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「あなたは昔から男の子だよ?」√栞子

1名無しさん@転載は禁止:2021/02/08(月) 17:40:17 ID:DNGC4HfQ
春。
出会いと別れの季節、春。

それはここ、虹ヶ咲学園にも当然訪れる。
三年生は卒業して、新入生が新たに加わる。

それは今までもあったことだし、今更戸惑うこともない。

たった一つだけ、あることを除けば。

歩夢「──どうしたの? 今日は朝からなんだか調子が悪そうだけど……」

侑「あ、あぁ……いや、なんでもないよ、歩夢」

歩夢「ならいいんだけど……何か困ってることとか、悩みごとがあったら、なんでも相談してね!」

幼馴染みの上原歩夢。
自分で言うのもなんだけど、可愛い女の子だと思う。そんな子が幼馴染みだと……羨ましがられるんだ。

そう──特に、今は。

歩夢「そういえば、今日は身体測定があるんだって。『女子』は更衣室使うみたいだけど、間違って入っちゃだめだよ〜」

自分が──女の子から、男の子に変わってしまっている今は。

☆☆☆

侑「はぁ〜〜〜なにがなんだか……」

まさか眠りから覚めたら男の子になっちゃってるなんて……いや、わけわかんないよ。
わけわかんないけど、仕方ないから順応する。

わかっていることは、歩夢とは変わらず幼馴染みであること、自分のことは僕と呼ぶ事、そして一番驚いたのは、ここではスクールアイドル同好会が存在しないこと。

スクールアイドルという文化自体はあるようだけど……。

先生「はい、身長169センチ、体重は57キロね」

侑「ご、57……」

先生「ん? どうしたの?」

侑「いえ……」

女の子の体のときを、かんがえるとちょっとショックだったけど、別にこれくらいが普通、というかちょっと軽いらしい。

むしろ身長はもう少し欲しいくらいだね、なんて言われた。

(むしろ、視線が高くなって変な感じ)

まさか歩夢を見下ろす日が来るとは思わなかった。

(でも、なにはともあれ、だよね)

どんな理屈、ファンタジーで私が男の子になってしまったのかはわからないけど、普通に日常を送らないと。

もしかしたら、そのうち元に戻れるかも……しれないし。

「え〜と、となると気を付けないといけないことは……」

うっかり女子トイレにはいらない、男子のちんちん見えても動揺しない、僕っていうこと、男の子っぽく過ごすこと。

272名無しさん@転載は禁止:2021/04/02(金) 01:13:18 ID:tnDeTOVA
今回はここまで。
また明日に。

273名無しさん@転載は禁止:2021/04/02(金) 14:17:14 ID:fPA15NWU
ちゅき……
しお子ちゅき……

274名無しさん@転載は禁止:2021/04/02(金) 15:20:21 ID:6BVNo6pM
好きを自覚してからくっつくまでの過程がすき
今夜の更新を楽しみにして月初業務のりきるわ

275名無しさん@転載は禁止:2021/04/02(金) 19:46:39 ID:5sM4UBxk
侑くんの活躍を内心で喜ぶ栞子ちゃんが可愛すぎる
侑くんが怪我をしたことに遠目でもすぐ気付くくらい凝視してた栞子ちゃんも可愛い

276名無しさん@転載は禁止:2021/04/03(土) 00:19:45 ID:wHaWjxq.
栞子「……でも無理はしないでくださいね。テーピングしたとはいえ、曲げたりすることは辛いはずですから」

侑「うん、わかった」

栞子「……それと、いますぐ動かせるのも指に悪いので」

栞子ちゃんはビニール袋に氷水を入れてきた。

栞子「少し時間もあるでしょうから、しばらく冷やしておきましょう」

277名無しさん@転載は禁止:2021/04/03(土) 00:26:02 ID:wHaWjxq.
少し冷たいけど、それは嫌ではない。
火照った指先に、染み渡る。

