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罪と罰〜断罪のバトルロワイアル
1 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 07:36:32 ID:sTAokoFU0
【DEATH NOTE】
夜神月/メロ  

【IT】
ペニーワイズ

【Fate/Zero】
雨生龍之介/ジル・ド・レェ

【ベルセルク】
ガッツ/グリフィス/モズグス/ワイアルド/ゾット/グルンベルド

【ポスタル】
ポスタル・デューク

【ジョジョの奇妙な冒険】
吉良吉影

【ソウルイーター】
ジャスティス・ロウ/メデューサ/エルカ=フロッグ/ギリコ(男)/ギリコ(娘)

【MONSTER】
ヨハン・リーベルト/ハインリッヒ・ルンゲ

【HELLSING】
アレクサンド・アンデルセン

【ONEPIECE】
シーザー・クラウン/バンダー・デッケン9世/カリブー/バルトロメオ/ゲッコー・モリア

【ONE PIECE THE MOVIE エピソード オブチョッパー+ 冬に咲く、奇跡の桜 】
ムッシュール/ワポル

【HUNTER×HUNTER】
キルア・ゾルディック/イルミ・ゾルディック/ヒソカ/ウボォーギン/フェイタン/ジョネス/ゲンスルー

【ゾンビ屋れい子】
姫園れい子/姫園リルカ/キム・イーヒン/安藤純子/チーホイ/ジャスミン・メンドゥーサ/Dr.零/ヒデュン/ローゼン・キルミスター/野呂田/猫神理沙/百合川サキ/百合川みどり/雪女/スター・コレクター/東堂雄貴/零本志呂子 /谷川出人

【タカマガハラ】
織羽勝太/同素仁

【血まみれスケバンチェーンソー】
鋸村ギーコ/ナグルシファー/碧井ネロ/金張財子/ネメシス/斉藤ぱら(ストライカー)/エレクトリック・レッド/爆谷さゆり/鉈叉(ナターシャ)/里眼(リーガン)/麻朱(マッシュ)/喰院(クイーン)

【サタニスター】
○サタニスター/沢本いずみ/バルキリー /蟲飼童玄 /ホールガール /ハンス・シュヴァルツマン /ブラックロリータ /ディオルペ /ヒットマン・バリー/力丸亜砂美 /エイモス

【ミキストリ】
江島陽介/ダニー・エルフマン/マックス・ド・モレー/エド・ブリムリー(切り裂きジャック)/シャーマン将軍(デリック)/Mr.デビ・ライオン

【ミスミソウ】
野咲春花/小黒妙子/佐山流美/相葉晄

書き手枠plus5名

【進行役】
ハーピュア@ミキストリ
【主催者】
?????

2 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 07:37:32 ID:sTAokoFU0
1 
 罪とは何だろう?


   罰とは何だろう?


 この【罪】と【罰】。このたった二文字は、人類のちっぽけな歴史の中でもこれほどまでに人間が完全に理解するのが難しい物があるだろうか?

 罪は、社会的なルール。法を破った者につくペナルティーだとこの世の全ての人間が考えている。

 対して罰とは、その罪をある一定の行い…………場合によっては死刑という手段で相殺するための行いだと、大体そのように考えている人間が多いのではないか?

 本当に、それだけだろうか?

 罪の本質、罰の本質、両者はそのように簡単に言葉に表せる物だろうか?

 

 例えば、あるユダヤ系の少年が、あるドイツ人の少年をからかったとする。

 ーーーー数年後、成長したドイツ人の少年が何万のユダヤ系の人間を縦断し、工場で家畜のように虐殺する。


 この場合、突き詰めていけば悪いのはドイツ人の少年だけではなく、ユダヤ系の少年も罪深いと考えられないか?

 しかも、もし法事態が罪深い行いをしてもそれは法だから罪にならないのか?もしそうなら、ドイツ人の少年の未来の姿は罪深いとは言えない事になる。むしろ法を破った者が罪になるなら、この未来のドイツ少年は全く持って正しい。そういうことになるか?


 夜の町に出没する通り魔が幼稚園児を百円ショップで購入した包丁で刺し殺したとして、悪いのは通り魔だけか?この場合、包丁を売ったショップにも罪があるのではないか?幼稚園児をさした通り魔を産んだ通り魔の両親にも罪があるのでは?幼稚園児を守れなかった子供の両親にも罪はあるのでは?


 何十人もの子供に性的いたずらを繰り返し、戦利品として携帯電話に写真を納めていた男がいるとしよう。

 何人かの幼い子供が立ち上がり、その男を罠にかけ襲撃し、手足を切断したとする。

ーーーーこの場合、男が犯人という証拠はなく、法的には無罪だった。結局この男は犯人だったが……

 この場合、男の犯行に対して憤り、立ち上がった子供達に罪はあるのか?

 
 ある天才的な学力を持つ高校生の少年が、名前を書くだけで人を様々なシュチュエーション、方法で殺せる死神のノートを偶然手に入れ、実際効果があるか理解していながら世界中の犯罪者をノートで殺害し、悪人の居ない新世界の神を自称したとする。

 
ーーーーこの少年に、罪はあるのか?正しいことをしているのではないか?

3 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 07:38:40 ID:sTAokoFU0
2 
 ある少女が居たとしよう。

 少女の両親は離婚しており、父親は働き手の母親が自分に愛想を尽かして出て行ったのに働こうともせず、毎日娘の少女に盗みやひったくりを働かせ、その盗んだ金で買ったり、時には直接店の前でひったくらせた酒を浴びるように飲み、気まぐれに娘に暴力を振るい…………挙げ句の果てには少し陰口を叩いただけで実の娘を襲おうとし、ポルノ写真を撮って売ろうとする……

 
 ーーーー少女が抵抗してその
ろくでなしの父親を殺したとして、少女に罪はあるだろうか?

