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「あなたは昔から男の子だよ?」√栞子

1名無しさん@転載は禁止:2021/02/08(月) 17:40:17 ID:DNGC4HfQ
春。
出会いと別れの季節、春。

それはここ、虹ヶ咲学園にも当然訪れる。
三年生は卒業して、新入生が新たに加わる。

それは今までもあったことだし、今更戸惑うこともない。

たった一つだけ、あることを除けば。

歩夢「──どうしたの? 今日は朝からなんだか調子が悪そうだけど……」

侑「あ、あぁ……いや、なんでもないよ、歩夢」

歩夢「ならいいんだけど……何か困ってることとか、悩みごとがあったら、なんでも相談してね!」

幼馴染みの上原歩夢。
自分で言うのもなんだけど、可愛い女の子だと思う。そんな子が幼馴染みだと……羨ましがられるんだ。

そう──特に、今は。

歩夢「そういえば、今日は身体測定があるんだって。『女子』は更衣室使うみたいだけど、間違って入っちゃだめだよ〜」

自分が──女の子から、男の子に変わってしまっている今は。

☆☆☆

侑「はぁ〜〜〜なにがなんだか……」

まさか眠りから覚めたら男の子になっちゃってるなんて……いや、わけわかんないよ。
わけわかんないけど、仕方ないから順応する。

わかっていることは、歩夢とは変わらず幼馴染みであること、自分のことは僕と呼ぶ事、そして一番驚いたのは、ここではスクールアイドル同好会が存在しないこと。

スクールアイドルという文化自体はあるようだけど……。

先生「はい、身長169センチ、体重は57キロね」

侑「ご、57……」

先生「ん? どうしたの?」

侑「いえ……」

女の子の体のときを、かんがえるとちょっとショックだったけど、別にこれくらいが普通、というかちょっと軽いらしい。

むしろ身長はもう少し欲しいくらいだね、なんて言われた。

(むしろ、視線が高くなって変な感じ)

まさか歩夢を見下ろす日が来るとは思わなかった。

(でも、なにはともあれ、だよね)

どんな理屈、ファンタジーで私が男の子になってしまったのかはわからないけど、普通に日常を送らないと。

もしかしたら、そのうち元に戻れるかも……しれないし。

「え〜と、となると気を付けないといけないことは……」

うっかり女子トイレにはいらない、男子のちんちん見えても動揺しない、僕っていうこと、男の子っぽく過ごすこと。

340名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 00:23:20 ID:grcGn.k.
過去1きゅんきゅんする
青春だ

341名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 07:50:12 ID:XNAzQ2Yk
栞子は歩夢にも懐いてたから、こっちの世界でも侑くんが関係しなければ仲良くなれそうなのかな

342名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 08:16:59 ID:UtJ8gJQc
告白されたら…
っていうか、自分から告白したくならないのか?

343名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 23:36:46 ID:.7.lAI/Y
侑「……」

どうしよう。
どちらとも、断る理由はない。だけど、どちらかを選ばないといけない。

私は……。

侑「……」

電話を掛ける。

歩夢『……あ、侑くん?』

344名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 23:46:26 ID:.7.lAI/Y
侑「LINEの件なんだけど……今日は友達との約束があってさ」

歩夢『あっ、そうだったんだ……』

侑「ごめんね」

歩夢『ううん! 私も急にごめんね。……またね』

侑「うん、また」

★★★

栞子「……」

スマートフォンを、ずっと眺めてしまう。
返信はまだかまだかと、ずっと。

栞子「……」

345名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 23:48:53 ID:o5X0ZEUQ
主はいつもストーリーの展開考えてから書いてるのかその場のノリというか流れで書いてるのか気になる

346名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 23:52:25 ID:.7.lAI/Y
すると。

栞子「!」

着信。
予想外の連絡にベッドの上で跳ねてしまった。

栞子「もっ、もしもし!」

侑『おはよう、栞子ちゃん』

あっ、電話越しの声……なんだか変な感じ。
それに……おはよう、か。

栞子「お、おはようございます」

侑『LINEの件なんだけど……今日は僕も暇だから、予定あいてるよ』

栞子「! そ、そうでしたか」

侑『うん。……どこかに行きたいの?』

栞子「……良ければでいいのですが……」

侑『良いよ。どっか遊びに行こうか』

栞子「あ、ありがとうございます! ……じゃあ、あの。いつもの場所で……」

★★★

347名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 23:56:42 ID:.7.lAI/Y
>>345
半々くらいです。
今回だと、まだ先ですが告白のシーンだけは考えてます。それ以外はだいたいノリです。

更新が多いときはノッてる時です。遅いときは詰まってる時です。

348名無しさん@転載は禁止:2021/04/15(木) 00:14:14 ID:L0Pbqmus
思えば、今までは本の貸し借りという大義名分があったから待ち合わせをしたりして会っていたけど。

今日は純粋に一緒に遊ぶために待ち合わせをしている。

侑「栞子ちゃんは……と」

もういた。
早いな、まだ待ち合わせ時間より30分あるのに。

少し様子見てみよ。

栞子「……」

前髪を少し気にしている。
小さな手鏡でしきりに、だ。

侑(……)

私と会うから?

