【2:19】幻想郷縁起小咄 前編
- 1 名前:砕氷@無限念仏 ◆xC8BXxNJJo :2014/07/27(日) 08:21:30 ID:8d5V9R3o
- ss1作目前編。要はそんなに面白くないかも。
元ネタに基づき、多少のアレンジを加えた二次創作物です。 見るときは覚悟の上で。
- 10 名前:砕氷@祇園精舎の鐘の音 ◆xC8BXxNJJo :2014/07/30(水) 11:07:30 ID:???
- (7) 神と神の頂上決戦ー神奈子目線
もうその時には私は大和の神々の一人になっていた。 私たち大和の神々は小国を纏めて日の本という国を創ろうと従わない国を征服していた。 その征服の為に今、諏訪の国に来たのだ。挑戦状は送り付けた。 湖の畔に来た時、私を呼び止める声がした。 「お前が大和の八坂神奈子か。私に挑戦状を送り付けた。」 「ああ、そうだ。お前の国を征服するために。」 「お前、字、汚いな。」 「いきなり何だその口応え!名前を名乗らんかい!」 「私は洩矢諏訪子。この諏訪の土着神さ。」 「私は…まぁ挑戦状に書いておいた通り。さぁ、この国を賭けて私と戦え!」 「解ったよ。いいよ。油断しないからね!」 そして、私は諏訪子と戦った。 奇祭「目処梃子乱舞」、土着神「七つの石と七つの木」。 神秘「ヤマトトーラス」、源符「厭い川の翡翠」。 天竜「雨の源泉」、土着神「手長足長さま」。 2人は日が暮れても戦った。 そして3日3晩過ぎ、最後の力を振り絞り、2人は最後のスぺカを詠唱した。 「神符『杉で結ぶ古き縁』!」 「鉄輪『ミシカルリング』!」 彼女が何故あのミジャグチ神を仕わなかったのかは解らない。 彼女は当時の最先端の鉄の輪を力一杯投げた。 私は背中の御柱から杉の葉を出し、受け止めー彼女の鉄の輪は錆び、使い物にならなくなった。 その時、私は勝利を確信した。
- 11 名前:砕氷@祇園精舎の鐘の音 ◆xC8BXxNJJo :2014/07/31(木) 23:29:31 ID:HLTTbgEs
- (8) とどのつまりの征服ー神奈子目線
私は戦いが明けた朝、諏訪子と休戦条約を結んだ。 確かに諏訪子の帝国は私が征服した事になっていた。 けれども私は影で大和以外への信仰を許していた。 何故なら私はミシャクジ神の存在を知ったからだ。 許容範囲は狭いが土地の豊作不毛を自在に操れる、そんな土着神の従えた一つの災禍。 諏訪の国の民はその神を恐れながらも信仰していた。その莫大な力に私ですら目を瞑るしかなかった。 その条約を結ぶ時、諏訪子に言われた事が印象に残っている。 「土地の支配は任せたよ。私は表から手を引くけど信仰は私とあんたで分けるもんだからね。 なんたって私達は今日から良きパートナーなんだから。」と。 そう区切って私は話の幕を終えた。 御阿礼の子は内容を真剣に聞いて移していた。 神奈子「まぁ私の昔話はこの位だね。 他の事は大体異変の時に話したからそこは区切っておくよ。」 霊夢「あんたも以外とやる時はやるのね。感服だわ。」 咲夜「それにしても…。文中に出てきた月読命の使者って誰の事かしら。」 私がそれを話そうとした時、本人が口を開いた。 永琳「それ、私の事よ。随分永い時が経ったのに覚えてらしたのなんてね。」 魔理沙「ちょっと待ってくれ。とどのつまり、お前らは旧友って所か?」 …でもそんなに関わりがあったわけでもない。現に二言三言会話しただけだ。 でも私はこの雰囲気に便乗し、酒に手を付けた。 もし八意永琳その人が居なかったらと考えながら。
- 12 名前:砕氷@祇園精舎の鐘の音 ◆xC8BXxNJJo :2014/08/04(月) 11:26:24 ID:???
