とは喋らないのと、部屋には絶対に行かない>
<はい、もう行きません・・・>

一時間後。
「ではアスラン、お部屋にお上がりください」
「はい・・・」
顔を青ざめたアスランさんが部屋に入って行くのに私は気づいた。
私とキラも部屋に入った。
「アスラン・・・では全てをお話ください・・・」

「あの・・・ミリアリアさん?少しこちらに・・・」
エザリアに呼ばれミリアリアは付いて行く。
「どういうつもりか知りませんが・・・あまりイザ−クと仲良くしないでください、あの子の交際相手も結婚相手も私が決めますから、いままであの子に近づいた女は私が全て退けてますから・・・」
「はい・・・分かってます」
どうやらこの人、息子を溺愛しているようだ、それにしても綺麗な人。
「ではイザ−ク、後は頼みますね」
「はい・・・」

501私の想いが名無しを守るわ:2004/05/13(木) 13:28
そうです、配慮です・・・まあこれは別に過去の傷の職人様だけに言えたことじゃないですけどね。

502散った花、実る果実49:2004/05/13(木) 23:24
リアの怪我は、すぐに動かせる程軽い怪我ではなかった。
戦艦の中で治療を済ませる、というわけにもいかないらしく、程なくしてリアは地球にあるザフトの保有する病院に転院することになった。

「リア・・・・・」
転院の準備を手伝おうとリアのいる病室を訪ねると、リアは半身を起こして私に微笑みかけた。
「フレイ、いらっしゃい。聞いたでしょ?私、病院にうつることになったの。クルーゼ隊長のお計らいで、ちょっと腕のいい先生のところにまわしてもらえるらしいわよ。もちろん、ある程度以上回復したら、本国でもっとちゃんとした治療を受けることになると思うけど」
つらいだろうに、微笑を絶やさないリア。
彼女が取り乱した様子を見せたのは、最初のあの時だけだった。
「なんて顔してるのよ。あなたのせいで怪我したわけじゃないでしょう。きっと治るわよ。ううん、治してみせる。だって私はコーディネイターだもん、あなたたちナチュラルとは体の出来が違うのよ」
「リア・・・その冗談、面白くないわよ・・・・・」
私はちょっと泣きそうになりながら、そう返していた。
リアが頑張っているのに、私が弱音を吐くわけにはいかなかった。
「治療に専念しなくちゃいけないから、あなたについて宇宙に上がるわけにはいかないけど。大丈夫よ、私も除隊になったわけじゃないし、また会えるわよ。怪我を治して、きっと戻ってくるから。その頃にはこんな戦争、終わってるかもしれないけどね。まあ、この調子だとクルーゼ隊長があなたのこと手放すようにも思えないし、大丈夫、大丈夫。」
きっと実際にはここで別れたら二度と会えない可能性の方が高いのだろう。
戦争が長引けば、いつまでも捕虜を連れまわすわけにもいかないのだろうし、戦争が終わったのであれば尚更クルーゼ隊長が私を連れて歩く意味は無い。
おそらく、これが最後のリアとの別れになることだろう。
「リア・・・・私頑張るから・・・・・元気で・・・・・・」
「何言ってるのよ、こんな怪我人つかまえて。元気で、も何もないでしょう?」
苦くわらってリアは私の手をとる。
彼女にもわかっているのだろう、これがおそらく最後になると。そう思うと、我慢しきれずに涙が一つ落ちた。
「いやだ、泣かないで。私だって、寂しくなっちゃうじゃないの。それより、もう、しっかりしてよね。フレイってば、私より年上の癖に、てんで頼りないんだもの。それに・・・・」
そこで彼女の声が真剣みをおびた
顔を上げると、思いつめたような顔でリアがこちらを見ている。
「もう、私がフォローしてあげることは出来ないわ。フレイ、あなた・・・気をつけて。今回の事で、ナチュラルへの反感はまた大きく育ってしまった。私、あなたが激情したザフト兵に害されました、なんてニュース聞くの、嫌だからね。」
「わかった、気をつける・・・・・ねえ、ナチュラルとコーディネイターがわかりあえる時代って、こないのかしらね・・・私、リアと会えて、コーディネイターに対して一杯誤解していたって、気がついたの。リアと会えてよかった。こんな風に、皆わかりあえたらいいのに。戦争は、どうしたら終わるのかしら・・・・・」
「私もよ」
リアは優しく頷いた。
「私もフレイに会えてよかった。・・・大きな声では言えないけど、ナチュラルもそう捨てたもんじゃないって、思うことができたわ。それでも私はコーディネイターである自分に誇りを持っているし、体が治ったらやっぱりコーディネイターのためにザフトで働くと思うけど・・・それは今までのナチュラルを否定する気持ちからじゃない。守りたいものがあるから、守るための力がある限り、私にできる事をすると言うことよ。」
「戦争が、終わるといいわね。そしてリアの体が早く治るといい。リア・・・本当に、どうか元気で。私リアの事忘れないわ・・・・」

503散った花、実る果実50:2004/05/13(木) 23:27
「本国は久しぶりだろう、イザーク。家族に顔を見せて、安心させてやるといい」
「は!ありがとうございます。・・・・・早く座れよ!」
クルーゼ隊長への誇らしげな応対とは対象的に、私に侮蔑するような視線と言葉をなげかけるイザーク。
私は彼のことが怖かった。彼のナチュラルへの蔑視は終始変わらぬものとしてそこにあるように思えたから。
ザフトのナチュラルに対する反感を、彼は代表しているように思えたのだ。
「ふんっ」
怯えた様子でクルーゼ隊長の横に座った私をみて、彼は軽蔑するように息を吐いた。
ここにはもう、リアはいない・・・・・・敵意に囲まれたこの状態でどうやってすごしていけばいいのだろう。
宇宙には・・・・これから戻る、この広い宇宙(そら)には、何が待っているのだろう。
「怖がることはない、私のそばにいれば安全だよ。私がちゃんと君を守る。だから安心したまえ、フレイ」
その声に、パパの優しい声が重なった。
「大丈夫だよ、フレイ」
パパ・・・・・
いつでも私を守ってくれていたパパ。
この人に従っていれば、本当に大丈夫かもしれない・・・・・
パパの声で、パパの言葉で私を包んでくれる人。
目をつぶればほら、パパの香り・・・・パパの声しか聞こえない・・・・・
パパといれば、大丈夫。昔からそうだったじゃない・・・・・
民間機とは違い、ひどく揺れる機体に恐れをなして目をつぶってしがみついている私の腕を、彼の手が優しく押さえた。

504散った花、実る果実/作者:2004/05/13(木) 23:48
とりあえずミリアリア・リスティアとはここでお別れ。
フレイ様にミリィを思い出させるために引っ張り出してきた彼女ですが、彼女自身は思ったより生き生きと動いてくれました。
ミリィとの関連性はあまり使えませんでしたけどね・・・ちょっと反省。

>>過去の傷
逆上フレイ様、実は結構好きだったりします。
ちょっとすっきり・・・・なーんて。

>>流離う
うーん、だんだん情報が拡散してきましたね・・・
あの状態のあの面子に納得させなきゃならないなんて、キースさんも可哀想に・・・・

>>赤毛の虜囚
そうだったのですね。すいません、最初、メルデル、ジェシカ、ミーシャ?と、ちょっと迷ってしまいました。
にしても、ヴィア格好いいですね!メルデルが惚れるのもわかります。
しかし、親しい友人の旦那さんを好きになってしまうというのは・・・そしてこの後は・・・って事を考えると中々つらいですね・・・・

>>キラ♀フレイ♂
なんとなくフレイ様動じはしないかなー、とは思ってたのですが、予想より状態やばめな感じがします。
しかし、アスランvsフレイ様って・・・・・アスラン勝ち目ないような・・・・・
予告素直に笑いました。

>>SEED if
ここは辛いところなんですよね・・・・
フレイ一人称、情報量が少ないのが大変なんですよね。私も苦労しました。

505散った花、実る果実/作者:2004/05/14(金) 01:31
>>明日と終わりの間に
面白かったです!パロディもお上手ですね。
きっとアスランはカガリの料理をこれからも食べつづけていくことでしょう。
そしてキラも赤いカレーを食べてくれる・・・・・かな?

506私の想いが名無しを守るわ:2004/05/14(金) 03:31
>>過去の傷
フレイ様コワッ。<フレイ、機体を傷つけないで!>
<傷ついたのは私の心よ!>←間の抜けた会話ですが笑えました。
会話中心の展開は、イマイチキャラの心情が分らなくて、他の職人さん
みたいにキャラに自分の心情を語らせるとか、作者がキャラのとりまく状況を説明
するといった作業の比重を増やさないと、あるいは台詞が過激なもの多いだけに
色々誤解を招くかもしれませんね。とりわけ本編の過激なフレイ様の台詞を他キャラ
が言う場合特に、強く感じました。しかし、こればかりは職人さんのスタイルもある
でしょうし、えらそうに書きましたが私自身SSを書いたことないので、なんともいえ
ないところですが。読み手の側からの一意見として聞き流してください。
昨日は言い忘れましたが私も作品完結まで応援してます。

>> 散った花、実る果実
リア篇、面白かったです。個人的には交換留学で整形云々の話が面白かった
です。ザフトの4人組ではなく、平凡な感じのコーディの女の子との出会い
というのは良かったと思います。しかしこれから宇宙に上がるのかあ…
かなりブルー入りますね。

507ザフト・赤毛の虜囚 作者:2004/05/14(金) 07:48
SS調整遅れてますが、一区切りついた話もありますので、感想だけ上げさせてもらいます。

>>過去の傷
フリーダム対プロヴィデンス、キラは完全にフレイ様に陥落ですか。
アスランは、こちらはこちらで修羅場のようで……
今度は、エザリアさんが…… いや、TV本編も、そうだったかな?

>>散った花、実る果実
ついに 50話まで行きましたね。リアとフレイ様の語らい、互いにコーディネータとナチュラルの
意識の変化が見えて心が癒されました。こんな二人なら、もっと、身近な女の子らしい趣味の会話とかが
あっても良かったとさえ思います。
クルーゼには心を許しているフレイ様ですが、イザークとは、あまり絡んでいないようですね。
次の舞台は宇宙、プラント。どういう話が補完されるか楽しみです。

>>506
私のSSは一人称で心情語りがありますが、これはこれで状況説明が一面的になるので、
逆に会話を増やさないと話が進展しないです。少なくとも、私のスタイルはそうですね。
三人称で各キャラの心情を客観的に説明するのはいいんですが、作者の立場で説明しすぎる
小説スタイルは、個人的には、あまり歓迎しません。作者自身が読み手の感じ方を制限するみたいで。
まあ、うまく話が構成できなかった場合は、私もやってしまいますけど。

他キャラの台詞やシチュエーションの流用はSSの醍醐味で、書く方からすると知らずに
使っていることがあります。ですが、私、以前のスレで読み手としては拒否反応起こしたことが
ありました。あの時のことは反省してます。それで、流用は本当に難しいことだと実感しています。
やはり、書いた後、できるだけ時間を置いて、読み手の立場でチェックを入れることが必要なんでしょうね。

508過去の傷・140:2004/05/14(金) 11:54
私だって興味津々だった、アスランさんとミリアリアにあの夜、一体何があったのか・・・。
まずアスランさんの顔を伺った、いつも冷静そうに見えたアスランさんがオドオドとしているのが私には分かる。
ラクスというと落ち着いている、いつものラクス・・・私と同じくらいの年にしてはこの子いつも大人びて見える。
「とりあえずコ−ヒ−でもお飲みください」
そう言うと沸騰していたお湯をコ−ヒ−カップに注ぎアスランさんと自分の席に・・・そして私とキラにも注いでくれた。
「ありがたくいただきます」
ため息をついたラクスが席に座ると口を開いた。
「アスラン・・・ではお願いします」
「・・・・・・」
アスランが戸惑っているのに気づいたラクスは微笑んだ。
「アスラン・・・正直に全てをお話ください、私は怒ったりしません、ですから・・・クライン邸でも言ったことがありましたが、私達に隠し事は無しですわ」
きりっとした口調で言うラクス、やっぱりこの女は強いわ。
アスランさんがゆっくりと話しはじめた。
ラクスの顔が少しずつ引きつってきた、珍しいことよね、この子が。
「ラクス・・・落ち着いて」
私はラクスの肩に手をかけて優しく言った。
「は、はい・・・分かってます」
そして・・・全て・・・一部始終を全て話した。
「ほ、本当なのですか!?そ、その話は全て・・・」
「は・・・はい、申し訳ありませんでした!」
ラクスはもはや放心状態だ。
「そ、そんな・・・アスラン・・・貴方は浮気を・・・」
「も、申し訳ありません、私もどうかしてて・・・」
ラクスはほんとに信じられないという顔をしていた。
私だって信じられなかった、アスランさんがミリアリアと・・・。
「アスラン、君がミリィと・・・君がラクスさんを裏切るなんて・・・」
キラも戸惑う。

