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千歌「我ら天駆亜九人衆、参る!」
1
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/11/03(金) 20:42:25 ID:Hejxu6rc
時は天正18年(西暦1590年)――
世に聞こえる天下人、豊臣秀吉が関東の北条を攻めんとし、天下統一を間近に控えた時代。
伊豆国を治めるいち大名に過ぎなかった小原家――
父の死後、家督を継いだ小原家当主・小原鞠莉は、突如として乱心し、暴虐の限りを尽くしていた。
果てには「悪亜衆」なる軍門を組織し、秀吉の首を獲らんと野望を抱く。
終わらぬ破壊と略奪に、伊豆の民は絶望の底へと落とされていた。
しかし、地獄の中でも、希望を捨てぬ者がいた。
侍に憧れる、ひとりの少女。
彼女が、小原家に対抗を続ける水軍の頭領、そしてひとりの謎めいた旅の浪人と邂逅した時、
歴史の影に埋もれた、とある九人の物語が幕を開ける――
339
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/01(金) 02:21:59 ID:MwApN9IM
続く
ルビりあ ダイせい もっと流行れ
340
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/01(金) 04:37:39 ID:5mwLhWOo
善子を救ってくれ!
341
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/01(金) 06:07:07 ID:yq05aMNE
生放送に切り替わってから一層熱い
342
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/01(金) 13:07:45 ID:NoTxsG3c
乙!すごく面白い
次回善子仲間になるかな
343
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/02(土) 18:29:19 ID:Holtd6hg
乙
続き楽しみ
344
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/05(火) 18:35:19 ID:dS4d5iJ.
戦国なのに命のやり取り無し・・・茶番すぎて切るわ
345
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/05(火) 21:01:41 ID:NRlkR8xg
>>344
お前ここまで本当に全部読んだの?
346
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/05(火) 23:06:08 ID:CXz1ljL2
楽しみに待ってるから
>>1
は頑張ってくれ
347
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:07:22 ID:Ze4rrgbc
〜内浦湾海上 聖良船上〜
ザザザザ…
聖良「・・・・・・・・・」
――“合図”を見て、黒澤水軍との戦場(いくさば)から離れる聖良船。
そしてそこへ、闇夜に紛れて空より近づく、一つの影――
バサッ
両手両足で掴んだ黒布を凧代わりに、
空中より滑空する、忍びの者――
それが、音も無く、聖良船の上に降り立った。
ストッ…
聖良「――天王寺ですか。ご苦労様です」
璃奈「・・・・・・・・・」
それは、長浜城近くの山上から合図の花火を放った、忍――
348
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:10:28 ID:Ze4rrgbc
聖良「――む?」
闇夜に紛れていた、その忍――天王寺璃奈の顔が月の光に照らされた時、
聖良は怪訝な表情を浮かべる。
聖良「“また”――ですか」クスッ
聖良「未だに私は、貴方の素顔を見たことがありません」
璃奈「――私は、忍」
璃奈「顔なんて、あって無いようなものだから」
その顔は、落書きのような表情の描かれた紙で隠されている。
変装の名手である彼女は、こうして顔を隠しているのが常であり、
悪亜衆の中の幹部、聖良や理亞であっても、彼女の素顔を見たことは無かった。
聖良「それより――作戦は失敗のようですね」
璃奈「うん。確認した。津島善子は“煉獄の書”奪還に失敗、敗走中」
聖良「――まったく」フゥ
聖良「私と理亞が、陽動をしてまで手助けをしたというのに――」
璃奈「どうするの? あの子」
聖良「・・・・・・・・・」
349
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:13:57 ID:Ze4rrgbc
〜長浜城近くの海岸〜
善子「私を・・・・・・救いに、来た・・・・・・?」
花丸「そうずら」
困惑した表情を浮かべる善子に対し、
花丸は、はっきりと答える。
善子「な・・・・・・何、訳わかんないこと言ってるの? 一体――」
花丸「言葉通りの意味ずら。貴方は、苦しんでる」
花丸「だから、オラたちが、少しでも力になりたいずら」
千歌「そうだよ! 負けたからって死ぬなんて、間違ってる!」
曜「簡単に、死ぬなんて言うのは・・・・・・!」
善子「何・・・・・・言ってるのよ・・・・・・!!」
ギリッ
善子「甘っちょろいこと言ってんじゃないわよ! 戦に勝つ負けるっていうのは命を獲るか獲られるかってことでしょ!?」
善子「あんた達がそんな甘いこと言えるのは、本当の戦を知らないからよ!!」
千歌「・・・・・・!!」
果南「・・・・・・・・・」
350
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:15:18 ID:Ze4rrgbc
果南「――そうだね。あんたの言うことはもっともだよ」
千歌「果南、ちゃん・・・・・・?」
果南「命を賭けて戦ってきたあんたにとって、今さら敵に情けをかけられるのも収まりがつかないというもの」
果南「ならば――正々堂々、一対一の一騎打ちで、決着をつけるのはどう?」
善子「一対一・・・・・・?」
善子は、一瞬面食らったのち――
くく、と笑い、
善子「――面白いじゃない。それじゃ最後に、貴方――」
善子「“無太刀の果南”との、一騎打ちという訳?」
果南「いや、戦うのは私じゃない」
果南「――ここにいる、マルだよ」
花丸「ずらっ!?」
351
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:16:18 ID:Ze4rrgbc
善子「はっ!? その、小坊主と?」
善子「・・・・・・馬鹿にしてるの?」
果南「私は、至って本気だよ」
果南「それに、忘れてないかな? 私の策略があったとはいえ――」
果南「さっき一度、あんたはこの子に負けてるんだから」
善子「・・・・・・っ」ギリッ
善子「・・・・・・いいわよ。やってやろうじゃない」
花丸は、戸惑った表情を浮かべ、
花丸「果南さん、オラ・・・・・・」
果南「――あの子を、救いたいんだろう?」
果南「ならば、命を獲るだけが、戦いじゃない」