- (9) 幕間の宴会part1−阿求目線
魔理沙「そういえば次の話は永琳のか?」 霊夢「確かに時系列順で言えばそうなるわね。」 永琳「でも話す内容は大体神奈子さんに持ってかれちゃいましたけど。」 輝夜「だったら月に居た時の事を教えてよ〜。 綿月姉妹の事とかさ。」 その時紅魔の主人が酒を吹いた。 そういえば霊夢さんに聞いたが月であの吸血鬼は綿月なんちゃらって人にボロ負けしたらしい。 トラウマでも想起したのだろうか。地霊殿の主も心を読んだのか苦い顔をしていた。 まだ会話は続く。 永琳「でも、この昔話は時系列順にやるって私の所には伝わっておりますけど?」 そういえばそうだった。すっかり忘れてた。 魔理沙「おい阿求、そうなのか?」 小鈴「まぁそうなんだったら良いじゃないですか…。」 ぬえ「兎も角次は誰なんだ?私や聖は平安初期だから多分違うはずだけど。」 妹紅「私は奈良後期だから多分飛鳥時代の奴がそうじゃないか?」 慧音「まぁ縄文弥生を聞くバカは流石におらんだろ。」 藍「飛鳥時代というと…あぁ、あの宗教戦争でバカやってましたね。」 私にはさっぱり見当が付かないけどこの場の成り行きを見守る事にした。 布都「次は一体誰なのじゃ?」 屠自古「お前だろ布都ぉ!」 布都「我が話せる時代はお前のと被っておるからお前が話せば良かろうぞ!」 屠自古「結局私ですかい。反論在りますか?」 シーン 皆異論もないようで、蘇我の末裔は語りだした。 屠自古「あれは物部守屋氏が額を弓で撃ち抜かれて1か月程後の事だったかな…。」
- 13 名前:砕氷@咎人の外さぬ枷【勇儀】 ◆xC8BXxNJJo :2014/09/13(土) 10:39:17 ID:???
- (10) 剣と玉と壺と-屠自古目線
物部守屋は布都の父親だった。 彼は廃仏派で、事あるごとに私の父-蘇我馬子と対立していた。 そしてあくる日、対立していた両氏が戦を始めた。 その頃私は布都とは親の対立下、親元を抜け出してよく月を見ながら話していた。 そして戦があった日も護衛の目を盗んで毎日話していたものだ。 戦から何日か経った頃、布都が突然来なくなった。 私は渋々家に帰り、次の日もその場所に行った。 だがその日も来なかった。 次の日の朝、今日こそは会えると信じて目を覚ました。 その時私の父親が家に帰って来た。戦況は?と尋ねた所、父は言った。 物部に勝ったと。布都の父の額を部下が弓で射って倒したこと。 私はその時即座に理解した。布都は悲しくてあの場所に来なかったのだと。 私は決心した。敵だったが親友の父であった物部守屋氏を弔わねば、と。 そして、仏教は父を間違えさせていたとも感じた。 その晩、私は夜中、戦のあった場所へ行くために家を抜け出した。 そこなら彼女-布都に会えると信じて。
- 14 名前:砕氷@入鹿の雷 ◆xC8BXxNJJo :2014/12/21(日) 14:53:59 ID:???
- (11) 政略冠婚の名の元に志は立ちて-屠自古目線
戦のあった場所。そこには矢を手に持った人が一人、ぽつりと佇んでいた。 その時、まだ私は知らなかったのだが、その人は時の戦で武功を挙げた、後の太子様であった。 私は彼(当時は男であった)に聞いた。そこで何をされていたのかと。 そしたら、彼は少し間を置いてから、「ここで死んだ者の魂を弔っていたのです。」と言った。 だが、私はその時、疑問を抱いた。彼が持っていた弓には、蘇我方の印が付いていたのだ。 そして彼が四天王像の様な物を置いたのは物部方の戦士の遺体の傍ら。 敵を弔っているのは何故か、と私はまた彼に問いた。すると、彼はまた少し間を置き、また口を開いた。 「私は仏の名を借りて、敵も味方も関係なく弔っているのです。ですが…。」 その続きを彼が言おうとした時、足音が聞こえた。 その足音の主は…布都であった。 そして彼女は男(後の太子様であるが、その時はまだ知らない)を見た。 その後すぐ私の顔を見るや腹を抱えて笑い始めた。 どうしたのかと私は問うと、彼女は言った。 「お主の父親の馬子殿が我を養子にしてだな、しかもお主は間もなく嫁に出される…。」 「だから何よ?早く言いなさいよ…。」 「…しかもその相手、ここに居らっしゃるそのお方、豊聡耳神子殿なのだよ!」 「ナ、ナンダッテー!」
久々の投稿ですね。自分の妄想も混じっているので悪しからずと言った所でしょうか。
- 15 名前:砕氷@雲を泳ぐ大蛇 ◆xC8BXxNJJo :2014/12/22(月) 14:20:59 ID:???
