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フレイ様人生劇場SSスレpart5〜黎明〜

178キラ(♀)×フレイ(♂)・41−4:2004/03/28(日) 17:10
「まさか、こんな素敵なショーを拝めるとは夢にも思わなかったな」
先ほどから機材の影に隠れて、この狂乱の舞台を堪能している一人の観客がいた。
あの後、再び考えを改め直して、キラ達の行く末を見届けようと決意したフレイである。
フレイはお嬢様方の御屋敷への夕食のご招待を丁重に断って、彼女たちと別れると、
キラ達の消えた方角へと飛び出し、私立探偵のように地道な聞き込みを繰り返した。
やがて、それらしいカップルが北側の港町に向かったのを聞き出したフレイは、
そこで運よく買出し帰宅中のマイケルに遭遇し、コッソリと彼の跡を尾ける。
マイケルが古ぼけた隙間風だらけの倉庫に足を踏み入れたい地点で、彼の目的を看破
したフレイは、倉庫の裏側に人一人潜れそうな横穴を発見して倉庫内に侵入すると、
マイケルから死角になる位置に上手い具合に橋頭堡を確保するのに成功した。
MSの修理に勤しむマイケルが、直ぐにキラに手を出さないのを確認したフレイは、
一端倉庫の外に出て下準備を整えた上で、再び戦場(倉庫)に帰参したのだが、キラを
救出する機会を窺っているにしては、フレイを取り巻く空気には緊張感の欠片も無い。
というのも、フレイの手の内には、外で購入した魔法瓶構造の缶コーヒーが握られており、
その上で、いかにもツマミかポップコーンが無いのが悔やまれる…とでも言いたげな
横柄な態度で、チビチビとコーヒーを飲み干し、暖を取っていたからだ。


「手変わりの好機(チャンス)が訪れたということかな」
フレイは冷めた瞳でキラの窮地をじっと鑑賞しながら、状況判断に努める。
フレイにしてみれば、キラにアスラン君を討たせた上で、返す刀(合法的暗殺術)で
キラを屠るのこそが最高の結末(グランド・フィナーレ)ではあるが、このまま
アスラン君がキラの前に再び姿を現さなければ、とんだ茶番である。
とすると、ここでタカツキ君とやらにキラを預けるのも一興のような気もする。
軍事には疎いフレイだが、それでもキラがコーディの中でも有数の潜在能力を誇る
最高クラスの戦士であることは知っていた。その彼女が、こんな取るに足らない小物
に足元を掬われて、恥知らずの裏切り者として、冷たい檻の中で従来の仲間達の憎悪と
嘲弄を受けながら、惨めにその生涯を終えるというのは、なかなかに魅力的な末路だ。

「このまま流局(アラスカ到着)覚悟で、あくまで単騎(アスラン君)待ちに固執し、
ひたすら四暗刻の役満を狙い続けるか、この場所でロン上がり(キラを見捨てる)して、
とりあえず三暗刻で満足し、それなりの点棒を拾うかだな」
この年で悪い遊びを覚えているらしいフレイは、今のシチュエーションをそう比喩した。
ちなみに強い直観力と度胸を併せ持つフレイは、学園時代、麻雀でも敵無しである。
一部の生徒間で、闇の帝王と恐れられていたとかいないとかの逸話を残していたりもする。


「さて、どうするべきか……」
フレイにしては珍しくどちらを選ぶか躊躇したが、あまり迷っている時間はない。
その手の恋愛ゲームの主人公のように、フレイの頭の中に二つの選択肢が浮かび上がる。

どちらを、選択しますか?
→「このままキラを見捨てて、この場所から引き上げる」
「キラを助ける。ただし、キラがタカツキ君に犯され終わるまで待つ」

……………………どちらにしても、キラにとって碌な未来じゃない。
アスランと別れて以後、キラの男運の悪さは天中殺を極めているみたいで、仮にキラが、
フレイの助力でこの窮地を脱したとしても、今度は別の地獄が口を開けて待っていそうだ。


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