その頃プラントでは。
イザ−クさんに留守番を頼まれ残っていた私は・・・。
なんで?なんでイザ−クさんは私をここに置いてくれているのだろうか、怖そうな人だけどほんとは優しい人なのかもしれない。
そしてイザ−クさんの部屋を整理していた私はある写真に目が行く。
ディアッカにアスランさんにイザ−クさんに・・・ええと・・・名前が書いてるので読んでみるけど・・・ミゲルって人とニコルって人が一緒に写っている。
この人達皆仲間なのね・・・。
それから引き出しに手紙が置いてある、ええと・・・ラクス嬢への手紙?読んでみると・・・。

509私の想いが名無しを守るわ:2004/05/14(金) 13:52
>>過去の傷。
一人称の変化にとまどいます。
誰のモノローグか時々ついていけない自分は修行がたりないようですねw

510流離う翼たち・476:2004/05/15(土) 00:35
 キースはナタルが運んできた紅茶を一口啜りながら、内心ではどうしたものかと必死に悩んでいた。話すとは言ったものの、実は2人を満足させられるような答えなどキースには無かったのだ。かといって今更誤魔化しも効くとは思えない。何より既にこの状況が自分の退路を断っている。
何しろ自分の前には不機嫌さと困惑を同時に浮かべるカガリと、黙ってじっと自分を見続けているナタルがいるのだ。

「ああ、その、なんだ、怒らない?」

 表面冷静に、内心では混乱気味だったキースは、ポロリと不味い事を口走ってしまった。古今東西、こういう事を聞かれて怒らない奴はいないのだ。

「何だ、何か都合の悪い事でも隠してるのか!?」
「事と次第によりますね」

 いきり立って飛び掛ってきそうなカガリと、もうその辺のマフィアが逃げ出しそうな目で睨んでいるナタル。どっちかというとナタルの方が怖い。

「い、いや、そういう訳じゃなくて、多分期待には答えられないと言ってるんだ」
「どういう事だよ!?」
「つまりだな、俺はお前がどうやってアスハ家に渡ったのかは知らないんだよ。何しろヘリオポリス崩壊後にアークエンジェルでキラを見るまで、2人とも死んだと考えていたんだからな」

 キースの言い訳じみた答えにカガリは顔を赤くしたが、すぐにガクリと肩を落としてその場に崩れ落ちるように膝を付いてしまった。その表情は衝撃に打ちのめされているようにも見えるが、不安も見て取れる。
 キースはそんなカガリの姿に罪悪感さえ抱いてしまった。本当はこのまま墓場まで持って行く気だった事実であり、知らせれば平静ではいられない事くらいは想像が付いていたのだから。自分も真実を知った時には暫く塞ぎこんだのだ。
 だから、キースにはカガリにただ謝る事しか出来なかった。

「すまん、カガリ」
「・・・・・・なんで、あんたが謝るんだよ。別にあんたのせいじゃないだろ」

 カガリはキースに謝って欲しくなどは無かった。いや、同情などされたくないだけかもしれない。子供っぽい意地と言われるかもしれないが、これは子供だろうと大人だろうと変わらないだろう。
 そして、それが分かるだけにキースもそれ以上は何も言わず、ただ頷くだけでカガリに答えた。カガリも立ち上がり、自分の席に戻って紅茶を手に取り、音を立ててそれを飲み干してしまう。
 そしてそれをソーサーに戻したのを見計らって、キースは自分の知っている事を話し出した。

「・・・・・・カガリ、お前の過去の経緯だが、知っていそうな人間を俺は知っている」
「本当か!?」
「ああ、一人はお前の育ての親、ウズミ氏だ。そしてもう1人はカリダ・ヤマト。キラの育ての母親だ」
「お父様とキラの母さんか。でも、何でキラの母さんが知ってるんだ?」
「カリダ・ヤマトはキラの叔母、つまりお前達の母、ヴィアの妹だからだ。どういう経緯かは知らないが、カリダ・ヤマトがお前たちを何とか脱出させたんだろうな」

 キースも全てを知っているわけではない。全てを知っているであろう者達は多くがメンデル研究所と共に死んでいるし、僅かに断片を知る者たちは世界中に散ってしまっている。その知っている者がキースの育ての親やアズラエル、サザーランド、パトリック、ウズミ、マルキオたちであり、キースの知識は研究所での教育と育ての両親から聞かされた話でしかない。
 そして、彼らでさえメンデルの全てを知っている訳ではない。それぞれが断片を知っているだけで、実際にメンデルで何が行われていたのかは謎に包まれている。その中でカガリとキラのことを知るのは3人に限られてしまうのだ。そうでなければ2人どころかヤマト夫妻は生きてはいないだろう。特にキラはブルーコスモスの最優先抹殺対象だったのだから。

511流離う翼たち・作者:2004/05/15(土) 01:04
忙しい間に随分進んでいる。頑張らねば
ちなみにキースは今回で引き出しの中身を大体出してしまいました。

>> ザフト・赤毛の虜囚
メルデルさんも大変ですねえ。ヴィアさんとの出会いはまるで熱血青春物ですな
しかし、兄貴もこれから大変でしょうなあ

>> 過去の傷
ラクスとフレイ様も大変そうだけど、キラとアスランも大変そう。男は自由を求める生き物です!
ミリィはちゃんとディアッカの所に行けるんですかね。なんか迷子になりそうな気が

>> 『明日』と『終わり』の間
ダイビングメッセージって、発見されたらカガリは逮捕w?
帰ってきたキラの運命や如何に

>> キラ(♀)×フレイ(♂)
アークエンジェル隊強い。でもカガリ、なんだか道無き道を突っ切ってゴールに行っちゃった様な
でも、この2人とアスラン、出会ったら常識人なアスランはついていけない気がw

512過去の傷・141:2004/05/15(土) 10:10
その昼。
プラントの歌姫、ラクス・クラインが低気圧を頭の上に漂わせながら、通路を歩いていた。足取りは荒く、目つきもあまりよろしくない。
明らかに「私は今、とても機嫌が悪いです」といった様子だ、こんな彼女は見たことがない、いつもプラントでは笑顔を絶やさず誰にも微笑んでいた彼女が・・・。
アスラン・ザラはその後ろを、こそこそと歩いていた。
ラクスはアスランの方を見ようともしない、アスランは仕方なくついていった。
誰もいなくなったところでアスランは思いきって声をかけた。
「あ、あのーラクス」
「・・・・・・」
返事はない。
「ラクス・・・その・・・」
歩みがぴたりと止まった、ぐるんとこちらを向く。
「なんでしょうか?」
恐ろしげな視線と共に彼女は返事をした、それも敬語だはあるが明らかに冷たい言い方で怒った口調だ。
「その・・・なにかあったのですか・・・?」
「・・・・・・」
「い、いえその、ずっと口を聞いていただけませんし、話かけようとして無視されますし、そのわりには私を刺すように睨みますし、なにか嫌なことでもあったのかなと・・・思いまして」
アスランはつっかえながら話した、対するラクスは冷たく冷え切った口調で。
「・・・・・・ご自分の胸に手を当てて考えてみたらいかがですか・・・?」
アスランは言う通りにした。
「あの・・・覚えがないんですが・・・」
「覚えがないとはなにごとですか!!!」
突然ラクスに大声を出されアスランは仰天した。
「先程のことです!私の部屋!アスランはあのときなんとおっしゃったかお分かりですか!?貴方は婚約者がいながらミリアリアさんと・・・」
「で、ですからあれはですね・・・」
「よくもぬけぬけと・・・この浮気者!!!」

その頃フレイとキラは。
「なんだかいまごろ修羅場になってるんじゃないかな・・・」
「そうね・・・」
そい言いながら歩いていた二人は腕を組んだサイとジュリに会う。
「サイ・・・」
フレイが寂しそうに呟いた。

513私の想いが名無しを守るわ:2004/05/15(土) 23:54
>>過去の傷
色々粘着レスしてすみませんでした。つい上の議論が色々
考えさせられる内容だったので、自分も意見を書いてみた
のですが、どうも他人様の尻馬に乗って追い討ちかけてしまっ
た気がします。また何か書くかもしれませんが、批判なり意見を
書くにしてももそっと気をつけたいと思います。
>>ザフト・赤毛の虜囚
色々教えていただきありがとうございました。どうも会話中心の
SSは音声や画像の無いTVや映画の脚本をそのまま見せられている
ような気分がして、文字媒体のメリットを全然生かしていないよう
に思っておりました。これではキャラの心情が伝わらんなどと思い、
先日書いて見たのですが、ご意見を読んでみると、どうも、そう
単純な話ではないようで、いろいろ学ぶこと多かったです。あと
他キャラ台詞流用の件はちょっと読み手オンリーの側からでは分
らない心理で面白かったです。

全ての職人の皆様、これからも投下期待しております。

514私の想いが名無しを守るわ:2004/05/18(火) 22:51
職人の皆様、避難所で問題が起きていますが気にしないでSS続けて結構です、応援する人達だっているんですから。

515私の想いが名無しを守るわ:2004/05/19(水) 07:22
問題自体は避難所で起きたのではなくここが発火点だと思います。

ですので概要をご存じない職人さんたちも、今後のために一応目を通してみてください。
作品発表をされていらっしゃる方々なら、読後の感想(辛口のものもありますが)
知っておかれるほうが良いかと思います。
もちろん、今のところは何か方針が決定しているわけではありません。
とりあえず何も無かった事では議論した意味が無いと思います。
批判だとの声もありますが、あくまで議論だと私は思います。

516私の想いが名無しを守るわ:2004/05/19(水) 08:39
過去の傷の作者様と他の作者様、もし議論や批判のせいで投下が進んでないなら、すいません、住人の一人として謝ります。

517私の想いが名無しを守るわ:2004/05/19(水) 09:45
投下する、しないは厳しいようだがもう本人の裁量だろうね。
とりあえずはこっちに持ってくるのをやめようって事で
あちらに移動したんだからこの話はあちらで。

518注意書き:2004/05/20(木) 00:46
他のキャラへの配慮を忘れずにお願いします。キャラへイト・他キャラへの配慮が足りない、と思われるSSはこちらではなく個人サイトでどうぞ。SS職人さん、投下をどうぞ再開してください。

519キラ(♀)×フレイ(♂)・44−1:2004/05/20(木) 02:47
「カガリが行方不明!?」
「らしいぜ。俺も最後のディンをあいつが撃墜した所までは確認したんだが、
あの後、何があったのやら…」
モラシム隊長からの熱烈なラブコール(無理心中宣言)を跳ね除けて、命辛々AA
に帰還したキラは、パイロットルームへ着替えに行く途中で合流したフラガから、
二号機がロストしたという情報を聞かされ息を呑んだ。
「それと、これはまだ未確認情報なんだが…」
そこでフラガは言い難そうに口篭もる。カガリ失踪事件にはさらなるオマケがついていた。
「フ…フレイが、カガリと一緒に!?ど…どうして!?」
「俺にもさっぱり判らねえよ。マードック軍曹が、フレイが二号機に乗り込んだのを
目撃したらしいんだけど、どうすりゃ、そういう事態になるのやら見当もつかねえよ。
まあ、ガセネタの可能性…というか、こんな支離滅裂な話しは多分デマだと思うけどな」
キラだけでなく、フラガも困惑している。正規軍人である彼には、シスコン的な動機から、
非戦闘員のクルーを拉致したカガリの思惑など永遠に解けない謎だろう。
カガリにフレイという、彼女の両翼を担う男性を立て続けに失ったキラは唖然とする。
しばらく茫然自失状態だったキラだったが、意を決したように頷くと、突然駆け出した。
「おっ…おい、キラ!?」
「私、確認してくる」
キラは着替えを後回しにして、フレイの不在を確かめるつもりみたいだ。
フラガも、事の仔細が気になったので、キラの後を追うことにした。


「おい、何の騒ぎだ?」
前方の居住区域に人だかりの山を発見したフラガは不審そうな表情を啓かす。
良く見ると、フレイの部屋の前で、SF映画に出てきそうな白い防護服を着たクルーが、
シュー、シューと派手な音を立てながら、消毒液を撒布している。
「何でも、ここら付近一帯で毒物が検出されて、今、衛生兵が掃除している所みたいです。
少し前に異臭が発生して、調べてみたら、どうやらフレイの部屋が震源地みたいで…」
野次馬の一人として見物に来ていたカズイが、フラガ達に気付いて簡単に状況を説明した。
「はぁっ!?一体、何がどうなっているんだよ!?」
フレイがカガリと一緒に行方不明になったと思ったら、そのフレイの部屋から毒物が
発生したという。せっかく、無傷に近い状態で敵を撃破したというのに、次から次へと、
彼の常識からは想定不可能なトラブルが続出し、フラガの頭はパニックになりそうだ。

「けど、これでフレイが本当にカガリと一緒に消えたのは確かみたいだな」
事態の真相究明にはしばらく時間がかかりそうだが、未確認情報の一つは確定したらしい。
ふと、不安そうに俯いているキラの様子に気付いたフラガは、軽く彼女の肩を叩いた。
「心配すんな、キラ。カガリもフレイもそう簡単にくたばるような柔な玉じゃないだろ?
超過勤務手当てはつかないだろうけど、一緒に探しにいくか?」
「は…はい!」
フラガの暖かさに絆されたキラは、太陽のように表情を輝かせて大声で返事をする。
普段はおちゃらけているが、彼は緊急時には極めて頼りになる兄貴分だった。

