したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

��千歌「Code:Cへようこそ!」

1 ◆nDhcp.GYyc:2018/09/20(木) 17:01:51 ID:/ldOzkg6
キャラ・原作崩壊注意、元ネタあり
更新頻度はかなり遅めです

127 ◆nDhcp.GYyc:2019/03/03(日) 00:51:34 ID:14m.Yvkw
ミラ「……そんなの、ドローンに決まってるじゃない」

アスカ「いいや、それは違う。レーダーの反応が消える直前、お前の周囲にはドローンの反応は無かったはずだ。記録にも残ってる」

ミラ「……」

アスカ「これだけじゃない。これだけだったら、私はお前を疑わない。Code:Cで共に戦った仲間だからな」

アスカ「でも、以前にも同じことがあった。第一小隊の隊員が、死神に殺された日のことだ」

アスカ「あの日も、今回同様に無線とレーダーの効きが悪かった。今回ほどではなかったが」

アスカ「そして……同じ時刻に、Code:Cも出撃して――」



ミラ「残念だわ」





ミラ「貴方を殺さなければいけないだなんて」

128 ◆nDhcp.GYyc:2019/03/04(月) 20:18:13 ID:Lsdut5z6
―――




千歌「ミラとアスカ来ないなあ、ご飯の時間なのに」

ルビィ「呼んできますよ」

千歌「ううん、いいんだ。いつものことだから」

千歌「よーちゃんは果南ちゃんのところだし。人が少ないと寂しいねえ」

梨子「……」

千歌「先に食べてよっか。せっかくのビーフシチューが冷めたら勿体ないし」

ルビィ「曜さんの分はどうしますか?」

千歌「多分向こうで食べてるだろうから大丈夫」

ルビィ「わかりました、ちょっと残念ですけど」

千歌「よし、じゃあ食べよう! いただきまーす!」

ルビィ「いただきます」

129 ◆nDhcp.GYyc:2019/03/04(月) 20:18:36 ID:Lsdut5z6
千歌「モグモグ……んっ、このお肉美味しい!」

ルビィ「上質な赤ワインが届いたので、使ってみました」

千歌「なるほど、だからこんなにお肉が柔らかいんだね〜」

ルビィ「……あの、梨子さん。お口に合いませんでしたか?」

梨子「……え?」

ルビィ「いえっ、その……あまり進んでいないみたいなので」

梨子「……違う、よ? ただ……」

千歌「ただ?」

梨子「曜ちゃんが、いない、から……」

千歌「へ?」

ルビィ「ピギッ……///」

130 ◆nDhcp.GYyc:2019/03/04(月) 20:20:19 ID:Lsdut5z6
千歌「んん? どういうこと?」

ルビィ「千歌さんっ///」コソコソ

千歌「ふぇ?」

ルビィ「ダメですよ……乙女の心は傷つきやすいんです、そっとしておくのが一番ですよ……!///」コソコソ

千歌「なんで?」

ルビィ「ええっ……!? と、とにかく、これ以上突っ込んだらダメです……!」コソコソ

千歌「う、うん……わかった……」


千歌「えっと……ビーフシチュー美味しいねー(棒)」

ルビィ「そ、そうですかーそれはよかったです(棒)」

梨子「二人とも、変」

千歌「あ、アハハ……」

ルビィ「そんなことないですよぉ」




ちかりこ「「――っ」」

131 ◆nDhcp.GYyc:2019/03/04(月) 20:20:37 ID:Lsdut5z6
ルビィ「えと、喉が乾いたので、何か飲むものを――」

千歌「シッ」

ルビィ「へ?」

千歌「何かいる」

梨子「……」

千歌「今、私たちに殺気をぶつけてきた奴が」

