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「あなたは昔から男の子だよ?」√彼方

1名無しさん@転載は禁止:2020/10/21(水) 00:43:46 ID:R6rK.ZyU
春。
出会いと別れの季節、春。

それはここ、虹ヶ咲学園にも当然訪れる。
三年生は卒業して、新入生が新たに加わる。

それは今までもあったことだし、今更戸惑うこともない。

たった一つだけ、あることを除けば。

歩夢「──どうしたの? 今日は朝からなんだか調子が悪そうだけど……」

「あ、あぁ……いや、なんでもないよ、歩夢ちゃん」

歩夢「ならいいんだけど……何か困ってることとか、悩みごとがあったら、なんでも相談してね!」

幼馴染みの上原歩夢ちゃん。
自分で言うのもなんだけど、可愛い女の子だと思う。そんな子が幼馴染みだと……羨ましがられるんだ。

そう──特に、今は。

歩夢「そういえば、今日は身体測定があるんだって。『女子』は更衣室使うみたいだけど、間違って入っちゃだめだよ〜」

自分が──女の子から、男の子に変わってしまっている今は。

☆☆☆

「はぁ〜〜〜なにがなんだか……」

まさか眠りから覚めたら男の子になっちゃってるなんて……いや、わけわかんないよ。
わけわかんないけど、仕方ないから順応する。

わかっていることは、歩夢ちゃんとは変わらず幼馴染みであること、自分のことは僕と呼ぶ事、そして一番驚いたのは、ここではスクールアイドル同好会が存在しないこと。

スクールアイドルという文化自体はあるようだけど……。

先生「はい、身長169センチ、体重は57キロね」

「ご、57……」

先生「ん? どうしたの?」

「いえ……」

女の子の体のときを、かんがえるとちょっとショックだったけど、別にこれくらいが普通、というかちょっと軽いらしい。

むしろ身長はもう少し欲しいくらいだね、なんて言われた。

(むしろ、視線が高くなって変な感じ)

まさか歩夢ちゃんを見下ろす日が来るとは思わなかった。

(でも、なにはともあれ、だよね)

どんな理屈、ファンタジーで私が男の子になってしまったのかはわからないけど、普通に日常を送らないと。

もしかしたら、そのうち元に戻れるかも……しれないし。

「え〜と、となると気を付けないといけないことは……」

うっかり女子トイレにはいらない、男子のちんちん見えても動揺しない、僕っていうこと、男の子っぽく過ごすこと。

2名無しさん@転載は禁止:2020/10/21(水) 00:48:13 ID:R6rK.ZyU
侑「うーん、あとは……」

愛「お、侑じゃん、おっはー」

侑「あ、おはよう、愛ちゃん」

侑「……ん、あれ?」

愛「あれ、どしたの」

侑「……いや」

……あれ、なんだろう。私たちって、ここでも仲良いのかな。

璃奈「愛さん、先輩、どうしたの?」

侑「あ、……ううん、なんでも! ちょっとまだ眠くて、ぽけー、っとしてた」

……まあ、何故か違和感持てないし、いっか。

3名無しさん@転載は禁止:2020/10/21(水) 00:53:00 ID:R6rK.ZyU
☆☆☆

侑「ふぁあっあ……」

なんか眠いな。
今朝あんなこと言ったからかな……眠気が。

侑(お昼休みは、どっかで昼寝でもしようかな……)

4名無しさん@転載は禁止:2020/10/21(水) 00:54:14 ID:R6rK.ZyU
とりあえずここまで。
3分の1が高校生、残り3分の2が大学生くらいのつもりでいきます。
また明日に。