花丸「――!」
花丸は――
果南の言葉に、頷いた。
352
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:18:53 ID:Ze4rrgbc
ザザン…ザン…
三日月が照らす中、
夜の砂浜で、対峙する花丸と善子。
善子は十文字槍を持ち、
一方の善子は――
チャキッ
手に持つ鉄砲の先に、短刀を取り付け――
槍のように、構える。
花丸「銃剣――」
花丸「鉄砲は、使わないずら?」
善子「―― 一騎打ちなんでしょ」
善子「あんたぐらい、“魔弾”なしでやってあげるわよ」
千歌「花丸ちゃん・・・・・・」
果南「・・・・・・・・・」
353
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:20:48 ID:Ze4rrgbc
梨子(・・・・・・やっぱり、ちょっと変)
梨子(千歌ちゃんや曜ちゃんには、侍になって戦うことを反対していた果南さんが――)
梨子(花丸ちゃんに対しては、なんだか戦うことを認めてるように感じる)
梨子「・・・・・・果南さん」
梨子「花丸ちゃんって、一体――」
梨子「ただの、お寺の娘さんじゃないんですか?」
果南「・・・・・・・・・」
果南「――マルは、ああ見えて」
果南「命のやりとりの重さを、よく知ってるからさ」
曜「え?」
千歌「それって、どういう――」
354
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:22:35 ID:Ze4rrgbc
果南「私が昔、長浜城に厄介になっていた頃――千歌と曜に出会った頃」
果南「黒澤水軍の菩提寺だったマルの寺に、父上と私で訪れたことがあって」
果南「そこで―― 一度、会ってるんだ。マルとは」
千歌「え――!?」
――その寺に、相当な槍の使い手がいると聞いた、果南の父は。
是非一度手合わせをと、幼い果南を連れて寺を訪れた。
果南「だけど、当時の住職――マルのお祖父さんは、老体だからと丁重に断ってね」
果南「代わりに私が、ほんの子供だったマルと手合わせしたんだ」
355
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:24:41 ID:Ze4rrgbc
果南『たぁ!』
ポカッ
花丸は、祖父から槍の手ほどきを受けていた。
しかし、果南に輪をかけて幼かった花丸は、果南にはとても適わず。
果南の布を巻いた木刀で一本をとられ、その場に膝をつく。
花丸『あう・・・・・・ま、負けたずら・・・・・・』
果南『でも、その槍はすごいね。間合が取りづらい』
果南『・・・・・・私よりも小さいのに、すごいよ』
花丸『えへへ。ありがとうございます、ずら』
その後、感服した様子の果南の父は、
花丸の祖父の老住職に対し、幼い花丸の技量を褒め称えたが――
住職は、寂しげな表情を浮かべ、
住職『しかし――あの子には、可哀想な思いをさせてしまっているのです』
果南『・・・・・・?』
356
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:26:32 ID:Ze4rrgbc
花丸の祖父は、大和(奈良)の興福寺で興った、宝蔵院流槍術の創始者、
宝蔵院覚禅房胤栄の弟弟子であった。
しかし戦国の世、興福寺を始めとする寺社勢力が長らく幅を効かせていた大和も、
戦国武将が勢力を伸ばし始め、戦場となることも少なくなかった。
そんな中――
花丸の祖父は、幼い花丸に“出会った”。
住職『あの子と儂の間には、血の繋がりはありませぬ』
住職『とある小さな村が、落ち武者に襲われたとの報らせを受け――儂ら興福寺の僧兵が、村に駆けつけた時、』
住職『ひとり生き残っていたのが、まだ赤ん坊の花丸だったのですじゃ』
――おそらく、母親が、幼い娘だけは助けようとしたのであろう。
赤ん坊の花丸は、行李に入れられ、床下に隠されていた。
泣き声を聞いた住職たちが、床下の花丸を見つけたのだった。
357
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:27:40 ID:Ze4rrgbc
住職『花丸は興福寺で引き取り、この戦乱の世で自らの身を守らせるため、物心つく頃から槍を教えたのですじゃ』
住職『しかし花丸は、良い子じゃ。自らの生い立ちを知ってなお、世の平穏を心から願っておる』
住職『そうした――強い心を、持った子』
住職『儂の――自慢の、孫娘――ずら』
果南『・・・・・・・・・』
住職は、花丸が成長したのち、
花丸を伴って、故郷の内浦の村へと戻ってきたのだった。
358
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:28:41 ID:Ze4rrgbc
果南「――それだけじゃない。この内浦の村で、悪亜衆が暴れるようになってからも――」
果南「マルは、寺に運び込まれてきた大勢の死人を見て、弔い続けてきた」
果南「そして去年、流行り病で祖父を亡くしてからも、たった一人で――」
果南「マルは、命の重みを、誰よりもよく知っている」
千歌「・・・・・・!!」
梨子(そっか・・・・・・だから果南さんは、花丸ちゃんにある種の信頼を・・・・・・)
果南「だからこそ、あいつに任せてみたい」
果南「救いたい、と言っていたマルが――あの傾奇者を、どうするのか」
359
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:30:22 ID:Ze4rrgbc
ザン…ザザン…
夜の砂浜で、対峙する両者。
十文字槍を構えた花丸と、銃剣の切っ先を相手に向けた善子。
花丸「――来ないずら?」
善子「――あんたこそ」
と――
不意に、空の三日月に、雲が懸かり。
一瞬、辺りを照らす月光が翳った――
その刹那、
バッ!
先に動いたのは善子。
銃を槍のように振るい、花丸目掛けて突き出すが、
ガキイッ!
花丸は、槍の穂先の、左右に突き出した鎌の刃で、
善子の銃剣の刃を受け止める。
360
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:33:17 ID:Ze4rrgbc
曜「受けた!!」
果南「中々に優れた武具だ。十文字槍――」
宝蔵院流槍術の十文字槍は、その戦法の多様性から、従来の槍とは一線を画す。
突くばかりでなく、斬る、打つ、防ぐ、薙ぎ払う等の攻防に優れ、
「突けば槍 薙げば薙刀 引けば鎌 とにもかくにも外れあらまし」と詠われる程に、画期的な武器であった。
キインッ!
花丸が、受けた銃剣を打ち払い。
そのまま横薙ぎに、善子の足許を狙って槍を振るうが。
ガキッ!
負けじと善子も、銃剣でその刃を受け止める。
361
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:34:19 ID:Ze4rrgbc
善子「くっ・・・・・・!!」
キンッ!
善子「はぁ、はぁ・・・・・・」
――貴方は、苦しんでる。
――貴方を、救いに来たずら。
善子「・・・・・・っ」
ギリッ
善子(何よ・・・・・・あんたなんかに、何がわかるって言うのよ・・・・・・!)
善子「――何がっ!!」
ダッ!
善子「わかるのよ!!」
ギンッ!
