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【SS】 AZALEA : DIVE TO PLANET
1
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 02:49:59 ID:F4VIDa2E
最近ラ板のほうで立てたssですが修正部分が結構あったので
その変更と自身の更新速度も踏まえて、こちらのほうに立て直させていただきました
よろしくお願いします。
37
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:22:10 ID:F4VIDa2E
善子?「そうよ! 別人よ!」
花丸「ううん、どう見ても善子ちゃんずら」
善子?「そこ! あんたはちょっと黙ってなさい!」
果南「だよねー」アハハ
善子?「そっちもあっさり信じるなあっ!!」
ダイヤ「……」パチ
ダイヤ「……ふぁ……なんですか…騒々しいですわねぇ……」ゴシゴシ
花丸「あっ、ダイヤさん!」
果南「ダイヤー、おはようー」テヲアゲ
ダイヤ「! 花丸さん! 果南さんも……無事でしたのね」
38
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:23:19 ID:F4VIDa2E
果南「うん、そうみたい、特に体におかしなところも無いし」
ダイヤ「そうですか、一先ず安心しましたわ……あら?」チラッ
善子?「…………」
ダイヤ「善子さん、いつの間に私たちのところへ?」
善子「…ああもう分かったわよ! じゃあもう善子でいいわよ面倒くさい!!」
ダイヤ「? 貴女は善子さんではないのですか?」
善子「本当はね! だって別人だもの! 私の名前イチゴだし!」
善子「でもいいわよ! そっちの方が呼びやすいっていうなら仕方ない!」
39
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:24:18 ID:F4VIDa2E
花丸「えっと……な、なんか」
果南「悪いことした? ごめんね」
善子「だからもういいって、あんた達に悪気がないのは分かってるし、それに」
善子「元はといえばそこのフード女が悪いのよ、全く」フンッ
ダイヤ「あの、フード女とは?」
レム「私のことですよ、レムといいます」ザッ
レム「はじめまして」
ダイヤ「ああ…はい、こちらこそ」ペコリ
レム「それよりイチゴさん、文句の一つも言いたくなるのは分かりますが」
レム「そういったことはなるべく控えていただけると」
善子「……あっ、しまったつい…」
40
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:32:53 ID:F4VIDa2E
レム「いや…まあいいでしょう、仕方のない部分もありますから」
善子「そう言ってもらえると助かるわね」
花丸(…何の話だろう?)
果南「…あっそうだ、ねえレム…でいいんだよね? 聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
レム「はい、なんでしょうか?」
果南「んっと、さっきから気になっていたんだけどさ…ここ何処なの?」
ダイヤ「私も同じことを思っていましたわ」
ダイヤ「少なくとも私たちのいた場所でないことだけは、確かですが…」
ダイヤ「かと言って見覚えのあるところでもありませんし…」ウーン
レム「…そうですね、まずはそこから話しておくべきでしょうか」
41
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:34:08 ID:F4VIDa2E
レム「……しかし、今目覚めたばかりの貴女たちにこんなことを言うのも…なんですけどね」
ダイヤ「? それはどういう…」
レム「いえね、つまりは──」
レム「こういうことですよ」パチン
ブワッ
ダイヤ「なっ!?」
果南「け…景色が…」
花丸「変わった……?」
42
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:34:43 ID:F4VIDa2E
イチゴ「何てことないわ別に、私たちが場所を移しただけよ」
ダイヤ「……何者ですか、貴女たちは」
レム「何者かあ……うーん、そうですね…」
レム「あなた方の呼び名で例えるなら、異世界人といったところでしょうか」
果南「は……? 異世界…?」
花丸「…じゃあ、あなた達は…違う世界の人だっていうの?」
レム「ええ、そのとおり」
レム「ダイヤさん、果南さん、そして花丸さん」
レム「もう薄々感づいてるとは思いますが」
レム「簡潔に述べましょう…ここは、貴女たちの住んでいる星ではありません」
43
:
42訂正
:2018/08/09(木) 03:36:43 ID:F4VIDa2E
善子「何てことないわ別に、私たちが場所を移しただけよ」
ダイヤ「……何者ですか、貴女たちは」
レム「何者かあ……うーん、そうですね…」
レム「あなた方の呼び名で例えるなら、異世界人といったところでしょうか」
果南「は……? 異世界…?」
花丸「…じゃあ、あなた達は…違う世界の人だっていうの?」
レム「ええ、そのとおり」
レム「ダイヤさん、果南さん、そして花丸さん」
レム「もう薄々感づいてるとは思いますが」
レム「簡潔に述べましょう…ここは、貴女たちの住んでいる星ではありません」
44
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:37:20 ID:F4VIDa2E
「─!!」
ダイヤ「…地球では……ない…」
花丸「別の星…」
レム「そう、貴女たちは“偶然にも”この星へ迷い込んでしまったんです」
レム「つい先日の出来事ですがね」
善子「……」
45
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:38:39 ID:F4VIDa2E
果南「ちょ、ちょっと待ってよ…確かに、何かおかしいとは感じてたけど」
果南「でも…まだ、何がなんだか……」
レム「そうでしょうね、ですが説明の前に一つだけ、言っておくべきことがあります」
花丸「えっ……」
レム「……」スッ
レム「皆さん、ようこそ私たちの星へ」
レム「─我ら一同はあなたたちを心より、歓迎いたします」
46
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:39:13 ID:F4VIDa2E
そう、これがマルたちと彼女の最初の出会い─
地球ではないどこか…違う星にやってきたという
そんな衝撃的な事実から始まったこの物語
でも、このときはまだ知らなかった、分かるはずもなかった
自分たちの置かれている状況も、ここに来た意味も
マルたちAZALEAと彼女との邂逅、その先に待つものが
やがて、星一つの運命を変える、とても大きな出来事になるということも…全て
─このときのマルたちはまだ、知らなかったのです。
47
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:41:29 ID:F4VIDa2E
【 第2話 】 繋がりの導<しるべ>
「………………」
果南「……本当に…」
果南(そうだっていうの…)
花丸「…………」
ダイヤ「……」
ダイヤ「……あの、レムさん」
レム「はい」
48
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:42:27 ID:F4VIDa2E
ダイヤ「時間を、くださいませんか? 少し外の様子を見て回りたいのですが」
果南「ダイヤ…?」
ダイヤ「確かに今起きた現象やこの状況を見ただけでも、私たちが普段目にしているものとは違った」
ダイヤ「異様なものであるため、頷きそうな話ではありましたが」
ダイヤ「しかし、いくら何でも信じるための情報が少なすぎます」
ダイヤ「それに、それを受け入れる心の余裕も……私たちには…」
49
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:44:53 ID:F4VIDa2E
レム「成る程…だから一度落ち着くために」
レム「そして、自分たちの目で確かめて、受け入れるための時間がほしいと」
ダイヤ「はい、お願いします」
善子「…レム」
レム「分かっていますよ、では一日あれば大丈夫でしょうか?」
ダイヤ「十分ですわ」
レム「分かりました、それならその間に私たちは寝床を用意しておきましょう」
レム「場所はそこの扉から出て廊下を右に真っ直ぐ…その突き当たりに、空き部屋があります」
レム「探索から帰ってきましたら、みなさまはそこを使ってください」
50