侑「ありがとう、何から何まで」

栞子「いえ、……どういたしまして」

外からは、盛り上がる歓声が聞こえてくる。
ここだけが、その喧騒から隔離された部屋。

侑「なんか、ちょっぴり変な感じだね」

栞子「……変な感じ、ですか?」

侑「なんか、上手くは言えないけど……僕たち、二人でいる時は結構あるけど」

侑「こんなタイミングだと……いつもと違う感じ」

278名無しさん@転載は禁止:2021/04/03(土) 00:45:27 ID:wHaWjxq.
栞子「……わからないでも、ありません」

栞子「この些細な非日常感が……普段ないからこその状況だから、気分が高揚するというのは」

侑「あ……やっぱり?」

栞子「はい」

指を冷やしている最中、昼のチャイムがなった。
どうやら昼食の時間になるらしい。

侑「あー、そうだ。食堂が開放されるからそこで食べようと思ってたんだ」

栞子「指は動かせますか?」

侑「うーん……」

279名無しさん@転載は禁止:2021/04/03(土) 01:06:38 ID:wHaWjxq.
正直に言うと、まだ不安ではある。
しかも利き手だし……。

栞子「……あの、少し待っていてください」

✦✦✦

侑「……お弁当?」

栞子「これだけじゃ足りないかもしれませんが……」

侑「食べていいの? 栞子ちゃんは?」

栞子「私こそ後でなにか食べればいいですから……」

そう言いながら、栞子ちゃんは箸を掴む。
中身は実にTHE・お弁当。
卵焼き、ソーセージにほうれん草のおひたし、きんぴらごぼうにひじき。そしてミニハンバーグ。

栞子「……ぁ、あの、どうぞ……」

侑「え」

卵焼きを一つ取り、それを私の口へ向けた。
あ、これ……。
 
侑「あ、ぁむ……」

栞子「……どうですか?」

侑「……うん、美味しい!」

栞子「! そ、そうですか。良かったです」

280名無しさん@転載は禁止:2021/04/03(土) 01:13:44 ID:wHaWjxq.
あーんです。
また明日に。

281名無しさん@転載は禁止:2021/04/03(土) 01:42:15 ID:2wMjLby6
シンプルに最高
シチュエーションなんてベタすぎなくらいでいいよね!

282名無しさん@転載は禁止:2021/04/03(土) 02:20:13 ID:D8GpNatI
あーんは素晴らしい
っょぃ

283名無しさん@転載は禁止:2021/04/03(土) 04:51:57 ID:k6bSUpuM
耳真っ赤になってそう。かわいい

284名無しさん@転載は禁止:2021/04/04(日) 21:51:55 ID:2kaR.D8.
今夜再開

285名無しさん@転載は禁止:2021/04/05(月) 17:33:49 ID:vo8Jv1dc
明日再開。

286名無しさん@転載は禁止:2021/04/06(火) 17:26:37 ID:AJPxXd9k
予想外の出来事だったけれど、ちょっぴり得した気分。
というより、なんだろう。嬉しいというか……ニヤつく。

栞子「次はなにがいいですか?」

侑「あ、じゃあ……ソーセージ」

食べさせてもらって、お腹も心も満たされる。
でもそこで、栞子ちゃんは自分の分はどうするんだろうと思う。

侑「栞子ちゃんは食べなくていいの?」

結構食べてしまったけれど、まだ少し残っている。

287名無しさん@転載は禁止:2021/04/06(火) 17:44:32 ID:AJPxXd9k
栞子「私は……」

言い淀んでいると、昼休みが終わるチャイム。

侑「あ……次応援だ。僕行ってくるから、またあとで!」

✦✦✦

そう言って、高咲さんは行ってしまった。

栞子「……」

残ったお弁当。
箸に目がいく。

栞子「だって……これじゃ……」

間接キス。

栞子「……でも、仕方ない、ですよね。他にお箸はないですし、残すのも良くないですから……」

──私は誰に言い訳をしているのだろう。

288名無しさん@転載は禁止:2021/04/06(火) 17:52:54 ID:AJPxXd9k
何も悪いことをするわけじゃない。
だから、別に……何も気にせずに食べてしまえば……。

栞子「い、いただきます……」

少ししっとりした箸の先端。

それをついに口へ運ぼうとした──



侑「あ! 栞子ちゃん!」

栞子「っ!?」

びくっ、と肩がはねて、その拍子に手から箸が落ちてしまった。

侑「あっ、ごめん、驚かせた?」

栞子「い、いえ! 大丈夫です……それで、なんでしょう?」

侑「あ、うん。お弁当、美味しかったよ! ありがとう!」

✦✦✦

289名無しさん@転載は禁止:2021/04/06(火) 18:03:03 ID:AJPxXd9k
落とした箸を洗う。

栞子「……」

水で落ちていく。
一緒に、流されていく。

栞子「……」

少しだけ、残念なような。

栞子「……!」

それじゃ、私がまるで間接キスがしたかったみたいな……。

栞子(違う、違う……!)

不安定な頭の中をシャッフルするように頭をふる。

栞子「……」

私は……一体……。

290名無しさん@転載は禁止:2021/04/06(火) 18:50:46 ID:AJPxXd9k
今回はここまで。
栞子、璃奈√より長くなるかもです。また明日に。

291名無しさん@転載は禁止:2021/04/06(火) 19:09:17 ID:66U75uRQ
楽しみ!