362
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:35:16 ID:Ze4rrgbc
花丸「・・・・・・!」
善子「私が・・・・・・苦しんでる、ですって!?」
善子「そんなことっ・・・・・・!!」
キンッ! ガキッ!
花丸「だって、貴方は――」
花丸「なんだか――悲しい目を、してるずら」
善子「・・・・・・!!」
ギリッ
その刹那。
善子の脳裏に、蘇るのは――
――悲しそうな顔。つらかったでしょ?
――私たちは、貴方を必要としているの。
善子「うるさいっ・・・・・・」
善子「うるさぁぁぁい!!」
ダッ!
――貴方の中の、“雑賀”の力を――
363
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:37:56 ID:Ze4rrgbc
――“雑賀衆”。
戦国の世において、史上最も異質な“傭兵集団”である。
頭に何かを戴くことを嫌い、特定の主君を持たず、時として信長や秀吉のような天下人にすら反抗した。
そんな彼らの名を天下に知らしめたのは、数千挺もの鉄砲で武装した、高い軍事力である。
津島善子。
彼女は、そんな雑賀衆の一族に生まれた。
雑賀の傭兵として生きることを義務付けられていた彼女は、
物心つく頃から、鉄砲を始めとした火器の扱い、戦法、製造法を、徹底的に叩き込まれた。
しかし次第に、そんな一族からの重圧に嫌気が差し。
南蛮文化への憧れもあって――
彼女は一族を抜け、華やかな京へ向かうことを目指し、雑賀の里を飛び出した。
善子、十歳の春である。
364
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:41:18 ID:Ze4rrgbc
しかし、時すでに戦国の世。
十歳ばかりの子供が一人で生きるのは、辛過ぎる世であった。
はるばる辿り着いた京の都も、応仁の乱以降、音に聞こえた華やかさは鳴りを潜め。
失意の中、里に舞い戻った善子が、目にしたのは――
善子『何・・・・・・これ・・・・・・!?』
善子『雑賀の、里が・・・・・・!!?』
――天正13年。
紀州の寺社勢力、そして雑賀衆の軍事力を危険視した天下人秀吉により、
大規模な紀州攻めが行われた。
雑賀衆は最期まで抵抗するも、秀吉の大軍団には太刀打ち出来ず壊滅、
傭兵集団としての雑賀衆は滅び、歴史からその名を抹消されたのであった。
365
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:42:41 ID:Ze4rrgbc
善子『みんな、燃え落ちて・・・・・・何も、残ってない・・・・・・』
善子『・・・・・・・・・』
善子『こんな里、大嫌いだった・・・・・・』
善子『私は、こんな里で一生を過ごすなんて嫌で・・・・・・南蛮の絵巻で見た、堕天使みたいになりたいって思って・・・・・・』
善子『だけど・・・・・・お母さん・・・・・・お父さん・・・・・・!!』
グスッ…
善子『なんで・・・・・・こんな・・・・・・!!』
善子『私、これから・・・・・・どうしたらいいの・・・・・・!?』
――それからの数年間。
善子は、どん底の日々を過ごしていた。
秀吉の、雑賀の残党狩りに狙われるのではないかと怯えながら。
ぼろをまとい、各地を点々とし、畑の野菜を盗んで飢えを凌いだ。
366
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:45:16 ID:Ze4rrgbc
一度、里を捨てた善子にとって。
故郷を滅ぼされた、その復讐をするには、半端過ぎて。
かといって、夢を抱くには、無力過ぎて。
帰る場所も、縁(えにし)も、何もかも無くしてしまった善子は。
最早、なんのために生きているのかも、わからなくなっていた。
善子『私は、生まれた時から不幸・・・・・・雑賀の一族に生まれた時から・・・・・・』
善子『不幸の星の許に生まれた――堕天使』
善子『私は・・・・・・この世に、必要とされてないのかな・・・・・・』
――そんな時だった。
鞠莉『貴方の中に流れる、失われた雑賀の血の力が――』
鞠莉『私たちに、必要なのよ』
“彼女”に、出会ったのは。
367
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:46:42 ID:Ze4rrgbc
善子「うああああっ!!」
――善子は、叫びながら、
花丸目掛け、銃剣を振るう。
善子(だって――初めてだったんだもの)
善子(私の、力を――)
ガキッ! キンッ!
善子「必要だって――言ってくれたのは!!」
花丸「――!!」
ガスッ!!
善子「・・・・・・っ!?」
善子が突き出した、銃剣の刃を――
花丸は、槍で払わず。
花丸「ぐ・・・・・・う、」
ポタッ
まるで差し出すように、相手に向けた、花丸の左腕に――
銃剣の刃が、刺さっていた。
368
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:49:37 ID:Ze4rrgbc
果南「!」
千歌「花丸ちゃん!!」
曜「大丈夫!?」
花丸「お・・・・・・オラは、平気ずら」
ポタポタ
善子「な・・・・・・!?」
善子「何、してんのよ・・・・・・今の・・・・・・防げた、でしょ・・・・・・!?」
花丸「・・・・・・・・・」
――と。
善子が狼狽した、その瞬間。
花丸は素早く、返した槍の柄の先を、善子に向け――
ドグッ!
善子「!?!?」
柄の先で、善子の鳩尾(みぞおち)を突き。
善子は銃剣を取り落とし、その場に膝をついた。
369
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:51:07 ID:Ze4rrgbc
花丸「はぁ・・・・・・はぁ」
善子「あ・・・・・・ぐ・・・・・・」
善子「まさか、私の隙を作るため・・・・・・!? だからって、あんなことしなくても・・・・・・」
花丸「貴方の苦しみ、痛みは――オラにはわからない、けれど」
花丸「こうすれば・・・・・・ちょっとは、貴方の痛みに、近づけるかな――って」
ポタッ…ポタッ
善子は、思わず花丸の顔を見上げるが――
ふっ、と、口許を歪ませ、
善子「――偽善じゃない、そんなの」
花丸「そうかもしれないずらね」
善子「私のこと――何も知らない癖に」
花丸「うん。知らないずら」
花丸「でも、だからこそ――」
花丸「オラは、貴方と、もっとお話ししたい」
花丸「貴方のことを、もっと知りたいずら」
善子「――!」
370
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:52:20 ID:Ze4rrgbc
善子「・・・・・・・・・」
善子「・・・・・・何よ」
善子「そんなこと、言ったって・・・・・・私には、何も無い・・・・・・」
善子「だから、私は・・・・・・必要と、されたくて・・・・・・!」ポロッ
千歌「・・・・・・!」
曜「あの子・・・・・・」
果南「・・・・・・・・・」
花丸「・・・・・・・・・」
花丸「オラは――オラたちは。貴方を、必要だとか、言わない」
花丸「貴方を、モノみたいになんか、言わない」
花丸「ただ、オラは――」
スッ
花丸「貴方と――友達になりたい、だけずら」
善子「・・・・・・!!」
371
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:53:41 ID:Ze4rrgbc
傷を負い、血を流しながら――
差し出された、花丸の左手を見て。
善子の両目から――涙が、零れ落ちた。
善子「・・・・・・馬鹿じゃないの」
善子「友達、なんて・・・・・・」
ポロポロ
善子「“あの人”は、そんなこと――」
善子「言って・・・・・・くれな、かった・・・・・・のに・・・・・・!!」
――本当は。
ずっと、寂しかったのに。
372
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:56:43 ID:Ze4rrgbc
梨子「花丸ちゃん・・・・・・」
千歌「これで・・・・・・」ホッ
曜「一件落着、かな?」
果南「――そうだね」フッ
花丸「――ね、」
花丸「貴方の、名前――教えて欲しいずら」
花丸の言葉に。
涙を零し――はにかみながら。
善子も――手を、伸ばす。
善子「」クスッ
善子「私は、夜羽根――ううん」
善子「私の名前は、善子――」
ドスッ
.