「フレイが行方不明か…」
ミリアリアと一緒に野次馬の中に紛れ込んでいたトールはボソッと呟いた。
ほんの一瞬だが、「あいつを、このままMIA扱いして先に進めないだろうか」
などという考えが頭を掠めてしまい、その発想の卑しさに軽く自己嫌悪する。
ふと、隣にいるミリアリアと目が合った。トールの視線に気付いたミリィは何故か
後ろめたそうに顔を背ける。トールは多分、彼女が自分と似たような邪な考えを
巡らせて、同じように良心を咎めさせているんだろうなと思った。

520キラ(♀)×フレイ(♂)・44−2:2004/05/20(木) 02:47
「まさか、こんな所でザフトと遭遇するとはな…」
フレイと一緒に匍匐前進の姿勢で、崖下に仰向け状態で安置されているザフトのMS
を発見したカガリは瞳に好戦的な色を浮かべる。ザフトの輸送機との予期せぬ邂逅で
無人島に不時着した二人は、無線が一切通じないのを確認すると、島内探索へと出掛け、
そこで運よくザフト側よりも早く敵(エネミー)の存在を把握した。
MSの胸元のコックピット部分が開く。すると中から赤いパイロットスーツを着込んだ
男性のパイロットが出現した。
「あれは、イージス。とすると、今のがアスラン君か?」
赤服のザフト兵(アスラン)に対して強い敵意を発散するカガリとは逆に、彼を見つめる
フレイの視線には、新しい玩具を見つけた幼児のような無邪気な好奇心に溢れている。
フレイが騒ぎ一つ起こさず、カガリに拉致されるに任せて素直に同行したのは、
何となく面白そうなイベントに遭遇しそうな予感がしていたからだ。どうやら危険覚悟で、
わざわざカガリ君についてきた甲斐があったみたいだ。フレイは密かにほそく笑む。

「おい、やるぞ。フレイ」
カガリはフレイの心中の思惑を無視すると、ガサゴソと懐の脇のリュックを漁って、
中から取り出した拳銃をフレイの掌に差し出した。
「やるって、何をだい?」
「決まってるだろ、アイツをやっつけるんだよ。あの敵兵を殺すか拿捕するかして、
ザフトに奪われたMSを再び奪い返せれば、大手柄だろ?」
カガリは何を今更当たり前の事を…と言いたげな表情で逆に問い返してきた。
狭い無人島内で、敵同士で仲良くするのも叶わない以上は、まあ妥当な判断ではある。
「おいおい、ちょっと待ってくれよ。君は僕に何を期待しているんだい?」
有り難くもド素人のフレイを戦力の頭数に加えた上で、アタックを仕掛けようとする
カガリの暴挙に、フレイは待ったを掛ける。彼は至近距離から四発ぶっ放しても、
一発当てられるかどうかという腕前なのだ。ましてや、あのザフト兵が本当にアスラン君
だとしたら、彼がサドニス島で手玉に取った間抜けなコーディの兵士とは訳が違うだろう。
二対一(フレイは戦力とは換算できないので、実質一対一だが)でも到底勝ち目はない。

それでも、あの時のように、敵の不意をつければ、話しは別か…。
フレイは、自分には役に立たないであろう拳銃をカガリに返すと、小声で囁いた。
「良く聞けよ、カガリ君。僕が今から囮になって、彼の注意を惹きつけるから、
その隙に、君は彼の後方に回りこんで、後ろから敵を撃つんだ。いいね?」
「お…お前、何、勝手な事を言って……」
「それじゃ、任せたよ」
「お…おい!?」
フレイはカガリの抗議を無視すると、派手に土煙を上げながら、崖下へ滑り降りていった。


「何だ?」
コックピットのハッチを閉めようとしていたアスランの眼前で、地球軍の軍服を着た
少年が、崖の上から滑り落ちてきた。彼は崖下まで辿り着くと、軽く両腕を挙げたまま、
堂々とこちらに向かって歩いてくる。
「動くな!それ以上近づくと撃つぞ!」
あまりに無防備な敵兵の大胆さに幾分戸惑いながらも、アスランはMSから飛び降りると、
ホルスターから銃を取り出して、解剖学的な正確さで、銃口をフレイの心臓に定めた。
その威嚇命令に従い、フレイはその場に足を止めたが、臆した様子は見られない。
「君がアスラン君かい?」
ピクリとアスランの眉が動く。己の姓名をピタリと言い当てた初対面の敵兵の存在に、
アスランの瞳に強い警戒心が浮かんだ。
「何者だ、お前は?」
「キラが君を敵に回してでも守ろうとしていたお友達の一人かな?」
フレイは薄い笑いを浮かべて、口元を皮肉に歪めながら、自身の正体を明かした。

521キラ(♀)×フレイ(♂)・44−3:2004/05/20(木) 02:48
「な…何?」
キラの名前を聞いたアスランの心に動揺が走る。しばらくの間、迂闊にもアスランの
意識は目の前にいるキラの知人を名乗る男(フレイ)一人に集中された。

「動くな!銃を捨てろ!」
フレイが生命賭けで作った隙を逃さずに、崖を大きく迂回して、アスラン達の後方に
回り込んだカガリは、数メートルの至近距離から銃を突きつけた。予期せぬ事態の連続に、
一瞬、呆然としたアスランだが、直ぐに意識を回復すると、冷静に状況判断に努める。
どうやら、自分は地球軍兵士の連携プレイに見事に嵌められたらしい。背中にヒシヒシと
突き刺さってくる殺気は確かな敵兵の存在を感じさせる。いくらアスランが銃の名手でも、
流石にこの状態だと、振り返るよりも早く、敵の弾丸が彼の背中を貫くだろう。
「もう一度だけ言う。その姿勢のまま銃をこちらに向かって放り投げろ!でないと撃つ!」
カガリが威嚇するかのように撃鉄を鳴らす。敵を可能な限り生かしたまま捕虜にしようと
するカガリの人道的な処置(騎士道精神)に、フレイは内心で舌打ちした。
何をやっている!?警告なんかしている暇があったら、何故さっさと撃たない!?
フレイはコーディネイターを嫌っていたが、その能力を過小評価してはいなかった。

アスランは最後通告に従い、カガリに背を向けたまま、銃をカガリの目の前に放り捨てた。
カガリの意識が、一瞬、銃に集中した刹那を見逃さずに、アスランは行動を開始する。
電光石火。アスランはまるでワープしたかのようにフレイの後方に一瞬で回り込むと、
後ろから彼を羽交い絞めにしながら、フレイの頚動脈に軍用ナイフを押し当てた。
「形勢逆転だな。仲間の命が惜しければ、お前の方こそ銃を捨てるんだな」
フレイの悪い予感は物の見事に的中した。オセロの白黒セルのように優劣は引っ繰り返り、
彼はアスランを守る為の盾にされてしまった。アスランは鋼のような強力(ごうりき)で、
フレイの身体を押さえつけて、フレイを金縛りにする。どうやら、MS戦ならともかく、
生身の白兵戦では、アスラン君の戦闘能力はキラをはるかに凌駕するらしい。

フレイを人質に取られて投降を迫られたカガリは、最初、軽く舌打ちし、次に、頭の上に
ピカリと豆電球を灯らせると、最後は、凶悪な肉食獣の笑顔でニヤリと微笑んだ。
微速度撮影の画面のような速さで、カガリの一連の顔面の筋肉の変化をリアルタイムに
見せつけられたフレイの頬から、流石に冷や汗を滲み出てきた。
「だ…駄目だ、アスラン君。彼は僕ごと君を撃つつもりだ」
「ふん、何を馬鹿な事を…」
アスランはフレイの世迷言を無視したが、次の瞬間、カガリは何の躊躇いもなく、
本当に発砲した。島内に銃声が連続して木霊し、森の中にいた鳥達は銃声に驚いて、
悲鳴を上げながら、蜘蛛の子を散らすように、彼方此方に飛び去った。

「何い!?」
コーディ特有の驚異的な動体視力で、カガリの指先が動くのを視認出来たアスランは、
反射的に地面に仰け反って銃弾を回避する。弾丸は、少し前まで彼らがいた空間を
貫いて、そのまま崖に減り込んだ後に、ポロリと地面に落ちた。

「ふ〜う。危なかった」
アスランの拘束が解除されたと同時に、彼と同じく地面に寝転がって、銃弾を回避した
フレイは安堵の溜息を吐く。そのフレイと低い位置で目が合ったアスランは、地面に両手
を着くと、忌々しそうにフレイを睨んだ。
「一体何なんだ、お前らは!?」
アスランは自分の精神がどんどん失調していくのを感じた。ザフトのエリート部隊
(クルーゼ隊)の一員として、数多の戦場を駆け抜けてきたアスランだが、こんな
ふざけた敵に出会った体験はない。もしかして、自分はドッキリカメラにでも出演
させられているのではないか…などという現実逃避的な考えが頭の中を過ぎった。

522キラ(♀)×フレイ(♂)・44−4:2004/05/20(木) 02:48
「ちぃっ!!」
フレイとアスランの位置が大きくばらけてしまい、敵ごと撃ち殺すという大義名分(口実)
を失ったカガリは、大きく舌打ちすると、仕方なくアスランの方に銃火を集中させる。
こいつ等の本当の正体は、軍人ではなくコメディアンではないかと疑ったアスランだが、
使われている銃器が本物である以上は、不本意だが真面目に戦わざるを得ない。
アスランは、再びカガリの銃撃を避けると、山猿のような身軽さで、崖から崖へと跳躍を
繰り返し、10m近くはある崖の上を飛び越えて姿を消した。

「全く、世話が焼ける…」
奇襲に失敗した地点で、フレイはこの戦闘そのものを見限った。カガリも一廉の戦士
ではあるが、アスランの今の忍者染みた身体能力といい、敵の力量はそれをはるかに
上回ると思われ、こうして一から仕切り直されてしまった以上、勝敗の帰趨は明らかだ。
だとすれば、この場はフレイが何とか収めるしかないだろう。現場(戦場)の軍人の
失態を上手く取り繕うのが、外交家の本来の責務なのだろうから。そう思い込んだフレイ
はMSの上に攀じ登ると、何故か、イージスのコックピット内部に潜り込んでいった。



フレイの推測通り、アスランとカガリのバトルは瞬く間に勝敗が決した。襲撃を警戒する
カガリを尻目に、逆側の崖に回りこんだアスランは大きく跳躍して、カガリの懐に一気に
潜り込むと、銃を構えたカガリの利き腕を掴んで、そのまま柔道の一本背負いの要領で
カガリを投げ飛ばした。
「女を殺すのは気が引けるが、売られた喧嘩だしな…」
背中を強く打った呼吸困難を堪えて、必死に銃に手を伸ばそうとしたカガリを嘲笑うかの
ように、銃を遠くに蹴飛ばしたアスランは、そのままカガリに馬乗りになる。
「ふざけんな、俺は男だ!いい加減にしろよな、お前ら!!」
カガリの告白に、軽く瞬きしたアスランだが、すぐに眼を細めると殺意を漲らせる。
「そうか…。それなら、何の気兼ねもなく殺せるな」
アスランは大きく軍用ナイフを振り被る。いっそ、芸風を広げて、女の振りをして悲鳴
の一つでもあげて見せれば、アスランも躊躇したかも知れないのだが、生命よりも
男のプライドの方が大事そうな彼に、そういう類の副芸を期待するのは無理だろう。
カガリは死を覚悟して歯を食い縛ったが、意外な人物がカガリの窮地を救った。


「おっと、そこまでだ、アスラン君」
その声にナイフを振り下ろそうとしていたアスランの動きがピタリと止まった。
反射的に二人が振り返った声の先には、アスランもカガリも一時的にその存在を失念
していたフレイが、イージスのコックピットから丸腰のまま這い出しきた。
「イージスの内部にプラスチック爆弾を仕掛けた。この時計の数値がゼロになる
前に特定の解除コードを打ち込まない限り、君の愛機は木っ端微塵だよ」
フレイはそのままMSの上から飛び降りると、これ見よがしに、彼の左腕に巻かれた
腕時計を模した起爆装置の存在をアピールする。デジタル数値は刻一刻と値を
減らしており、爆発まで既に二分(120秒)を切っている。
「フェイズシフト装甲とやらも、内側から爆発されたら一溜まりもないだろ?
尤も、今はPSは展開されていないみたいだけどね。さて、どうする、アスラン君?」
「き…貴様!?」
アスランは慎重にカガリの首元にナイフを押し当てて威嚇したまま、フレイを睨んだ。
とんでもない失態だ。彼が任された大事な機体の命運を敵の手に委ねてしまうとは…。

523キラ(♀)×フレイ(♂)・44−5:2004/05/20(木) 02:49
一見、形勢は最逆転したかのように見えたが、このままイージスを爆発させても、
二人ともアスランに殺されるだけだ。ここからが、フレイ(交渉人)の真骨頂だ。
「取引といかないか、アスラン君?こちらから仕掛けておいて何だけど、この無人島に
いる間は、お互いに一時休戦としないか?そうすれば、こちらも起爆を解除するよ」
フレイからの予期せぬ停戦案にアスランは眉を顰める。この不愉快な長舌族(フレイ)
は今度は一体、何を企んでいるのか。だが、迷っている時間はあまり無い。この間にも、
爆破時刻はどんどん迫っており、フレイの腕時計の数値は既に三桁を下回っている。