侑(ええい、いいや。早く会いに行こう)

349名無しさん@転載は禁止:2021/04/15(木) 00:24:02 ID:L0Pbqmus
侑「栞子ちゃん、おまたせ」

栞子「あっ……いえ、私も今来たばかりです」

お決まりのセリフを挟んで、とりあえずは待ち合わせ完了。

侑「よーし、じゃあ今日は栞子ちゃんをエスコートしちゃうよ」

栞子「よろしくおねがいします」

★★★

侑「そうそうこれ。これ、映画化したんだよ」

二人で貸し借りしていた小説が、映画化していたのを知ったのは、たまたまだった。
でもこれは丁度いい機会だと言うわけで、栞子ちゃんを連れて映画館にやってきた。

栞子「どんな風に表現されているのでしょう……」

侑「それも見てからの、お楽しみだね」

350名無しさん@転載は禁止:2021/04/15(木) 00:24:31 ID:L0Pbqmus
今回はここまで。
また明日に。

351名無しさん@転載は禁止:2021/04/15(木) 01:34:36 ID:jeBNbE4c
三人でお出かけも面白くなりそうと思ったけどさすがになかったか

352名無しさん@転載は禁止:2021/04/15(木) 07:41:56 ID:MQhOPFjg
スクスタだと仲良くしてたけどここだと完全に恋敵だしね

353名無しさん@転載は禁止:2021/04/16(金) 00:06:44 ID:nFKeQVyc
栞子「とても楽しみです」

侑「よし、ポップコーンも買ったし……」

シアター内に、と思ったその時だった。
いや、本当は最初から気付いていた。

今日は、普段とは違う髪飾り。

侑「……今日、なんか可愛いのつけてるね」

栞子「えっ! あ、……そ、そうですか?」

侑「うん。似合ってるよ」

栞子「……ありがとうございます」

★★★

栞子(良かった……気付いてもらえて)

勇気を出して、学校ではつけない髪飾り。

栞子(こんな事で、こんなに嬉しくなるなんて……)

やっぱり、私は……どうしようもない。

栞子(……今すぐ逃げ出したい)

これ以上側にいたら、何を言い出すかわからないから。

354名無しさん@転載は禁止:2021/04/16(金) 00:27:01 ID:nFKeQVyc
けれど、そんなわけにもいかない。
それに逃げ出したいなんて言うけど、本当は一緒にいたい。

シアター内へ入る。
話題作ということもあり、人もなかなか多い。
その内で、カップルと思われる二人組みが多く見受けられた。

栞子(私達も……そう見えているのでしょうか)

誰にも訊けないからわからないけれど、そんなことばかり考えてしまう。

浮かれているのだ、私は。
柄にもなく、周りからカップルだと勘違いしてもらいたいのだ。

それが傲慢であるとは思うけれど、好きを自覚してからの私は、何かがおかしくなってしまった。

355名無しさん@転載は禁止:2021/04/16(金) 00:43:41 ID:nFKeQVyc
映画が始まっても、あまり集中できない。
隣に高咲さんがいる。

もうそれだけで良かった。

★★★

侑「いや〜、面白かったね!」

栞子「きれいに2時間に収まるとは思っていなかったのですけど、こうも完璧に仕上げられるとは」

侑「内容は知ってるはずなのにハラハラしちゃったよ」

2時間が経ち、シアターから出てきた私達は感想を話し合う。
正直ところどころしか覚えていない。でも楽しそうに話す高咲さんを見られればそれで良かった。

侑「ん、まだ時間あるね。お腹すかない?」

私はもちろん、首を縦に振った。

★★★

しずく「栞子さん……」

かすみ「用事があるから、って言ってたけど……」

璃奈「高咲先輩との、だったんだ」

しずく「というかデート?」

かすみ「間違いないでしょ! だって見て、あのしお子の顔! 見たことない顔してる」

璃奈「とっても楽しそうにしてる」

しずく「……」

かすみ「……」

璃奈「……」

356名無しさん@転載は禁止:2021/04/16(金) 00:47:21 ID:nFKeQVyc
3人の思いは、一つだった。

『よし、後ろからついていこう』、と。

★★★

侑「好きなんだよね、オムライス」

栞子「私も好きです」

映画館すぐ近くのオムライス専門店にやってきた。

侑「どれにしようかなぁ、前に来たときはチーズ入りの頼んだんだけど」

栞子「……じゃあ、私は今回それにします」

357名無しさん@転載は禁止:2021/04/16(金) 00:47:40 ID:nFKeQVyc
今回はここまで。
また明日に

358名無しさん@転載は禁止:2021/04/16(金) 01:08:27 ID:w1Wwq10A
後ろから友達が偵察で付いていくの好き

359名無しさん@転載は禁止:2021/04/16(金) 04:28:35 ID:1d19DUwo
めっちゃ可愛すぎるぞ栞子ちゃん

360名無しさん@転載は禁止:2021/04/16(金) 11:51:30 ID:tB.kSeXk
ちゃんと髪飾りにすぐ気付いて褒めてあげる侑くんもいいね

361名無しさん@転載は禁止:2021/04/18(日) 02:10:10 ID:t68OU5D2
日曜深夜にこっそり更新か、月曜日の昼頃。

362名無しさん@転載は禁止:2021/04/19(月) 16:59:54 ID:vdXbsOzs
侑「じゃあ僕は……」

★★★

かすみ「完璧にデートだよね……」

しずく「間違いなく。しかも会話を聞いてたら、今回が初めてってわけでもなさそうですし……」

璃奈「……」

かすみ「りな子、なにしてるの?」

璃奈「栞子ちゃんにLINE飛ばしてる。今何してる、って」

しずく「なるほど、その反応で二人の関係性がなにかわかるかも」

かすみ「なんて送ったの?」

璃奈「今何してる? って」

363名無しさん@転載は禁止:2021/04/19(月) 17:28:22 ID:vdXbsOzs
栞子「……!」


かすみ「反応した!」

栞子「……」

しずく「すぐに返信してるね」

璃奈「きた。……」

かすみ「何てきた?」

璃奈「『家の用事を片付けています』、って」

かすみ「あっー! 嘘だ……」

しずく「隠すってことは……そういうこと?」

364名無しさん@転載は禁止:2021/04/19(月) 17:52:24 ID:vdXbsOzs
璃奈「お付き合い……?」

かすみ「生徒会長とその役員二人……なんかすごくロマンチック!」

しずく「……なら、これ以上は余計な詮索はしないほうがいいかもしれないね」

かすみ「もう確定レベルだしね。……ふふ、次あったらめっちゃ聞き込も」

★★★

栞子(ふう……すみません、璃奈さん)