- (12) 夜晩の会話-屠自古目線
そして馴初めも過ぎた10年後、私は祝詞を挙げた。 何故10年も過ぎたかと言うと、太子様の政職的にも時間が取れなかったのだ。 だが、それでもその10年の間に2人の仲は深まっていた。 参列した方々は皆喜んでいたが、隣に居た太子様は小声で私の耳元でその理由を教えてくれた。 どうやらこの婚姻で、蘇我家の親族の立場が上がったから嬉しいとの事。 私はその話を聞いてピンときた。そして悲しんだ。実の父が私を利用したのだから。 それでも太子様と一緒になれた事だけは嬉しかった。 そしてその晩、私は太子様と今後を話し合った。途中で布都も乱入したが、その話は中々興味深い物だった。 それは…仏教よりも道教の方が政治に都合がよく、民も救える。 そして、仙人になる事によって不老不死になれるとも…。
何と言うか今回は凄く短いです。
- 16 名前:砕氷@雲を泳ぐ大蛇 ◆xC8BXxNJJo :2015/01/03(土) 12:34:52 ID:???
- (13) 時は延々と巡りて今を為す-屠自古目線
3人で話した次の日。私は太子様に一人の仙を紹介された。 名は霍青娥。隋からの船に乗り込んで密入国してきたのだとか。 そして私と布都は矢継ぎ早に質問をした。 仙人になった理由。道教とはどういう物なのか。 そして…不老不死になる為の方法を。 彼女は全てにおいて的確な答えを突いて来た。 そして彼女は、私達の道教に対する姿勢に感心したのか、に面白い物を見せてくれた。 それは壁抜けの術。鑿を壁に刺すと、そこに人が入れるような穴が開くのだ。 そんな事を見せて貰った為か、私達は更に道教の道を深めていく事になる。
それから数年が経った。 私は布都や太子様と道教の道を深め、青娥殿とも個人的親交を深めていた。 それと同時に、布都や太子様も青娥殿と個人的親交を深めていた。 そんな中、私は布都と太子様と一緒に、青娥殿からある小包を貰った。 私は貰った時に精神安定剤と言われていた。 だが、それが不老不死になる為の準備と知るのは更に何年か先である。
新年明けましておめでとう御座います。今年も宜しくお願いしますね。 豊聡耳神子…当時で言う聖徳太子の行った色んな事は語らせる必要ないので飛ばしてます()
- 17 名前:砕氷@雲を泳ぐ大蛇 :2015/01/14(水) 16:01:21 ID:???
- (14) 夢のまた夢に見るー屠自古目線
家に戻り、精神安定剤(という名目で渡された物)をじっと眺める。 眺め続けると目が痛くなった。当たり前だが。 そこで私は休憩し、天井を見る。 太子様との馴れ初め、道教への導き…色々な物が込み上げた。 私はそれをただ、辿る様に丁寧に思い出す。 だが、不思議だった。 まるで走馬灯を見ているかの気分。 …段々気分が悪くなってしまうかの様。 私は貰った精神安定剤を口に押し込む。 口の中で甘味が広がる…というのを想像していたが、現実はそう甘くない。 口の中に激痛が走る。そして辛さで喉が水を求む。 私は辛さでその場を飛び退き、扉を開け、水を求め走り出した。 そして…外に出た瞬間に、誰かとぶつかる。 それは布都だった。 痛そうに頭を押さえる布都。(私が当たったのは胸だが嫌らしい想像をするな) 私は慌てて手を差し延べる。布都もそれを受け取った瞬間ー 床を踏み外して布都の足が床に嵌まる。 滑稽なと思うが、その感情を出さず、慌てて助けを求… もうと思った時には、目の前で太子様が布都を引っ張り出していた。 「か…辱い…。」 布都がそう言うのに対して、太子様は笑いを押し殺しながら、 「何処へ向かわれていたのですか?」 と聞かれた。すると布都はたじろぎながら 「少し青娥殿の所へ抗議をと…。」 と答える。その返答は以外な物だった。 何と太子様も同じ用件だった用で、そのまま3人で青娥殿の屋敷へ足を運んだ。
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)
- 18 名前:砕氷@余命幾許も無し【小町】 :2015/03/07(土) 10:15:14 ID:???