292名無しさん@転載は禁止:2021/04/06(火) 23:03:07 ID:W56WkuVY
初々しくていいなあ。本当に少しずつ進展していく感じだね

293名無しさん@転載は禁止:2021/04/06(火) 23:45:02 ID:xesDGnz.
正統派ラブストーリーって感じでとてもいい……

294名無しさん@転載は禁止:2021/04/07(水) 05:17:14 ID:uZ8HTxrQ
初々しさがたまらん

295名無しさん@転載は禁止:2021/04/07(水) 18:30:06 ID:T4iqEwSo
✦✦✦

A宮「あ、お帰り。遅かったね」

栞子「は、はい。……いま、何が始まってます?」

A宮「もうリレーがはじまるところだよ、二年生のね」

296名無しさん@転載は禁止:2021/04/07(水) 18:43:37 ID:T4iqEwSo
遠くからでも、高咲さんの姿を確認できた。

A宮「あ、高咲さんもいるね。何番だっけ」

栞子「アンカーです」

A宮「ひゃ〜、責任重大だねぇ」

栞子「……」

整列が終わり、ついにリレーは始まった。

スタートから、中盤まではあまり差は開かず、接戦が続いていた。

297名無しさん@転載は禁止:2021/04/07(水) 18:50:23 ID:T4iqEwSo
だけどそれも、高咲さんへのバトンが渡るまではだった。

A宮「あ、転けた!」  

高咲さんの一つ前のバトン走者が、渡す直前で転んでしまった。

「うわっ、すまん持ってけ!」

侑「うん!」

バトンを拾い、駆け出す。

差はかなり広がってしまっていた。

298名無しさん@転載は禁止:2021/04/07(水) 18:57:45 ID:T4iqEwSo
すると──

A宮「わっ、速くない?!」

栞子「……!」

後方からの追い上げ。
一人、また一人。抜き去って、前に前に。
歓声が大きくなる。それにつれて、私も。

栞子(がんばれ、頑張れ……!)

握る拳に力がはいる。

A宮(胸元まで拳きちゃってるよ)

そして、最後の直線。
見事なごぼう抜きをみせた高咲さんは、一着でゴールした。

栞子「ぁぁぁっ、やった! やっ……はっ」

横を見ると、A宮さんがニヤニヤしていた。

299名無しさん@転載は禁止:2021/04/07(水) 18:58:58 ID:T4iqEwSo
A宮「嬉しいね」

栞子「そ、そうですね」

A宮「嬉しいでしょ?」

栞子「……」

A宮「かっこいいところ見られて」

栞子「べ、別に私は……」

A宮「はいはい、素直じゃないんだから」

300名無しさん@転載は禁止:2021/04/07(水) 18:59:22 ID:T4iqEwSo
全然時間ありませんでした。またあすに。

301名無しさん@転載は禁止:2021/04/07(水) 19:14:11 ID:BxkqKBY6
ニヤニヤ

302名無しさん@転載は禁止:2021/04/08(木) 00:48:54 ID:suAaSdg.
A宮さんからすると、侑君が何走なのかさらっと出てきたり活躍にすごく興奮してたり、完全に答え出てるね

303名無しさん@転載は禁止:2021/04/09(金) 15:33:15 ID:cTzE56cU
土曜日に再開です。

304名無しさん@転載は禁止:2021/04/09(金) 21:27:37 ID:.xy6bkA2
まだこのルートやってたんだ

305名無しさん@転載は禁止:2021/04/09(金) 22:13:36 ID:ITLy.J5w
良いじゃん(いいじゃん)
期待してるよ

306名無しさん@転載は禁止:2021/04/09(金) 22:26:09 ID:JpCwisBg
栞子ちゃんにはこのペースが似合ってるね

307名無しさん@転載は禁止:2021/04/11(日) 01:26:52 ID:5yr4VXyM
★★★

今年の優勝は、赤組となった。
やはり、あのリレーが大きかった。もしも高咲さんが一着でなければ負けていました。

最後に、クールダウンも兼ねられたフォークダンス。
オクラホマミキサーが流れ出し、それぞれ男女でダンスをする。

栞子(あ……)

高咲さんは、確か、幼馴染みと言っていた方と組んでいました。

308名無しさん@転載は禁止:2021/04/11(日) 02:26:52 ID:.5ElzDqY
歩夢ちゃんの数少ない幸せな時やな

309名無しさん@転載は禁止:2021/04/11(日) 02:32:31 ID:5yr4VXyM
★★★

歩夢「侑くん、リレーかっこよかったよ」

侑「ありがとう歩夢。なんとか勝ててよかったよ」 


仲睦まじい様子で、互いに笑顔で。

栞子「……」

私は、それを見たくなかった。

310名無しさん@転載は禁止:2021/04/11(日) 02:42:00 ID:KJeQOrHQ
かすみ√の歩夢ちゃんの告白からスキーデートのところものすごく読み返してる

311名無しさん@転載は禁止:2021/04/11(日) 03:26:12 ID:3z91qL/.
ぽむニッコニコですよ

312名無しさん@転載は禁止:2021/04/11(日) 22:45:43 ID:yv1Iys6Q
ぽむに嫉妬するしお子ええぞええぞ

313名無しさん@転載は禁止:2021/04/12(月) 21:37:11 ID:1QAtfq0M
私が仲良くできる男性は、一人だけだけど。
高咲さんは、私以外にも仲良く出来る女性はいる。