心のなかで、LINEをくれた璃奈さんに謝る。

侑「どうしたの?」

栞子「いえ、なんでもないです」

それも高咲さんのせいですとも言いたくなる。

365名無しさん@転載は禁止:2021/04/19(月) 21:15:37 ID:FpzS4kQA
嘘をつきました
ホントは気になる先輩とお出かけなのにね

366名無しさん@転載は禁止:2021/04/20(火) 00:53:15 ID:FnX1tddk
じれったいようなずっと見ていたいような

367名無しさん@転載は禁止:2021/04/20(火) 16:53:23 ID:2/nTbL7k
フェス限しお子の覚醒前デート服超好き
あれ可愛すぎる

368名無しさん@転載は禁止:2021/04/20(火) 18:45:15 ID:ajJ0BF9o
明日再開

369名無しさん@転載は禁止:2021/04/21(水) 17:15:21 ID:EcIYs2ek
侑「この後はどうしようか」

栞子「まだ時間があるのでしたら、本屋さんにいってもいいですか?」

侑「もちろん。なにか欲しいやつがあるの?」

栞子「はい。今日が発売日なんです」

侑「じゃあ次はそこに行こうか」

★★★

昼食を終えて、本屋にやってきた。
栞子ちゃんが欲しかったのは、いつかの教師と生徒の恋愛物の新刊だった。

侑「気に入ったんだね」

栞子「一度買い出したシリーズは、最後まで買うようにはしているので」

370名無しさん@転載は禁止:2021/04/21(水) 17:18:24 ID:EcIYs2ek
侑「僕も何か買おうかな……なにか見てるから、栞子ちゃん買っておいでよ」

そう促しすと、栞子ちゃんはレジへ。
さて何かあるかな……なんて物色していると。

侑(ん?) 

見覚えのある人物。
見覚えどころか、よく知っている子がいた。

歩夢だった。

371名無しさん@転載は禁止:2021/04/21(水) 17:23:34 ID:EcIYs2ek
侑(……)

あれ、なんか不味い気がする。

侑(歩夢には悪いけど……気付かれる前にここを離れよう……)

幸いまだ歩夢は私に気付いていないようだし、今のうちに栞子ちゃんをつれて本屋を出よう。

栞子「あ、高咲さん。なにか見つかりましたか?」

侑「う、うん。でも今日はいいかな。次は……」

栞子「いいのですか? 別に私は待っていますが……」

気遣いが嬉しいけれど、今はそれどころではない。

侑「大丈夫! さ、ほら行こう!」

栞子「あっ……!」

少し無理やりだったかもしれないけど、栞子ちゃんの手を掴み本屋から出た。

栞子「……」

372名無しさん@転載は禁止:2021/04/21(水) 17:31:55 ID:EcIYs2ek
少し。
握った手に、握り返す力が加わった。

★★★

本屋から歩いて、少しの間も手を握っていた。

侑「あぁ、ごめん。ずっと……」

そう言って私は手を離した。

栞子「ぁ……」

侑「実は歩夢が……あぁ、僕の幼馴染みなんだけど、その子がいたからつい急いじゃって」

栞子「……フォークダンスでの、相手だった方ですか?」

侑「そうだよ」

栞子「……幼馴染み、というだけなんですか?」

侑「え? どういうこと?」

栞子「……その。お付き合いとかはしていないのですか?」

侑「してないよ」

栞子「……そうですか」

373名無しさん@転載は禁止:2021/04/21(水) 17:41:35 ID:EcIYs2ek
栞子「……じゃあ、今は彼女とか、付き合ってる方はいないんですね」

侑「うん」


★★★

やった。良かった、安心した。

栞子(一番、不安だったことが無くなった……!)

私にもチャンスがある……ということですよね。

侑「……」

じゃあもっと……頑張ろう。

★★★

侑「……あのさ」

栞子「はい?」

侑「栞子ちゃんは──」

その次の言葉、私は……言うのを止めた。

『僕のこと好きなの?』って。

侑(いや、だってさぁ……)

今の質問の時点で「ん?」ってなるのに、いないって答えたあと笑顔が、喜びが隠せていないんだから。

そんなのを見ると、嫌でも意識をしだしてしまう。

374名無しさん@転載は禁止:2021/04/21(水) 17:46:21 ID:EcIYs2ek
悶々とする。
スッキリしないし、栞子ちゃんの事ばかりを考えてしまう。

侑(それも、恋してるみたいだ……)

……あれ。

侑(私は……どう思ってるんだろう)

栞子ちゃんのことを。
可愛いと思うし、一生懸命で甘いものが好きな女の子。

侑(……)

わっかんないや……。

侑(いっそ、栞子ちゃん告白してきてくれないかな)

そうなれば、このモヤモヤも無くなるのかな。

375名無しさん@転載は禁止:2021/04/21(水) 17:58:59 ID:EcIYs2ek
今回はここまで。そろそろくっつけたいです。

376名無しさん@転載は禁止:2021/04/21(水) 18:56:45 ID:Sjaz0wh.
顔に出る栞子ちゃん可愛すぎんだろ

377名無しさん@転載は禁止:2021/04/21(水) 21:01:09 ID:TILuTvBI
わかりやすい栞子もマジかわいいし、
好きなの気付いてて悶々とするシチュもほんとたまらんな
続き楽しみ!

378名無しさん@転載は禁止:2021/04/21(水) 22:07:27 ID:KbK2dB5Q
思わずにっこりしちゃう栞子ちゃん本当に可愛い

379名無しさん@転載は禁止:2021/04/22(木) 09:07:20 ID:RBbPrjfw
ニーアレプリカントに全ての空き時間を捧げる予定なので、とりあえずは金曜日に。次回更新でくっつくとこまではやりたいですね。