ルビィ「え……どういう……」



千歌「この建物の中……いや」

千歌「あの扉の向こうに……!」

132名無しさん@転載は禁止:2019/03/04(月) 22:25:20 ID:57Ykp7OE
更新多くて嬉しい

緊迫してきたな

133 ◆nDhcp.GYyc:2019/03/04(月) 22:52:22 ID:Da9XlyMo
オリキャラ不要だったと今更ながら後悔

134名無しさん@転載は禁止:2019/04/01(月) 00:49:31 ID:vQvp0Iqc
年号変わっても待ってるよ

135名無しさん@転載は禁止:2019/05/05(日) 13:59:55 ID:WrGd3P9I
まってる

136名無しさん@転載は禁止:2021/12/31(金) 22:59:18 ID:ZQx8hvVA
千歌「……っ!」

千歌「…………?」

千歌「殺気が……消えた」

梨子「……逃げた」

千歌「でも、仮に侵入してきたとしたら、そう簡単に出られないと思うけど」

梨子「それか、気配を消して隠れてる」

千歌「なるほど。その可能性もあるね」

千歌「とりあえず、こっちから仕掛けてみるか」

ルビィ「あっ、あの! 装備無しで対峙するのは危険です!」

千歌「でも、この部屋に武器はないんだよねえ」

梨子「……」スッ

千歌「……ま、ステーキナイフでもないよりはマシか。ありがとね、梨子ちゃん」

梨子「気をつけて」

千歌「うし。じゃ、開けるよ」

137名無しさん@転載は禁止:2021/12/31(金) 22:59:46 ID:ZQx8hvVA
千歌(やっぱり、気配は感じられないや)

千歌(最大限注意しなきゃ。音を消して開けよう)

千歌「……」ソッ

スーッ

千歌(……いない、か?)



ヒュッ コロコロ



千歌「え?」

梨子「ーーっ!!」



千歌「ーーうそっ!」



千歌(手榴弾!!!)


千歌「伏せてーーーーー!!!!!」



ピカッーーッ


ドゴォォォォォォオオオオーー!!!!!!

138名無しさん@転載は禁止:2021/12/31(金) 23:00:26 ID:ZQx8hvVA
曜「ーーっ」

果南「なにっ、この音!?」

曜「爆発音……C基地の方から」

曜「千歌ちゃんたちに何かあったんだ!」

曜「……行かなきゃ!」

果南「待った」

曜「なんで!?」

果南「前にも言ったよ。千歌がいれば何とでもなる。どうにもならないなら、私たちが行っても意味はない」

曜「不意打ちだったら、いくら千歌ちゃんでも関係ないでしょ……!」

ダダッ

果南「わっ、ちょ! 待ってってば!」ダダッ

139名無しさん@転載は禁止:2021/12/31(金) 23:00:56 ID:ZQx8hvVA
果南「一対多数でも、千歌は負けたことないんだって」

曜「それも聞いた! あそこにはルビィちゃんがいる! 守りながらの戦いなら別でしょ!」

果南「だーかーらー、察しが悪い!」

ダダダダ

果南「私も行くって、そう言ってんの!」

曜「……!」

曜「……ありがとう、果南ちゃん」

果南「うぇっ……?」

曜「なにさ」

果南「曜がお礼いうなんて、珍しいこともあるもんだね」

140名無しさん@転載は禁止:2021/12/31(金) 23:01:49 ID:ZQx8hvVA
ーーー




バラパラ…


千歌「ぐっ」

千歌「カハッ……」


千歌(とっさに扉を閉めて、テーブルをひっくり返して簡易シールドにしたけど)

千歌(流石に、こんなんじゃ防ぎきれなかったか)

千歌(背中が痛い。まあ、動けないほどではないけど)