栞子(なにか……思い上がっていたところはあるのかもしれません)

ほんの少し、もしかしたら高咲さんは私のことを特別に大事にしてくれているのかも知れない、なんて考えたことがないといえば嘘になる。

あれだけ一緒にでかけていたから……そう思うのも、舞い上がっていたからということなのか。

314名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 00:12:26 ID:0TC/ySk2
いや、そんな小難しい話じゃない。
私は、ただただあの人に嫉妬をしているだけ。

栞子(私はいつから、こんなに自分勝手になってしまったのでしょう)

いつから……。

栞子(そんなのは決まっている。高咲さんと出会ってから……)

じゃあ、どうして自分勝手になってしまったのか?

315名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 00:19:24 ID:0TC/ySk2
ぎゅう、とスカートを握る。

栞子(あぁ──私は)

ヒロインに憧れていました。
フィクションの中の、運命の人と出会い。
恋におちて、素敵な日々を送る。
そんな、青い春に憧れていた。

もういい。
もう誤魔化せない。
あの光景を見て、嫉妬しているのだから。
私は。
私は……!

栞子(恋をしている……)

ひとつ上の、先輩に。

316名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 00:27:41 ID:0TC/ySk2
★★★

白熱の体育祭も終わる。
少し寂しい気持ちもしたけれど、いつか終わることだから仕方ない。

侑「あ〜楽しかった! 来年も楽しみだなぁ」

栞子「もう来年の話ですか?」

侑「一年なんてあっという間だからね。早くても、いいんだよ」

侑「それに、来年が最後でもあるからね」

栞子「あ……」

そうだ。
高咲さんは来年で三年生……受験のシーズン。

となると、生徒会の活動も……。

栞子(やめてしまう、のでしょうか……)

317名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 00:27:46 ID:kADxghcg
ついに栞子ちゃんが恋を自覚したか。モノローグも詩的で可愛い

318名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 00:35:09 ID:0TC/ySk2
そうしたら、高咲さんとの繋がりが……。

侑「さって、と。生徒会のみんなも待ってるだろうから、はやく生徒会室に向かおうか。プチ打ち上げが始まるぞ〜!」

栞子「……」

★★★

侑「プチ打ち上げが始まるぞ〜! ……ん?」

少し引っ張られる感覚。
振り返るとその理由はすぐにわかった。

侑「栞子ちゃん?」

栞子ちゃんが、私の体操服の裾を指で掴んでいた。

栞子「……」

319名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 00:43:07 ID:0TC/ySk2
侑「栞子、ちゃん?」

栞子「……高咲さんは、来年。生徒会はどうするつもりかんですか」

侑「来年? えー、と。そう、だね……」

侑「まぁ……状況によるかなぁ」

栞子「状況、とは」

侑「一応受験生だしね。勉強とかちゃんとやらないとだし……」

栞子「……そうですか。そうですよね。安心しました。将来の事を考えず、続けるなんて言ったらどうしようかと」

侑「あはは、さすがにね」

320名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 00:49:46 ID:0TC/ySk2
栞子「……すみません、私はお手洗いに行ってから戻りますので」

侑「あぁ、じゃあ先に行ってるね」

★★★

だけど、栞子ちゃんはなかなか戻ってこなかった。

「会長、遅いですね」

侑「トイレって言ってたけど……」

A宮「あ、なら私が様子見てきます」

★★★

A宮「えー、と……ん?」

A宮(どこからか……ちょっと泣き声?)

A宮(……)

女子トイレの、一番奥。

それは確かに、しおちゃんのすすり泣きだった。

321名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 00:51:50 ID:0TC/ySk2
A宮「しおちゃん」

栞子「えっ……ぐすっ、え、A宮さん……?!」

A宮「……どうしたの? 泣いてるところなんて初めて見たよ?」

栞子「な、泣いてなんか……」

A宮「ドア越しでもわかるよ。……とりあえず出ておいでよ。話聞くよ」

322名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 01:08:44 ID:0TC/ySk2
★★★

A宮「……で、どうしたの?」

栞子「……絶対、秘密にしてくれますか?」

A宮「うん。大丈夫だよ」

栞子「……私、高咲さんの事が好き……みたいで」

A宮「みたい、じゃなくて好きなんでしょ?」

栞子「っ、それは……」

A宮「もうぶっちゃけちゃおうよ。ここまで来たらさ。別に笑ったりしないから」

栞子「……はい」

A宮「それで? なんで泣いてたの? 高咲さん絡みだろうけど……」

栞子「……来年になったら、高咲さんが生徒会をやめるかもしれない……」

A宮「……」

栞子「……から、です」

A宮「……」

A宮「え、それだけ?」

栞子「そっ、それだけとはなんですか! 重大な事です!」

323名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 01:24:32 ID:0TC/ySk2
A宮「いやてっきり、高咲さんにすでに彼女がいるとかって話かと」