373
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:57:41 ID:Ze4rrgbc
善子「・・・・・・・・・」
善子「え?」
善子の、手が。
花丸の手に、触れる寸前で、止まる。
そして。
善子の、脇腹から――
374
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 00:58:56 ID:Ze4rrgbc
「――虫唾が走りますね」
「そのような、敵との戯言」
.
375
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 01:00:24 ID:Ze4rrgbc
花丸「え・・・・・・・・・」
善子の、脇腹から。
突き入れられた、刀の切っ先が――覗き。
月の光を返し、冷たく光っている。
聖良「残念ですよ――善子さん」
聖良「最期まで――役に立たなくて」
背後から、善子に刀を突きたてた聖良が――
冷たく、笑う。
善子「あ・・・・・・あ、」
ゴポッ
善子の口から――血が、零れた。
花丸「・・・・・・善子ちゃん」
花丸「善子ちゃああああああん!!!」
376
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/07(木) 01:00:49 ID:Ze4rrgbc
続く
377
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/07(木) 04:23:10 ID:QmK0NK6s
善子ォォー!!
378
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/07(木) 06:48:00 ID:M3pMsFt6
おおう、めっちゃ気になるところで終わったな
379
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/07(木) 09:40:30 ID:mq1yv4hI
毎回内容が濃くて良い
花丸も善子も壮絶な過去背負ってるな
善子…
380
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/07(木) 22:51:23 ID:GYJvrHRA
乙です
毎回引きが上手いねえ
381
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/07(木) 23:29:41 ID:oXagRyMo
>>345
展開上Aqoursキャラ何人か退場してないのがご都合主義すぎるわwww
382
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/08(金) 00:52:07 ID:29HHW2sk
>>381
切るとか言っといてわざわざ覗きに来るとか
ツンデレかな?
383
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/08(金) 14:46:36 ID:cUryEp0A
本場の大河ドラマでも序盤からメインキャストどんどん死なせたりせえへんやろ…
384
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/12(火) 15:48:18 ID:MhaNvIok
ソワソワ
385
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/14(木) 18:30:55 ID:XgUbGz/o
今日明日辺りくるかな?
386
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/14(木) 20:47:24 ID:FJMmWB0M
待つ
387
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:01:46 ID:dd7DaUD6
――花丸が、叫ぶのと同時に。
背後から、善子に刀を突き立てた聖良は。
ゆっくりと、刀を抜き――
ズプッ
善子「――っ」
ガクッ
善子は崩れ落ち、
目の前の花丸が、両腕で抱きかかえる。
善子「げほっ!!」
ゴボッ
善子の口から血があふれ、
腹部からとめどなく流れる血が、花丸の両腕を塗らす。
花丸「善子ちゃん――善子ちゃん!!!」
388
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:03:34 ID:dd7DaUD6
聖良「おや――まだ息がありますか」
シュッ
バッ
聖良は刀をふるい、
刀身の血を払う。
聖良「ならば――とどめを」
チャキッ
果南「――!」
ダッ
ガキイッ!
聖良が刀を構えんとした刹那、
飛び出した果南が、脇差で聖良の刀を止める。
聖良「あら――速いですね」
聖良「流石は音に聞こえた松浦果南、嬉しくなります」
果南「貴様っ・・・・・・!!」
ググッ
聖良「――怒っているのですか? らしくないですよ」
クス…
389
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:06:06 ID:dd7DaUD6
善子「あ・・・・・・が・・・・・・!!」
ガクガク
花丸「善子ちゃんっ・・・・・・善子ちゃん!!」
白目を剥き、痙攣する善子。
両目に涙を溜め、叫ぶ花丸。
そんな中――
果南に続き、真っ先に飛び出したのは、
以外にも、梨子だった。
梨子「駄目――動かさないで!!」
梨子は善子のそばに屈むと、
懐から素早く巾着袋と、そして腰に提げていた竹筒(水筒)を取り出す。
梨子「これを・・・・・・!!」
梨子は巾着袋の中から、何錠かの丸薬を取り出し、善子の口に含ませる。
そして竹筒の水で、それを流し込ませた。
花丸「それは・・・・・・!?」
梨子「気付け薬と、止血薬・・・・・・!!」
梨子「なんとか効いてくれれば・・・・・・!」
花丸(梨子さん、なんでそんな物を・・・・・・!?)
390
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:08:17 ID:dd7DaUD6
千歌「・・・・・・っ!」ハッ
目の前で起こった突然の出来事に、
しばし茫然としていた千歌と曜が、我に返る。
曜「千歌ちゃん!!」
千歌「そうだ――あの子を、守らなきゃ・・・・・・!!」
千歌「果南ちゃんに加勢しよう!!」
曜「よくも、あの子を・・・・・・!!」
二人が、刀と拳を構え、
駆け出そうとした――その刹那。
???「邪魔は――させない」
ブワッ
千歌「――!?」
千歌と曜は、目を疑う。
自分達の背後から、大きく飛び出した影が――
宙高く舞い、大きな槍を持ったまま翻り――
ザンッ!