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:45:35 ID:F4VIDa2E
ダイヤ「…ありがとうございます、色々と手を回していただいて…」
レム「いえいえ、これくらいは」
ダイヤ「それでは……」ペコリ
レム「はい、また明日に」
ダイヤ「…果南さん、花丸さんを」
果南「う、うん…わかった」
果南「ほら、花丸ちゃん」スッ
花丸「……うん」ギュ
ダイヤ「失礼します…」バタンッ
51
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:46:52 ID:F4VIDa2E
善子「……ふぅ、先送りにはなったけど」
善子「一先ず、無事に済んだってことでいいのかしら?」
レム「ええ、見事な対応力です」
レム「彼女の言うとおり、混乱している頭では本来ならば理解できる範疇のものですら受け入れがたいものになる」
レム「この状況では、尚更そうでしょう」
レム「それでも、即座にこの判断を下せたということは…相当“慣れて”いるんでしょうね」
52
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:48:08 ID:F4VIDa2E
善子「よくもまあそんなに賞賛の言葉が出てくるもんだわ…白々しいわね、ほんと」
レム「ごめんなさい、そういうつもりでは」
レム「私自身も半信半疑でしたので、ほら、聞くのと見るのとでは違うと言うでしょう?」
レム「実際にその目で確かめて、心からそう感じただけです、他意はありません」
善子「ふーん、そういうもの」
善子「……で? どうなのよ、実際に見て、関わった結果は」
善子「いけそうなの?」
レム「ああ、それも彼女…ダイヤさんが仰ってた言葉どおりになりそうですよ」
善子「は?」
レム「つまり、その答えは明日次第ということです」
53
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:49:16 ID:F4VIDa2E
善子「…相変わらず回りくどい言い回しねえ」
レム「あはは…あっ、それはそうとして」
善子「なによ?」
レム「いえ、私も善子さんと、呼んだ方がいいのでしょうか?」
善子「さあね、どっちでもいいわよそんなの……けど」
善子「イチゴ、の方がいいんじゃないの? だって」
善子「これ、あんたが付けた名前なんだからさ」
レム「……それもそうですね」
54
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/09(木) 03:57:17 ID:F4VIDa2E
一応ここまでです。
レムというキャラクターについてですが、容姿はこの画像のような感じでイメージしていただければと思います
あとネタバレになってしまうため深くは言えませんが、完全オリジナルキャラというわけではありません
ちゃんとラブライブに関係のある人物です
https://i.imgur.com/Ol2ELuv.jpg
55
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/08/10(金) 13:25:48 ID:1oxT8BOM
立て直し乙
無理しないでやってください
56
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/08/10(金) 18:57:36 ID:7dEru2YM
乙
結構長そうだし期待
57
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/08/12(日) 00:35:06 ID:BOXAFjV2
乙
58
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/08/13(月) 03:25:13 ID:nsW.u0mA
ほう
59
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/08/15(水) 00:40:22 ID:kM.bnP7I
立て直し乙
60
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 13:49:05 ID:ng/RX2Jo
─数時間後
ダイヤ「どうですか、そちらは?」
果南「駄目だね、全部圏外になってる」ハイ
ダイヤ「やはり、ですか…」
果南「ねえ、ここだけ電波が通ってないっていうのは?」
ダイヤ「それはないでしょう、ここに来る途中、電子機器の類をいくつか見ました」
ダイヤ「電波が通っていないのであれば、それらがここに置かれることはないはずですわ」
ダイヤ「あるだけ無駄ですもの」
果南「…じゃあやっぱり私たちのスマホだけ“対象外”ってことかあ…」ウーン
61
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 13:50:37 ID:ng/RX2Jo
ダイヤ「しかし、外に出てはみたものの…だいぶ入り組んでますわね」
果南「だよね、建物がたくさん建てられているところは都会と似てるけど」
果南「物自体はなんかこう、映画に出てくるような感じというか」
花丸「未来ずらあ……」
果南「そうそう、近未来的っていうのかな? 私たちのところより少し進んでる印象があるよね」
ダイヤ「ネオンカラーだったかしら? ここは全体的に色が強めに感じますが……」
ダイヤ「そのおかげで明かりがなくて困るということもなさそうですし」
ダイヤ「これならもう少し探索を続けられますわね」
62
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 13:51:17 ID:ng/RX2Jo
果南「頃合いはちゃんと見計らった方がいいと思うけど、ダイヤなら心配ないか」
「ふーん…でもあなた達、帰り道分かるの?」
ダイヤ「え?」クルッ
花丸「あ、善子ちゃん」
善子「その顔は忘れてたって顔ね」
果南「……ダイヤ?」
ダイヤ「…すみません、完全に抜け落ちていました」
63
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 13:52:06 ID:ng/RX2Jo
善子「はぁーっ…だと思ったわ、けど仕方ないわよ」
善子「いろいろと切羽詰まってたんだろうし」
ダイヤ「そう、ですわね……それはそうと善子さんはどうしてここに?」
善子「レムから頼まれたのよ、道案内してあげてって」
善子「いや案内というか、もし迷っていたら部屋まで送っていけって感じだったけど」
ダイヤ「…あの方は、なんでもお見通しですのね」
善子「ん? まあ周りに目を向けたり、気を配ったりするのが得意なのよ、立場上ね」
花丸「立場?」
善子「仕事の話よ、彼女にはそういう役割があるの」
64
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 13:52:38 ID:ng/RX2Jo
ダイヤ「……」
果南「へえ〜、仕事ね」
善子「とりあえずそういうわけだから、迎えに来たわよ」
花丸「でもまだ少し早いと思うけど」
善子「いいのよこれくらいで、回り道するから」
ダイヤ「それはどうして?」
善子「そっちのルートは一本道なのよ、大きく曲がっているから時間はかかるけど」
善子「今いる街の中心みたいに複雑に分かれていないから、行き先に迷うことはないわけ」
善子「それに今覚えておけば、その後もここに来るとき何かと便利でしょ?」
果南「成る程……やっぱり善子ちゃん頭いいよね」
善子「そう? 別になんてことないわよこれくらい…さ、行きましょ」
65
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 13:53:08 ID:ng/RX2Jo
─
善子「でも正直驚いたわ、数時間経ったとはいえ全員落ち着いてるんだもの」スタスタ
善子「もっと動揺しているものだと思っていたわ」
果南「うーん、確かに最初はびっくりしたけどね…」アッハハ
果南「いきなり別の星に来たとか言われるし、外に出たら見たことないものだらけだし」
果南「ただ、一度そうだって分かっちゃったら意外とすんなり飲み込めてさ」
果南「それに、今はまだ何も分からないかもしれないけど、それも私たち次第でどうにかなることだと思ったから」
果南「いつまでもオロオロしていたら駄目だなってね」ニコッ
66
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 13:53:46 ID:ng/RX2Jo
ダイヤ「…とまあ、似たようなことを私たちも言われまして」
花丸「今に至るというわけずら」
善子「ふーん…受け入れるのが早いのね」
善子(器の大きさってやつかしら?)