栞子「ぇ……」

A宮「いや、知らないよ!? そんな絶望した顔しないで!?」

A宮「というか、生徒会やめたからって、別にもうずっと会わない、会えないわけでもないじゃん?」

栞子「それは、そうかもしれませんが……」

A宮「泣くくらい寂しいのかもしれないけど、いづれ卒業するんだよ? その時耐えられないんじゃない?」

栞子「卒業……」

A宮「そう。大学に行くのなら、今度はもっと離れ離れだよ」

栞子「そ、そんなの……嫌です」

324名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 01:38:14 ID:0TC/ySk2
今回はここまで。
今まで、個別はいちばん最初のにこ√が一番長かったんですが、栞子が過去1になるかもしれません。
また明日に。

325名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 03:46:25 ID:x.cE7RPg
いいぞ��

326名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 04:54:31 ID:Cl5Jg05Y
いいねいいね、じっくりやろう

327名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 07:36:44 ID:kADxghcg
さらにたくさん続きが。体操服の裾を摘むのもお手洗いで泣いちゃうのも本当に可愛い。じっくり楽しみにしてます

328名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 09:04:32 ID:BoTeP52U
是非とも歯が溶けるんじゃないかってくらい甘々なやつをお願いします

329名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 11:27:33 ID:zSVl9e6.
でも歩夢との距離を見てたら付き合ってると思ったりしないのかな?

330名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 11:38:31 ID:xRER9S1.
ピュアピュア栞子ちゃんの可愛さすごい

331名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 23:19:01 ID:0TC/ySk2
A宮「だったら! 泣いてる場合じゃないよ」

栞子「それはそうなんですが……でも」

栞子「……思い描けないんです、あの人とどうしたら恋人になれるのか」

A宮「そんなの、誰だってそうだよ。むしろ描けるような人なんていないよ」

A宮「わかるのなら、だれも不安になったりしないんだから」

栞子「……A宮さんは、どうやって付き合ったのですか?」

A宮「私は……相手から告白されて、からが始まりかな」

栞子「どう、思いましたか? 告白されて」

A宮「びっくりはしたけど、……なんだか、変な感じ。自分のことを好きになってくれたことが、嬉しかった」

332名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 23:32:55 ID:0TC/ySk2
A宮「それから付き合いだして、今じゃ私のほうが好きかも」

栞子「……告白」

A宮「うん。……だから、正直なところ私じゃ、なんてアドバイスすればいいかわからない……しおちゃんの気持ちを、ありのまま伝えるのが、一番なのかな」

栞子「……ありがとうございます、A宮さん」

栞子「そろそろ、戻りましょう。あまり戻らないと、不自然ですから」

A宮「だね」

★★★

プチ打ち上げも終わり、それぞれが帰宅する。

侑「いや〜、今日が終わっちゃったなぁ」

栞子「……そうですね」

冷静でいられない。
今思えば、こうやって二人きりで帰れていることに喜びを感じる。

栞子(私だけ、なのでしょうか……)

333名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 23:37:34 ID:0TC/ySk2
侑「栞子ちゃん」

栞子「えっ、あ、は、はい!」

侑「生徒会の事なんだけど……僕、やっぱり来年も続けるよ」

栞子「へ……」

侑「受験に無理がないようにだったら、別に構わないって言われたからさ。……だめ?」

栞子「だめじゃありません! ……た、高咲さんが決めたことなら、私は何も言いません……」

栞子「……でも、どうしてですか?」

侑「あ〜……」

334名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 23:53:33 ID:0TC/ySk2
★★★

どうして、なんて訊かれても。

侑(……あんな裾引っ張られたりしたらさ)

なんか、かわいいなって思ったし。
もしかしたら、残っててほしいのかなって。

いや、結局……。

侑(この子可愛いから、なにか繋がりが欲しいだけなのかもね……)

侑「……まあ、もう少し栞子ちゃんのお手伝いをさせてもらうよ」

栞子「! ……ありがとう、ございます」

335名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 23:55:42 ID:0TC/ySk2
★★★

侑「じゃあまたね、栞子ちゃん。明日はゆっくり休んで」

栞子「はい……また、学校で」

いつもの分かれ道。
そこで、A宮さんの言葉が頭を過る。

ありのままを、伝える。

栞子「あ、あの!」

侑「あ、なに?」

栞子「その……あの……」

336名無しさん@転載は禁止:2021/04/13(火) 23:59:42 ID:0TC/ySk2
栞子「今日の……リレー……」

思うように言葉が出てこない。
いや、言葉はもう用意できてはいる。でもそれを口に出すことに勇気がいる。

栞子「かっこ良かったです……とても」

栞子(言った……!)