380名無しさん@転載は禁止:2021/04/22(木) 23:59:33 ID:jBd6Fo56
ドラッグオンドラグーンの後の世界のアレね

381名無しさん@転載は禁止:2021/04/26(月) 00:11:19 ID:RTCjYpD2
何か、確信めいたものが欲しかった。
はっきりとした、理由が。

自分からそうだと言うことが、なんだか気恥ずかしくて。

でも、一つだけ気になったことがある。

侑「栞子ちゃん」

栞子「はい?」

侑「僕たちの関係って、なんなのかな」

382名無しさん@転載は禁止:2021/04/26(月) 00:16:11 ID:RTCjYpD2
栞子「……私たちは」

栞子ちゃんが言う。

栞子「学校の、先輩後輩、です」

侑「友達、ではないの?」

栞子「……ともだち」

★★★

そうだと、言ってしまえばいい。
だけど、そうしたらなんだか……もう、それ以上はないような気もして。

栞子「……そうかも、しれませんね」

そんな曖昧な返事をしてしまった。

383名無しさん@転載は禁止:2021/04/26(月) 00:26:07 ID:RTCjYpD2
侑「……だね」

高咲さんも、それを聞いて微笑みました。

★★★

お出かけも、もう終わり。

侑「今日は楽しかったよ」

栞子「それなら良かったです。誘った身でしたので」

侑「……うん。それじゃあね」

栞子「はい……また、学園で」

★★★
帰宅後。

栞子「ふぅ……」

ゆっくりと、お風呂に入る。
心のリラックスは重要です。

栞子「……」

昼間、高咲さんに握られた手の感触を思い出す。
固くて、私の手よりも、一回りも大きくて。

栞子「……あつい」

それはきっと、のぼせてしまったからでし〜。

384名無しさん@転載は禁止:2021/04/26(月) 00:27:22 ID:RTCjYpD2
侑「……だね」

高咲さんも、それを聞いて微笑みました。

★★★

お出かけも、もう終わり。

侑「今日は楽しかったよ」

栞子「それなら良かったです。誘った身でしたので」

侑「……うん。それじゃあね」

栞子「はい……また、学園で」

★★★
帰宅後。

栞子「ふぅ……」

ゆっくりと、お風呂に入る。
心のリラックスは重要です。

栞子「……」

昼間、高咲さんに握られた手の感触を思い出す。
固くて、私の手よりも、一回りも大きくて。

栞子「……あつい」

それはきっと、のぼせてしまったからでしょう。

栞子(高咲さんは、今頃、なにをしているのかな……)

★★★

385名無しさん@転載は禁止:2021/04/26(月) 00:31:31 ID:RTCjYpD2
──オナニーをしていた。

侑「ぅ、ぅ……」

年頃の高校生らしく──心は女子だけれど──ムラムラすれば、することもする。

ただ一つ気がかりがあったのは。

侑(やーば……栞子ちゃんのこと考えながらシちゃった……)

妄想。
栞子ちゃんとのあんなことやこんなことを、勝手に。

飛び散った精子を拭き、賢者モードの頭で反省しつつも。

侑(今日めっちゃ出た……)

どうしてかは、考えなかった。

386名無しさん@転載は禁止:2021/04/26(月) 00:31:50 ID:RTCjYpD2
今回はここまで。また明日。

387名無しさん@転載は禁止:2021/04/26(月) 00:51:15 ID:3uRTpL8A
そりゃ異性とデートしたようなもんだから、相手問わず出るだろう

388名無しさん@転載は禁止:2021/04/26(月) 01:03:01 ID:P7hw/SRw
侑くんが今までの√でオナニーしてる描写がない方が健全な思春期男子としてはおかしかったくらいよな
100%してるだろうけど(歩夢ちゃんのこともオカズにしたこと絶対ある)

389名無しさん@転載は禁止:2021/04/26(月) 01:40:21 ID:RwcezQ/o
栞子の内心も侑の内心もよい
たまらん

390名無しさん@転載は禁止:2021/04/26(月) 08:34:37 ID:dhpZDvqo
手の大きさで男の子を意識するのいいな

391名無しさん@転載は禁止:2021/04/26(月) 23:57:24 ID:RTCjYpD2
侑(……栞子ちゃんも、オナニーとかするのかな)

侑「……」

侑(あ、やべ……また……)

今日は一回じゃ、治まらないや……。

★★★

三船栞子はオナニーをしたことがない。
けれどそれは、決して知識がないからだとか、オナニーがなんなのかわからないという、あまりにも思春期の高校生離れした理由ではなく。

ただただ純粋に、それを恥ずべきことだと思っているからだ。

栞子「……」

正直、性欲はある。
自分で触りそうになったことは何度もある。
だけどその直前で、いつも手を止める。

栞子(……)

392名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 00:02:29 ID:gEbVe0lg
たまに、スマホでAVを見るときがある。
どこかの誰かが投稿する、粗い画質の個人動画。
モザイク無しの、男性器。

栞子「……」

興奮もする。
そして想像、妄想もする。

栞子「……!」

何かを考えかけて、頭を振る。

栞子「……寝よう」

明日も、学校なのだから。

★★★

393名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 00:08:07 ID:gEbVe0lg
翌朝。

侑(あーあ……結局3回もオナニーしちゃった)

侑(……)

いま会うと気まずいなぁ……。

侑(生徒会行きたくないな……)



栞子「高咲さん、おはようございます」

侑「わぁっ!?」

栞子「ど、どうかしましたか?」

侑「あ、ぁあ、いや。……お、おはよう栞子ちゃん」

394名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 00:17:32 ID:gEbVe0lg
なんだか顔を合わせにくい。
それもそうだ、昨日散々オカズにした子だ……気不味くもなる。

栞子「……」

★★★

栞子(……高咲さん、顔を合わせてくれませんでした……)

……私、なにか気に触ることをしてしまったのでしょうか。

栞子「……はぁ……」



かすみ「しーお子っ」

栞子「あ……かすみさん。どうしました?」

しずく「ため息なんてついて、珍しいですね」

璃奈「なにか悩み事?」

栞子「あ……いえ、なんでもないんです」

かすみ「……さては」

栞子「?」

かすみ「高咲先輩と喧嘩でもした?」

栞子「ど、どうして高咲さんが出てくるのですか……?」

かすみ「しお子って高咲先輩と付き合ってるんじゃないの?」

栞子「へ?」

395名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 00:20:53 ID:gEbVe0lg
★★★