果南「あんまり考えるの得意じゃないから」ハハ
ダイヤ「とは言っても、流石にアレには驚愕しましたけどね……」
花丸「うん、見たのも外に出た直後だから余計にね…」
善子「? アレって、もしかして」
善子「あの万華鏡のことを言ってるの?」ユビサシ
67
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 13:54:29 ID:ng/RX2Jo
花丸「やっぱり万華鏡だったんだ……大きすぎるからもしかしたら違うと思ったけど」
果南「うん、それにしてもまだ結構な距離がある場所からでも見えるなんて、相当なものだよね」
善子「そりゃまあ、この星の象徴みたいなものだし」
ダイヤ「象徴ですか? あの万華鏡が」
花丸「あんなに巨大なものだと何かの兵器にも見えるけど」
善子「失礼ね、あのサイズになっているのはちゃんとした理由があるのよ」
善子「それを説明するのは明日になるでしょうけど」
68
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 13:54:58 ID:ng/RX2Jo
花丸「明日?」
善子「ええ、きっとレムの口からね」
ダイヤ「!」
善子「分かった? そのくらい重要なことなのよ」
ダイヤ・花丸「……」
善子「そろそろ着くわよ」
69
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 13:55:41 ID:ng/RX2Jo
果南「あっ、ちょっと待って善子ちゃん、最後に聞きたいことがあるんだけど」
善子「何かしら?」
果南「私たちが出てきたあの万華鏡の場所ともう一つ、同じくらい大きなものが向こう側に見えるんだけど」
果南「あれは何?」
ダイヤ「そう言われれば…」
花丸「うん、ちょっと気になるね」
善子「あー、あれね」
善子「会場よ、ただの」
70
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 13:56:39 ID:ng/RX2Jo
花丸「会場? 何かライブでもやるの?」
善子「その予定よ」
ダイヤ「予定? まだ決まっていないのですか?」
善子「完成したばかりで何もイベントが入っていないのよ、やること自体は大体決まってるんだけどね」
花丸「なにをやるの?」
善子「そうね…“ラブライブ”っていうものなんだけど」
ダイヤ「!?」
果南「ラブライブ!? 嘘、そっちでもあるんだ!」
善子「……なに、知ってるの?」
花丸「知ってるも何も……」
ダイヤ「私たちの住んでいたところでは有名ですから」
善子「……へえ、奇妙な偶然もあったものだわ」
ダイヤ「偶然、ですか」
善子「ええ、ほら着いたわよ、部屋まで案内するから付いてきて」
71
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 13:57:25 ID:ng/RX2Jo
─
善子「じゃあ私自分の部屋に戻るから、何かあればそこにある通信機で連絡して」
ダイヤ「はい、今日はお世話になりました」
善子「別にいいわよ頼まれただけだから、それじゃね」ガチャ
バタン
花丸「…終わったね」
ダイヤ「…そうですわね」
果南「…………あぁ、疲れたあ〜…頭が疲れた」ボフンッ
ダイヤ「ちょっと果南さん、だらしないですわよ」
果南「いいじゃん、私たち以外誰もいないんだし」
ダイヤ「そういう問題ではなくて」
花丸「まあまあ、ダイヤさんそう言わないで」
72
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 13:57:57 ID:ng/RX2Jo
果南「ほら、花丸ちゃんもこう言ってくれてるし」
ダイヤ「後輩への示し、のようなものは持ち合わせていないのですか…」
果南「自然体が一番だって、ね? 花丸ちゃん」
花丸「クスッ、そうだね」
ダイヤ「……もう、分かりましたわよ…まさか花丸さんまでそちら側につくとは思いませんでしたけど」
ダイヤ(まあ納得出来なくはありませんけどね、果南さんはともかく、花丸さんもどこか天然なところがありますし…)
ダイヤ(やはりその辺りで、どこか通じ合うところがあるのでしょうか)フム
果南「あ、拗ねてる」
花丸「あはは、ごめんねダイヤさん」
ダイヤ「違いますわよっ!」
73
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 13:58:44 ID:ng/RX2Jo
果南「じゃあ考え事でしょ、悩みすぎはよくないと思うよ」
ダイヤ「いや…そんな悠長な」
果南「休むことも大事なんだって」
ダイヤ「果南さんの言うことも分かりますけど、しかし…」
果南「うん、そういうわけだから先に寝るね、おやすみ」
ダイヤ「はあ!? 果南さんあなた人の話聞く気ないでしょう!」
果南「……」スースー
ダイヤ「……ああもう」
花丸「……ほんとに寝ちゃったずら、早いね」
ダイヤ「流石にマイペースが過ぎますわ…」タメイキ
74
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 13:59:25 ID:ng/RX2Jo
花丸「でも果南さんらしいずら」フフッ
ダイヤ「いや、まあ…そうですわね」
花丸「とにかく一息つこうよ、これお茶」ハイ
ダイヤ「…あっ、どうも」スッ
ズズッ…
ダイヤ「ふう…おかげで少し落ち着けました」
花丸「それは良かった」
ダイヤ「…花丸さんはどう思いますか?」
花丸「ん? 果南さんのこと? それとも」
ダイヤ「この星のことについてですわ」
花丸「……そうだね」コトン
花丸「考えてることは何個かあるかな」チラッ
75
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 14:00:12 ID:ng/RX2Jo
ガヤガヤ
花丸「確かにここには見たことのないものが色々あったけど……」
花丸「それ以上に、マルたちが知っているものもたくさんあった」
花丸「加えてあの会場と、ラブライブっていう言葉」
花丸「だからなのかな、ここは…何か、地球にすごく似ている気がする…」
ダイヤ「……」
花丸「ううん、地球というよりはマルたちとの共通点というか…そんな気もして」
花丸「まだ、あまりよく分からないんだけど…」
ダイヤ「…………偶然ですわね、花丸さん」
ダイヤ「私もいま、全く同じことを考えていたところです──」
……
…
76
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/19(日) 14:00:50 ID:ng/RX2Jo
ここまでです。
77
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/08/20(月) 20:11:32 ID:059sHF4g
待ってた
78
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/08/20(月) 22:06:15 ID:F4Qdrw5Y
llil,,,
lllllllllllliii,,,,_
!lllllllllllllllliil,、 ,,,,,,,,,
l!lllllllllllllllll° .,,iiiilllllllllliil,、
l!llllllllllll!,,,,,,,,,,,,,,,lr,,,,lliilllllllllllllllllllil
llllllllllllllllllllllllllllllll!!!!!llllllllllllllllllll!"