侑「ぇ、あ、ありがとう」

栞子「……っ、そ、それだけです! さようなら!」

そう言って、私は逃げるように──実際逃げた──その場を走り去った。

侑「……」

★★★

337名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 00:05:03 ID:.7.lAI/Y
栞子ちゃんと分かれて、歩く一人。
私はもんもんとしていた。

侑(え、え? なに? さっきの……)

顔真っ赤にして……あんなふうに……。

侑(えっー、なに、なんかすごいドキドキする!)

栞子ちゃんからそんな事を言ってもらえるなんて思ってなかったから、インパクトが強かった。

侑「えー……」

考えがまとまらない。

侑(……いや、うぬぼれか)

一瞬、私に気があるんじゃ……って思ったけど、まさかね。

侑(でも栞子ちゃんから告白されたら、喜んでOKしちゃうなぁ)

338名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 00:18:54 ID:.7.lAI/Y
★★★

侑『……あれ?』

『お久しぶりです』

侑『あ! なんだか一年ぶりな気がする!』

『妙に具体的ですが、いいでしょう……というか、あなた色んな意味で順応早すぎません? 一応心はまだ女子のはずですが、完全に男子になってますよ』

侑『そうかな? 郷に入っては郷に従えって言うじゃん?』

『それとは少し違う気が……』

侑『……でも、今会ってるって事はなにか伝えることが?』

『はい。とは言っても、今のあなたにしか伝えられないので、あまり意味はありませんが』

『今は掟破り、ルールの外側、一種のメタ要素的な時間です』

侑『よくわかんないけど、つまり?』

『あなたが今まで得た、経験は蓄積されるということです』

侑『経験?』

『妙に女慣れしてると、思われないようにすることです。一線を超えるときとか、です』

侑『それもよくわかんないけど、とにかく……うん。みんなを幸せにすればいいんだよね』

『そのとおり。ちなみに今、何人目かわかります?』

侑『え? 栞子ちゃんが最初じゃないの?』

『……まあその反応が正しいですね』

侑『え、なにその意味深な反応』

『いえ。でもなにも心配はいりません。これに関しては、なにか不吉なことがあるわけではありませんから』

★★★

侑「んが……」

なんだか変な夢を見ていた気がする。内容は忘れた。

侑「ゆめ……あれ、携帯……」

歩夢からのLINE。
と、栞子ちゃんからのLINE。

内容は……どちらもかんたんに言うと、「今日、予定は空いていますか?」というものだった。

339名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 00:19:48 ID:.7.lAI/Y
今回はここまで。
最後のやつは特に意味はありません。
また明日に。

340名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 00:23:20 ID:grcGn.k.
過去1きゅんきゅんする
青春だ

341名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 07:50:12 ID:XNAzQ2Yk
栞子は歩夢にも懐いてたから、こっちの世界でも侑くんが関係しなければ仲良くなれそうなのかな

342名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 08:16:59 ID:UtJ8gJQc
告白されたら…
っていうか、自分から告白したくならないのか?

343名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 23:36:46 ID:.7.lAI/Y
侑「……」

どうしよう。
どちらとも、断る理由はない。だけど、どちらかを選ばないといけない。

私は……。

侑「……」

電話を掛ける。

歩夢『……あ、侑くん?』

344名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 23:46:26 ID:.7.lAI/Y
侑「LINEの件なんだけど……今日は友達との約束があってさ」

歩夢『あっ、そうだったんだ……』

侑「ごめんね」

歩夢『ううん! 私も急にごめんね。……またね』

侑「うん、また」

★★★

栞子「……」

スマートフォンを、ずっと眺めてしまう。
返信はまだかまだかと、ずっと。

栞子「……」

345名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 23:48:53 ID:o5X0ZEUQ
主はいつもストーリーの展開考えてから書いてるのかその場のノリというか流れで書いてるのか気になる

346名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 23:52:25 ID:.7.lAI/Y
すると。

栞子「!」

着信。
予想外の連絡にベッドの上で跳ねてしまった。

栞子「もっ、もしもし!」

侑『おはよう、栞子ちゃん』

あっ、電話越しの声……なんだか変な感じ。
それに……おはよう、か。

栞子「お、おはようございます」

侑『LINEの件なんだけど……今日は僕も暇だから、予定あいてるよ』

栞子「! そ、そうでしたか」

侑『うん。……どこかに行きたいの?』

栞子「……良ければでいいのですが……」

侑『良いよ。どっか遊びに行こうか』

栞子「あ、ありがとうございます! ……じゃあ、あの。いつもの場所で……」

★★★

347名無しさん@転載は禁止:2021/04/14(水) 23:56:42 ID:.7.lAI/Y
>>345
半々くらいです。
今回だと、まだ先ですが告白のシーンだけは考えてます。それ以外はだいたいノリです。

更新が多いときはノッてる時です。遅いときは詰まってる時です。

348名無しさん@転載は禁止:2021/04/15(木) 00:14:14 ID:L0Pbqmus
思えば、今までは本の貸し借りという大義名分があったから待ち合わせをしたりして会っていたけど。

今日は純粋に一緒に遊ぶために待ち合わせをしている。

侑「栞子ちゃんは……と」

もういた。
早いな、まだ待ち合わせ時間より30分あるのに。

少し様子見てみよ。

栞子「……」

前髪を少し気にしている。
小さな手鏡でしきりに、だ。

侑(……)

私と会うから?