「やれ!、いいから爆発させろ、フレイ!」
アスランが答えるよりも先に、真下にいるカガリが、自分の立場も弁えずに大声で喚いた。
「このまま放っておけば、あのMSはまた地球の人間を大勢殺すんだろ!?
それに起爆コードを解除したら、どのみち俺達は殺されるぞ。ビクトリアのナチュラルの
捕虜は全員虐殺されたって聞いた。ザフトがナチュラルとの約束なんて守る筈がない!」
平和的な解決手段(?)を模索するフレイと異なり、カガリは玉砕の道を選んだようだ。

おいおい、命乞いをしないのは立派だけど、何、いきなり仲間意識で訴えているんだよ。
君はついさっき、僕に何をしようとしたか、すっかり忘れたのかい?
都合の悪い記憶(現実)は、直ぐに脳内から消去されるのが、性格が天と地ほど離れた
この兄妹(カガリ&キラ)に共通する数少ない特徴の一つであるらしい。
フレイは内心でそう呆れながらも、交渉成功の為に、敢えて私心を抑える事にする。
「心配いらないよ、カガリ君。キラの話によると、アスラン君は一度交わした約束を
破るような卑劣漢ではないらしい。キラが恥知らずの嘘吐きなのか、それとも、
長年、キラがアスラン君に騙されていたのでない限りは、僕らは助かるよ」
フレイは巧みに、キラの存在を盾に取り、アスランのキラへの想いそのものを
人質にすることによって、交渉をリードしようと試みた。
「どうする、アスラン君?もう、ほとんど時間はないよ。ストライクのパイロット(キラ)
ならともかく、どこの馬の骨とも判らないナチュラルの雑魚二人の首を持ち帰った所で、
イージスを失った君を、君の仲間や上官は暖かく迎えてくれるとは思えないけどね」
フレイは敢えて自分達の存在を卑下し、そう謙遜してみせる。フレイ自身は、連邦の亡き
外務次官の子息で、カガリはオーブの王子様(これはフレイもまだ知らないことだが)だ。
彼ら本人の価値はともかく、彼ら二人に付随する政治的価値はそれほど見下したもので
はないが、そんな事は、彼らと初対面のアスランに判るはずは無く、彼の脳内では、
勝ち誇った表情で、自分の失態を弾劾するイザークの様子が映し出された。
時間は既に残り一分を切っている。確かに、フレイの言う通り、このお笑い芸人達の
生命と、虎の子のイージスを引き換えにする価値はないようにアスランには思えた。


「良いだろう、取引に応じよう」
こいつら二人を取り逃がした所で、戦線には何の影響も無い筈だ。アスランはそう
自分に言い聞かせながら、忌々しさを押し殺して、敢えてフレイの手に乗ることにする。
「ザフト兵士の名誉に賭けて誓う。この島にいる間は、お前たちには、手は出さない。
だから、早く解除コードを打ち込んで、起爆を解除しろ!」
キラの名誉に賭けて誓う…と宣誓してくれた方が、僕としては安心できるんだけどな…
とフレイは思ったが、あまり図に乗って要求を上乗せし、相手の気分を害するのは得策
ではない。彼の気が変わらない内に、さっさと交渉を終結させてしまおう。
そう考えたフレイは、「了解した」と呟いてから、腕時計のパネル部分を開いて、
解除コードを入力しようとしたが、その瞬間、とんでもない邪魔が入った。
「止めろ、フレイ!」
フレイに気を取られて、隙だらけのアスランの拘束を跳ね除けたカガリが、そう叫び
ながら、フレイに体当たりを敢行してきた。どうやら彼は敵のお情けに縋る不確実な
未来よりも、確実に敵の主力MSを道連れにする現在(いま)を選んだらしい。
「き…貴様ら!?」
契約を不履行されたアスランは怒りと共に、拾った銃をフレイ達に突きつけた。
その間にも、二桁を切った起爆時間は刻一刻と減少(カウントダウン)を続け、
とうとう時計の数値はゼロ(タイムリミット)に達してしまった。

524キラ(♀)×フレイ(♂)・44−6:2004/05/20(木) 02:49
アスランは爆発に備えて反射的に身構えたが、衝撃は来なかった。

「起きなさい、私の可愛い、フレイ。早く起きないとお目覚めのキスをしちゃうわよ」

………………………………………………………………………………………………
………その代わりというわけではないだろうが、フレイの腕時計から、甘ったるい
女性の声が聞こえてきた。あまりに常軌を逸した現象にアスランもカガリも、
敵と交戦中であるという現実を忘れて暫し呆然としている。
「いやいや、こいつは恥ずかしい物を聞かれてしまったな」
傍若無人なフレイも流石に赤面して、照れ隠しに軽く頭を掻いた。
どうやら、あのカウントダウンは爆弾の起爆時間ではなく、音声入力式の目覚まし時計
のアラームらしい。この声の持ち主の女性が誰であるかは、今更、言うまでもない。

「お…お前…」
フレイに覆いかぶさったカガリは、信じられないという表情でフレイを見下ろしている。
「ハッタリだよ。君に拉致同然でここまで連れてこられた僕が、プラスチック爆弾なんて、
便利な代物を携帯しているわけはないだろ?
まあ、良く考えれば、ブラフだって簡単に判りそうなもんだけど、思考する時間を
与えなければ、ああいう荒唐無稽な脅迫もけっこう有効だったりするんだ。
君が余計な真似をしなければ、交渉(詐欺)は上手くいったんだけどね」
フレイは大きく溜息を吐き出しながら、カガリの後方を見上げている。
カガリが振り返ると、アスランがワナワナと肩を震わせながら、彼らを見下ろしていた。



「酷いな、アスラン君。何も縛ることはないだろ?武器さえ取り上げておけば、
僕たちは二人掛かりでも、君に敵わないのは実証済みじゃないか?」
「煩い!この、ペテン師が!殺されなかっただけでも、有り難く思え!」
アスランは殺意の篭もった視線で、フレイの主張を一蹴した。
フレイとカガリの二人は後ろ手に縛られて上で、仲良く彼の前に並べられている。
アスランはフレイを詐欺師扱いしたが、実際、性質(タチ)の悪い悪質な詐欺に
騙されて、不渡りの手形を掴まされたような嫌な気分だ。
こういう時、イザークだったら、衝動のままに、さっさとこの不愉快な奴らを
撃ち殺して、それで何もかも終わりにしているんだろうな。
そう考えたアスランは、一度誓約してしまった事だと…律儀に契約内容を履行しようと
する自身の御目出度さに呆れ、産まれてはじめて、自分の生真面目な性格を恨んだ。

イライラした表情で、フレイ達を見下ろしているアスラン。
不貞腐れたような表情で、ソッポを向いているカガリ。
アスランに生殺与奪の全てを握られているのに、そんな事はまるで意に介さずに、
今度はどう攻めようかと内心で密かに思案中のフレイ。

この男三人の潤いのない無人島での長い一日は、まだ始まったばかりである。

525私の想いが名無しを守るわ:2004/05/20(木) 05:07
おおお投下されてる。ちょっと感動した。ボリュームあるから
じっくり読ませてもらいます。

526私の想いが名無しを守るわ:2004/05/20(木) 08:20
久しぶりの投下ですね♪
でも・・・他はまだか・・・過去の傷の職人さんなんてひどいくらい叩かれてたからな・・・。
少し可哀相なくらい・・・。

527私の想いが名無しを守るわ:2004/05/20(木) 09:14
>>526
いい加減あんたもしつこい。
テンプレも出来たんだからそれに沿ったSSにしているのかもしれないだろ?

つーか、
>>524 名前: キラ(♀)×フレイ(♂)
実はすごく続きが読みたかったのは貴殿のSSです!
これからもがんばってください。

528私の想いが名無しを守るわ:2004/05/20(木) 09:26
>>526
投下すれば?
待ってるよ。

529過去の傷・作者:2004/05/20(木) 10:10
・・・私のSSがこれほどまでに皆様にご迷惑をかけてしまって誠に申し訳ありませんで
した・・・。
それからミリィをわざと痛めつけたいだけなのではという意見を見ましたがそんな考えは絶対にありませんので。
ただそういうふうに見られるということはそれだけ私に力がないということかもしれません。
SSの方はもう少し休ませていただきたいと思います。

530私の想いが名無しを守るわ:2004/05/20(木) 12:14
>>529
今回の事はきつかったかもしれないけど、
へこまずに創作活動頑張ってください。
>>526さんのように、貴方の作品を愛してくれている人もいますし。
落ち着かれたら又投下なさってください。

531私の想いが名無しを守るわ:2004/05/20(木) 18:16
>>529
考えがあろうが無かろうが、そう思われた時点で貴方の落ち度ですから。
言われる通り力が無かったのでしょう。出直して下さい。

532私の想いが名無しを守るわ:2004/05/20(木) 18:32
>>531
反省している職人さんに対してその言い方はないよ・・・。
大人げない発言よそう!!

533私の想いが名無しを守るわ:2004/05/20(木) 18:45
>>532
>>531の出直して来いは確かに無いと思うな。
が、意図したにせよしないにせよ、不特定多数が読無場所に投下した以上、
賛辞と批判は覚悟しないと。
>>526や貴方のように過去の傷が大好きな人もいれば、そうでない人もいる。
職人冥利に尽きると思いますよ。
批判意見と絶大な賛辞を両方聞けたんだから。
>>524 男フレイ待ってました!
フレイイラストが描きたくなるような内容でいつも楽しみにしています。
新規投下してくださって本当にありがとうございました。
続きも期待しております。

534私の想いが名無しを守るわ:2004/05/20(木) 22:27
>>531
その言い方はないだろ、荒らしか?それにしてもやけに偉そうだな。
反省している職人さんに追い討ちをかける君こそ出直してこいと言いたい!

535私の想いが名無しを守るわ:2004/05/20(木) 22:45
両者ともよそでやれ。邪魔。

536私の想いが名無しを守るわ:2004/05/20(木) 23:04
>>535
同意。
いい加減にしろ。

537ミリアリア・あの子許せない 96:2004/05/21(金) 03:56
第2部 8. 平和の国を見守って 1/14
[このオーブの町で]

オノゴロから連絡機で、海浜空港へ着いて、そこから鉄道で、さらに数十分。私は、オーブ首都の
駅に降り立った。私は駅を出て、オーブの首都の町を見つめた。私は放心したように
景色を眺めるだけだった。私の故郷に帰ってきたと言うのに。

本当に久しぶりのオーブ。以前、アークエンジェルがオーブへ寄港した時は、オーブ政府の
施設に入っただけで、外に出ることはできなかった。今は、自分の足でオーブの地に立っている。
カレッジ入学でマスドライバーからの連絡機で旅立って以来のことが、私の中に思い出される。
楽しい日々、悲しいこと。やがて、私は、それを振り払うように歩きはじめた。

久しぶりに見るオーブの町は、私の知っているものよりも静かに見えた。本来なら、ここは繁華街。
もっとにぎやかなはずだ。商店が営業していない訳では無いけど、なにか人手が少ないように思える。
やはり、戦争が近づいていることで、人が減っているのだろうか。

私は大きなカバンを持って、引きずるように歩みを進めている。中には、トールの遺品。
そして、キラの遺品。キラは生きている。これは、『私のキラ』の遺品。
昔の明るく優しかったキラはもういない。あの、MIAの時、いや、地球に降りて、あの子が
キラに接近した、あの時に、もう死んでいたのだ。

今のキラは別人。あの子に変えられた存在。
冷たく残酷な戦士。その存在は、キラの顔で、私に命令した。

── 降りるんだミリィ。そして、忘れるんだ僕のこと。忘れてしまえばいい。
── 忘れるんだミリィ!!