千歌「……ルビィちゃん、梨子ちゃん、無事?」

141名無しさん@転載は禁止:2021/12/31(金) 23:02:39 ID:ZQx8hvVA
ルビィ「ぅ……うぅ……」

ルビィ「千歌、さん?」


梨子「……けほ」

ルビィ「り……梨子さん!? なんでっ!」

梨子「ここにいる人……みんな……仲間」

梨子「……そう、曜ちゃんが、言ってた……から」

ルビィ「梨子……さん……!」

ルビィ「ごめん……なさい……ごめんなさい……!」

梨子「……」フルフル



千歌「梨子ちゃんが、守ってくれたんだ。ありがとう」

千歌「梨子ちゃんは大丈夫?」

梨子「……」コクリ

千歌「そっか、よかったー。後で治療しないと……」




??「まさか、あんな近距離でも防がれるなんてね」

142名無しさん@転載は禁止:2021/12/31(金) 23:03:49 ID:ZQx8hvVA
千歌「ーーっ」

千歌「なん、で」

千歌(全然、気配がなかった。無人機でさえ、こんな傍で完全に気配を消すことなんてできないのに)


千歌「このっ……!」シュッ

シュンッ

千歌「くぅっ……化け物みたいな身のこなしだねっ!」

??「貴方に言われたくないけれど」



梨子「……っ」

??「……どきなさい」

梨子「……」ジッ


??「生意気な目。"変わってない"わね、そういうとこ」

143名無しさん@転載は禁止:2021/12/31(金) 23:04:38 ID:ZQx8hvVA
千歌「うらぁっ!」ブンッ

千歌「って、なんで躱すかなぁ。背中に目ついてるの?」

??「人間と一緒にしないで。私は……」


??「ーー死神よ」


コロッ


千歌「わわっ!」

千歌(また手榴弾っ!?)

千歌(窓の外に!!)


??「邪魔よ」シュッ

千歌「っーー」

千歌(投げナイフ!!)


千歌「ーーっぶな!」

??「フン……避けたのは凄いけれど」

??「時間切れよ」

千歌「チィッーー!!」


ピカッーーー

144名無しさん@転載は禁止:2021/12/31(金) 23:05:03 ID:ZQx8hvVA
プシューーー



千歌(……!? これは……催涙弾!!)

千歌「ルビィちゃんっ! 梨子ちゃんっ! 逃げて!」

千歌「ケホッ……コホッ……」

千歌「ルビ……ちゃ……り……ち……」

千歌(やば……まともに吸い込んじゃった)

千歌「ゲホッ……ゴホッ……カハッ……ヒューッ……」




千歌(これは、マズイなぁ)

千歌(殺されるかも)

145名無しさん@転載は禁止:2021/12/31(金) 23:05:26 ID:ZQx8hvVA
ダダダダッ



曜「千歌ちゃん!」

果南「待ってって!」


曜「これはっ……コホッ……催涙……!」

果南「だから、無闇やたらと突っ込むなってば」

曜「千歌ちゃんっ! 梨子ちゃんっ!」

果南(言ったそばから……でも、多少薄くなってるか)

果南(煙の動きが外に向かってる。これは逃げられたかな)