千歌と曜の行く手を阻むように、
二人の前に、着地した。
理亞「姉様の、邪魔は」
391
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:11:04 ID:dd7DaUD6
千歌「あ、貴方・・・・・・!!」
曜「前に、内浦の村を襲った・・・・・・!!」
理亞「ああ――そう言えば、あの時邪魔をした、農民ね」
理亞「丁度いい――ここで、始末してやるわ」
グッ…
理亞「――死ねっ!!」
ブオンッ!
理亞が、大身槍を豪快に振るい――
ガキッ!
千歌が、両手の二刀の刀、
そして曜が、両腕の鋼の手甲で受け止めるが――
ガッ!
理亞の槍の力に、弾き返される。
千歌「なっ・・・・・・!?」
曜「なんて、力・・・・・・!!」
392
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:11:59 ID:dd7DaUD6
聖良「理亞――そちらは、任せましたよ」
ググッ…
聖良「私は――こちらを」
キンッ!
聖良の刀が、果南の脇差の刃を弾く。
果南「・・・・・・!!」
聖良「相変わらず――ですね」
聖良「あくまで、“無太刀”を貫くつもりですか」
果南「お前には――関係の無いことだ」
聖良「いいでしょう――ですが」
聖良「果たして脇差一本で、どこまで私の剣速に、ついていけるでしょうか」
チャッ…
393
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:13:05 ID:dd7DaUD6
一方の、梨子、花丸。
梨子「焼酎でもあればいいんだけど・・・・・・!」
バシャッ!
梨子は、竹筒に残った水を善子の傷口に浴びせ、
傷口を洗い流す。
善子「あがあっ!!!」
梨子「我慢して・・・・・・!!」
ビリビリッ
そして梨子は、自らの着物の袖を長く破り、
それを善子の腹に巻きつける。
394
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:15:37 ID:dd7DaUD6
花丸「梨子さん、善子ちゃんは・・・・・・!?」
梨子「こんなのその場凌ぎよ。一刻も早く、きちんとした手当をしなければ・・・・・・!!」
梨子「この辺りに、お医者はいないの!?」
花丸「黒澤水軍には、金瘡医(きんそうい=軍医)がいると思うけど・・・・・・」
花丸「だけどきっと、ダイヤさん達と一緒に海に・・・・・・!!」
梨子「くっ・・・・・・!」
花丸「梨子・・・・・・さん・・・・・・」
ポロポロ
花丸「お願い・・・・・・善子ちゃんを、助けてあげて・・・・・・!」
花丸「やっと・・・・・・お話、出来るって・・・・・・友達になれるって、思ったのに・・・・・・!」グスッ
梨子「・・・・・・!!」
梨子(友達――)
キッ!
梨子「なら、花丸ちゃん! 善子ちゃんの名前を呼び続けて!!」
梨子「気を失ったら、戻って来られなくなる! だから・・・・・・!!」
花丸「・・・・・・!!」
花丸「――善子ちゃん!! しっかり、善子ちゃん!!」
395
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:17:22 ID:dd7DaUD6
キキンッ!
ギンッ!
一方の、果南。
矢継ぎ早に繰り出される聖良の刀を、かろうじて脇差で受ける。
しかし、さしもの果南も、聖良の尋常でない剣速の剣撃は、
脇差一本では防ぐので精一杯であった。
聖良「――どうしました? “無太刀の果南”ともあろう方が――」
聖良「押されていますよっ!」
キィンッ!
果南「くっ・・・・・・!!」
聖良「らしくないではないですか! 今まで何人もの人を斬ってきた貴方が、」
聖良「たった一人、目の前で斬られた位で――」
聖良「怒っているのですか?」
果南「・・・・・・黙れ」
ギギッ…
396
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:20:20 ID:dd7DaUD6
果南は、眼前で聖良の刀を受け止め、
ぎりりと、互いの刃が鍔迫り合う。
聖良「人斬りなら、人斬りらしく――」
聖良「その、背中の大太刀を抜いて、戦ったらどうですか?」
果南「黙れ・・・・・・!!」
ギリッ
クスッ
聖良「貴方が、自分の肉親を殺した時のように――」
果南「!!」
ビキッ
397
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:23:25 ID:dd7DaUD6
――その刹那。
ドカッ!!
果南の、目つきが変わり。
目の前の、聖良の腹に、思い切り蹴りを入れ。
聖良「かはっ!?」
聖良の体勢が崩れた、
その一瞬の隙を突き――
果南「貴っ・・・・・・」
果南「様ァァァァッッ!!!」
ザシュッ!!
聖良「ぎッ・・・・・・」
聖良「あああああッッ!!?」
横薙ぎに振るった、果南の脇差の刃が。
聖良の両目を、斬り裂いた。
398
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:24:47 ID:dd7DaUD6
曜「かっ・・・・・・」
千歌「果南、ちゃん・・・・・・?」
理亞「――!!」
バッ
千歌、曜と対峙していた理亞が、
聖良の叫びを聞き、振り返る。
理亞「姉様!!?」
理亞「おのれえええっっ!!」
そして、聖良の許に走ろうとするが、
シュッ
ビシュッ!
理亞「ぐうっ!?」
理亞「針っ・・・・・・!?」
399
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:26:05 ID:dd7DaUD6
槍を持つ理亞の手に針が刺さり、
理亞は針が飛んできた方向を振り返る。
そこにいたのは――
ルビィ「・・・・・・!!」ハァハァ
ダイヤ「これは、一体――!?」
針を投げた体勢のルビィ、
そして同じく、駆けつけてきたダイヤ。
ダイヤ「果南、さん・・・・・・!?」
理亞「・・・・・・っ!!」
ギリッ
理亞「黒澤ァァァッッ!!」
400
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:28:18 ID:dd7DaUD6
聖良「ぐっ・・・・・・ううっ・・・・・・!!」
ボタボタッ
聖良が両目を押さえた手の指の間から、
ぼたぼたと、血が零れ落ちる。
果南「お前如きがっ・・・・・・」
果南「この太刀のことをっ・・・・・・!!」
チャキッ…
果南が、脇差の刃を聖良に向け――
果南「語るなぁぁぁぁっ!!」
ザッ!
千歌「果南ちゃぁぁぁぁん!!」
――その刹那。
シャンッ…
.