私は、従わねばならない。たとえ、心はキラで無くても、キラの口から発せられた言葉に、
私は逆らえない。キラを忘れなければならない。忘れる。忘れるのよ。
空港から首都に向かう列車の中で常に私の中で、何度も何度も渦巻いていた言葉。

連絡機で空港に着く直前、私の中に昔の楽しい思い出が蘇った。キラ、トール、サイ、カズイ、みんな……
私は、それを振り払うように、私の携帯電話を海へ投げた。忘れる。忘れるのよ。
繰り返し、唱えていた言葉、それは、既に私の中で一杯になっている。

── こんな僕のこと忘れてしまえばいい。ヘリオポリスの思い出だけを残して。
── 僕は、いなかったと思うんだ

「ハイ、忘れましたキラ。忘れました」

私の口元には笑みが浮かんでいる。キラの命令に従う。それが、私の幸福だ。それは、いつか
私の体にも至福をもたらしている。幸福だわ。幸福よ。

(いいの、本当にこれで? こんなので、いい訳無い)

ただひとつ抵抗する心が、キラの遺品を無断で持ち出させた。悪いことだという実感は無い。
どうするかなど考えていない。矛盾する心のまま、私はひたすら歩みを進めている。

連絡駅にたどりついた。これからトールの両親に会いに行く。トールの遺品を渡すために。
これも、キラの命令。そして、艦長の願い。私の贖罪。

列車に乗る。ここも人は少なくかなり席は空いている。椅子に座り、大きなカバンを隣に置く。
発車時間まで、窓から駅をぼんやりと見つめる。アークエンジェルのブリッジから、宇宙を、
そして、地球の青い空を眺めていたことを思い出す。一緒に見つめていたトールのことを。

トール、私、これでいいのよね。私、トールをお父さん・お母さんに返す。これで許してくれるよね。
これで、また、私、歩きだせばいいんだよね。

これから、私は、どこへ行こう。誰と歩けばいいんだろう。キラは忘れなければならない。
サイ。サイならいいよね。トールも、そう思うでしょ。私、自分の両親捜して、戦争から逃げて、
ひたすらサイを待てばいいんだよね。

列車のベルが鳴った。私の新しい日々が始まる。その第一歩が。
発車ベルとともに、列車に走り込んでくる人がいた。列車は動きだした。
走り込んだ人は、私のいる車両に入ってきている。興味の無い私は、窓の外の流れる景色を
ずっと見つめている。と、その入ってきたらしい人が、私に話しかける声がした。

「ここ、席空いてんのか」

私の正面の席なら空いている。

「ええ、どうぞ」
そう言った私は、それが聞き覚えのある声だということに気づいて、車内に目を向けた。

「ディアッカ!」
「ミリアリア! こりゃどういうことだ」

私がアークエンジェルを降りる前日、捕虜から釈放されたディアッカ。艦からオーブに移されて、
そこで自由の身になった。多分、ザフトへ帰るだろうから、もう会うことは無いと思っていた。

でも、私とディアッカは、また再会した。このオーブの町で。

538ミリアリア・あの子許せない 作者:2004/05/21(金) 04:04
「ミリアリア・あの子許せない」ならびに「ザフト・赤毛の虜囚」の作者です。
今回のがSSでは最後の投下になります。ミリィとディアッカの再会だけは、小説として
公開したかったので、投下させていただきました。

避難所及び継続スレで続けられていた議論静観しておりました。方向的には他キャラへの
配慮ということでしたが、その前のフレイ以外のキャラを改変して扱うのは、個人サイト向きで、
この板では好ましく無いという意見もあり、私のミリィSSは、これに該当します。
実際、過去に投下したものも、あまりいい扱いをしていたとはいいがたいですし、
基本設定の変更で、ミリィ以外のトールやサイと言ったキャラへも、あまりいい扱いでは
無かったと反省しています。従って、私のSSはここで中断させていただきます。

フレイSSだけというのは、以前も書いたことがある通り、私の腕だと、描写が一面的に
なりますし、こちらも妊娠などの微妙な話題を扱っていますので、こちらも合わせて中断いたします。

私が現在持っているサイトは、自分で著作権を侵害しない創作デザインの模型を謳っている関係上、
二次創作小説を置く訳にはいきませんので、置くならば新たにサイトを借りることになります。
しかし、これから忙しくなる関係上、いつになったらできるか疑わしいものがあります。

また、議論では個人サイトの方が自由にできて合理的だということですが、個人サイトであっても
制限が無い訳では無いと思います。ただ、その風当たりが板全体から個人になるだけの話で、
自分で、それを、こなせないと判断するならば諦めざるをえません。

それと、ここで連載していたものを、個人サイトへ移ったからと言って制限を外して書けば、
やはり、フレイ板に風当たりが返るでしょう。おそらく、制限がかからなくなってしまう
自分を危惧する私は、このまま、消えた方がいいと思います。

何も無しに中断するのは、読んでいただいていた方にも失礼なので、以下、決まっていた範囲の
プロットを公開します。全ては、小説になっておらず、また、展開を迷っていた部分も
少し残っています。

539ミリアリア・あの子許せない 作者:2004/05/21(金) 04:07
「ミリアリア・あの子許せない」ならびに「ザフト・赤毛の虜囚」の作者です。
今回のがSSでは最後の投下になります。ミリィとディアッカの再会だけは、小説として
公開したかったので、投下させていただきました。

避難所及び継続スレで続けられていた議論静観しておりました。方向的には他キャラへの
配慮ということでしたが、その前のフレイ以外のキャラを改変して扱うのは、個人サイト向きで、
この板では好ましく無いという意見もあり、私のミリィSSは、これに該当します。
実際、過去に投下したものも、あまりいい扱いをしていたとはいいがたいですし、
基本設定の変更で、ミリィ以外のトールやサイと言ったキャラへも、あまりいい扱いでは
無かったと反省しています。従って、私のSSはここで中断させていただきます。

フレイSSだけというのは、以前も書いたことがある通り、私の腕だと、描写が一面的に
なりますし、こちらも妊娠などの微妙な話題を扱っていますので、こちらも合わせて中断いたします。

私が現在持っているサイトは、自分で著作権を侵害しない創作デザインの模型を謳っている関係上、
二次創作小説を置く訳にはいきませんので、置くならば新たにサイトを借りることになります。
しかし、これから忙しくなる関係上、いつになったらできるか疑わしいものがあります。

また、議論では個人サイトの方が自由にできて合理的だということですが、個人サイトであっても
制限が無い訳では無いと思います。ただ、その風当たりが板全体から個人になるだけの話で、
自分で、それを、こなせないと判断するならば諦めざるをえません。

それと、ここで連載していたものを、個人サイトへ移ったからと言って制限を外して書けば、
やはり、フレイ板に風当たりが返るでしょう。おそらく、制限がかからなくなってしまう
自分を危惧する私は、このまま、消えた方がいいと思います。

何も無しに中断するのは、読んでいただいていた方にも失礼なので、以下、決まっていた範囲の
プロットを公開します。全ては、小説になっておらず、また、展開を迷っていた部分も
少し残っています。

540ミリアリア・あの子許せない ザフト・赤毛の虜囚 プロット 1/7:2004/05/21(金) 04:10
●ミリアリア「平和の国を見守って」

ディアッカと再会したミリアリアは、二人連れ立ってトールの両親の家を訪れ、遺品を返す。
その時、自分のせいでトールを死なせたという罪の意識と、ザフトへの憎しみが再燃してしまう。
ディアッカから、具体的な憎しみの対象であるアスランの名を知り、その憎しみを胸の内にしまい込んだ
墓前に祈り、トールの家に一泊したミリアリアは、さらにキラに惹かれていることを
隠してトールと付き合っていた罪悪感への贖罪に、トールの家に娘として置いてくれるよう懇願。
キラの「トールを弔い」「自分を忘れろ」という二つの命令を守っていくことを決意する。
しかし、ミリアリアにとっては、キラを忘れることは、同時に三人でいたトールの思い出も
忘れるという矛盾した命令だった。ほとんどの思い出を失い追い詰められたミリアリアを
救ったのはディアッカの、なにげない言葉だった。
「忘れちまえよ、そんなこと。キラってやつとの約束の方さ」
トールの母の暖かい言葉で、再び立ち直ったミリアリアは、トールの家を後にする。だが、
アスランへの暗い想いは胸に秘めたままだった。

●フレイ「暗雲」

フレイはミコトを部屋に入れて話をするうちに、ミコトの目の前で、メルデルへ意識を遷移
してしまう。一時的に放心状態になったフレイを心配するミコトは、そのことで、パナマ戦後の
惨殺に立ち会っていたことをフレイに伝える。フレイは人を殺すのはいけないことだとミコトに教え、
部屋を送り出す。

ミコトを見送った後、フレイは通路でのザフト兵の雑談を聞き、クルーゼの書類整理を
手伝っている自分は、既にザフトから釈放される望みが無いことを知る。さらに、ザフト兵に
見つかりそうになるのを、通りかかったイザークに救われたものの自分の今の境遇を知り、
フレイはベッドに潜り込んで震え続ける。

●メルデル「暗雲」

カリダはユーレンに手術を受け、念願のウズミとの初体験を果たした。
メルデルとカリダは妊娠・出産・育児について語り合うが、その時、ブルーコスモスの
パトロンであるサトゥルノ・アズラエルに会い不快感を抱く。その後、ウズミはユーレン、
メルデル、カリダを呼び、アズラエルと袂を分かつことを伝える。大西洋連邦のユーレンの
故郷の田舎町へ逃亡を決めたユーレン、メルデル、ムウの親子。別れを惜しむカリダに、
ウズミはこの親子を守り、安全を見届けるよう命じた。

事情を理解できないメルデルは、ベッドでユーレンを問い詰める。「ムウの前で黙ってるの」
メルデルはユーレンの研究がクローンであり、その一環として人工子宮を手がけていたことを知る。
アズラエルは人工子宮を、代理母、卵子売買の生殖産業ビジネスに利用しようとしていた。

※ サトゥルノ・アズラエル (オリキャラ、ムルタの父)

541ミリアリア・あの子許せない ザフト・赤毛の虜囚 プロット 2/7:2004/05/21(金) 04:13
●ミリアリア「どうしてキラが好きなのか」

ミリアリアは黙って持ってきたキラの遺品を両親に返すことにした。ディアッカと話し合ううちに、
ミリアリアは、なぜキラを好きになったのかをディアッカに話す。
「キラはね、お兄さんに似ているの」
それは、幼い頃両親が不在がちなミリアリアの面倒を見てくれた近所のコーディネータの青年だった。

お兄さんに恋心を抱くミリアリアは、やがてプラントへ行き、婚姻統制で結婚して去って行った
お兄さんへの辛い失恋を経験する。ネット世界に逃避する荒れたハイスクール時代を過ごした
ミリアリアは、カレッジでトール、キラと出会い、お兄さんにそっくりの容姿のキラに惹かれる。
コーディネータでありながらナチュラルのミリアリアに暖かく接するキラに、ミリアリアは恋心を
募らせるとともに、自分の荒れた趣向をキラに知られまいと隠し続けていた。だが、結局、
お兄さんと同じく失恋を味会うことになった自分を悲しむ。
このことは、ディアッカには話さなかったものの、封印していた記憶を思い出したことで、キラの
命令の呪縛が、また薄まることになった。

● メルデル「奈落」

逃亡したメルデルらはオーブの空港で、アズラエルの手下に追われ、ユーレンは二人から離れる。
残されたメルデルとカリダに、ヒイラギ所長から情報を得たヴィアが迫る。男言葉は、なりを潜め、
女言葉のままメルデルとカリダを激しく罵倒するヴィアは、ユーレンを侮辱されて興奮したカリダを
突き飛ばした時の事故で、カリダの手術跡を悪化させてしまう。怒りのヴィアに加え、苦しむカリダと
泣き出すムウ。追い詰められたメルデルに、不思議な力で、ユーレンの手の感覚が繋がった。
手に伝わるユーレンの心臓の鼓動に勇気づけられたメルデルはムウを泣きやませ、カリダに
救急車を呼び、ヴィアを妻の資格は無いと言い負かす。だが、その後、ヴィアの後を付けた
アル・ダ・フラガに、メルデルとムウは捕らえられ、連れ去られてしまう。

● フレイ「奈落」「背徳」

フレイはクルーゼにプラントに秘書として同行することを告げられる。連合服からザフトの制服に
着替えるように言われ、フレイは抵抗するが、寝ている間に遷移したメルデルの辛い記憶のために
汗ビッショリになった体をシャワーで洗う間に、連合服をクルーゼに奪われてしまう。
フレイはクルーゼの前に肌を晒し、連合服を返すよう約束を迫る。クルーゼは、フレイの胸に、
まるで赤子のように縋った。(これは、実は子供のころのラウにメルデルがしていたことだった)
その時、クルーゼに発作が起こり、連合服を返す約束は守られることは無かった。

ザフト制服を着るのを拒否するフレイは、下着姿のままベッドに臥せっていた。
フレイは、キラのメモリチップによる癒しを得ようとするが、ビデオメールの最初の
「裸になったろ……」の言葉がクルーゼとの背徳感を思い出させ、メモリチップの癒しさえ、
一時的に封印されてしまう。

542ミリアリア・あの子許せない ザフト・赤毛の虜囚 プロット 3/7:2004/05/21(金) 04:17
●フレイ「弱虫」

ベッドに失意のままのフレイは、こんな想いをするのなら、キラはミリアリアを選べば良かったと
思うようになる。砂漠から太平洋に出る直前のキラとの逢瀬で、ミリアリアとトールの馴れ初めを
聞いた時、ミリアリアとキラに告白を思わせる出来事があったと聞いたこと思い出す。だが、
実際には告白は無く、その後、ミリアリアはトールが好きとキラに告げ、トールからの告白を
受け入れたことをキラに聞いていた。だが、フレイはミリアリアが今だキラに想いを残して
いることから、ミリアリアに対するキラの想いまで疑い始めていた。