146名無しさん@転載は禁止:2021/12/31(金) 23:05:49 ID:ZQx8hvVA
曜「千歌ちゃん! 千歌ちゃん!」ダキッ

千歌「ん……ぅ……」

千歌「コホッ……ケホッ……」

曜「吸い込んだのか……果南ちゃん! 水持ってきて!」

果南「はいよー」

梨子「……コホッ」

曜「梨子ちゃんも! あ、起き上がっちゃダメだってば!」

梨子「……私は、大丈夫」

曜「ほんと? ガス吸ってない?」

梨子「私は……殴られて、気を失っただけ」

曜「骨、折れてない?」

梨子「平気」

曜「……そっか」

147名無しさん@転載は禁止:2021/12/31(金) 23:06:12 ID:ZQx8hvVA
果南「曜、ほい」ポイッ

パシッ

曜「千歌ちゃん! 水だよ! うがいできる?」

果南「とりあえず、目に入った分洗い流した方がいいんじゃない?」

千歌「 」ブンブン

果南「あ、入ってないんだ」

千歌「 」コクコク

果南「ま、吸い込んだ時点でやらかしてるけどさ」

曜「果南ちゃんはだまってて。千歌ちゃん、うがい」

千歌「っ……ガラガラッ……ペッ……ガラガラッ……ペッ……」

千歌「アー……コホッ……アー、アー……うし!」

千歌「よーちゃん! ありがと!」ギュウッ

曜「わわっ! だ、大丈夫?」

千歌「うん! もう平気だよ!」

曜「そっか……よかった……」

148名無しさん@転載は禁止:2021/12/31(金) 23:06:28 ID:ZQx8hvVA
梨子「……千歌、ちゃん」

千歌「梨子ちゃんも、聞いてたよ。すごいなぁ、あの場面で吸わなくて済むなんて」

梨子「ルビィちゃんが」

千歌「……え?」

曜「ルビィちゃんが、どうかしたの?」





梨子「連れて、かれた」

149名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 00:21:43 ID:ipOj4vBM
続き来ててびっくりした
読み返してくるわ

150名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 17:45:12 ID:FOYu7hTY
―――




ルビィ「……ん……うぅ」

ルビィ「ここは……」



??「隠れ家よ」



ルビィ「っ!」

??「……起きたのね」


ルビィ「っ……え?」

ルビィ「……も、もしかして」





ルビィ「よし……こちゃん、なの……?」

善子「久しぶり。元気してた?」

151名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 17:45:40 ID:FOYu7hTY
ルビィ「どうして……あ、もしかして。そっか、そうだよね! 助けてくれたんだ!」

善子「……」

ルビィ「ありがとう、善子ちゃん! 私が攫われたところを、助けてくれたんだよね!」

善子「……そうね。堕天使ヨハネがリトルデーモンを救うのは、当然のことよ」

ルビィ「やっぱり! えへへ、やっぱり善子ちゃんは、昔から変わってな……」



善子「――なんて、言うとでも思った?」

152名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 17:46:20 ID:FOYu7hTY
ルビィ「……へ?」



善子「貴方を攫ったのは、この私」

善子「それと。私は善子じゃない……"死神"よ」




ルビィ「……な、何言ってるの? 善子ちゃんは善子ちゃんだよ」

善子「善子なんて、もういないわ。純粋無垢な、貴方のお友達は、とうの昔に死んだのよ」

ルビィ「……で、でも」

善子「私は、余りにも人を殺しすぎた」

善子「今更、誰かと馴れ合うことなんて、許されてはいけないの」

153名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 17:46:54 ID:FOYu7hTY
ルビィ「……もし、貴方が死神だというのなら」

ルビィ「どうして、ルビィを殺さないの?」

善子「……」

ルビィ「花丸ちゃんから聞いたの。死神は、人殺しの天才で、今はG国のために戦ってるんだって」

ルビィ「ルビィはA国の軍人だよ。貴方にとっては、私は敵でしかないはず」

ルビィ「ねえ、死神さん。どうして私を殺さないの?」

善子「……さあね。気が変わったんじゃない?」

ルビィ「違うよ。そんな理由で、わざわざ敵をこんなところに連れてくるはずがない」

ルビィ「さっき、隠れ家って言ってたよね。ここはどこ? G国の領地なのかな」

善子「そんなこと、敵に教えるわけないじゃない」

善子「とにかく。あんたはそこで大人しくしていればいいの。そうすれば、生かしておいてあげる」

ルビィ「……わかった。善子ちゃんのいうとおりにするよ」

善子「だから、私は――」



ルビィ「なら、お話しよーよ」

善子「……は?」

154名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 17:49:19 ID:FOYu7hTY
―――