401
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:29:09 ID:dd7DaUD6
果南「――!」
ピタッ
千歌「・・・・・・!?」
曜「今のは・・・・・・」
シャンッ…
花丸「鈴の・・・・・・」
梨子「音・・・・・・?」
402
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:30:58 ID:dd7DaUD6
ルビィ「・・・・・・?」
ダイヤ「一体――」
聖良「・・・・・・!!」
理亞「これは・・・・・・!!」
シャンッ…
「――人間五十年」
「下天の内をくらぶれば――」
果南「・・・・・・・・・っ!!」
403
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:33:11 ID:dd7DaUD6
シャンッ…
儚い、鈴の音と共に――
闇夜から、浮かび上がるように、現れたのは――
「――夢幻の如くなり」
太刀の柄の先で、音を奏でる鈴。
南蛮造りの、純白の鋼の鎧。
顔の左半分を覆う、髑髏の面。
そして、異人の如く鮮やかな、金色(こんじき)の髪――
鞠莉「一度生を享け――」
鞠莉「――滅せぬもののあるべきか」
.
404
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:34:34 ID:dd7DaUD6
三日月の青白い光に、照らされながら――
輝く、純白の鎧に、身を包み。
現れたのは――小原鞠莉。
ダイヤ「鞠莉、さん・・・・・・!」
果南「鞠莉っ・・・・・・!!」
クスッ
鞠莉「お久しぶゥりデスネ」
鞠莉「ダイヤ――」
鞠莉「――果南」
果南「鞠莉ぃぃぃぃぃっっ!!!」
405
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/19(火) 01:34:57 ID:dd7DaUD6
続く
406
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/19(火) 08:00:49 ID:AzIvZK8Y
怒濤の展開だわ
407
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/19(火) 08:58:12 ID:Rv1TDhxc
面白くなって参りました
408
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/19(火) 10:06:17 ID:4lC5SJtI
ここでダイかなまり再会か
果南ちゃん、冷静さを取り戻してくれよ…
409
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/19(火) 14:20:24 ID:uHrFwcxc
乙
続きはよ!
410
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/19(火) 20:44:46 ID:4JMykpvs
乙!
果南ちゃんも色々抱えてそうだな
次回どうなるか
411
:
名無しさん@転載は禁止
:2017/12/27(水) 18:40:48 ID:kdL7/kAA
楽しみに待ってるで
412
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:27:00 ID:k3YMyXlY
ザァァーッ…
――何かが始まるってことは――
果南『鞠莉・・・・・・?』
ダイヤ『鞠莉、さん・・・・・・?』
――終わりにつながるなんて――
鞠莉『果南・・・・・・ダイヤ』
鞠莉『もう、私は・・・・・・今までみたいに・・・・・・』
――考えてもみなかった――
――否。
考えたくなかったんだ――
鞠莉『三人で、一緒には――笑えない』
ザァァーッ…
.
413
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:27:54 ID:k3YMyXlY
鞠莉「“あの時”以来かしら――果南、ダイヤ」
――儚い鈴の音と共に。
まるで、夢魔の如く、闇夜より現れ出でたのは――純白の死神。
果南「鞠莉っ・・・・・・!!」
ギリッ
理亞「鞠莉、様・・・・・・!?」
千歌「な、なんで・・・・・・」
曜「なんで、悪亜衆の総大将が、ここに・・・・・・!?」
千歌たちのみならず、理亞までもが、
突然の出来事に、半ば茫然としている。
414
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:29:12 ID:k3YMyXlY
ダイヤ「・・・・・・!!」
ダイヤ(想定外・・・・・・! よもや、この場に鞠莉さんが現れるなんて・・・・・・!!)
ダイヤ(否、これは又とない好機。他に悪亜衆がいない、今なら――!)
鞠莉「――“又とない好機”」
鞠莉「とでも、思った?」
クスッ
鞠莉「まったく、ダイヤは相変わらず、ベリースウィートでーす」
ダイヤ「なんですって――?」
鞠莉「――Come on♪」
ググッ…
パチッ
鞠莉が手を伸ばし、指を鳴らすと――
ザザザッ!
ルビィ「ぴぎぃっ!?」ビクッ
ダイヤ「なっ・・・・・・!?」
――いつの間に、迫っていたのか。
闇より浮かび上がるように現れた、黒い鋼の鎧に身を包んだ悪亜衆の兵達が、
千歌たちのいる砂浜を、壁の如く取り囲んでいた。
鞠莉「籠の中の雛鳥なのは――」
鞠莉「貴方たちの方なのよ。ダイヤ、果南」
415
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:30:48 ID:k3YMyXlY
曜「いつの間に――!?」
千歌「囲まれてるよっ!!」
梨子「・・・・・・!!」
花丸「そ、そんな・・・・・・」
善子「・・・・・・」ゼッ…ハッ…
ルビィ「お、おねぃちゃ・・・・・・!」
ダイヤ「く・・・・・・!」
鞠莉「言っておくけど、この黒鋼(くろはがね)の兵達は、悪亜衆の中でも選りすぐりのツワモノ」
鞠莉「ここまで、ダイヤ達が蹴散らしてきた雑魚とは、レベルが違いマース」
クスッ…
鞠莉「マリーは、悪亜のボスだもーん。一人で乗り込んでくるほど、お馬鹿じゃないわ」
鞠莉「オトモダチのことが気になって、兵もつけずに真っ先にこんな所に来ちゃうような――」
鞠莉「どこかの、まだまだベリースウィートな水軍頭領とは、違うんデース★」
ダイヤ「・・・・・・っ!!」
ギリッ
416
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:32:01 ID:k3YMyXlY
と――
善子「・・・・・・あ・・・・・・う・・・・・・」
ググッ…
花丸「――善子ちゃん!?」
梨子「駄目よ、動いちゃ――!!」
――重症を負った善子が。
朦朧とした意識の中――霞んだ視界の中に、鞠莉の姿を認め。
息も絶え絶えに――手を、伸ばそうとする。
まるで――
まだ、自分を拾った主人のことを、信じたがっているかのように。
鞠莉「あら――善子」
鞠莉「Wow! とっても痛そうデース」
善子「あ、ぐ・・・・・・」
ググッ…
クスッ…
鞠莉「でも――ざぁんねん♪ 言ったわよね?」
鞠莉「イージーに負けちゃうような子は――好みじゃない、って」
417
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:33:07 ID:k3YMyXlY
善子「・・・・・・・・・っ!」
ジワッ…
仮面のような笑顔で、鞠莉に冷たく突き放された善子の、両眼に――
涙が、滲む。
花丸「――っ!!」
花丸「許せないっ・・・・・・ずらっ・・・・・・!!」
果南「鞠莉ぃぃぃっっ!!」
ギリ…
果南「お前には、ダイヤを愚弄する権利も無ければっ・・・・・・」
果南「誇りを賭けて戦った、善子を蔑む資格も無いっ!!」
418
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:33:55 ID:k3YMyXlY
鞠莉「何怒ってるの、かなぁん♥ 久しぶりの再会だっていうのにぃ」
鞠莉「それとも――」
シャリンッ…
スゥゥッ
――と。
鞠莉が、腰にさげた、太刀の柄に手をかけ。
ゆっくりと、鞘から抜く。
柄の鈴が、儚げな音を奏でる。
鞠莉「私と、戦いたい――」
鞠莉「とでも、言うのかしら?」
鞘から抜かれた、その刀身は。
紫色に、怪しげな光を放っていた。
419
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:34:44 ID:k3YMyXlY
千歌「な、何・・・・・・!? あの、刀・・・・・・!!」
ゾクッ…
曜「刃が、紫色に・・・・・・光ってる・・・・・・!?」
理亞「く、くく・・・・・・あはは・・・・・・!」
理亞「終わりよ、あんた達全員・・・・・・ざまあみろ!」
果南「虚仮脅しをっ・・・・・・!!」
ググッ…
果南「鞠莉――覚悟!!」
ダッ!