悩むフレイを尋ねたミコトは、どうしてもザフト制服を着ないフレイに弱虫と言い放つ。
それをフレイは、キラに対して弱気になっていることへの叱咤とも受け取っていた。

●ミリアリア「風が私を押してくれたら」

ミリアリアは、オーブ開戦直前の避難状況の中、キラの両親を捜し出す。キラの遺品を見た
キラの母カリダは、ミリアリアにキラへの想いを聞く。既にキラに好きな人がいると伝える
ミリアリアに、カリダは、かつて自分が運命で結ばれた二人のために、ついに相手に
伝えることができなかった想いをダブらせ、「運命になんか負けちゃダメよ」と声援を送る。
キラの命令の呪縛が完全に消えたミリアリアはキラの遺品箱を抱きしめ「キラを忘れられる訳無い」
と再確認する。

オーブの平原で風の舞う中、ミリアリアはヘリオポリスのゼミ旅行のキャンプで、キラに
告白できなかったことを思い出していた。風が私を押してくれたら……

●メルデル「背徳」

アル・ダ・フラガは、捕らえたメルデルとムウを人質にユーレンを脅迫し、メルデルの卵子を
用いて、自身のクローンを創らせる。妊娠を煙たがる代理母がクローンのラウを育てる一方、
フラガは用済みとなったメルデルに手術を施し子供を産めなくしてしまう。

3年後、フラガはアズラエルらと組み、生殖産業を立ち上げる秘密の会合に、メルデルを
連れてきていた。そこでメルデルは偶然にも3歳になったムウと短い再会を果たす。
会合中にブルーコスモスのアズラエルに与しない残党による暴動が起こった。
それに加わっていたユーレンとカリダにメルデルは救われる。だが、ムウも救い出そうとする
メルデルらの前に立ちふさがったのは、アズラエルの秘密工作員ブーステッドマンの三人だった。
その三人に、カリダの先輩だったブルーコスモスの残党達は惨殺される。ムウも巻き込まれ
死んだものと思い込むことになる。かろうじて脱出したユーレン、メルデル、カリダ。
ムウを失ったことと、再び虜囚生活を送っていた背徳感からメルデルはユーレンを拒否する。
カリダはメルデルを励まそうとするが、カリダ自身もヴィアとの事故で、再び、子を持てない体に
なっていた。

543ミリアリア・あの子許せない ザフト・赤毛の虜囚 プロット 4/7:2004/05/21(金) 04:20
●ミリアリア「体ごと胸に預けて」

再びキラの遺品を手にしたミリアリアは、それが入ったバッグをバイクの男にひったくられる。
ディアッカのバイクに乗って追いかけるミリアリアは、いつしかミナシロの市街地に来ていた。
ミナシロPARKSの屋上でバイクの男を追い詰めたディアッカとミリアリアは、ついに
キラの遺品を取り戻す。だが、そこでオーブへの大西洋連合の攻撃が開始された。
無人の町を逃げ惑う中、レイダーとフォビドゥンのミナシロ攻撃に巻き込まれたミリアリアは、
炎の中にキラの遺品を失う。呆然とするミリアリアを、ディアッカはミナシロの震災避難所に置いて、
故障して放置されたM1アストレイに乗り、カラミティを加えた3Gに一人立ち向かう。
その様子に意識を取り戻したミリアリアは、通信社のビルから救援の通信を飛ばす。
それは、なんとオノゴロのアークエンジェルまで繋がった。そのことで、Nジャマー
キャンセラーが働いていることに気づいたミリアリアは、通信社のビルからキラのフリーダムが
近くにいることを見つけ、キラに通信で叫ぶ。しかし、フリーダムは、Nジャマーキャンセラーを
稼働したことで、ザフト特務隊のジャスティスに発見され、交戦中だった。
そして、通信で居場所が見つかったミリアリアはフォビドゥンの攻撃で通信社のビルの破壊に
巻き込まれる。

死んだと思っていたミリアリアは、強烈な振動で目を覚ます。そこはフリーダムのコクピットの
キラの胸の中だった。キラはディアッカの乗るM1を助け出すが、3Gとジャスティスの攻撃の中、
ミリアリアをディアッカに託すことはできなかった。戦い中の荒々しいキラの様子に戸惑いながらも、
ミリアリアは体ごと胸に預けてキラとともに戦い続けることになる。

●フレイ「奇縁」

フレイが捕らえられている潜水艦クストーはオーブ戦の偵察のため、領海付近の海底に潜んでいた。
フレイは、クルーゼがオーブ偵察に飛ばしたピーピングアイでミナシロが戦果に巻き込まれて
いく様子を見る。ミナシロの町での出来事を思い出していたフレイは、そこで、知らないうちに
トリィと出会っていたこと、キラに初めて会って言葉をかわしたこと。そして、ミナシロPARKS
屋上で親しそうに話をし、入り込めない絆を感じたアベックが、キラとミリアリアであったことに
気がつく。さらに、ピーピングアイの映像は、ミリアリアがキラの遺品を失う様まで捉え、自分の
持ち去られた連合服とともに、キラの連合服まで炎に包まれて消えて行くのを見てショックを受ける。

ミリアリアがザフトのパイロットスーツを着た人物に救い出される様子を映像で見ていた
クルーゼは、友達に一言だけ通信してみろと、フレイの名をNGワードにした電文を一つ
送信することを許可し、フレイを部屋に一人残して、司令室へ戻った。

544ミリアリア・あの子許せない ザフト・赤毛の虜囚 プロット 5/7:2004/05/21(金) 04:25
●ミリアリア「キラの胸で拭った」

激しい戦いの中、ジャスティスが破壊して崩れるビルの爆煙に紛れ、フリーダムとジャスティスは
ワイヤーで結ばれた状態で、崩れたアーケード街に隠れた。そして、ジャスティスに乗るアスランは
ワイヤーでの有線通信でキラに話しかけた。映像に切り替えたアスランは、キラに抱きつくミリアリアを見て、
ミリアリアがキラの恋人であり、このためにキラが連合に味方していたと思い込む。ミリアリアは、
アスランを前にしてトールを殺された憎しみを思い出し、呪詛の叫びをアスランに投げかける。
だが、キラはトールとニコルを失い復讐に狂った二人を、すでに戦争では無い私闘だったと、
アスランに告げる。そして、憎しみの連鎖を断ち切らない限り、戦いは終わらないと諭す。
ミリアリアは、それにトールの母の言葉を思い出し、キラの胸でトール追悼の涙を拭う。

Nジャマーキャンセラーの意見、戦犯となったラクス、これからの戦争に対する意見、結局、
アスランとキラは相容れることなく、再び二人は別れ、戦いに戻る。

3Gの無茶苦茶な攻撃で、既に廃墟と化そうとしているミナシロ市。
ミナシロを脱出しようとするキラ。故郷が破壊されるのを見捨てるのと迫るミリアリア。
その二人にカラミティが立ちふさがる。カラミティはスキュラの弾幕でフリーダムの攻撃を
無効化し、さらにバックアップ電源車の供給でエネルギー切れを知らずに攻撃し、フリーダムは
押され始める。苦戦するキラはミナシロの町に潜むザフト特務隊のラゴウを発見し、カラミティと
やり合わせる隙に、原子炉を落とし、Nジャマーキャンセラーを停止させて、特殊装備の
ミラージュコロイドを発動させる。ストライクの武装であったアーマーシュナイダーと
ソードストライカーのパンツァーアイゼンを携行していたフリーダムは、姿を消した状態で、
バックアップ電源車に近づき、アーマーシュナイダーで、これを破壊。カラミティを敗退させる。

襲い来るレイダーとフォビドゥン。町を破壊しながら高速で追撃するレイダーに
パンツァーアイゼンを打ち込んだフリーダムは、これでフォビドゥンまでも搦め取って、
動きを封じ、この二機を敗退させた。

だが、残るアスランのジャスティスに加えて、隠れていたザフト特務隊のラゴウ、ディン、
そして、グーン爆撃飛行型の攻撃にフリーダムは原子炉を再起動するチャンスも無いまま、
オーブ領海線近くまで追われ、ようやく海中に逃れる。

深海に隠れたフリーダムは、そこで、オーブ領海線付近に潜んでいたザフトの潜水艦クストーに接触する。
クストーからのグーン、ゾノの応戦に、フリーダムはクスィフィアス・グレイブしか使用できる
武器が無く、原子炉の再起動も、ままならない中、バッテリのみのエネルギーで対峙することになる。

※ クスィフィアス・グレイブ
オリジナル武器。クスィフィアス・レールガンの砲身にシュベルトゲベールの実体刃と高周波振動子を
接続したナギナタ状格闘兵器。アークエンジェルのデッキでキラがフリーダムに篭っている時に製作した。

●フレイ

潜水艦クストーにフリーダムが接近し、スクランブルが発令される中、ミコトはフレイに、
「パパがいるよ」と告げ、今だ失意の中にいるフレイに「パパを連れて来る。元気出してママ」と
言い残して出撃する。

●ミリアリア

ロングレンジ攻撃主体のグーンに、ショートレンジの武器しか持たないフリーダムは苦戦する。
さらに、フリーダムの攻撃を巧みにかわす強敵のグーンに懐に入られ、潜水艦まで引きずられて行く。
その中、接触通信でのグーン・パイロットの声。
「パパ、パパでしょ。ママが泣いてるの、一緒に来て」
戸惑うキラとミリアリア。
グーン・パイロットはミコトだった。ミコトは、パパが別の女性と一緒にいることにショックを受ける。

一瞬をついて、フリーダムはミコトのグーンから脱出。カズイのホームページにあったミナシロ旅行時の
海洋プラントの写真をフリーダムの記録メモリから引き出したキラは、それにあった放棄された
海洋プラントの居住ブロックに入り込む。追う、グーン、ゾノ。フリーダムは、居住ブロックの入り口に
引きつけた敵に対し、内部からバラエーナ・ビーム砲を放ち全滅させる。だが、それで、バッテリの残りを、
ほとんど使い果たしてしまった。

ミコトは間一髪、イザークの乗るゾノに救われて無事だった。パイロットの命までも奪ったパパに、
ミコトはフレイの人を殺してはいけないという言葉への矛盾に心を悩ませる。

545ミリアリア・あの子許せない ザフト・赤毛の虜囚 プロット 6/7:2004/05/21(金) 04:31
●フレイ「電文」

フレイは、部屋のモニタから苦しいフリーダムの戦いを見ていた。それは、砂漠のころ、泣きそうに
なりながら必死で戦っていたキラを思い起こさせた。そして、キラにミリアリアのことを聞いた
記憶は、自分がキラの部屋から離れられなくなり同棲していく過程でもあったことを思い出す。
フレイは、自分はミリアリアに負けていない、キラとの絆は大きかったことを自覚する。

もしも、あのモビルスーツ・パイロットが実は生きていたキラだったら。そう思ったフレイは、
クルーゼが許した電文に、あるメッセージを込めて送り出す。
「Kizashi kiZashi 私はプラントに行く」

「Kizashi kiZashi」= 「キザシ(兆)とキザシ(萌)」
それは、アークエンジェルで同棲状態になったキラとフレイ二人の部屋のドアのパスコードだった。

●ミリアリア

キラは電文を受け、フレイが潜水艦に居ることに気がついた。だが、時既に遅く、フリーダムの
バッテリは稼働限界に来ていた。深海に沈んで行くフリーダム。キラはミリアリアに、
「キザシ(兆)とキザシ(萌)」の意味を語った。ミリアリアも、キラの好きだった、
この二つの漢字に特別な思い入れを抱くことになる。

●フレイ「希望」

電文の返事は来なかった。だけど、フレイは、その電文を受けたことで、微かな反応を見せた
フリーダムに、キラが生きているかもしれないという希望を託した。
「私は、くじけずにキラの想いを継いで生きていく。キラ、もし、生きているのなら、追ってきて……」

ミコトはフレイのいる部屋に失意のまま帰ってきた。パパを連れて来れなかったと寂しそうに
話すミコトをフレイは励ます。そして、ミコトの前で、ザフトの制服を身につけた。

フレイは、ミコトにパパのことを話してあげると言い、少しずつキラのことを話しだした。
ミコトは、その話を聞き、パパが人を殺したことの矛盾をフレイに問いかけるが、フレイも
明確には答えられない。ただ、迷っていたキラの想いのみ伝えた。ミコトは、戦闘で人命を
奪う矛盾への葛藤から、子供の心を脱し、徐々に大人の心へと成長して行く。

●ミリアリア「もう、迷わない……」

深海の底で、無言のキラとミリアリア。やがて、ポツリポツリと互いの想いを話しだす中、
ミリアリアは、変わったキラの奥底に、以前と変わらないキラが隠れていたことに気がつく。
自由の翼に乗りながら、心を縛られるキラは、周りには人当たりの良い態度を見せていたが、
実はミリアリアに見せていた辛い態度こそが、本来の優しいキラの裏返しだった。

キラへの想いを高めていったミリアリアは、今までキラに隠していた自分をさらけ出す。
キラも、フレイを激しく求めていた。キラはフレイを想い、ミリアリアは、そのキラの
イメージのフレイを自分に置き換え、触れ合うことなく、ただ赤裸々な言葉だけを交わし合う。
ミリアリアは自分がキラに隠していたことは、既に意味が無かったことを悟る。