かすみ「──えっ! じゃあ別に付き合ってないの?」

栞子「そ、そうです! びっくりさせないでください……!」

しずく「じゃああれは、仲良く遊んでただけだった、ってこと?」

栞子「そうです……というか、隠れて見ていたのですか?」

栞子「……あっ、じゃあ……」

璃奈「うん。隠し事にしたかったんだよね」

栞子「ご、ごめんなさい。私、璃奈さんに嘘を……」

璃奈「ううん、いいの。でも、栞子ちゃん。やっぱり高咲先輩のこと、好きなんじゃない?」

栞子「えっ、それは……」

かすみ「あれは間違いなく恋する乙女! かすみんの目は誤魔化せないよ!」

396名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 00:25:46 ID:gEbVe0lg
栞子「ちっ、ちが……!」

しずく「栞子さん。悪いけど、あれは私から見てもそうだと思う」

璃奈「同感。それに隠した時点で、そういうこと」

栞子「だ、だから私は……!」

かすみ「しお子、かすみんたち、協力するよ!」

栞子「……な、なにをですか?」

かすみ「しお子と先輩が、くっつくのを!」

★★★

397名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 00:32:53 ID:gEbVe0lg
★★★

栞子「……」

かすみさんの、作戦はこうだった。

かすみ『かすみんたちが先輩をこの空き教室に来るように誘い出すから、しお子はそこで待ってればいいの!』

栞子『待って、それからは……?』

かすみ『決まってる! こ・く・は・く!』

栞子『えっ、ええ!?』

しずく『栞子さん、ここはかすみさんの言うとおりかもよ? 勢いをつけて、いっきに行かないと』

栞子『で、ですが……私……』

璃奈『大丈夫、絶対うまくいく』

……なんて、言っていたけど。

栞子(……本当に、来るのでしょうか)

いや、それよりも。

栞子(私……本当に告白を?)

398名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 00:38:03 ID:gEbVe0lg
……こんな、誰かに頼ったタイミングで……。

栞子(……協力、か)

栞子(……わたしは、良い友達を持っていたようですね)

……そう思っていた時だった。

侑「……あれ? 栞子ちゃん?」

栞子「!」

きた……!

栞子「た、高咲さん……」

侑「どうしてここに……かすみちゃんたちに呼ばれてたんだけど」

栞子「そ、それは……」

侑「……というかここ、今立ち入り禁止のところ、だよね? 物置とかに使う〜とかで……」

栞子「あ、あの!」

399名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 00:41:39 ID:gEbVe0lg
侑「う、うん」

栞子「……わ、私がここにいるのは、高咲さんに……伝えたいことが、あるからです」

★★★

私は確信した。

侑(こ、告白だこれ……!)

この状況、間違いなくそうだ。
いや、そうでしょ!?

侑(や、やった……)

やった?

侑(何喜んで……)

いやそんなことはわかってる。わかってるから……!

侑(もうわかってるよ! 私だって栞子ちゃんのこと好きだよ!)

好きなんじゃないなら、この感情に誰か名前をつけてよ!

侑(……あとは、受け入れるだけ)

……いや、これで告白じゃなかったら、私相当恥ずかしい奴になる……。

400名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 00:46:29 ID:gEbVe0lg
栞子「私、高咲さんの事が──」

侑(あぁ……!)

栞子「す──」





「コラ! 中須たち、そこでなにしてる!」

栞子「!?」

侑「え? な、中須?」



かすみ「わっー!? な、なにもー!」

しずく「も、もう! だからのぞき見なんてやめようって言ったのに……!」

璃奈「とにかく逃げないと……!」


い、一年生ズ?

というかいまの声、生徒指導のゴリケン(愛称)だ!?

侑「えっ、ちょ」

栞子「あ、あわわ……」

401名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 00:52:35 ID:gEbVe0lg
★★★

「ったく、なんでこんなところに……」

……咄嗟に隠れたのは、掃除用具入れ。

栞子「た、高咲さ……」

侑「しっ……」

ゴリケンは些細なことでも厳しく指導する。
……ましてや今ここにいるのは生徒会、さらに生徒会長なんだ。

見つかったら、まずい。

かすみちゃんたちがこの教室を覗いていたから、誰かがいると踏んでいるのだろう。……中に入ってきていた。

……それにしても。

侑(こ、この状況はダブルでやばい……)

当然、掃除用具入れなんかに、男女二人が入れば窮屈この上ない。

完璧に密着し、お互いの吐息の音さえよく聞こえる。

侑(あ……なんか……甘い香り)

栞子ちゃんの香り。
これだけ密着すると、それと強烈で……。

侑(──あ)

私の下半身は、反応しだしてしまう。

402名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 00:57:23 ID:gEbVe0lg
栞子(……?)

侑(やばいやばいやばい治まれ治まれ治まれ………!)

──無理だよ、そんなの。

侑(あ、ぁあ……)

私の想いは届かず……私のソレは、完全に立ち上がってしまった。

当然、栞子ちゃんが気づかないわけもなく……自身のお腹に当たる、それをみて……。

栞子「……………………」

──見たことない顔してる。
怒りや、戸惑い。そういう類いじゃ、ない。

ガン見して、動けなくなってしまっている。

まるで、……見惚れているかのように。

403名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 01:01:19 ID:gEbVe0lg
そして、私も……勃起をみられてしまっていることに興奮しているのか、カウパーまですこし滲む。

……気づけばゴリケンはもういない。
私たちも、ここから出るべきだ。 

侑「で、でよう、栞子ちゃん……」

栞子「は、はい……」

すぐにでた。
私はとにかく、背を向けた。
……見られるのは、ハズカシいから。

侑「……ごめん」

栞子「い、いえ……」

404名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 01:11:02 ID:gEbVe0lg
侑「……いやなもの見せたね……ほんと、ごめん」

栞子「だ、大丈夫です……せ、生理現象は……仕方ない、です……」

侑「……そう言ってくれると、助かるよ」

栞子「はい……」

侑「……こんな状況で訊くのも、なんだけど、さっき何を伝えようとしたの?」

栞子「……」

栞子「……忘れてください」

★★★

その日の夜。
またオナニーをした。

あの視線と、香りを思い出しながら。

侑(マジで最低だ……私……)

でも……。

侑「ぅ、あ……っ」

手が止められないんだ。

★★★

寝付けない。

栞子「……」

どれだけ忘れようとしても、お腹にあたっていた、アレが。

栞子「っ……!」

一瞬でも。
私に興奮したから……?
なんて考えてしまった、自分のいやらしさに嫌気が差す。

栞子(これじゃまるで、むっつりすけべ……)

でも、でも。仕方ないじゃないですか。

栞子(もう頭の中で……何も考えられない!)