,,,,, ,,,,,iiiiillllllllllllllllllllll!゙゙゙゙゙゙゜ .,,illllllllllllllll゙°
.lllllllllllllllllil_,,,,,,,,iiilllllllllllllllll!!!゙゙゙゙゙ ̄` _,,iilllllllllllll!!゙゛
.゙lllllllllllllllllllllllllllllllllllll!゙゙゙ ,,,,,,,,,,,,,,,,,lilllllllllllll!!l゙′
.゙゙llllllllllllllllllll!!゙゙゙゙° ,,,,,,,iillllllllllllllllllll!!!!゙゙゙゙゜
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゙llllllllllllllllllllllllllllllllllllllll!゙° .,,,,,,,,,iiilliiii,,,
゙l!!!!!゙゙゙゙゙゙゙!llllllllll!!゙゙゜ ,,,,iilllllllllllllllllllllil,
 ̄ ̄ .,,,,illllllllllll!!!llllllllllllllllll
,,,,,,,,,,,,,,,,,,iiiiiillll!!llllll,,,、
liiiiiiiiiiiiilllllllllllllllll!!゙゙゙° l!lllllllllliiiii ,,
illllllllllllllllllllllllllllll` llllllllllllllll! llii
゙lllllllllllllllllllllllllllli llllllllllllll lllll,,
゙° llllllllllllllll゙ llllllllllllll ゙lllllli,,
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,,,llllllllllllllll゙′ .,,illlllllllll° llllllllllll,、
,,illlllllllllllll゙′ .llllllllllllllliiiiiii、 ,llllllllllllll
_,,iillllllllllll!゙″ ゙llllllllllllllllllllllllllliiiiiiii,,,,,,,,,,_lllllllllllllll
,,,iillllllll!!!゙′ ゙゙゙!!!!llllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll
,,,illlll!!!゙゙゙゜ ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙!!!lllllllllllllllllllllll!゙′
iil!!゙゙ ̄ `'゙゙!!゙゙!!!!゙゙゙`
79
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/22(水) 06:05:21 ID:gLDGPH8g
─翌日、館内通路
カツン… カツン…
ダイヤ「──突然現れた? 私たちが?」
レム「ええ、今から二日前のことです」
レム「夜もだいぶ慣れてきた頃でしょうか、帰ろうと思ったその矢先に」
レム「突然、私の前にまばゆい光が放たれたのです」
レム「何事かと思い近くまで駆け寄ってみると、そこには私たちとちょうど同じくらいの女性が三人倒れて眠っていました」
果南「それが私たちってこと?」
レム「はい、目が覚めたらここへ来た事情を伺おうと思っていたのですが」
レム「なかなか起きないもので…結局そこから丸一日かかってしまいました」
花丸「なるほど…そこから昨日の話に繋がるってわけだね」
レム「ええ、その通りです」
80
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/22(水) 06:06:01 ID:gLDGPH8g
ダイヤ「…話を聞く限りでは、貴女方のほうでも私たちがここへ来たことは」
ダイヤ「不意を食った事故のようなものだと受け取れるのですが」
レム「そうですね、少なくとも」
レム「私の知る限りではこんな現象は初めてです」
善子「…レムはこの星でもかなりの古株なの、そのレムがここまで言うとなると」
善子「こっちでも相当、異例の事態ってことになるわね」
ダイヤ「どちらにとっても不可思議な出来事というわけですか…」
81
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/22(水) 06:06:40 ID:gLDGPH8g
果南「ねえ、ところで私たちはどこに向かっているの?」
果南「付いてきてくれって言われたから、そうしているけど」
レム「あの巨大万華鏡のところですよ」
果南「あそこに? どうして」
レム「先日皆さんから話を聞いて、少し思うところがあったので」
花丸「……それって、マルたちがこの星に来る前に覗いた万華鏡と」
花丸「ここにあるものが大きさ以外はそっくりだっていう話?」
82
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/22(水) 06:08:29 ID:gLDGPH8g
レム「そうです、先ほど私は貴女たちがこの星へ招かれたことを異例だと申しましたが」
レム「一つだけ分かっている点があります」
レム「それは、何もなしに特異な事象が起こるということはまず無い、ということです」
レム「何か起きるにしても、そこには必ずものとものを結ぶ“原因”があります」
ダイヤ「…つまり、私たちの元いた世界にこの星へ来るきっかけのようなものがあって…」
ダイヤ「それがあの万華鏡である可能性が高い…と、そういうことですか?」
ダイヤ「確かに筋は通っていると思いますが」
善子「凄い理解力ね…今の話でそこまで分かるわけ」
83
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/22(水) 06:09:26 ID:gLDGPH8g
果南「ふーん、あれがきっかけねえ…でもまあ確かに」
果南「花丸ちゃんが急に光り出したのも、あの万華鏡を覗いたあとだったしね」
ダイヤ「そうですわね、今思い返せば消えた順番も先に覗いた人からと、発生した時間差も含めて一致していますし…」
ダイヤ「心当たりがいくつかあるのは確かですわ」
花丸「うん、それにやっぱり─」
花丸「あんなところに落ちていたっていうのも、奇妙な話だと思うずら…まるでマルたちが来るのを分かってたみたいで」
善子(ふーん…ポケーッとした顔の天然とばかり思ってたけど、この子もこの子でなかなか鋭いわね)
善子(融通も利きそうだし…) 「レム、どう思う?」
レム「そうですね……まだ断定するには早い気がしますが」
レム「今の証言を聞くに、ほぼ間違いないかと」
84
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/22(水) 06:11:27 ID:gLDGPH8g
果南「…あーそっか、だから今そこに向かってるんだね」
果南「原因になったものと瓜二つの万華鏡を調べれば」
果南「もしかしたら、何か分かることがあるかもしれないもんね」
レム「ええ、大体そんな感じです」スッ
キイィ……
レム「さあ、この通路を抜ければ到着です、もう少し付き合ってくださいね」
85
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/22(水) 06:13:12 ID:gLDGPH8g
─
レム「時にみなさん、月の魔力…というのはご存知でしょうか?」
果南「どうしたの急に? まあ…なんとなく分かるくらいかな、私は」
ダイヤ「月の満ち欠けに比例して、人体が影響を及ぼされる…などというのは有名な話ですわよね」