一晩休ませたバッテリの、わずかの電力を使って、キラはNジャマーキャンセラーを作動させ、
原子炉を再起動した。再び翼を広げたフリーダム。キラとミリアリアは、通信で、オーブが
大西洋連合を退け、つかの間の勝利を得たことを知る。しかし、ミナシロに戻った二人が、
そこで見たものは、一面廃墟の町だった。その中で、ミリアリアはキラに言う。

「ねえ、キラ。町も世界も変わって行くのね」
「ああ、そうだ。これからも、どんどん変わって行く。心さえも。でも、心が求めるものは変わらない」

「そうね、私も変わる。変わって行く。私は変わっていくことが恐かった。
 でも、もう恐れない。いくら変わっても、私にも変わらないものがあるから」

キラは、再びミリアリアに命令する。

「ミリィ、君は逃げてくれ。戦争の無い世界へ。そして、今度こそ僕を忘れてくれ。
 こんな酷い僕なんか覚えている必要はない」
「イヤ」

「聞くんだミリィ、僕を忘れろ!」
「イヤ!」

「ミリィ、ハイは?」
「イ! ヤ! 絶対イヤ!!」

いくら命令しても無駄。私は、もうキラの命令になんか従わない。

「キラ、私も行く。アークエンジェルのCICで戦う。変わらないもののため戦う。キラと一緒に」

ミリアリアは、キラの胸に体ごと預けて思った。もう、迷わない……

546ミリアリア・あの子許せない ザフト・赤毛の虜囚 プロット 7/7:2004/05/21(金) 04:32
●フレイ「希望」

ザフトの制服を身につけたフレイは幽閉されていたクルーゼの部屋から、外へ歩みだした。
クルーゼに誘われ、クルーゼ隊のメンバーに紹介される。
キラを継ぐ資格。フレイは、それを密かに「キザシ」と名づけた。キラが生きているかもしれない。
単に思い込みかもしれないが、フレイは、それを希望として、キラを継いで生きていこうと思った。
そんな、フレイを、無関心そうに振る舞うイザークと、笑顔を取り戻したミコトが出迎えた。

●メルデル「希望」

ユーレンは、ムウを失ったメルデルを励ますため、新たな子をもうけようとする。
既に子を持てなくなったメルデル、カリダも含む同様の境遇の女性、そして不妊治療も含めた
目的で、ユーレンは人工子宮を完成させることを決意し、そのために、コロニーの研究所に
戻ることを告げる。
「ユーレン、信じていいのね」
メルデルはユーレンと再び体を合わせた。そこで、メルデルはユーレンの体にできた無数の傷に
気がつく。ユーレンは、アズラエルのブーステッドマンに襲われ、傷だらけになりながらも
命を拾ってきていた。

寝室を出たメルデルは、カリダが寂しそうに部屋の戸の前にいたことに気がつく。
カリダにも、なぜ仲直りしたメルデルとユーレンに心がざわめくのか分からなかった。

547ミリアリア・あの子許せない 作者:2004/05/21(金) 04:40
ここまでが、「ミリアリア・あの子許せない」第2部、「ザフト・赤毛の虜囚」前半の
プロットです。プロットだと省略してしまいましたが、ミリアリアがキラと再会するまでの間、
ディアッカとミリアリアの会話は、配慮抜きでも、かなり多かったと思います。

ただ、他には、結構、キャラの扱いが悪かったり、陰惨、破廉恥なところは、かなりあります。
なんとか押さえようと模索していましたが、すべて配慮しきれるものでは無かったと思います。

この後の展開は、明確に決まっていた訳ではありません。

メルデルの今後のストーリーは、構想はありましたが、かなり錯綜したものとなっていて、
プロットが膨大になりますし、やはり、この板には、そぐわないものだと思うので、公開は
見合わさせていただきます。

途中、提示したフレイの親友のテーマは、この先のミリアリアが担うことなっていました。
以下が、そのために構想していた台詞です。Nジャマーキャンセラーに絡めたものになっています。
正確には、Nジャマーキャンセラーの設定変更が先にあって、この展開に辿りつきました。

* * *

最終戦直前、ジェネシス攻略のため、アークエンジェルとドミニオンは一時的に同盟を結ぶ。
ナタルとフレイは連絡艇でアークエンジェルに赴き、マリューらと再会する。キラ達は、
すでに前線に向かった後だった。サイに自分のことを謝るフレイ。フレイはキラの部屋で、
トリィとも再会し、自分が降りた時そのままの部屋の様子に感激する。そして、その部屋を尋ねた
ミリアリアと話し合う。

「私が運んだNジャマーキャンセラーの情報から、こんな悲惨な戦いになったんだもの。
 自分が許されないことは分かってる。だから、戦いにも出たし、それで、もし、キラが
 私を許さないなら、それで仕方ないと思ってる」

「キラは許すと思う。キラもNジャマーキャンセラーの十字架を背負っているもの。
 キラが今乗っているモビルスーツ・フリーダム。あれはNジャマーキャンセラーが搭載された
 ザフトのもの。キラは、そのために、たくさん人を死なせてきた。自分でも手に掛けた。
 キラの手は血塗られていると、いつも嘆いていた。フレイのこと、いつも悲しんでた。
 フレイは怒るだろうけど、本当のことを言えないって」

「キラ…… 私、そんな訳無いじゃない」

「フレイ、そんなに悲しいことばかりじゃない。知ってる? Nジャマーキャンセラーって、
 人と人を繋ぐものでもあることを」
「え! どういうこと?」

「Nジャマーキャンセラーはね、Nジャマーの通信妨害も消すの。今まで、話もできなかった
 遠くの人とも話ができるようになるの。いつもキラと話ができるの」
「そんなの知らなかった。核を使えるようにするものだとばかり思ってた」

「使い方なの。どんなものも使う人によって変わるの。私は、早くからキラとNジャマー
 キャンセラーを使ってきたから、それが分かる。キラが飛んだ場所はしばらく通信ができるし、
 Nジャマーキャンセラー同士だと、無線が使えなくても、お互いの居場所が分かる。
 私とキラとを、いつも繋げていたの。多分、あなたでもできる」

「本当なの?」

「キラの使っている通信の暗号パターンを教えるわ。これで、キラと話できるはず」
「いいの、ミリアリア」

「うん、じゃないとフェアじゃ無いような気がするから」

フレイとミリアリアは、戦後、キラを、どちらがものにできるか張り合うことを約束し、
フレイはドミニオンに戻る。

その後、一向に攻略できないジェネシスに痺れを切らしたムルタ・アズラエルの命令で、
ドミニオンはプラントへの核攻撃のため、再び、アークエンジェルと袂を分かつことになる。

* * *

以上の箇所は、やりたいという意思はありましたが、それまでに大量のエピソードを、
こなさないいけなかったため、実際に人目にだせたかどうかは分かりません。

548ミリアリア・あの子許せない 作者:2004/05/21(金) 04:46
・「オーブ・フレイの心」「ザフト・赤毛の虜囚」
・「ミリアリア・あの子許せない」
・「コスプレ」(短編)

これらは、いずれも、私がTV本編最終回放映直後に投下した「クローン・フレイ」に繋がる
補完となり、全体として「真クローン・フレイ」というべきものを構成していました。

結果的に、この「真クローン・フレイ」でのヒロインは、フレイとミリアリアの二人となりました。
さらに、フレイのオリジナルであるメルデルのストーリーでは、メルデルは途中で亡くなりますが、
カリダに加えてヴィアも、フレイらと同じ時点まで生き残り、二つの時代のストーリーを繋げて
いくつもりでした。フレイだけでは話が進まなくなってしまっていました。

一人称小説でありながら、複数を並行させることで、全体をカバーしようとして、結果的に
群像劇となってしまったのが、私のSSが、この板にふさわしくなくなった原因でしょう。
他の方は、真似しない方が良いと思います。制作面でも、執筆の分量、関連する箇所の調整、
投下順序の決定など、いろいろと大変でした。でも、一つの事象を複数の視点で見ることで、
書いていて、本当に楽しかったのも事実です。

しばらくは、この板として、ふさわしい作品が、どんなものなのか静観させてもらいます。
私も、また、ふさわしい作品ができたと思ったら、寄らせていただきます。

私の拙い文章を読んでいただいてくれた方、ありがとうございました。

最後に、この「真クローン・フレイ」の終章として考えていたもののプロットを以下に掲載して
終わります。

● 真クローン・フレイ終章 「キザシとキザシ」

戦争が完全に終結してから、さらに数年が経ったある日。
一人の少女が停留所でバスを待っていた。その時、近くで待ち合わせをしていた少年に、
車で乗りつけた若い女性が声をかけた。その声に、振り向いた少女は、その少年が自分と
同じ名前であったことを知る。それをきっかけに話をし、二人とも空港に親を迎えに行くことを
知った少年は、同じ名前を持つ少女を車に同乗させた。
運転する女性を少年は、「ミコト姉さん」と呼んだ。

空港に着いた二人は、ゲートから、自分達の親が仲良く話しながら、連れ立って出て来るのに
目を丸くする。

「母さん?」
「お母さん、これ、どういうこと?」

「嘘、キザシが……」
「キザシ? えー、信じられない」

少年の名はキザシ。少女の名もキザシ。

キザシとキザシ。 キザシ(兆)とキザシ(萌)。
それは、かつての二人の物語の扉を開くパスコード。
二人のキザシが出会う時、新たな物語の扉が開くのか。それは、また別のお話。

549流離う翼たち・作者:2004/05/21(金) 21:59
とりあえず避難所の議論は目を通しました
他キャラへの配慮、という点では私もSSもファウルな気がしています
何しろ、ここから先でもキャラが死にますし、本編とは運命が変わる人も多いですし

そういうわけで、ここでの連載は諦め、個人サイトで続きを書くことにします
これまでどうもありがとうございました。

550私の想いが名無しを守るわ:2004/05/21(金) 22:19
>>549
SSいつも楽しみに読んでたのですが、撤退本当に残念です。
あなたのSSのフレイ様や、キラ、カガリ、ラクス、アスラン
そしてオリキャラのキースなどなど、どのキャラも好感持てて
好きでした。(今も好きです)個人サイトでの連載は続けられる
とのことなので、そちらで拝見させてもらいます。お疲れ様でした。

551過去の傷・作者:2004/05/21(金) 22:26
皆様申し訳ありません、私の連載も打ち切らせていただきます。
皆様に迷惑をかけた時点で考えていたことでもあります、これまで私のような作者に付き合っていただきありがとうございました。
私のサイトはSEED関連ではありませんので、もしかしたら、大幅に内容を変えて連載の続きを投下するかもしれませんが。
最後に・・・ばれてしまいましたね、女ということ・・・実は私・・・ただのSEED好きな女子高生でした、すいません。

552私の想いが名無しを守るわ:2004/05/21(金) 22:34
>>549
私もいつも楽しみにしていました。
個人サイトまで追っかけさせていただきます。

553私の想いが名無しを守るわ:2004/05/21(金) 22:38
>>549
そうですか残念です、個人サイトまで見に行かせていただきます。
>>551
やはり続けるのには無理があるよね・・・でも本当に女だったとはね・・・女子高生だったのには驚きました、連載の続きいつでも投下してください、もう来ないかもしれませんが。

554散った花、実る果実51:2004/05/21(金) 22:41
「ラクス・クラインは利用されているだけなのです。その平和を願う心を。その事を、私たちは知っています。だから私たちは、彼女を、救いたい。彼女までを騙し、利用しようとするナチュラルどもの手から。そのためにも、情報を、どうか彼女を愛する人たちよ・・・・・・」
エザリア・ジュールの演説によって、ザフト兵の心理状況はいくらか安定しているようだった。最も、それは私にとってはありがたくはない、『反ナチュラル』という一言にまとめられるものではあったけれども・・・・・
「やっぱりなあ。あの優しいラクス様が、反乱なんておかしいとおもってたんだ。」
「ナチュラルどもめ・・・どこまで卑怯な手を使えば気が済むんだ!」
世評はここまで偏ったものではなかったようだけれども、「ナチュラルと戦う」という一つの目的をもったこの艦の中ではうまく統制がとれてきたようだ。

いつものようにクルーゼ隊長にお茶を入れていると、彼は何かのディスクを起動しているようだった。
「ほう・・・・」
彼は満足げに息をついた。
「あの・・・・・」
何か重要なものなのだろうか。
気になって問い掛ける私に彼は謎めいた笑みを浮かべた。
「フレイ・・・私はどうやら、今度こそ鍵を見つけたようだよ。」

彼が部屋を去ってから、私はデスクの引出しを開ける。
やはりディスクは持ち去ったらしく、引出しの中には入っていない。
その中には、見慣れた薬が無造作にしまわれていた。