5名無しさん@転載は禁止:2020/10/21(水) 03:28:57 ID:arkbSl2Y
正座待機

6名無しさん@転載は禁止:2020/10/21(水) 11:02:45 ID:gIW1XeHE
大学生パートもあるんか!
トキメキ感じちゃう

7名無しさん@転載は禁止:2020/10/21(水) 22:27:48 ID:xOlLNljQ
遥ちゃん出てくるかな

8名無しさん@転載は禁止:2020/10/21(水) 23:58:28 ID:R6rK.ZyU
そんなわけで、お昼休み。
こういう天気が良いときは、人目も避けて外で寝られる場所が良い。

となると。

侑「屋上だー! ……って、あれ」

意気揚々と階段をかけあがってドアをあけると、どうやら私よりも早くここにきていた人がいるようで。

というか彼方さんだった。

彼方「すやぴー……」

彼方さんは持参したであろう枕に顔を埋めて、気持ち良さそうに昼寝していた。

9名無しさん@転載は禁止:2020/10/21(水) 23:59:43 ID:R6rK.ZyU
明日にしっかりと。

10名無しさん@転載は禁止:2020/10/23(金) 00:13:00 ID:SMGjQxKs
侑(無防備だな……)

変にいたずらされても気づけなさそうだ。

侑(まあ何もしないけど……私も寝よ)

わざわざ屋上にベンチをつくる、その謎の構造には今は感謝をして、私は寝転がる。

侑(日差しがあったかい……)

11名無しさん@転載は禁止:2020/10/23(金) 00:24:38 ID:SMGjQxKs
これは彼方さんじゃなくても寝ちゃうな……。

侑(あ……ねる……)

☆☆☆

カァー……カァー……

侑(ぐぅ……ん?)

目が覚めると青空は紅くなっていた。

侑(え、あれ)

あわててスマホを確認すると、もうとっくに一日の授業は終わっている時間だった。

侑「……」

誰か探しに来て!?
いや、起きなかったのが悪いんだけどさ……!

侑「……あれ、これ」

寝すぎた衝撃で気づいていなかったけれど、私の体には一枚の上着がかけられていた。

侑(これ……彼方さんのだ)

12名無しさん@転載は禁止:2020/10/24(土) 00:12:15 ID:7gGT9vHs
かけてくれたのか……?
ここじゃ見ず知らずの関係なのに。

侑(優しいんだ……ほんと)

とはいえこれで終わるわけにもいかない。

侑(明日には返さないと……)

☆☆☆
翌日。

侑(えっと、彼方さんは、と……)

三年生の教室を探して回る。
みたらすぐにわかると思うんだけど……。

「あ、きみきみ〜」

侑「あ……」

彼方「それもってるってことは〜、彼方ちゃんた一緒に同好会をやる気になったってことだね〜」

侑(……ん?)

侑「ど、同好会……なんのですか?」

彼方「あら、これ見てきたんじゃないの?」

そう言って彼方さんは一枚の紙を見せてくれた。
そこには、彼方さんが書いたらしい『お昼寝同好会』の文字。

侑(お昼寝同好会!?)

彼方「あの屋上で、彼方ちゃんと一緒にお昼寝してくれてたら、参加の意志があるって書いたんだ〜」

ほんとうだ、確かに書いてある……だからって、それは……。

侑「……それ、そもそも認められてるんですか?」

栞子ちゃんとかが見たら絶対に認めなさそうだけど。

彼方「されてるよ〜」

侑「されてるんだ……」

13名無しさん@転載は禁止:2020/10/24(土) 00:22:17 ID:7gGT9vHs
彼方「というわけであなたはこれでお昼寝同好会に……」

侑「あ、いや、その……」

彼方「?」

あぁ……だめだ。
こんな純粋なきょとんとした顔されたら入る気ではなかったなんて言えない……。
仕方ないから、別の質問に切り替える。

侑「なにをするんですか」

彼方「お昼寝だよ〜」

侑「……それ以外は」

彼方「?」

侑「……」

なんてこった……本当にお昼寝するだけの同好会!?