花丸「創作物でもお月様を不思議な力として扱っている作品は数え切れないくらいあるずら」
花丸「それ以外でも、愛情の表現やモノの喩えとして、よく使われたりするよね」
花丸「著名なところから選ぶと、夏目漱石の“月が綺麗ですね”が一番分かりやすいかな」※
果南「ほえ〜…物知りだねえ」
※月がとっても青いなあと訳した説もあるよ、でも出典元の出所や年代の関係上
夏目漱石の月関連のエピソード自体が後付けされた逸話、デマであるとして否定されてるずら
86
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/22(水) 06:13:52 ID:gLDGPH8g
ダイヤ「それがどうかしたのですか?」
レム「先ほど申されましたように、人は古来から月には魔力があると信じ、言い伝えられてきました」
レム「それは私たちの星も同様で、そこに我々には想像もつかない程の神秘の力が宿っているとも」
ダイヤ(……? 今の言葉、なにか違和感が……)
レム「なので、もしかしたらと思いましてね」
果南「何が?」
レム「皆さんの身に何かが起きたあの日、そこには満月が浮かんでいたのではないかと」
87
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/22(水) 06:14:28 ID:gLDGPH8g
ダイヤ「満月……」
果南「確かに、出ていたような…」
レム「月の力が最も強いとされているのが満月、若しくは新月だと言われています」
レム「ならばもし、月の神秘的な力が本当にあったと仮定するなら」
レム「それもまた、皆さんにとって一つの重要な手がかりになるんじゃないかと…あくまで推測ですがね」
88
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/22(水) 06:16:46 ID:gLDGPH8g
果南「うーん、神秘の力か…二人はどう思う?」
ダイヤ「頷けなくはありませんわね、そもそも」
ダイヤ「私たちが体験した出来事そのものが、既に不思議というカテゴリの中に入っているわけですし」
ダイヤ「そのような力が作用していたとしても、何らおかしくはないでしょう」
花丸「うん、それにさっきレムさんが言ってた“ものとものを結ぶ”という言葉に倣って当てはめてみると」
花丸「模様、景色を見るために必要な満月の光が、万華鏡とマルたちを結んでここに連れてきたっていう考えかたも出来るし」
ダイヤ「確かに、あり得なくはないですね」
善子「……」
89
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/22(水) 06:36:59 ID:gLDGPH8g
一旦ここまで
90
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/08/22(水) 12:17:26 ID:/CPSXYBk
期待
91
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 12:58:19 ID:gnGXSP/U
トッ…
レム「さあ、着きましたよ」
果南「いやあ、でもまさか万華鏡の中に入れる日が来るなんて思いもしなかったよ」
果南「中は案外質素だけど」
ダイヤ「仕組み上、それは仕方ないでしょう」
果南「まあそうなんだけどさ」
ダイヤ「…しかし何故、これほどの大きさにする必要があったのですか?」
92
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:00:48 ID:gnGXSP/U
レム「理由はあります、万華鏡の原理…はご存知ですよね」
ダイヤ「ええ、とは言っても精巧なものになるとまた話は違ってきますが…」
ダイヤ「簡単な仕組みなら一応は」
ダイヤ「大雑把に言うと万華鏡の構造はミラー部分、私たちが今いる場所ですわね、その鏡のところと…」
ダイヤ「オブジェクト、つまりは模様を作るための小物を入れる先端部分の二つに分かれています」
ダイヤ「この先端部分というのが万華鏡を覗くときに見えるものですが、ただ映るのではなく」
ダイヤ「先に筒に組み立てておいた鏡がそれを繰り返し反射することで、元の素材とはかけ離れた幻想的な模様が目の前に映し出されるわけです」
ダイヤ「それが大まかな万華鏡の仕組みだと、私は記憶していますが」
93
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:01:33 ID:gnGXSP/U
レム「ええ、それで合っていますよ、その上で先ほどの質問に答えますと」
レム「この万華鏡がここまで大きなものに仕上がっているのは、さっきダイヤさんが説明してくれた」
レム「先端部分…これに合わせる必要があったからです」
ダイヤ「合わせる…?」
果南「…あっ、分かった」
花丸「果南さん?」
果南「小物だよ、多分だけどその先のところに入れるための道具が普通の万華鏡じゃ入りきらない大きさなんだ」
ダイヤ「そんな単純な…」
レム「正解です」
ダイヤ「ええっ!?」
94
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:02:20 ID:gnGXSP/U
果南「ほらやっぱり」
花丸「でも、そのためにわざわざ大きさを合わせたっていうことは、その入れるものじゃないとこの万華鏡が意味をなさないってことでもあるよね」
花丸「それに、普通じゃ入りきらないほどの大きなものって一体何なんだろう……」
善子「へえ…いいところに気がついたわね、それじゃあ私がその疑問に答えようかしら」
善子「貴女が気になった先端に嵌め込むもの…それはね」
善子「ピース・オブ・メモリー、星の結晶と呼ばれているものよ」
95
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:03:09 ID:gnGXSP/U
ダイヤ「ピース・オブ・メモリー……」
果南「星の結晶? なにそれ?」
善子「実際に見た方が早いと思うわ、ねえレム?」
レム「そうですね、では先端のところまで移動しましょうか」ガチャッ
ダイヤ「ちょっ…待ってください! 外側から行くんですか!?」
レム「? はい、内側からあそこまで辿り着くのは難しいので」
花丸「え、ええ……」ヒキッ
レム「大丈夫ですよ、階段はしっかり整備していますから」
96
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:04:57 ID:gnGXSP/U
─
カタン カタン
ダイヤ・花丸「……」ギュウ
果南「…あの二人とも、そんなにくっつかれると」
果南「私も動きづらくて危ないんだけど…」
ダイヤ「…ごめんなさい果南さん、ですが……これは…流石に」
花丸「高すぎるずら……」
果南「まあこれだけ大きいとね、そうだよね」
善子「いや、むしろそこまで慣れてる貴女はなんなのよ…」
97
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:07:07 ID:gnGXSP/U
レム「ダイヤさん、花丸さん、最上部まで来ましたよ」
ダイヤ「…ようやくですか」
花丸「凄く長い間…歩いたように感じるよ……」
果南「お疲れ様、二人とも」ポン
レム「この中です、どうぞご覧になってください」ガタン
キラ
ダイヤ「─! これは………宝石、ですか…?」
花丸「綺麗……」
果南「うわっ凄く真っ赤な色、ルビーとかガーネットとか宝石ならそのあたりかな…ずっと見ていたら吸い込まれそうなくらい…」
98
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:08:30 ID:gnGXSP/U
善子「そうね、色や形はそれに近いかもしれないけど中身は全くの別物よ」
善子「これは“ある惑星”の力が凝縮されたエネルギーの塊だからね」
ダイヤ「エネルギーですか?」