果南が脇差を構え、
鞠莉に飛びかかった――
その刹那。
シャンッ…
鞠莉「――無益」
ズパッ!
果南「!!!」
420
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:35:34 ID:k3YMyXlY
果南「なっ・・・・・・!?」
ブシュッ…
鞠莉が、軽く横薙ぎに、刀を振るった――
次の瞬間。
果南の両腕、肩から、血が吹き――
ドサッ
果南はその場に、倒れ込む。
曜「!!」
千歌「果南ちゃんっ!!」
421
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:36:11 ID:k3YMyXlY
果南(な・・・・・・に・・・・・・!?)
果南(“斬られた”・・・・・・何故!?)
果南(剣筋が・・・・・・見えな、かった・・・・・・!)
果南(迅いとか、そういうことじゃない。“見えなかった”)
果南(一体・・・・・・これは・・・・・・!?)
グニャッ…
――と。
果南「・・・・・・っ!?」
果南(視界が・・・・・・歪む・・・・・・!?)
果南(これは・・・・・・!?)
422
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:37:42 ID:k3YMyXlY
ダイヤ「果南さん――!!」
ギリッ…
ダイヤ「鞠莉さん――」
ダイヤ「――お覚悟!!」
ダッ!
ダイヤもまた、鞠莉に挑みかかろうとするが――
鞠莉「駄目駄目ぇ」
鞠莉「今のダイヤじゃ――私には」
シャンッ…
ズパッ!
ダイヤ「――っ!!?」
鞠莉が軽く、刀を振るうと――
ダイヤの身体も、また、“斬られ”。
その場に、崩れ落ちる。
423
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:38:50 ID:k3YMyXlY
ルビィ「お姉ちゃんっ!?」
ルビィ「おねぇ、ちゃ・・・・・・」
クラッ…
ルビィ「・・・・・・・・・!?」
そして、ルビィや、周りの千歌たちも――また。
“異変”に、気づく。
グラグラッ…
千歌「な、何・・・・・・これ・・・・・・!?」
曜「周りの、景色が・・・・・・歪んで・・・・・・!!」
グニャァァ…
花丸「気持ち、悪い・・・・・・ずら・・・・・・!」
梨子「これは・・・・・・!?」
ドサッ…
ドサドサッ
そして、次々と、その場に倒れる。
424
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:39:32 ID:k3YMyXlY
鞠莉「――ふ、ふふ、ふふふふふ」
鞠莉「無理なの。“届かない”の――私には」
ぐるぐると歪む視界の中で――
鞠莉が、笑う。
三日月が、嗤う。
ダイヤ(そんな・・・・・・馬鹿、な・・・・・・!!)
ダイヤ(鞠莉さんは・・・・・・本当に、妖術を使うとでも・・・・・・!?)
果南「――黙れ」
果南「鞠莉っ・・・・・・!!」
グ…ググ…!
――と。
果南が――力を振り絞り。
足を震わせながら――立ち上がる。
425
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:40:17 ID:k3YMyXlY
鞠莉「あらぁ、かなぁん♥」
鞠莉「嬉しいわ。そこまで、私のことを――」
果南「黙れっ・・・・・・」
鞠莉「果南、私はいつでも、待ってるのよ」
鞠莉「貴方が――私の“悪亜”に、戻ってきてくれることを――」
果南「黙れ!!!」
果南「今の、お前が――その名を――」
果南「“あくあ”の、名を――」
果南「語るなぁっ!!」
ダイヤ「・・・・・・・・・!!」
ダイヤ(果南さん・・・・・・)
426
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:41:09 ID:k3YMyXlY
鞠莉「相変わらず――頑固親爺だね。果南は」
果南「“あくあ”の名は――大切な、ものなんだ」
果南「今の、お前が――血にまみれた、お前が――」
果南「名乗っていいものじゃないんだ!!」
鞠莉「血にまみれた――?」
クスッ
鞠莉「それって、果南と何が違うのかしらん?」
果南「!!」
ギリッ
果南「鞠莉ぃ!!!」
ダッ!
427
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:41:48 ID:k3YMyXlY
鞠莉「素直になりなよ――果南」
鞠莉「貴方は――私に、逢いに来てくれたんでしょう?」
シャリンッ…
ズパッ!
果南「・・・・・・・・・っ!!」
ブシュッ
鞠莉「私にはわかる。果南の気持ちが」
鞠莉「裏切られ、失って――心に傷を負った、果南の気持ちが」
鞠莉「世界中で、私だけは、わかってあげられる」
ズパパッ
果南「何、を・・・・・・!!」
428
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:42:34 ID:k3YMyXlY
グニャァァ…
鞠莉「寂しかったんでしょう? 家族も、失って」
鞠莉「独りぼっちになるのが――怖かったんでしょう?」
鞠莉「大丈夫。私だけは、貴方を見てあげる」
鞠莉「貴方のことを、見続けてあげるから――」
千歌「何・・・・・・!?」
千歌「何・・・・・・言ってるの・・・・・・!?」
曜「・・・・・・・・・!」
ドクン
鞠莉「だから、おいで。怖がらないで」
鞠莉「また、あの頃みたいに――」
鞠莉「抱擁、して?」
果南「・・・・・・・・・っ」
ギリッ
ドカッ!