14名無しさん@転載は禁止:2020/10/24(土) 04:45:10 ID:8RVP74kc
可愛い

15名無しさん@転載は禁止:2020/10/26(月) 03:38:01 ID:kZLW76F.
ほんとう、なんでそれが認められたのかは全然わからないけど、良いなら良いんだろう……。

彼方「さぁ、さっそく今日から活動開始だよ〜」

侑「あ……部室とかって」

彼方「放課後に確認しに行くから、またその頃には集まろうか〜」

まだ彼方さんも部室をみてないようで、おそらく軽く掃除をすることにはなるだろう。

まぁこの学校は、通っている身で言うのもなんだけれど、施設や設備が凄まじいものだから、ひどく汚れてるなんてことはないよね──

☆☆☆

侑「……」

彼方「……」

まるで。
まるでその部屋だけ、違う時代から切り取ってタイムスリップしたんじゃないかって思えるくらいに古びていて──オブラートに包まないなら、オンボロだった。

侑「実習棟とかからだいぶ離れた教室だとは思ったけど……」

彼方「うげぇ、クモの巣が……」

16名無しさん@転載は禁止:2020/10/26(月) 03:54:18 ID:kZLW76F.
侑「なるほど、……もう使わないような空き教室なら、お昼寝同好会で部室として使っても差し支えはないってことか」

確かにお昼寝するだけの同好会に、まともな教室を渡すわけにもいかなかったと考える方が自然か。

侑「仕方ない、はやく掃除してしまいましょう……近江先輩」

彼方「うむ」

侑「……」

前までの私ならまだしも、今の私は男で、今日が初対面のようなもの。
彼方さん、と口に出して言うのはしばらく先になりそうだ。

☆☆☆

侑「ふう……」

二時間ほど掃除して、部室内はなかなか綺麗にまとまった。

整理整頓すれば、二人で使うには十分に広いし、住めば都は違うけれど、これならむしろ贅沢かもとさえ思えた。

17名無しさん@転載は禁止:2020/10/26(月) 04:25:20 ID:4BPwCyXQ
彼方ちゃんとお昼寝したい

18名無しさん@転載は禁止:2020/10/26(月) 04:53:52 ID:kZLW76F.
侑「……」

もうお昼寝するような時間でもない。
今日は掃除だけで終わりかな……いや、お昼寝同好会的に、他にやることもないけれども。

そうしてその日は、実際それで解散となった。

☆☆☆
翌日。

同好会の活動を行うと、部室に集合。

彼方「お昼寝にも、コツがいるんだよ〜」

侑「コツ?」

彼方「短い時間で、いかに質の良い睡眠をとれるかが重要」

19名無しさん@転載は禁止:2020/10/26(月) 18:03:33 ID:kZLW76F.
彼方「上手く寝れば、一時間程度でもそれよりも多く寝たくらいには効果があるんだよ〜」

なんだかまともな事を……もしかして、真面目にやる同好会なの?

彼方「ではさっそく寝てみようか〜、これらから好きなもの選んでいいよ」

このために様々な枕を用意していたようで、色や形どれも違う枕がたくさんだ。

20名無しさん@転載は禁止:2020/10/27(火) 18:26:31 ID:jV9Udnes
明日に再開。

アニメの愛回すごく良くて、もうちょいやれば良かったなっておもいました

21名無しさん@転載は禁止:2020/10/28(水) 02:01:54 ID:nagg2Djg
全員終わったらエキストラエピソード追加でも良いのよ

22名無しさん@転載は禁止:2020/10/28(水) 17:12:31 ID:0/X2sJ6s
さっそく寝てみる。

彼方「……」

侑「……」

なんだろう、この空間。
女の子と二人でお昼寝。しかも相手は彼方さん。

侑(なんとも言えない)

緊張してるわけじゃないけど……眠れそうにはない。

23名無しさん@転載は禁止:2020/10/28(水) 17:19:29 ID:0/X2sJ6s
侑「近江せんぱ……」




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