私はもう……!

栞子「……いえ」

そうじゃない。

こんなのは……三船栞子らしくない。

栞子「やり遂げなければ……」

もう、吹っ切れた。

栞子「私が、一番したいやり方で……」 

明日、高咲さんに、今度こそ伝えよう。
もうじれったいのは嫌!

栞子「好きだと……伝えよう」

405名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 01:12:11 ID:gEbVe0lg
今回はここまで。
直前まで処理フェラ抜きをぶっこもうかとも思いましたが、さすがに拗れるのでやめました。

また明日に。

406名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 01:27:32 ID:Qte16PoA
動画の見よう見まねのフェラで鎮めようとする栞子ちゃんも見たいけど、じっくり進んでから乱れる姿も見たい

407名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 01:51:49 ID:BAHzDE/k
正直それも見たかったけど順番は守る子だよね

408名無しさん@転載は禁止:2021/04/27(火) 09:56:06 ID:DS30HExo
やらなくて良かったと思うよ

やっても淡々としてるように装って事務的な手での処理とか…?

409名無しさん@転載は禁止:2021/04/28(水) 00:32:53 ID:EfdDyM0Y
──そうして私は、机に座り。
紙とペンを、手にとった。

栞子「高咲侑さんへ──」

★★★

侑「は〜……」

侑(ほんと、どんな顔して会えばいいんだろう……)

ため息を付きながら教室へ。

侑「はぁ……ん?」

教室の、自分の机の中。
一つの手紙があった。

侑「……ねぇー」

「お? なんだよ」

侑「今日はこういうのだりぃから」

「は? なんのこと?」

侑「誰かでしょ、これ。偽ラブレター……」

半ばイライラしながら中身を見た。

侑「え〜、なになに……」

『高咲侑さんへ』
『突然のお手紙ですみません』
『ですが、今回私が手紙を書いた理由は、たった一つです』
『あなたに、伝えたいことがあります』
『今日の放課後、屋上で待っています』

侑「今日の放課後、屋上で待ってます、三船栞子って……は?」

2度見した。

410名無しさん@転載は禁止:2021/04/28(水) 00:47:35 ID:EfdDyM0Y
侑(え? 栞子ちゃん?)

侑「……」

★★★

放課後。

栞子「……」

夕陽が、少しづつ沈んでいく。
雲の流れも、はやい。
こんなにずっと、空を眺めていたのは、いつぶりだろう。
いや、今までに一度もなかったかもしれない。

栞子「……」

栞子「好きです、付き合ってください、好きです、付き合ってください……」

練習をする。
一度だけのために、失敗しないために。

栞子「ロマンチックに、完璧に……」

そして……。

栞子「!」

……ドアがガチャり、と音をたてた。

栞子「……高咲さん」

侑「栞子ちゃん」

栞子「……遅いですよ」

侑「うん……ごめんね」

侑「……ちょっと、野暮用があったからさ」

★★★
──数十分前。

侑「よし…ください」

411名無しさん@転載は禁止:2021/04/28(水) 00:47:50 ID:EfdDyM0Y
侑(え? 栞子ちゃん?)

侑「……」

★★★

放課後。

栞子「……」

夕陽が、少しづつ沈んでいく。
雲の流れも、はやい。
こんなにずっと、空を眺めていたのは、いつぶりだろう。
いや、今までに一度もなかったかもしれない。

栞子「……」

栞子「好きです、付き合ってください、好きです、付き合ってください……」

練習をする。
一度だけのために、失敗しないために。

栞子「ロマンチックに、完璧に……」

そして……。

栞子「!」

……ドアがガチャり、と音をたてた。

栞子「……高咲さん」

侑「栞子ちゃん」

栞子「……遅いですよ」

侑「うん……ごめんね」

侑「……ちょっと、野暮用があったからさ」

★★★
──数十分前。

侑「よし……いこう」

412名無しさん@転載は禁止:2021/04/28(水) 00:48:55 ID:EfdDyM0Y
栞子ちゃんが待つ、屋上に。

侑「……ん?」





歩夢「……」

侑「歩夢? どうしたの?」

歩夢「……どこに、行くの?」

侑「どこって……」

413名無しさん@転載は禁止:2021/04/28(水) 00:56:33 ID:EfdDyM0Y
歩夢「……あの手紙、絶対誰かのいたずらだよ。後で馬鹿にされちゃうのがオチだよ?」