「クライン派がさほどの規模とは思えんが・・・・・」
何故私はここにいるのだろう。何故私が作戦会議に参加しているのだろう。
意図の読めない会話が多い中、薄霞の向こうで会話が交わされているような錯覚を覚えた。
「奇跡の生還のヒーローだしな」
ふと私の耳に入った言葉に顔をあげる。
奇跡の生還のヒーロー・・・・砂漠の虎、私が直接知っているわけではないけれど、キラが一時期落ち込んでいた頃、それが砂漠の虎を討った時からだった、と後から知った。奇跡の生還・・・・キラが帰ってきてくれるのだったらよかったのに。
ありえないことだとわかりながら、私は願わずにはいられなかった。
砂漠の虎に対する一連の愚痴を封じ込めるかのようにクルーゼ隊長に口にされた一言が、物思いにふける私の意識を再度引きずりあげた。
「ましてや人が胸のうちに秘めた思惑など・・・・容易にわかるものではない」
胸のうちに秘めた思惑・・・・・その仮面の下に、彼はどんな思惑を秘めているというのだろう。
鍵って、何・・・?
呆然としている私にかまわず会議は進んでいく。
当たり前だ。私はここでは部外者なのだから。
しかし、なら何故彼は・・・・クルーゼ隊長は、私をこんな場所にまで連れてくるのだろう・・・・・
「イザーク!今度出会えばアスランは敵だぞ。・・・撃てるかな?」
アスラン・・・キラの友達だった・・・・・?イザークにとっても、そうだった・・・・?
「無論です!裏切り者など!!」
言い切る彼の瞳には悲壮な決意が満ちてはいたが・・・私はそれがいかに難しいことかを知っていた。
キラが、それでどれだけ苦しんだのか、それを一番近くで見ていたのは私だったのだから。
苦しみの連鎖は止まらない・・・どうしたらこの連鎖を断ち切ることができるのだろう。
どうしたら、戦争は終わるというのだろうか・・・・・

555散った花、実る果実52:2004/05/21(金) 22:43
部屋に戻るとクルーゼ隊長は深い息を付き、シートに沈み込んだところだった。
「疲れてるんですね」
声をかけると彼は微かに笑みを浮かべながら答えた。
「私とて生身の人間さ。戦場から戦場へ・・・ずっとそんな暮らしだ。軍人なのだから・・・といわれてしまえばそれまでだが・・・我等とて、何も初めから軍人だったわけではない」
その言葉にヘリオポリスの平和だった日々が思い起こされ、思わず私は目をそらした。
誰も初めから軍人だったわけではない・・・つまらない授業をきいて、放課後はジェシカ達と買い物に行ったりお茶をしたり・・・そんな何気ない日々がいかに愛しい日々だったことか。キラだって・・・・私が巻き込まなければ、あんなことには・・・・・・
「早く終わらせたいと思うのだがね。こんなことは。・・・君もそう思うだろう?」
思わず私は彼の顔を見た。
この人も、私と同じ気持ちなのだろうか。戦争を、早く終わらせたいと。そう、願っているのだろうか。
「そのための最後の鍵は手にしたが・・・・・ここにあったのでは扉はひらかん。早くあけてやりたいものだがね。」
彼の手のひらの上で、一枚のディスクがくるくると踊っていた──

戦況は、ますます複雑な状況になっているようだった。
アークエンジェル、エターナル(ラクスの乗っている艦らしい)、そして地球軍の艦が戦闘をしている、という事で、私はまた一人取り残され、鍵だと言って仕舞われたままになっていたディスクを見つめていた。
戦闘が始まれば、私にできる事は何も無い。
お茶を入れる、などと呑気なことをしている場合ではないし、非常時に掃除や洗濯をしてもいざという時邪魔になるだけだ。
だから、戦闘中は私にとって、一人でのんびりと出来る時間、とも言えた。
本当はそんな呑気なことは言っていられないはずなのだけれど・・・ザフトの戦艦はやはり機能が高いらしく、よほどのことがなければ、私のいる居住区まで戦闘の余波が及ぶことはないようだった。
戦争を終わらせる、最後の鍵・・・・・・・このディスクで何が終わらせることが出来るというのだろう。
このディスクの中には何が入っているのだろう。
見てみたかったが、もちろん私にその権限があるはずもなく、また、それを見るだけの・・・つまりロックをはずしたりするための技能を私は持ってはいなかった。
アークエンジェル・・・・・この宇宙のどこかに・・・・それも遠くない場所に、アークエンジェルがいる。
私はそこに帰りたかった。しかしまだ戦争を終わらせるだけの何かは足りず・・・私が帰れるだけの術も、何もなかった。
私はアークエンジェルにいる間、本当に何もできなかった。
もっとできる事があったはずなのに、今できる事があるって、そう気がついたことをアークエンジェルにいる間に気がつけばよかったのに・・・・
何も出来ず、何もせず、ただ人を傷つけてばかり。
キラのことも・・・・サイのことも・・・・・ミリアリアのことも・・・・・・・
私が何もわからず口にしたコーディネイターへの蔑視。そのおかげでヘリオポリスの皆がどれだけ傷ついただろう。
そんなことを考えていると、扉が開き、クルーゼ隊長が帰ってきた。

556散った花、実る果実53:2004/05/21(金) 22:43
「・・・・ぐ・・・・ぁ・・・うああ・・・・・う・・・ううう・・・・・・は・・・・・・ぜえっ・・・・ぜえっぇ・・・・・・」
彼は獣のようなうめき声をあげ、引出しをかき回すとむさぼるように薬を飲み、いつもの仮面を身につけた。
その様子は尋常ではなく、一瞬固まってしまったがやはり心配になって彼の傍に駆け寄った。
「アデス!ヴェサリウス発進する!モビルスーツ隊出撃用意!ホイジンガーとヘルダーリンにも打電しろ!」
「しかし!」
いつも冷静なクルーゼ隊長の人が変ったかのような物言いに驚いてか、それとも指示そのものに疑問をもったか、反論をする通信にクルーゼ隊長は言葉を荒らげる。
「このまま見物しているわけにもいかんだろう!あの機体、飛球軍の手に渡すわけにもいかんのだからな!」
「ですが!」
「私も出る!シグーを用意させろ!すぐブリッジに上がる!」
そこまで言うと、彼は強引に自らの息を整え、こちらを向いて不敵に笑った。
「ふっ、さて・・・・・君にも手伝ってもらおう・・・・最後の賭けだ・・・・・・扉が開くかどうかのね」
私は初めて彼に本気で恐れを抱いていた・・・何か・・・・・私はとてつもなく恐ろしいものと対峙しているのではないだろうか・・・


「ほら、乗れって」
促されて脱出ポットに乗せられたが、カメラもマイクも生きているらしく、機体の外で話すザフト兵の言葉が聞こえる。
「しかし、どうするんですか。この女。」
「さあな、また何かの作戦だろうよ。隊長の」
私はディスクを渡されたときのクルーゼ隊長の言葉を思い出していた。

「私も疲れた・・・・だから届けておくれ、最後の扉の鍵を」
先ほどの狂態がまるでなかったかのように、いつもの笑みを浮かべるクルーゼ隊長。
「それが地球軍の手に渡れば戦争は終わる」
「えっ・・・」
私はクルーゼ隊長への恐れを忘れ、思わず彼の顔を見返していた。
しかしその瞳は仮面に隠れて見えず、彼の心を伝えることはなかった。
・・・でもこれで、戦争は終わる。
早く終わらせたい、彼は以前にもそう言っていた。
信じよう、彼の言葉を。戦争を終わらせたい、と言った彼の思いを。
そして、戦争を終わらせるためにできる事、初めて私はそのために働くことができる。
一つでも、私にできることを。その決意を胸に、私はこのディスクを地球軍に届ける事を心に決めたのだった。

「地球連合軍軍艦アークエンジェル級に告げる」
戦場に、静かに私の運命を決める声が流れる。
「戦闘を始める前に、本艦で拘留中の捕虜を返還したい。」
これで戦争が終わる・・・・パパを、キラを奪った戦争が・・・・・・・皆を悲しみに沈めた戦争が、これでやっと終わるのだ・・・・・
リア・・・見ていて・・・・私にもできる事があったの・・・・・このディスクを地球軍に届ければ戦争が終わる・・・・・・
私は、そっと、目を閉じた。

557散った花、実る果実/作者:2004/05/21(金) 22:50
私は一応投下を続けさせていただきます。物語の終盤も近いことですし。
ただ、今までは感想も一緒にUPしていたのですが、作者同士の感想が多いという事もとっつきにくい原因になっていたようですので、以降は感想は無名であげさせていただきます。

今回、楽しみにしていた作品がいくつも連載中止になってしまって悲しいですが、これもしょうがないことなのかもしれませんね。
流離う翼作者様、ザフト・赤毛の虜囚者様、過去の傷作者様、今までお疲れ様でした。
最後まで続けるかわかりませんが、私はもうしばらくここに残らせてもらおうと思っています。
お互いに気がつかないでしょうけど、どこかでまたお会いできるといいですね。

558私の想いが名無しを守るわ:2004/05/21(金) 23:04
>> 散った花、実る果実
メンデルコロニーの1コマですね。フレイ様はポッドで射出されて、さて原作通りにドミニオンへ渡るのでしょうか?
ドミニオンに移ったら今度はリスティアの居るプラントを核で狙うわけで、心中穏やかではないでしょうな

すいませんです、流離う翼を出来ればこっちで完結させたかったのですが、やはり死亡するキャラのファンには不快感を与えてしまうでしょうし、一部キャラもギャグ化してますから、テンプレ違反と判断したんです
勿論投げ出す気は無いので、サイトでは完結させるつもりです。こちらにはまた短編などを出す気です
暫くは一読者として読ませて頂こうと思っていますので、どうか頑張って完結させてやってください

559私の想いが名無しを守るわ:2004/05/21(金) 23:09
>>549
それは残念です・・・。
>>551
続けてください!私はいい作品だと思ってますから、お願いします!また明日から来て!!!

560私の想いが名無しを守るわ:2004/05/21(金) 23:15
>>549
貴方の作品が新テンプレにファウルになるとは思えなかったんですが、
サイトで発表されるということでしたら、
そちらにお伺いさせていただきます。
力強い作風で、情景、人物などの描写が素晴らしいと憧れていましたので。
続きを楽しみにしています。
これからも頑張ってください。

561The Last War・作者・お詫び:2004/05/21(金) 23:15
 避難所にて皆さんの議論を生還させて頂き、あれからじっくり考えました結果、まことに勝手ではありますが、自分のSSも連載を休止させて頂くことにしました。正直にお話しますと、これから先本編のキャラがオリキャラの噛ませ犬になりかねないような状況もありましたので。
 今まで自分のSSを呼んでくださっていた方々、本当に有難うございました。これからもこのスレで素晴らしい作品が生まれることを願っております。失礼致しました。

562私の想いが名無しを守るわ:2004/05/21(金) 23:25
>>561
残念。お疲れ様でした。
自分のサイトで続きを書いたりはしないんですか?
もしするなら是非読みたいんですが。

563過去の傷・作者:2004/05/21(金) 23:27
>>559
あ・・・ありがとうございます・・・でも時間をください、まだいろんな心の準備とかありますので。
それに今はそういうこと考えたくないんです、とにかく打ち切りにした以上はそのままです、期待にそえなくてすみませんが・・・。

564私の想いが名無しを守るわ:2004/05/21(金) 23:34
>>563
そう言わずに・・・出来ればまた作品が読みたいんですよ・・・。
それに中途半端な終わりでしたから。

565私の想いが名無しを守るわ:2004/05/21(金) 23:35
まあ当人が時間をと言ってるんだから汲んであげなよ。
お疲れさまでした。

566私の想いが名無しを守るわ:2004/05/21(金) 23:43
お疲れ様。

567私の想いが名無しを守るわ:2004/05/21(金) 23:49
>>561
ええっ、あなた様も休止ですか!!戦闘シーンが多めで
中々読みごたえあって私的にヒットだったのですが。
えっと、個人サイトは持ってなかったですよね?(違って
いたらごめんなさい)一読者として続き読みたいです。
うーん、こういうとき匿名掲示板は連絡が取れなくて不便だ・・・。

568私の想いが名無しを守るわ:2004/05/21(金) 23:53
>>564
作者さんの罪悪感を煽る発言はやめれ。

569私の想いが名無しを守るわ:2004/05/21(金) 23:55
>>561
失礼かもしれませんが、半分オリジナルとして楽しませてもらってました。
ひそかに本編でこんなキャラいたら面白かっただろうなと思いつつ。
>>567
じゃありませんが、こちらでなく違う場所での発表をお考えでしたら
ぜひお知らせくださいませ。
とりあえずはお疲れ様でした。

570567:2004/05/22(土) 00:05
肝心なことを言い忘れていました。

今までいっぱい楽しませてもらいました。
いつかどこかで作品発表されることがあった
時には、お知らせ下さったら嬉しいです。
本当にお疲れ様でした。

571私の想いが名無しを守るわ:2004/05/22(土) 00:56
こちらで連載を打ち切った方でHP等で続きを掲載されるかたはせめてそのURLとか
どこぞに残してもらえませんか?
無理なお願いかもしれませんが、完全打ち切りで無い以上、続きを楽しみにしている
読者への配慮も少しだけしていただければと思います。
ここで晒すのがまずければ、フリーメールアドレスでも一つ作って頂いてそこに
メールよこせでも良いので何か対応していただけると助かります。

572私の想いが名無しを守るわ:2004/05/22(土) 01:13
ググれば分かるだろ。
あんまり手間取らせるようなことするなよ。

573私の想いが名無しを守るわ:2004/05/22(土) 01:34
>>572
検索すればいいの意見には同意だけど、もう少しやんわりと
言ったほうがいいのではないでしょうか?


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