侑(ええい、いいや。早く会いに行こう)

349名無しさん@転載は禁止:2021/04/15(木) 00:24:02 ID:L0Pbqmus
侑「栞子ちゃん、おまたせ」

栞子「あっ……いえ、私も今来たばかりです」

お決まりのセリフを挟んで、とりあえずは待ち合わせ完了。

侑「よーし、じゃあ今日は栞子ちゃんをエスコートしちゃうよ」

栞子「よろしくおねがいします」

★★★

侑「そうそうこれ。これ、映画化したんだよ」

二人で貸し借りしていた小説が、映画化していたのを知ったのは、たまたまだった。
でもこれは丁度いい機会だと言うわけで、栞子ちゃんを連れて映画館にやってきた。

栞子「どんな風に表現されているのでしょう……」

侑「それも見てからの、お楽しみだね」

350名無しさん@転載は禁止:2021/04/15(木) 00:24:31 ID:L0Pbqmus
今回はここまで。
また明日に。

351名無しさん@転載は禁止:2021/04/15(木) 01:34:36 ID:jeBNbE4c
三人でお出かけも面白くなりそうと思ったけどさすがになかったか

352名無しさん@転載は禁止:2021/04/15(木) 07:41:56 ID:MQhOPFjg
スクスタだと仲良くしてたけどここだと完全に恋敵だしね

353名無しさん@転載は禁止:2021/04/16(金) 00:06:44 ID:nFKeQVyc
栞子「とても楽しみです」

侑「よし、ポップコーンも買ったし……」

シアター内に、と思ったその時だった。
いや、本当は最初から気付いていた。

今日は、普段とは違う髪飾り。

侑「……今日、なんか可愛いのつけてるね」

栞子「えっ! あ、……そ、そうですか?」

侑「うん。似合ってるよ」

栞子「……ありがとうございます」

★★★

栞子(良かった……気付いてもらえて)

勇気を出して、学校ではつけない髪飾り。

栞子(こんな事で、こんなに嬉しくなるなんて……)

やっぱり、私は……どうしようもない。

栞子(……今すぐ逃げ出したい)

これ以上側にいたら、何を言い出すかわからないから。

354名無しさん@転載は禁止:2021/04/16(金) 00:27:01 ID:nFKeQVyc
けれど、そんなわけにもいかない。
それに逃げ出したいなんて言うけど、本当は一緒にいたい。

シアター内へ入る。
話題作ということもあり、人もなかなか多い。
その内で、カップルと思われる二人組みが多く見受けられた。

栞子(私達も……そう見えているのでしょうか)