曜「死神……本当に、そう言ってたんだね」

千歌「うん」

曜「……そっか。アイツが、来たんだ」

千歌「前に戦ったんだっけ」

曜「うん。手も足も出なかった」

千歌「……」

果南「その死神さんに、アスカが殺されて、ルビィちゃんとミラが行方不明……か」

果南「Code:Cを潰すことが、敵さんの狙いだったわけだね」

曜「……くそっ! 私がここにいれば……!」

千歌「よーちゃんのせいじゃないよ」

果南「千歌の言う通りだよ。敵がこんなところに現れるなんて、イレギュラー中のイレギュラーなんだから」


果南「……にしても、ちょっと、間が悪すぎた」

155名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 17:49:53 ID:FOYu7hTY
千歌「ふぃー」

曜「……っ」ゾク



曜(この、感覚)

曜(子どもの頃と、同じだ)

曜(隣町の悪ガキたちを、殺しかけた時と)



曜「……千歌ちゃん」

千歌「ん?」

曜「大丈夫……?」

千歌「何が?」

曜「一旦、落ち着いて」

千歌「んー、落ち着いてるよ?」

曜「そうは、見えないよ」

千歌「あはは、そっかー。でもさ、仕方ないじゃん」



千歌「ここまでされて、ブチギレないわけないでしょ?」ビリッ

曜「っ……!」ゾワッ

156名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 17:50:14 ID:FOYu7hTY
果南「千歌。殺気出しすぎだよ」

千歌「……ふぅ。ごめん、よーちゃん」

曜「いや、こっちこそ……ごめん」

千歌「よーちゃんのせいじゃないって。私が、力不足だった」

果南「いいや。本拠地のど真ん中に、いきなり敵が出現したんだ。主力が潰されなかった分、むしろよくやった方だよ」

曜「……基地、内部」

曜(そういえば、前にも……)チラッ

梨子「……?」

曜「……!」

曜(いやいや、何考えてんだ。梨子ちゃんが関係あるわけないじゃん)

果南「……」

157名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 17:50:44 ID:FOYu7hTY
果南「千歌も梨子ちゃんも、ミラの行方はわからないんだよね」

千歌「うん、知らない」

梨子「 」フルフル

果南「……ルビィちゃんは、攫われたのを梨子ちゃんが見てるから、多分そうなんだろうけど」

曜「ミラも攫われた……?」

果南「どうだろう。そもそも、拉致の理由がわからない」

果南「仮に私が敵だったら、情報収集のために捕虜として連れてくるけどな」

曜「単なる人質、とか」

果南「なくはないけど。敵さんが、わざわざここに乗り込んでまですることかな」

曜「人質の可能性は低い、か」

曜「情報収集だとしても、それこそルビィちゃんやミラを連れていく理由がわからない」

曜「ルビィちゃんはともかく、ミラはただの戦闘員だよ」

果南「……アスカがここで殺されている以上、殺す以外の目的があった可能性は高いよね」

曜「じゃあ、何があるってのさ」

果南「考えうるのは、諜報員……スパイとか?」

曜「……! まさか、ルビィちゃんがスパイ? 有り得ないよ」

果南「そう思わせるのがスパイの仕事だよ」

158名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 17:51:43 ID:FOYu7hTY
果南「そもそも、おかしな話なんだ。どうやって本拠地に侵入できたのか――」


千歌「どうでもいいよ、そんなことは」

果南「……千歌」

千歌「なんにせよ、ルビィちゃんは私が連れ戻す」スッ

果南「どうするつもり?」

千歌「もちろん出撃するよ。で、死神をぶっとばす」

果南「どこにいるのかもわからないのに?」

千歌「それは……」

果南「無理だよ、千歌」

千歌「やってみなきゃわかんないじゃん」

果南「今動くのは、得策じゃないってこと」

千歌「だって、ルビィちゃんが……!」


曜「千歌ちゃん。悔しいけど、果南ちゃんの言う通りだよ」

曜「情報が、圧倒的に足りないんだ」

千歌「くっ……!」


果南「今は、待つしかない。反撃の機会は必ずあるはずだよ」

千歌「……わかった。よーちゃんと果南ちゃんが、そう言うなら」

159名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 17:52:17 ID:FOYu7hTY
―――