善子「ええ、現にこの星の多くのものはこれを動力源にして動いているの」
果南「え!? これ一つだけで!?」
花丸「そんなに凄いものがあるなんて…未来ずらあ……」
ダイヤ「しかし腑に落ちた点もありますわ、確かに今の話が本当なら」
ダイヤ「私たちのスマホだけ電波を傍受しないというのも頷けます」
ダイヤ「地球とこの星では、元々の資源とそこから変換して得られるものにかなりの違いがあるようですし…」
99
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:09:42 ID:gnGXSP/U
善子「ま、そういうことね、ついでにもう一つ補足しておくと」
善子「ピース・オブ・メモリー…長いからメモリーでいいか」
善子「それがあるのは一個だけじゃないの」
花丸「複数あるってこと?」
善子「ええ、元の万華鏡も小物をいくつか入れたりするでしょ?」
果南「確かに、スペースもまだかなり空いてるしね」
ダイヤ「それでその数は?」
善子「この場所にあるものを含めて7つ」
100
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:12:07 ID:gnGXSP/U
果南「ん? ちょっと待って、ここを含めてっていうことは」
果南「他の6つはそれ以外の場所に置いてあるってこと?」
レム「はい、そのメモリーがそれぞれ置かれている場所のことを」
レム「私たちは“エリア”と呼んでいます」
ダイヤ「エリア……」
レム「ええ、起点となるここ第一エリアから時計回りに第二、第三……とほぼ均一的に」
レム「合計七つのエリアに、この星は区分されているのです」
101
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:12:56 ID:gnGXSP/U
果南「へえ〜、なんかパワースポットみたい」
ダイヤ「例えとしては間違っていないと思いますけど…ああ、すみません続きを」
レム「私も昨日の間に色々考えてみたのですが、不思議なものには不思議なもので対抗するのが最も有効なのではと思い至りました」
善子「それがこの万華鏡とそれを彩る7つのメモリー…星の力が詰め込まれたこの結晶全てを埋めて完成させることが出来れば」
花丸「もしかしたら、元いた場所に帰ることが出来るかもしれないってこと?」
レム「可能性としては、ですがね」
102
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:14:24 ID:gnGXSP/U
ダイヤ「確証はありませんか…」
果南「でもやってみる価値はあるんじゃない?」
果南「今のところ、それ以外に何か方法があるわけでもないだろうし」
ダイヤ「…ええ、そうかもしれませんわね」
レム「ただ、これにはあともう一つだけ条件があるんです」
「「条件?」」
レム「ええ、期限です」
レム「我々は年に一度、月の力が強くなる日にこの万華鏡を完成させ、その景色を月に映し込ませるという」
レム「いわば儀式のようなものを執り行ってきました…いや儀式というよりは、祭りに近いかもしれませんね」
103
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:15:20 ID:gnGXSP/U
レム「そしてそれは今年も同様なのですが」
レム「今年は特にその力が強くなる日が来ると云われています、その月の魔力は過去最大規模だと」
レム「それがXDay〈エックスデイ〉……私たちが待ち焦がれていた日でもあります」
果南「あっ、そうか神秘の力っていうなら月の光も使えば」
レム「はい、月の力と万華鏡…貴女たちがここに来た原因は現状この二つだと考えられます」
レム「ならば必ず、この条件が揃えば何かが起きるはずと…皆さんはどう思いますか?」
花丸「マルは間違ってないと思うな」
果南「うん私も、ダイヤは?」
ダイヤ「…………」
ダイヤ(……何でしょう、どこか、引っかかりますわ…)
104
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:16:02 ID:gnGXSP/U
ダイヤ(何というか、話がうまく出来過ぎているような……そんな)
ダイヤ「…」
花丸「ダイヤさん?」
ダイヤ「…いえ、私もその意見に賛成ですわ」
ダイヤ「…レムさん、そのXDayがやってくるのはいつになりますか?」
レム「ざっと見積もって、48日後ですね」
果南「今から大体一ヶ月半か…」ウーン
105
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:16:55 ID:gnGXSP/U
花丸「つまり、それまでに全部集めて完成させればいいわけだね」
レム「ええ、私とイチゴさんは準備で忙しくなるため、貴女たちにその役目を任せてしまうことになるのですが」
善子「引き受けてもらえるかしら?」
果南「いいんじゃない? 自分たちのことだもん、自力でどうにかしなくちゃ」
花丸「そうだね、確かに」
ダイヤ「その役目、任されましたわ」
レム「ありがとうございます」
ダイヤ「ええ、ですから─」
ダイヤ「そろそろ……下に降ろしていただけませんか……」
レム・善子「…………あっ」
106
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:18:28 ID:gnGXSP/U
─
果南「よっと…ほら、ダイヤ」スッ
ダイヤ「すみません…」ギュ
花丸「ふう……やっと下に着いたね」
レム「申し訳ありません…つい、疎かになっていました」
ダイヤ「いや、そんな頭を下げるほどのことでは…」アセッ
善子「全く、逆に気遣わせてどうするんだか…」タメイキ
善子「さてと、とりあえず私たちの話はこれで終わりだけど」
善子「貴女たちはこれからどうするの?」
107
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:19:15 ID:gnGXSP/U
果南「もう少し外を見て回ろうと思うよ、まだ気になるところもあるし」
レム「そうですか、お気をつけて」
ダイヤ「はい、それではまた」
レム「ええ、今日のところはこれで…」スタスタ
花丸「善子ちゃんも、また明日ね」
善子「……」
善子「あー、あんたはちょっと待ちなさい」ガシッ
花丸「え?」
108
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:20:39 ID:gnGXSP/U
善子「ねえ、悪いけど少しの間借りるわよこの子、大事な話があるから」スタスタ
花丸「ずらああああああ!?」
ダイヤ「なっ…待ってください善子さん! 大事な話とは…っ」
果南「……行っちゃった」
ダイヤ「どうしたのでしょうか急に」
果南「分かんないけど…うーんしょうがない、じゃあ二人で行動しようか」
ダイヤ「…気がかりではありますが、仕方ありませんわね」
ダイヤ「それで果南さん、気になるところとは?」
果南「ん、ラブライブ」
ダイヤ「成る程──会場、ですか」
ダイヤ「確かに私も気になっていましたわ、ではまずはそこから…ですわね」
109
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/23(木) 13:21:12 ID:gnGXSP/U
ここまでです。
110
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/08/23(木) 20:42:35 ID:Z0jgLpR6
おつおつ
111
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/08/24(金) 03:36:04 ID:nknAGsMY
修正しながらで大変だったと思うけど、追い付いてきた感じだね、乙
楽しく読ませてもらってます
112