- (15) 真実
青娥殿の屋敷は、一言で言えば異質だった。 そこだけ別次元から引っ張って来た様な空間、そこに青娥殿は住んでいた。 門の前に着き、太子様が軽く戸を叩く。青娥殿は家の中に居た様で、すぐに戸を開けてくれた。 「あら、太子様と愉快なお仲間さん、お久しぶりね。」と、戸を開けた青娥殿は言った。 お仲間と言われても私は腐っても太子様の妻である。私は気を悪くした。 それを見越したかの様に青娥殿はクスッと笑う。 阿呆の布都もそれにつられて笑う。意味も分かっていないのだろうが仕方ない。 やがて太子様がその場を抑えるように中に入れて欲しい旨を青娥殿に伝えると、青娥殿はまたクスッと笑って私達を家の中に招く。 そして入った青娥殿の部屋は、外の異質な雰囲気とは裏腹に、普通だった。 薬が入って居るのだろうか、薬草臭い棚に覆われた部屋というのが第一印象。 だが布都は違った。あちこちで燥ぎ回っている。 馬鹿馬鹿しい空気になって嫌気が差していると、太子様がその口を開く。 「青娥殿、あの精神安定剤は一体何なんですか、気分が悪い時に飲んだらまた気分が悪くなったのですが。」 場の空気がさっきまでの騒がしさから一気に重くなる。 青娥殿は少し不敵な笑み…今や邪仙と言われる原因を作った笑みを浮かべ、話し始める。 「道教の最終目的は不老不死という事は…御三方も知っていらっしゃいますよね?」 私達はこくりと頷く。 「最初に述べると…あれが精神安定剤なんて言うのは真っ赤なウソ。本当は…」 場の空気は更に重くなる。さっきまでの騒々しさが嘘だったかのように。 そして青娥殿は言うのを躊躇う様な素振りを見せてからそれを伏せるように続ける。
「あれは本当は…毒、不老不死の為の毒。」
はぁ…。久々の更新です。テスト2日前なのにネタが思いついてしまって…。 神奈子の話が2話半で終わったのに屠自古の話が6話も続いて未だ終わらないのは私が屠自古好きなせいです。 すいません()
- 19 名前:砕氷@デリブルスーヴニール【さとり】 :2015/03/28(土) 11:22:30 ID:???
- (16)支度の始まり
青娥殿は真実を告白した後、淡々と事を話し始めた。 道教の教えを広める聖職者を探して海を渡って来た事。 道教の最終目的である不老不死を素早く身に着けて貰わなければ聖職者として不十分なのではないかと考えた事。 そして…私達のこの躰の余命も後僅かという事も…。 太子様は偉く不憫な顔をしていたが、一つ間を開けて口を開いた。 「この躰…という事はどう言った事ですか?」 間を置いて青娥殿もまた口を開く。 「私はこの術を使う時に箒を使いました。そしてその箒を…」 と方法を言おうとした所で突然口が止まる。すると単調で大きく、不謹慎な音が辺り一面に響いた。 その音ー鼾の主は布都だった。 「話がそんなに眠くなる様な物だったかしら?」 と私が言うと、太子様は首を縦に振り、布都は大きな鼻提灯を作った。 「仕方が無いので私が木簡に書いて従者に届けさせて貰います。それでも良いですか?」 青娥殿がそう言うと、太子様はきっぱりと 「構いません。布都は私が引っ張って帰りますので、後の事はよろしく頼みます。行きましょう、屠自古。」 そう言われるがままに私も青娥殿の屋敷を後にする。 だが毒のせいか気分のせいか帰りの足取りはおぼつかず、しばらくして転んでしまう。 そして差し出された太子様の手。私はそれに捕まり、立ち上がる。 そして私は太子様と良い感じになっていたのだが…。 「屠自古も太子様も夫婦のようじゃのう…ムニャムニャ」 変なところで横槍が入る。布都、お前本当は起きてるんじゃないのか? そう思いつつ、再び帰路に付いた。
疲れた…。早くワンドロで屠自古来ないかな…。
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