善子「お話って何よ」

ルビィ「んー、たとえば……善子ちゃんが、これまで何をしてきたのかとか」

善子「それはさっき言ったわ。人殺しよ」

ルビィ「そうじゃなくて。どうして今、そんなことをしているのかだよ」

善子「……」

ルビィ「昔話、しよっか」

ルビィ「10歳くらいの頃だったかな」

ルビィ「私たちは、孤児院で出会った」

善子「……そうだったかしらね」

ルビィ「そこには、お姉ちゃんと、花丸ちゃん、果南ちゃん……あと、鞠莉ちゃんがいた」

善子「……そうね」

160名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 17:52:39 ID:FOYu7hTY
ルビィ「6人で、一緒に遊んだよね。善子ちゃん、普段は素っ気なかったけど、鬼ごっこの時とか張り切っちゃって」

善子「地上の人間どもに合わせてたのよ。あと、その子の名前はヨハネ」

ルビィ「遊ぶ時も、ご飯食べる時も、寝る時も一緒だった。楽しかったなあ」

善子「無視するんじゃないわよ」

ルビィ「……でも、戦争が始まって、バラバラになった」

善子「……」

ルビィ「孤児院は、向こうの国の兵隊さんに焼かれちゃったし、善子ちゃんと鞠莉ちゃんは、捕まって連れていかれて……」

善子「もう、いいわよ」

ルビィ「ルビィたちが逃げられたのは、善子ちゃんたちが逃がしてくれたから」

ルビィ「そのあと、善子ちゃんたちがどうなったのか、知らないんだ」


善子「だから、いいってば」

161名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 17:52:57 ID:FOYu7hTY
ルビィ「……善子ちゃん」

ルビィ「どうして、ルビィたちは」


ルビィ「どうっ……して……助けられなかったのかなぁ……」

ルビィ「どうして……逃げちゃった……のかなぁ……」

ルビィ「どうして……のうのうと生きてられる……のかなぁ……」



善子「ルビィ、もういいの」

善子「そんなに辛そうな顔、させたかったわけじゃないから」



ルビィ「ごめん……ごめんね……」グスッ

善子「あんたたちが生きているなら、それで十分よ」

162名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 23:12:57 ID:FOYu7hTY
―――




曜「Code:Cが、解散……?」

果南「うん。それと同時に、C基地を放棄する。司令官殿のお達しだよ」

千歌「ダイヤさんの……」

果南「千歌と曜は、本部に戻ってきて。明日、再配置の打ち合わせをするから」

千歌「再配置……?」

果南「2人には、私の部隊で戦ってもらうことになると思う」

曜「なんで……って、聞くまでもないか」

果南「突如として基地内に部外者が現れる現象が、短期間に2度も続いたんだよ。ここに何かが仕掛けられている可能性を考慮するのは当然でしょ」

千歌「……2度、ね」

果南「そう。これが何を意味するか、わかるよね」

梨子「……!」

曜「梨子ちゃんは関係ないよ」

果南「どうしてそう言いきれるの。疑う要素は揃ってるのに」

163名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 23:14:46 ID:FOYu7hTY
果南「2回目は、基地内に何者かが出現し、アスカが殺害され、ルビィとミラが行方不明になった」

果南「仮に、最悪の事態を想定して、ルビィとミラがスパイだったとするよ」

果南「1回目、梨子ちゃんが現れた時。最初、事態に対応したのはミラだった」

果南「何らかの繋がりがあるって考えるのが普通でしょ」


曜「梨子ちゃんは、嘘をついてない。本当に何も知らないんだ」

果南「曜。まさか、心が読めるなんて、突拍子もないこと言うわけじゃないよね」

曜「くっ……そんなの、ずっと過ごしてればわかるよ!」

果南「根拠なしに言っても、命令は覆らない」

164名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 23:15:18 ID:FOYu7hTY
曜「そんな……待ってよ」

