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【EX】モッピー避難所12
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そう『放浪』だ！
作中では『漂流』とうたっていたが、『放浪』なのだ。
行先も住む場所も、そもそも存在を許されていながらもそれらがあまりにも希薄で疎遠なため、
自分に許されているという自信がもてないがゆえに根無し草のように心もとない幼い彼らの現実の孤独と、
それを受け入れたうえで新しい希望を手探りで探しだそうという逞しさを描きだしているのだ！
ラストのナガラが、生きていたノゾミと言葉をかわした後、小さく微笑む。
この世界は、確かにナガラの変えた世界。
ノゾミが死なない世界。
それこそがナガラが成しえた事実。
一人の少年の起こした、誰もしらない奇跡。
90年代の作品群には少なかった、この「希望」こそが
サニーボーイが90年代カルチャーの焼き増しでなく、2020年代のジュブナイル作品である証である。
少年も少女も、大人が思っているほど弱くない。けれど強くもない。賢くもない。馬鹿でもない。
だが彼らは90年代の少年少女たちと同じように、生き抜く逞しさと状況を受け入れる柔軟さを持っている。
サニーボーイという作品はまさに、何も持つことを許されなかった2020年代の少年少女たちが、
何かを手にしようともがき、そして手に入れた能力を手放す物語。
そして、終わりのない夏休みのはじまりなのだ。
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