侑「いやでも……名前まであるし」

歩夢「っ……三船、栞子……ちゃん」

歩夢「もし本当だとしても! 全校集会であんなふうに、不純異性交遊禁止って言ってた本人が……!」

侑「それは、あくまで学業に差し支えがある場合だよ。……あの子は、そういう風にはならないよ」

歩夢「そんなの……言ってないもん……」

歩夢「……じゃあ、それなら……」

歩夢「……私……なんのために……我慢して……」

侑「歩夢?」

歩夢「──私、侑くんのことが好き」

侑「えっ……」

歩夢「この前、連絡したのも、本当は告白しようと思ってたから」

歩夢「……侑くん……私じゃ、だめ……?」

414名無しさん@転載は禁止:2021/04/28(水) 01:00:21 ID:EfdDyM0Y
侑「……」

歩夢「おねがい、今なら……侑くんは……私を選べる」

歩夢「屋上に、行っちゃったら……もう……!」

もう歩夢は泣き出していた。

侑「歩夢、僕は……」

歩夢「だって見ちゃったんだもん……」

侑「え……?」

歩夢「二人が……一緒に歩いてるところ」

侑「!」

歩夢「もうね……私、もうわかってるよ? でも……今ならまだ、そうならないの。……だから、お願い、侑くん」

歩夢「『今度は』、私を選んで……?」

侑「……」

415名無しさん@転載は禁止:2021/04/28(水) 01:00:50 ID:EfdDyM0Y
https://youtu.be/j4XsCJHfplg

クリープハイプ 『栞』

416名無しさん@転載は禁止:2021/04/28(水) 01:06:04 ID:EfdDyM0Y
侑「……ごめん」

侑「今なら、なんて、ないんだ」

歩夢「……」

侑「……僕は、もう栞子ちゃんのことが好きなんだ」

歩夢「……」

歩夢「……敵わないなぁ……」

歩夢「私、誰にも……」

侑「……ごめん」

歩夢「謝らないで……」

歩夢「……栞子ちゃんと、幸せにね」

侑「歩夢っ、僕は歩夢のことは、どんな関係でも……大切に思ってるよ」

歩夢「……ありがとう、侑くん。でも、今はその言葉は……あの子に、言ってあげてね」

★★★
──現在。

栞子「野暮用?」

侑「まぁ、いろいろとね」

417名無しさん@転載は禁止:2021/04/28(水) 01:06:46 ID:EfdDyM0Y
今回はここまで。
次回ようやくくっつきます。だいぶかかりましたね。また明日に。

418名無しさん@転載は禁止:2021/04/28(水) 01:17:33 ID:.mMgYhgw
歩夢ちゃんからしたら面白くないわな
作中でも真に受けてる子が少ない中真面目なのが裏目に出てて悲しい

419名無しさん@転載は禁止:2021/04/28(水) 04:18:57 ID:pqoCSdBs
歩夢ちゃん……

420名無しさん@転載は禁止:2021/04/28(水) 06:49:34 ID:TIBHRXs2
ラブレターという方法を取るのは栞子ちゃんっぽいかも。歩夢ちゃんは今度はとか誰にも敵わないとか、負の方向のパワーがどんどん貯まってそう…

421名無しさん@転載は禁止:2021/04/28(水) 06:54:24 ID:/kPPPAMI
最低でもあと3回はフラれるんだよな…

422名無しさん@転載は禁止:2021/04/28(水) 14:35:14 ID:KQDjnkxE
セガコラボスタンプで意外な一面の栞子×歩夢

423名無しさん@転載は禁止:2021/04/28(水) 23:56:45 ID:EfdDyM0Y
侑「それで……伝えたいこと、って」

栞子「それは──」

さっきまで練習していた言葉が出てこない。
具体的に、どうして好きになったのか、どんなところが好きなのかを伝えたいのに。

言葉にできない。

424名無しさん@転載は禁止:2021/04/29(木) 00:01:01 ID:CxqH/kV2
何度も伝えたかった言葉が、胸の奥につっかえて。
勇気が臆病風にふかれる。

栞子「わたし、は……」

侑「……」

それでも……。

栞子「私は……!」

産まれて初めての、この感情を、あなたに伝えたいから。

425名無しさん@転載は禁止:2021/04/29(木) 00:01:32 ID:CxqH/kV2
https://youtu.be/FtGrJkXuC60

FUNKY MONKEY BABYS 『告白』

426名無しさん@転載は禁止:2021/04/29(木) 00:09:28 ID:CxqH/kV2
栞子「あなたの事が……大好きなんです!」

侑「……っ」

栞子「一生懸命なところが好きです」

溢れた想いは、止まることを知らず。

栞子「優しいところが好きです」

なんだ、拍子抜けです。

栞子「おっちょこちょいだけど、たまに見せるかっこいいところが好きです……」

伝えてしまえば、言いたいだけ言ってしまえば。

栞子「小さな変化に気付いてくれるところが好きです!」

もっと、たくさん伝えたい。

栞子「私を、栞子ちゃんって呼んでくれるところが好きです!」

そんな子供みたいなことじゃなくて、もっと上手な言葉を言いたい。だけど、今の私には無理です。
もう、こんな言葉しか、出てこないんです。

栞子「あなたの全部が大好きです……! だから……私の、恋人になってほしいです」

427名無しさん@転載は禁止:2021/04/29(木) 00:15:39 ID:CxqH/kV2
呼吸が乱れる。
信じられないくらい、顔も熱い。
胸が苦しい。
心が押しつぶされそうで、高咲さんの返事を待つ、このたった数秒でさえ、永遠に感じた。

けれど、やはりそれは……刹那でしかない。

侑「本当に……可愛いね、栞子ちゃんは」

栞子「た、高咲さん……?」

侑「僕も、栞子ちゃんのこと、好きだ」

栞子「へ──」

頭の先まで、何かが伝う。

いま、なんて──

侑「僕も、栞子ちゃんと……恋人になりたい」

栞子「ぅ──」

叫びだしそうになる。
口を抑えて、こらえる。その代わりに、涙がとめどなく溢れる。

栞子「た……高咲さん!」

侑「おっと」

たまらず、高咲さんの胸の中に飛び込んでしまった。
高咲さんは、そんな私を抱きしめてくれる。

侑「……これからは、もっとよろしくね」

栞子「っ、はい……!」

★★★

428名無しさん@転載は禁止:2021/04/29(木) 00:40:35 ID:CxqH/kV2
こうして、私と栞子ちゃんは付き合う事に。

……いやぁ。それにしても、栞子ちゃんがあんなに情熱的に告白してくるなんて、思わなかった。 

侑(ふふ、こりゃあ日頃の栞子ちゃんも、すっごく甘々でデレデレになってたりして──)

★★★

栞子「高咲さん! この書類はなんですか! ここと、ここも誤字、期日のミス! もう生徒会に入ってからしばらくが経つのですから、これくらいしっかりしてください!」

全然そんなことなかった。

侑「い、いやはぁ〜、その……」

栞子「そのもなにもありません! まったく……」

他のメンバーも「まあまあ……」とか「そのへんで……」とか収めてくれる。

──生徒会メンバーには、付き合っていることは話していない。

面倒事を避けるために、あまり言いふらさない方が良いだろうという理由からだ。

……この調子じゃ、バレそうにもないけど。

429名無しさん@転載は禁止:2021/04/29(木) 00:48:02 ID:CxqH/kV2
栞子「内容もわかりにくいですから、これは作り直しです」

侑「えー! 今日?」

栞子「な・に・か?」

侑「なんでもないです……」

A宮「……じゃあ、私達は先に帰りますね」

栞子「はい。お疲れ様でした」

A宮「……」

栞子「……」

A宮(二人きり!)