果南「待たない。梨子ちゃん、ついてきて」

千歌「……連れていって、どうするの?」

果南「梨子ちゃんには、しばらく監視施設に入ってもらう」

曜「なんでっ! 梨子ちゃんは、私を助けてくれたんだよ!!」

曜「梨子ちゃんがいなかったら、私は今ここにいない!!」

果南「……で? だからどうしたってのさ」

曜「……っ!」

果南「助けられたから、何? それで事実が変わるわけじゃないでしょ」

曜「それ、は……」

165名無しさん@転載は禁止:2022/01/01(土) 23:18:30 ID:FOYu7hTY
果南「行くよ、梨子ちゃん」

梨子「……」

果南「二度は言わないよ。従わないなら、君を拘束しないといけなくなる」

梨子「……わかった」



曜「梨子ちゃん……ごめん」

梨子「曜ちゃん。大丈夫、だよ」

曜「……必ず、助けるから。だから、待ってて」










千歌「……行っちゃったね」

曜「……梨子ちゃん、無事で済むかな」

千歌「どうだろう。多分、普通の捕虜として扱うんじゃないかな」

曜「梨子ちゃんは、なんにも悪いこと、してないのに」

曜「おかしいよ……こんなの……」

千歌「仕方ないよ。この世界は、どうしようもなく理不尽なんだ」

166名無しさん@転載は禁止:2022/01/03(月) 01:18:55 ID:v6rlqdP2
面白いな

167名無しさん@転載は禁止:2022/01/03(月) 18:16:57 ID:5u6gn7Z2
―――



ルビィ「グスッ……ズビッ……」

善子「まったく、あんたは昔から泣き虫よね」ダキッ

ルビィ「だって……だってぇ……」

善子「はいはい。仕方ないリトルデーモンね」ヨシヨシ



ルビィ「……ねえ、善子ちゃん」

善子「ん?」

ルビィ「Code:Cのみんなは……どうしたの」

善子「……」

ルビィ「善子ちゃん、死神なんだよね。いっぱい、人を殺めてきたんだよね」

善子「……そうよ」

ルビィ「じゃあ、Code:Cのみんなも……殺しちゃうの?」

善子「ええ。私には、そういう命令が課せられている」

168名無しさん@転載は禁止:2022/01/03(月) 18:17:58 ID:5u6gn7Z2
ルビィ「やめてよ……お願い」

善子「ダメよ」

ルビィ「どうして? あそこには、お世話になった人たちがたくさんいるの。死んで欲しく、ないよ」

ルビィ「善子ちゃんが、その人たちを殺しちゃうなんて……想像したくないよ」

善子「これは取引なの。A国の主力を潰す代わりに、2人まで、捕虜を連れてきてもいいってね」

善子「1人は、あんた。だからここに連れてきたのよ」

ルビィ「……そんなの、おかしいよ。ルビィなんて、何の役にも立たないのに……ルビィなんかより、もっと助けるべき人が、いっぱいいるよ」

善子「役に立つ、立たないの問題じゃないの」

善子「私にとって、どうでもいいか、そうじゃないか……それだけよ」

ルビィ「でも……でもぉ……」

169名無しさん@転載は禁止:2022/01/03(月) 18:18:35 ID:5u6gn7Z2
善子「それに……もう、遅いわよ」

善子「私は、とっくに2人殺している」



ルビィ「ふた、り?」

善子「1人はアスカ。あんたを攫う直前に殺したわ」



善子「もう1人は……ミラ」

ルビィ「……いつ?」

善子「いつ頃だったかしらね。そう、丁度……」










善子「――あんたたちが、"梨子"を保護した時よ」

170名無しさん@転載は禁止:2022/01/03(月) 18:19:17 ID:5u6gn7Z2
―――




果南「ここだよ、梨子ちゃん」

梨子「……」スッ


ガチャン


梨子「っ!」ビクッ

果南「ごめんねー、脅かしちゃって。この部屋、小綺麗にしてるけど、これでも独房なんだよね」