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/27(月) 18:47:36 ID:8DGvhPIQ
果南「よし、そうと決まったら早速…」ノビー
ダイヤ「…徒歩で行くつもりですか」
果南「十分いける距離でしょ」
ダイヤ「恐らく交通機関があるはずです、それを使っていきませんか」
果南「お金持ってないのに?」
ダイヤ「…………あ…いや、それは」
果南「行こうか、ダイヤ」ニコ
ダイヤ「……それしかないようですわね」ハァ
113
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/27(月) 18:48:18 ID:8DGvhPIQ
それから…
ダイヤ「着きましたわね…」
果南「お疲れダイヤ、お水持ってきたよ」
ダイヤ「…ありがとうございます」
果南「しっかし近くで見ると本当に大きいねー」
果南「大きさでいったら、東京のラブライブ会場と同じくらい…かな?」
ダイヤ「外観もよく似ていますわね、偶然でしょうか?」プハッ
果南「さあね、とりあえず中に入ってみようよ」
114
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/27(月) 18:49:30 ID:8DGvhPIQ
コツッ
コツッ
果南「誰もいないね」
ダイヤ「何も予定が入っていない、完成したばかりの会場ならこんなものでしょう」
果南「そういうものかな」
ダイヤ「ええ、配置されている備品も少ないですし、準備と言っていたからこれから取り付けるのでしょうが」
果南「いつやるんだろうね、ライブ」
ダイヤ「さあ…ですがもしかすると、私たちがいる間に行われるかもしれませんわね」
115
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/27(月) 18:50:15 ID:8DGvhPIQ
果南「だったらちょっと見てみたいよね、どんな感じなんだろう?」
ダイヤ「また暢気なことを言って、まあ気にならないといえば嘘になりますけど」
果南「あはは、やっぱり」
ダイヤ「と、当然でしょう! 私たちはスクールアイドルですわよ!」
ダイヤ「さあ、ここはもういいでしょう次行きますわよ!」クルッ
果南「はいはい」
116
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/27(月) 18:51:35 ID:8DGvhPIQ
果南「─えっと、これで一通りは見て回ったけど…特に変なところは無かったね」
果南「普通の会場って感じ」
ダイヤ「いえ、一つだけ気になるところが」
果南「なに?」
ダイヤ「これを見てください、地図上だと出入り口が私たちが入った南ゲートの他に西ゲートと東ゲートがありますわよね?」
果南「うん、それが?」
ダイヤ「北側にも出口はあるのですが、それだけ明記されていないのです」
果南「ふーん、じゃあ行ってみる?」
ダイヤ「相変わらず迷いがありませんわね、貴女は…」
117
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/27(月) 18:53:21 ID:8DGvhPIQ
─
果南「んーと? 正面が南ゲートだから、北となると会場の裏側ってことになるけど…どうなってるんだろう」スタスタ
果南「…よし、出れた……って、あれ?」
ダイヤ「! ……随分、殺風景な場所ですが」
果南「反対側は建物が全然建っていないんだね、あたり一面が草原になってる」キモチイイナア
ダイヤ「…しかしこんなことが、あり得るのでしょうか」
果南「都会と田舎の境界線みたいなものだと思えば少しは」
ダイヤ「……そうですわね…こうして目にしてしまっている以上、自分の常識内だけで語るのもよくはありませんか」
果南「……ん? ねえダイヤ、向こうに何かあるよ」ダッ
ダイヤ「ちょ…待って果南さん、いきなり走らないでくださいもう!」タッ
118
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/27(月) 18:54:14 ID:8DGvhPIQ
果南「……」
ダイヤ「はぁっ…やっと追いつきましたわ……全く貴女という人は本当に…」
果南「…ダイヤ」
ダイヤ「はい?」
果南「見てよこれ」
ダイヤ「……汽車ですわね」
果南「ねえ、どうしてこんなところにあるんだろう?」
ダイヤ「と、言われましても分かりかねますわね…近くに駅もありませんし」
果南「…そっか、そうだよね」
果南「……」
ダイヤ「果南さん?」
果南「…ああいや、なんかちょっと不思議な感じがしてさ、うん」
119
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/27(月) 18:54:51 ID:8DGvhPIQ
果南「何かに呼ばれているような、そんな感覚…」
果南「まあ多分、気のせいだよ」
ダイヤ「そうですか?」
果南「うん、きっと」
果南「それよりさ、そろそろ帰らない?」
ダイヤ「…そうですわね、随分と遠くまで歩いてしまいましたし、流石に戻らないと遅くなりそうですわ」スタスタ
果南「花丸ちゃんは解放されてるかなあ」
ダイヤ「どうでしょうね」フフッ
120
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/27(月) 18:55:18 ID:8DGvhPIQ
果南「……」チラッ
果南「……まさか、ね…そんなわけないか」
ダイヤ「果南さん、遅れていますわよ」
果南「ごめんごめん、すぐ行く!」タッ
……
…
121
:
名無しさん@転載は禁止
:2018/08/27(月) 20:17:45 ID:XUd0KAJA
来た!
122
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/30(木) 13:23:10 ID:hXXn1/Xc
─2時間程前…
善子「はい到着」パッ
花丸「ひ、引っ張りすぎずら……それで善子ちゃん、大事な話って?」
善子「あんたに渡すものがあるわ」ガコン
花丸「マルに?」
善子「ここ私の部屋なの、仕事場としても使ってるけどね」
善子「それで確かこの辺りにしまって……あった」
花丸「…本?」
善子「そうよ、名前は星の道標<ほしのみちしるべ>…なかなか洒落てるでしょ」
123
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/30(木) 13:25:49 ID:hXXn1/Xc
花丸「ふーん…表紙は上製本で、紙自体も結構新しいものだね…ただ」パラパラ…パタン
花丸「表紙に埋め込まれている、この丸いものが何なのか気になるずら」
善子「ああそれはね、この本で最も重要な部分よ」
花丸「?」
善子「この石はメモリーを取り込む力を持っているの」
花丸「えっ、あんなに大きなものをこの本が吸い込むの!? そんなこと…」
善子「出来るわよ、この石もメモリーも素材は一緒なの…つまりは共鳴みたいなものね」
善子「互いに反応し合ってそれが混ざり合い、一時的に一つの場所に納まるの」
善子「花丸、あなた残り6つのメモリーを集めるって聞いたとき、あんなに大きなものをどうやってって思わなかった?」
花丸「……そういえば」
善子「この本はね、その問題を解消するために作られたものなの」
124
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/30(木) 13:26:44 ID:hXXn1/Xc
花丸「成る程…ねえ、だから名前が星の道標なの?」
花丸「星の結晶であるメモリーを一つの場所に集める役割があるから」
善子「正解、とはいっても名前の意味はそれだけじゃないんだけどね」
花丸「え?」
善子「ダブルミーニングとか好きなのよ、私」フフッ
花丸「あんまりよく分からないけど…他にも何か秘密があるってことだよね」
善子「そのうち分かるようになるわ、ともかく、今まではレムが使ってたけど」