栞子(……ですね)

★★★

私と栞子ちゃん以外は帰り、生徒会室には私達二人に。

侑「ふう……」

栞子「……」

栞子ちゃんが黙って立ち上がる。
まずい! 今のため息が不満に感じ取られたか?!

……と、思っていたら。
栞子ちゃんは、私の隣の椅子に腰掛けた。

栞子「……あの、さっきはごめんなさい。強く言い過ぎて……」

侑「えっ? あぁいや、でも悪いの僕だし……」

栞子「……私、可愛くないですよね。いつも怒ってばかりで……」

侑「そんなことないよ! 栞子ちゃんは怒っててもかわいいよ!」

430名無しさん@転載は禁止:2021/04/29(木) 00:57:31 ID:CxqH/kV2
栞子「……ありがとう、ございます」

そういうと、栞子ちゃんは私の肩に頭を預けてきた。

栞子「手……」

侑「ん……」

栞子ちゃんの両手が、私の左手を包む。
指先を揉んだり、指の間に挟んだり。

栞子「……少し前までは、いえ……初めて会ったときは、こんな関係になるなんて、思いもしませんでした」

侑「実は僕も……めぐり合わせって、不思議だよね。……あの頃は、栞子ちゃんはもっとツンツンしてたなぁ」

栞子「や、やめてください……昔の話です」

侑「まぁね。……でも、栞子ちゃんはさ、まだ……そうだな、頼ることはもうしてくれるけど……そう、甘えるって事、しないじゃない?」

栞子「甘える……?」

431名無しさん@転載は禁止:2021/04/29(木) 01:00:59 ID:CxqH/kV2
侑「うん。もしかしたら、誰にも甘えられない状況とかだったのかもしれないけど……今はさ! 僕がいるんだから、なんでも言ってみてよ! してほしい事とか、お願いしたい事」

栞子「してほしい、事……ですか」

侑「うんうん」

栞子「高咲さんに、ですか?」

侑「そうそう!」

栞子「……」

侑「そんな難しく考えなくていいからさ、栞子ちゃんが、自分の思うまま、僕がこんなことしてくれたら嬉しいな〜、ってことを言ってくれたら、僕は頑張るよ!」

栞子「……そう、なんですね……じゃあ、一つ……いいですか?」

侑「お、なになに?」

栞子「あの……あ……でも、やっぱり……」

432名無しさん@転載は禁止:2021/04/29(木) 01:03:17 ID:CxqH/kV2
侑「遠慮しないでいいんだよ」

栞子「……」

栞子「じゃあ……高咲さん」

侑「うん!」


栞子「毎日、おはようと、おやすみのキス……してほしいです……」

侑「……」

侑「ぅえ?」

433名無しさん@転載は禁止:2021/04/29(木) 01:06:06 ID:CxqH/kV2
ちょっと待て。

侑(流石に予想外だよ!)

まだ私達、キスしてないから!
今してほしい……なら、すごくよくわかる!
飛ばしてくるね! 栞子ちゃん、案外!

栞子「あっ、あの! やっぱり今のは……」

侑「いや、いいよ」

栞子「なかったことに、へっ、ええっ……!」

もう頭の中で情報が飛びすぎてわけわからなくなっている様子の栞子ちゃん。

侑「……もうおはようのは出来ないけど」

栞子「あ……」

侑「おやすみのなら、出来るよ」

434名無しさん@転載は禁止:2021/04/29(木) 01:14:26 ID:CxqH/kV2
しん、と音が消えるようだった。
さっきまでの空気とは違う。

栞子「高咲、さん……」

侑「……」

栞子ちゃんの肩に手を置く。

侑「ほら、目、閉じて」

栞子「あっ……!」

すると、ぎゅうっ、と目をつぶる。
緊張しているのが丸わかりだった。

それをみると、なんだかこっちは落ち着きを手に入れられた。

侑「ん……」

栞子「んぅっ……!」

唇に触れる。
触れるだけだ。
でも、それでも。
私達にとっての、ファーストキス。
あまりにも、刺激的なんだ。

侑「……どう?」

栞子「……」

ぽわ、とした顔。
よくわからない……と言いたげだ。

栞子「……まだ」

侑「ん?」

栞子「毎日、朝と帰りで2回ですから……あと一回、朝の分として……もう一回……」

侑「ん、いいよ……」

もう一度キスをした。
今度は少しだけ、栞子ちゃんの唇を食む。
栞子ちゃんも、それに返してくれる。

唇が離れると、耳たぶまで真っ赤になっていた。

栞子「……こんなのを、毎日してもいいんですか?」

侑「いいよ。……生徒会室で、二人きりになれたら、ね」

435名無しさん@転載は禁止:2021/04/29(木) 01:15:55 ID:CxqH/kV2
今回はここまで。
栞子でやりたかったことは出来ました。
あとは終わりに向かって行きます。次の√は今度こそエマです。

また明日に。

436名無しさん@転載は禁止:2021/04/29(木) 02:51:26 ID:qlOqJeVg
大胆なおねだり可愛い

437名無しさん@転載は禁止:2021/04/29(木) 04:35:08 ID:WCgX1RbM
やっべぇ!
可愛すぎる!!

438名無しさん@転載は禁止:2021/04/29(木) 07:57:21 ID:KHd1t6C.
ンンンンンたまらん…破壊力高すぎるぜ……

439名無しさん@転載は禁止:2021/04/29(木) 08:13:14 ID:oCApaI4E
恋愛に疎いから逆に大胆なことをしちゃうっていうのはありそう


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