梨子「……」

果南「大丈夫大丈夫、大人しくしてくれるなら、何も危害は加えないから」

梨子「……知らない。何も」

果南「それは曜から聞いたよー。別に疑ってないって」

梨子「……?」

果南「あ、そうそう。その怪我治療しないとだよね。衛生兵呼ぼうか?」

梨子「……」フルフル

果南「まま、遠慮しないでさ。傷口からバイ菌入ったら、後が怖いよ〜」

171名無しさん@転載は禁止:2022/01/03(月) 18:20:54 ID:5u6gn7Z2
梨子「……目的、何?」

果南「だからさ〜、そんなに警戒しないで。一応私、千歌と曜の味方なんだよ?」

梨子「……」ジッ

果南「あはは。今の言い方だと、梨子ちゃんの味方ではない……って感じに聞こえちゃうかな」

果南「そう思う? 梨子ちゃん」

梨子「……」

果南「沈黙は、肯定ってこと?」


果南「タハハ……マイッチャウナー……」










果南「大正解」

172名無しさん@転載は禁止:2022/01/03(月) 21:26:43 ID:dnxEqUKI
梨子「……っ!」

果南「あはは。警戒しなくても大丈夫だよ。今すぐどうこうしようってんじゃないからね」

果南「ところでさ、傷口見せてよ。はやく治療しないと、化膿しちゃうかもよ?」

梨子「……」

果南「ほら、見せて。大した傷じゃなければ、私でも処置できるから。えーっと、救急箱は……これか。うん、揃ってるね」

梨子「……」スッ

果南「……うん、かすり傷だね。出血も少ないし、放っておいても死ぬわけじゃない。まあ、できる限り綺麗に治って欲しいよね〜、女の子だもん」

カチャカチャ トクトク

果南「じゃあ、染みるよ〜。ほい」

トントン

梨子「いっ……!」

果南「ごめんごめん。一応私、そこそこ上手い方だと思うんだけどなー」

果南「はい、もう1回」

トクトク トントン

梨子「っ……」

果南「うん、偉い偉い」

チョキ グルグル

果南「はい、おしまい」

梨子「……どう……も」

173名無しさん@転載は禁止:2022/01/03(月) 21:27:25 ID:dnxEqUKI
果南「さっきも言ったけどさ、大人しくしてくれれば危害は加えないから」

梨子「……私には、何も、できない」

果南「さあ、どうだろうね。できないかもしれないし、できるかもしれない」

果南「あるいは……誰かが手引きしているかもしれない」

梨子「あなたたちの敵が、どんな人たちなのか……私は、本当に……」

果南「しゃべるねえ、今日は。ま、自分の身が危険となれば当然か」

梨子「あ……ぅ……」

果南「あー、言い方が悪かったか……怯えさせるつもりないんだけどな。昔から言い回しがへったくそなんだよね、私」

果南「安心しな。ここにいる限り、君の安全は保障する」

梨子「……」

174名無しさん@転載は禁止:2022/01/03(月) 21:27:38 ID:dnxEqUKI
果南「見ての通り窓はなくて、出入りできる扉はここだけ。しかも、生体認証でしか開かない仕組みになってる。で、登録してるのは、戦闘部隊の大隊長である私と、司令官であるダイヤだけ」

果南「たとえ死神が本部に侵入してきたとしても、この部屋だけは干渉できない。すごいっしょ」

梨子「……」ジッ

果南「……生活に必要なものは揃ってる。ご飯も3食配給するし、他に欲しいものがあれば、私が届けに来るからさ。ま、気楽に過ごしてよ」

果南「じゃあね。もう夜遅いし、今日はゆっくり休みな」



ガチャン


梨子「………………」

梨子「…………は……」

梨子「……ぁ」ペタン

梨子「ぅ……ぅ……」



梨子「……曜、ちゃん」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板