誰にも訊けないからわからないけれど、そんなことばかり考えてしまう。

浮かれているのだ、私は。
柄にもなく、周りからカップルだと勘違いしてもらいたいのだ。

それが傲慢であるとは思うけれど、好きを自覚してからの私は、何かがおかしくなってしまった。

355名無しさん@転載は禁止:2021/04/16(金) 00:43:41 ID:nFKeQVyc
映画が始まっても、あまり集中できない。
隣に高咲さんがいる。

もうそれだけで良かった。

★★★

侑「いや〜、面白かったね!」

栞子「きれいに2時間に収まるとは思っていなかったのですけど、こうも完璧に仕上げられるとは」

侑「内容は知ってるはずなのにハラハラしちゃったよ」

2時間が経ち、シアターから出てきた私達は感想を話し合う。
正直ところどころしか覚えていない。でも楽しそうに話す高咲さんを見られればそれで良かった。

侑「ん、まだ時間あるね。お腹すかない?」

私はもちろん、首を縦に振った。

★★★

しずく「栞子さん……」

かすみ「用事があるから、って言ってたけど……」

璃奈「高咲先輩との、だったんだ」

しずく「というかデート?」

かすみ「間違いないでしょ! だって見て、あのしお子の顔! 見たことない顔してる」

璃奈「とっても楽しそうにしてる」

しずく「……」

かすみ「……」

璃奈「……」

356名無しさん@転載は禁止:2021/04/16(金) 00:47:21 ID:nFKeQVyc
3人の思いは、一つだった。

『よし、後ろからついていこう』、と。

★★★

侑「好きなんだよね、オムライス」

栞子「私も好きです」

映画館すぐ近くのオムライス専門店にやってきた。

侑「どれにしようかなぁ、前に来たときはチーズ入りの頼んだんだけど」

栞子「……じゃあ、私は今回それにします」

357名無しさん@転載は禁止:2021/04/16(金) 00:47:40 ID:nFKeQVyc
今回はここまで。
また明日に

358名無しさん@転載は禁止:2021/04/16(金) 01:08:27 ID:w1Wwq10A
後ろから友達が偵察で付いていくの好き

359名無しさん@転載は禁止:2021/04/16(金) 04:28:35 ID:1d19DUwo
めっちゃ可愛すぎるぞ栞子ちゃん

360名無しさん@転載は禁止:2021/04/16(金) 11:51:30 ID:tB.kSeXk
ちゃんと髪飾りにすぐ気付いて褒めてあげる侑くんもいいね

361名無しさん@転載は禁止:2021/04/18(日) 02:10:10 ID:t68OU5D2
日曜深夜にこっそり更新か、月曜日の昼頃。

362名無しさん@転載は禁止:2021/04/19(月) 16:59:54 ID:vdXbsOzs
侑「じゃあ僕は……」

★★★

かすみ「完璧にデートだよね……」

しずく「間違いなく。しかも会話を聞いてたら、今回が初めてってわけでもなさそうですし……」

璃奈「……」

かすみ「りな子、なにしてるの?」

璃奈「栞子ちゃんにLINE飛ばしてる。今何してる、って」

しずく「なるほど、その反応で二人の関係性がなにかわかるかも」

かすみ「なんて送ったの?」

璃奈「今何してる? って」

363名無しさん@転載は禁止:2021/04/19(月) 17:28:22 ID:vdXbsOzs
栞子「……!」


かすみ「反応した!」

栞子「……」

しずく「すぐに返信してるね」

璃奈「きた。……」

かすみ「何てきた?」

璃奈「『家の用事を片付けています』、って」

かすみ「あっー! 嘘だ……」

しずく「隠すってことは……そういうこと?」

364名無しさん@転載は禁止:2021/04/19(月) 17:52:24 ID:vdXbsOzs
璃奈「お付き合い……?」

かすみ「生徒会長とその役員二人……なんかすごくロマンチック!」

しずく「……なら、これ以上は余計な詮索はしないほうがいいかもしれないね」

かすみ「もう確定レベルだしね。……ふふ、次あったらめっちゃ聞き込も」

★★★

栞子(ふう……すみません、璃奈さん)

心のなかで、LINEをくれた璃奈さんに謝る。

侑「どうしたの?」

栞子「いえ、なんでもないです」

それも高咲さんのせいですとも言いたくなる。

365名無しさん@転載は禁止:2021/04/19(月) 21:15:37 ID:FpzS4kQA
嘘をつきました
ホントは気になる先輩とお出かけなのにね

366名無しさん@転載は禁止:2021/04/20(火) 00:53:15 ID:FnX1tddk
じれったいようなずっと見ていたいような

367名無しさん@転載は禁止:2021/04/20(火) 16:53:23 ID:2/nTbL7k
フェス限しお子の覚醒前デート服超好き
あれ可愛すぎる

368名無しさん@転載は禁止:2021/04/20(火) 18:45:15 ID:ajJ0BF9o
明日再開

369名無しさん@転載は禁止:2021/04/21(水) 17:15:21 ID:EcIYs2ek
侑「この後はどうしようか」

栞子「まだ時間があるのでしたら、本屋さんにいってもいいですか?」

侑「もちろん。なにか欲しいやつがあるの?」

栞子「はい。今日が発売日なんです」

侑「じゃあ次はそこに行こうか」

★★★

昼食を終えて、本屋にやってきた。
栞子ちゃんが欲しかったのは、いつかの教師と生徒の恋愛物の新刊だった。

侑「気に入ったんだね」

栞子「一度買い出したシリーズは、最後まで買うようにはしているので」

370名無しさん@転載は禁止:2021/04/21(水) 17:18:24 ID:EcIYs2ek
侑「僕も何か買おうかな……なにか見てるから、栞子ちゃん買っておいでよ」

そう促しすと、栞子ちゃんはレジへ。
さて何かあるかな……なんて物色していると。

侑(ん?) 

見覚えのある人物。
見覚えどころか、よく知っている子がいた。

歩夢だった。

371名無しさん@転載は禁止:2021/04/21(水) 17:23:34 ID:EcIYs2ek
侑(……)

あれ、なんか不味い気がする。

侑(歩夢には悪いけど……気付かれる前にここを離れよう……)

幸いまだ歩夢は私に気付いていないようだし、今のうちに栞子ちゃんをつれて本屋を出よう。

栞子「あ、高咲さん。なにか見つかりましたか?」

侑「う、うん。でも今日はいいかな。次は……」

栞子「いいのですか? 別に私は待っていますが……」

気遣いが嬉しいけれど、今はそれどころではない。

侑「大丈夫! さ、ほら行こう!」

栞子「あっ……!」

少し無理やりだったかもしれないけど、栞子ちゃんの手を掴み本屋から出た。

栞子「……」


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