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フレイ様人生劇場SSスレpart5〜黎明〜

400ザフト・赤毛の虜囚 57:2004/05/05(水) 08:55
10.親友 1/8
[ジェシカとミーシャ]

私の前に座っている二人、ジェシカとミーシャ、二人とも私の親友。

「フレイ、いい加減白状しなさいよ」
「何よ、ジェシカ。何のことよ?」

「とぼけるんじゃないわよ、アンタの彼氏、サイのこと。どこまでいったのよ。もう、したの?」
「ジェシカ、サイとは、そんなんじゃ無いんだから」

「でも、今日会うんでしょ。今夜はホテルかしら」
「ミーシャ、そうだけど、今日はパパのパーティだし、私、パパと泊まるから。サイだって両親来てるし」

「ホントかな、二人抜け出して……」
ジェシカとミーシャが声を揃えて言う言葉に、私は癇癪を起こす。

「いい加減にしてよ、二人とも!」
私は置いてあるパフェをひっくり返さんばかりにテーブルを叩きつける。

ここは、ミナシロ市ショッピングモールの、とある喫茶店。ヘリオポリスの工業カレッジに
在学しているサイが、二週間の休みでオーブに帰って来る。家族ぐるみ、兄妹のように頻繁に
会っていたのに、ヘリオポリスに行ってから、長期の休みにしか会えなくなったサイ。
メールやビデオレターのやりとりはしてるけど、直接、会うのはやっぱり違う。サイに会いたい。
サイの表情を間近で見たい。パパの仕事のパーティが、ここミナシロ市で開かれ、サイも両親と
パーティに来るということで、私はサイと事前に、ミナシロのショッピングモールで待ち合わせをしたのだ。

ところが、それをジェシカとミーシャに気づかれた。結局、朝から呼び出され、買い物に
付き合わされた上に、質問責めにあっている。

私はサイとの約束で、婚約を隠しとかなきゃいけないから、いろいろと突っ込んで来る二人を
かわすのに大わらわ。私とサイとのこと、あること無いこと想像して、もう、なんてやつらよ。

「まったく、のんびりしてるんだからフレイは。ぼやぼやしてると、他に取られるわよ」
「別に、それで一生決める訳じゃなし、他にも男いるんだから、堅苦しく考えないでさ」

「一線越えちゃえば、男なんて変わるから。思い切って、こっちから言っちゃいなよ」
「やってみて気に入らなかったって、平気だから、お試し期間だと思って」

「私の彼なんて、あの後、まるで手のひら返したように態度変えたわよ。今までの奥手は何だったのよ」
「男なんて、いっぱい居るし、フレイなら、ちょっと着飾れば、みんな寄って来るわよ」

「お試しって、人のこと、なんだと思ってるのよ……」
私はミーシャの言葉に、後ればせながら、ぼそっとツッコムけど、まるで気づかないように、
二人はハイペースで、話し続ける。

そりゃいいわよ、二人とも男の子と付き合い上手だし。ジェシカなんて、何度、彼氏の話を聞かされたか。
もう微に入り細に入り、私、顔を真っ赤にして、まともに聞けなかった。ミーシャは、そこまで
いかないけど、結構もてるって。特に、港にあるイベント場では、そうらしい。他人を見る目も特別。
あの人と、あの人はデキてるとか…… 二人とも男なんだけど……

ジェシカとミーシャ、二人との付き合いは長いけど、私はなんとなく距離を感じる。
サイのこと隠していることもあるけど、どうも二人のノリには付いて行けない。基本的に自分が
面白がれば、みんな喜ぶと思っているのよね。要するに自分勝手。私だって、まあ、そんなところあるけど。
人が困ってるの察して話を聞くとかいう訳でも無い。別に、ジェシカとミーシャが嫌いだって訳じゃないけど、
これで親友って言えるのかな。

「もう行くわよ。パーティの前に、パパと待ち合わせしてるし」
「パパとだなんて嘘ばっかり」
「ちょっと、フレイ逃げる気、ちゃんと答えてよ」

サイが待ってるんだから、もう早く行かせてよ、二人とも……


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