429
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:43:27 ID:k3YMyXlY
鞠莉「・・・・・・あら」
果南「ぐ・・・・・・う・・・・・・!」
ボタボタ…
果南は――自らの、右足に。
脇差の刃を――突き立て。
必死に、正気を保たんと、耐える。
鞠莉「本当に――頑固」
果南「私はっ・・・・・・誰の、指図も・・・・・・」
果南「受けないっ・・・・・・!!」
鞠莉「だけどね――果南」
鞠莉「刃を受け続けて――立っているのもやっとの貴方が」
シャンッ
ズパッ!
果南「・・・・・・・・・っ」
ドサッ
鞠莉「これ以上――どうしようっていうの?」
430
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:44:05 ID:k3YMyXlY
と――その時。
梨子「待っ・・・・・・て・・・・・・!!」
ズルッ…
倒れた梨子が――地面を、這いずりながら。
必死で――鞠莉の許に、這い寄ろうとしている。
千歌「り、梨子、ちゃん・・・・・・!?」
梨子「貴方の、狙いは・・・・・・」
梨子「“これ”、なんでしょう・・・・・・?」
そして――懐から、取り出したのは。
“煉獄の書”の、巻物。
431
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:45:00 ID:k3YMyXlY
ダイヤ「・・・・・・!!」
ダイヤ「それは・・・・・・!!」
梨子「貴方たちの狙いは、この巻物を、取り返すことの筈――」
梨子「ならば――これを、返しますから――」
梨子「どうか――ここは――!!」
理亞「く、くく・・・・・・命乞いという訳・・・・・・!?」
理亞「無様なっ・・・・・・恥を知れ!」
鞠莉「・・・・・・・・・」
クスッ
鞠莉は、梨子が震える手で差し出した、巻物を手に取ると――
どこか、可笑しそうな笑みを浮かべる。
鞠莉「ならば――貴方は、気づいていたの?」
鞠莉「“これ”が――真の、“煉獄の書”ではない、ということに」
果南「・・・・・・・・・!?」
ダイヤ「なんですって・・・・・・!?」
432
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:45:48 ID:k3YMyXlY
鞠莉「この書に記されているのは、西洋から伝わりし武具についての知識程度に過ぎない」
鞠莉「しかし、真の“煉獄の書”は――この比ではない」
鞠莉「そんな、小手先の物ではないの。“煉獄の書”は」
鞠莉「何故ならば。それを、手に入れし者は――」
鞠莉「世界を、変え――世を、動かし――」
ニィィ…
鞠莉「――この世の覇者となることすら可能なのだから」
ダイヤ(・・・・・・!? この世の、覇者・・・・・・!?)
ダイヤ(“煉獄の書”とは、一体・・・・・・!?)
梨子「・・・・・・・・・」
梨子「私は・・・・・・巻物が、偽物とか本物とか・・・・・・わかりません」
梨子「ただ・・・・・・みんなを、助けたい、だけ・・・・・・」
鞠莉「ふふっ」
ニィ…
鞠莉「貴方も、なかなか食えないガールみたいね」
433
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:46:55 ID:k3YMyXlY
鞠莉「いいわ――理亞」
鞠莉「引き上げよ」
理亞「なっ――!?」
理亞「何故ですか、鞠莉様!?」
鞠莉「目的は達したわ。幼馴染みとも、語り合えたし。聖良も傷を負っている」
鞠莉「それに夜遅くて、マリーはベリースリーピィでーす」フワァ
理亞「しかしこれは、奴らを根絶やしにする絶好の好機!」
理亞「姉様の分まで、奴らを――」
鞠莉「――理亞」
ギロ…
鞠莉「二度、同じコトを言わせないで頂戴」
理亞「・・・・・・っ!!」
ゾクッ
理亞「は・・・・・・はい・・・・・・」
――氷のような瞳で、射抜かれ。
理亞は大人しく、従う他なかった。
434
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:48:06 ID:k3YMyXlY
理亞「姉様――しっかり」
聖良「く・・・・・・」
ポタポタッ
両目を押さえたままの聖良を、
理亞は肩で支える。
聖良「無様――ですね」
聖良「醜態を晒してしまいました――理亞」
理亞「そんなこと――!」
ギリッ
そして――肩で姉を支えたまま。
理亞は、憎悪の籠った眼差しで、千歌たちを睨み渡す。
理亞「絶対に許さない――」
理亞「次に会った時こそ――全員、殺してやる」
435
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:49:02 ID:k3YMyXlY
果南「待て・・・・・・鞠莉・・・・・・!!」
ググッ…
果南が、力を振り絞り。
身体を起こして――立ち上がろうと、歯を食いしばる。
鞠莉「・・・・・・・・・」
クスッ
鞠莉「久しぶりにお話できて――楽しかったわ。果南」
鞠莉「次は――」
ニィィ…
鞠莉「もっと、語り合いましょう。存分に」
鞠莉「いつでも、待ってるわよ――果南」
果南「待て、鞠莉――」
果南「鞠莉ぃぃぃっ!!」
436
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:50:22 ID:k3YMyXlY
――果南の叫びも、空しく。
鞠莉と、聖良、理亞――そして、黒鋼の悪亜兵たちは。
そのまま、闇夜に溶けるかのように――
消え去っていった。
後に、残されたのは――
傷だらけの、八人。
千歌「・・・・・・・・・」
曜「千歌、ちゃん・・・・・・」
千歌「負けた・・・・・・負けちゃったの、私たち・・・・・・?」
ググッ…
千歌「・・・・・・何も、出来なかった」
千歌「私、“あの人”に・・・・・・手も足も、出なかった・・・・・・!!」
果南「・・・・・・畜生」
果南「畜生ぉぉぉぉっっ!!!」
437
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:51:03 ID:k3YMyXlY
――運命に引き寄せられるように、
再会を果たした、かつての幼馴染達。
しかし、壊れた砂の城が、元に戻らないように。
三人の時間も、昔に戻ることはない。
そして、九人の邂逅――
それもまた、宿命であったのか。
九人の縁(えにし)が、更なる物語を紡ぎ出す――
.
438
:
◆iMAg7AQELQ
:2017/12/30(土) 02:51:35 ID:k3YMyXlY
続く
ここまで大体第一部といった所です(全三部予定)
そして今回が年内最後の更新となります
来年も宜しくお願い致します
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