善子「今回はあなたたちがその役目を担うわけだから渡しに来たってわけ」
125
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/30(木) 13:27:47 ID:hXXn1/Xc
花丸「でも、どうしてマルなの?」
善子「あんたが一番適任だと思ったから、それだけよ」
善子「果南は大らかで、誰かにとっては受け入れがたいものも、広く受け入れる器を持っている」
善子「ダイヤには与えられた情報を整理し、考え、自らが出した答えで人を導く…判断力と知恵がある」
善子「そして花丸、あなたには物事の本質を見抜く力が宿っている」
花丸「!」
善子「…と私は思っているわ、あくまで個人の見解だけどね」
善子「奇怪や不可思議の真理を見抜く上で必要なものは、常識でも理屈でもない──感受性よ」
善子「心の目で見るの、あなたが感じたその想いを歪めることなく真っ直ぐにね」
善子「そうすれば、きっと答えは出てくるはずだから」
花丸「真理……」
126
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/30(木) 13:28:29 ID:hXXn1/Xc
善子「そういうわけだから頼むわね、はい」ポン
花丸「…うん、わかった」
花丸「マルに任せるずら」
善子「ええ、お願いね…あっそうだ、ついでと言ったらなんだけど、折角の縁だしもう一ついいかしら?」
花丸「? なに?」
善子「そこまで大したことじゃないんだけどさ、日記を付けてもらいたいのよ」
花丸「日記?」
善子「そう、だって白紙だらけなんだものこの本」
善子(それに──)
善子(“記憶”を司るものなら、思い出を記した方がよりらしくなるでしょうし…ね)
127
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/30(木) 13:29:11 ID:hXXn1/Xc
それから……
果南「ただいまー」
ダイヤ「今戻りましたわ」
花丸「あっ二人ともおかえり、どうだった?」
果南「うん、楽しかったよ色々と」
ダイヤ「収穫もありました、あとで話しますわね…花丸さんは?」
花丸「マルもあったかな、大事な情報だと思うよ」
ダイヤ「そうですか、それは気になりますわね」
128
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/30(木) 13:29:54 ID:hXXn1/Xc
果南「ねえ、お腹すいたからご飯食べようよ」
ダイヤ「いや、ここは一度部屋へ戻って…」グゥ〜
ダイヤ「?」フリムキ
花丸「えへへ…実はマルももう限界ずら」
ダイヤ「……食堂へ行きましょうか」
129
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/30(木) 13:30:56 ID:hXXn1/Xc
─
「「「ごちそうさまでした」」」パン
果南「あー美味しかった」
ダイヤ「ふむ、星の道標ですか…」
花丸「うん、これにメモリーを入れて運ぶんだって善子ちゃんが」
ダイヤ「石が同じ素材で出来ているというのが気になりますわね」
果南「確かに言われてみれば、透き通っていて綺麗だもんねその石も」ズイッ
果南「あのとき見たメモリーと似てるといえば似てるかも…ただ」
ダイヤ「ただ?」
果南「この石の形状、なんか見覚えあるんだよね……なんだったかな?」ウーン
130
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/30(木) 13:31:27 ID:hXXn1/Xc
ダイヤ「それは地球にあったという意味で?」
果南「うん」
ダイヤ「そうですか…しかし、丸い形をしたものなどいくらでもありますから判断がつきまんわね…花丸さんは?」
花丸「マルもあまりピンとこないずら…」
果南「そっか、じゃあ今は後回しにしておく? そのうち思い出すだろうし」
ダイヤ「ええ、今のところはそうしたほうがいいかもしれませんわね」
131
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/30(木) 13:32:40 ID:hXXn1/Xc
花丸「そっちも、草原の真ん中に汽車があったなんて驚きだね…線路とかは無かったの?」
ダイヤ「はい、駅もなにも」
花丸「よく分からないね…会場の裏に繋がっているっていうことに何かありそうだけど」
ダイヤ「裏口というのがミソでしょうか? 私たちでも行けた以上、そこまで隠すことでもないのでしょうが」
ダイヤ「あの場所、もしくは汽車にはまだまだ私たちの知らない秘密がありそうですわね」
果南「勘ぐりすぎじゃない?」
ダイヤ「しかし、あまりにも意味深じゃありませんか」
果南「……まあね」
132
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/30(木) 13:34:20 ID:hXXn1/Xc
ダイヤ「とはいえ、そこに囚われすぎるのもよくないというのは一理ありますわね」
花丸「マルたちの目的は元の世界に帰ることだしね、そのための情報収集なんだけど」
ダイヤ「それで手段と目的が入れ替わってしまっては元も子もありませんか…」
ダイヤ「分かりました、では話は一旦ここで止めましょう」
果南「…ふぁ……食事のあとにこんな話をするもんだから眠くてかなわないよ…」
花丸「お疲れ様、果南さん」クスッ
果南「うん…ねえダイヤ、スッキリしたいから走ってきてもいい?」
ダイヤ「駄目です、一人で行動するのは控えてください、まして今は夜ですわよ」
果南「え〜…分かったよ、じゃあ先に寝る……おやすみ〜」トタトタ…
133
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/30(木) 13:35:37 ID:hXXn1/Xc
ダイヤ「私たちもそろそろ寝ましょうか」
花丸「そうだね、今日も色んな事があったし…マルも疲れちゃった」
ダイヤ「私もです……慌ただしくて中々ゆっくり出来ませんわ」フワ…
花丸「…しばらくはこの状況が、続きそうだね」
ダイヤ「少し考える癖を抑えられれば、楽になれるのですけどね」
花丸「そこは果南さんを見習った方がいいのかも」
ダイヤ「…かもしれませんわね」フフッ
花丸「マルもそろそろ寝るね、おやすみダイヤさん」スタスタ
ダイヤ「はい、おやすみなさい」
ダイヤ「……まあ、慣れていくしかないのでしょうね」
134
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/30(木) 13:36:16 ID:hXXn1/Xc
果南「……」スヤスヤ
ダイヤ「……」スゥースゥー
花丸「…………」ゴソッ
花丸「日記…かあ、何を書けばいいんだろう?」
花丸「明日ちょっと、やってみようかな…」
135
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/30(木) 13:37:49 ID:hXXn1/Xc
マルたちがこの星に来てから2日目…ううん、丸一日眠っていたっていう日を入れたら3日かな
この日に今書いている本を受け取って、マルの日記をつける日々が始まったの
まだぎこちない部分が多かったんだけど、こういうの…とても新鮮だったから
本を手に取ったとき、ちょっとだけワクワクしたのを覚えてる
これから一体何が起こって、マルはどんな出来事をこのページに記していくんだろうって
先の不安がある一方で、どこか待ち遠しくなるような、そんな高揚感が
マルの心の中に、生まれていたんです
─ Xdayまで…残り48日 ─
136
:
家
◆YmvLytuhUo
:2018/08/30(木) 13:38:07 ID:hXXn1/Xc
今回はここまでです。
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