ーーーーその少女が成長し、歴代類を見ないほどの凶悪な連続殺人鬼になったとしても、少女に罪はあるだろうか?


 ある胎児が居たとしよう。

 一つの病院で、まだ若い少女とも言える者が実の兄との間に身ごもった胎児を中絶したとする。
 
 その中絶された胎児は、そのまま下水道に流され、偶然にも増築に増築を重ねる内に魔法仁の形になり、魔力が宿った下水道の力で人外としての生を授かり、流れてくる汚物や小動物の死骸などを食べ、成長したとする。

 
 ーーーーその人外となった胎児が、協会のシスターとなった母を見つけだし、かみ殺したとしても罪になるだろうか?

 この世の母親……女性全てを憎み、激しい憎悪の炎を燃やし復讐を誓い、人外の、悪魔としての力を使い街の売春組織を乗っ取り、憎悪と憎しみの炎に駆られ、復讐を行った成長した胎児に罪はあるだろうか?

 
 

 信念のため、愛する者のため、復讐のため、憎悪のため、憎しみのため、証明のため、忠誠心のため、私欲のため、本能のため、


 ーーーーこの世には、あらゆる形の罪があり、一概に何が罪かも迂闊には決められない。


 ーーーー罰もそうだ。知的に、論理的に、道徳的に、あらゆる面で考えても様々な、無数にある罪を正確に判断し、それを相殺する罰を与える事は、当たり前だが誰にも出来る事ではない。

 罪一つ一つに対する罰が存在はするが、それを見つけるのは大海原の小魚に砂粒を当てる事よりも難しい。


 しかし、私はやらなければ、やり遂げねばならない。


 【罪人に罰を与え続けよ。】

それが私がこの世に生を受け、すぐに父である絶対神ゼウス様に与えられた唯一の使命だった。
 私という個が誕生し、早3千年ほどたっても、私は罪人に罰を与え続けた。その事に対する疑問は無い。


 それが私の使命であり、産まれた唯一の意味なのだから。

4 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 07:39:18 ID:sTAokoFU0
3

 しかし、私は何か間違いをしてしまったようだ。


 私と同じ神の力を持つ……もっとも、半分だけの半人前だが、太陽の死神の力を持つ人間との戦闘で破れ、完全体の肉体を持つ私の体を裁くはずだった罪人の捨て身の攻撃によりくらった雷が私の身を焼き、その隙に死神に心臓を抜き取られ、灰と化した。

 あの時、己の体が端から崩れ、雷により引火した炎の熱を感じながら、私は主に……父に対して絶望と戸惑いの感情を長い生涯で初めて感じた。

 
 雷は、私の父親であり創造主である絶対神ゼウス様の武器、その武器である雷が、息子とも呼べる私の体を焼いたときの気持ちは、軽々しく表現は出来ない。

 『ハーピュア……あんたは、やりすぎたようだ。……神様も怒っておられるよ。』

 罪人の言葉が頭にこびり付き、頭から離れない。


 ーーーー私は、どこかで間違った選択を行ったのだろうか?
 
 私が完璧ならあの太陽の死神にも勝てた筈だ。

 

 ーーーーしかし、今回は違う。
 
 父であるゼウス様に与えられた使命
 

 『罪人達に罰を与える。』


 私は絶対にやり遂げる。たとえ間違っていようとも。
 
 今宵始まるのは断罪の宴。罪ある者が集まり、互いの罪を清算しあう正しい行い。

 ーーーーでは、始めよう。


『バトルロワイアルを。』

5 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 07:39:49 ID:sTAokoFU0
 
4 人は、絶対的な善意をもつとともに、それをこえる悪意を持つ事ができる生き物だ。

 

 「どこだ此処は?」
その場の誰が発した言葉だろうか?
 
 そこは異様な空間だった。

当たり一面が白一色、目を離せばその白色に取り込まれてしまうのではと考えてしまいそうなほどの純白色の広い空間。

 その空間に集められた多くの者達。

 彼らに共通することは只一つ

ーーーー裁かれるべき罪がある。


 髑髏の飾りのついた帽子を目深くかぶり、殺人鬼は思考する。
 狩り心地のある奴が沢山いると。

 セーラー服をきた黒髪の少女は思考する。
 面倒事になりそうだと。

 邪悪な奇術師は思考する。
美味しそうな果実が沢山実っていると。

 太陽の死神は思考する。
何かが起こると……途方もない何かが。

 下水道の悪魔は目をぎらつかせ、思考する。
 女だ女ーーー汚れた豚にもおとるゴミ共が此処にもいる。

 北部アメリカ軍の軍服をきた魂半分の呪術師は思考する。
 左の目で困惑を露わに、右の目でかみ殺さんばかりの敵意を表しながら。

 ちぐはぐな縫い糸だらけの裸体の男は思考する。
 ーーーー誰でも良い、バラバラにしたいと。

 とある怪奇小説作家は恐怖する。
 ーーーーこの空間に満ちている、邪悪な力に。彼は、この空間に宿る純白とは正反対の邪悪に一番強く反応していた。


 皆がそれぞれ思考する。


 『皆さん。』

 その場の全ての人間に十分聞こえるほど、その声は響き渡った。

 粘着質で、嫌に高い悲鳴のような不愉快な高音。

 何事かと、その場の罪人たちは声の主に集中する。

 先程まで誰もいなかったこの純白の空間の中央部分、その場所に一人、高級そうなスーツをきた背の高い人物が立っていた。

 【鳥】

 この場の全員がその人物に抱いた印象だった。

 何者かわからない、あり得ないほど青白い顔をしたこの男は、どう見ても人間には見えず、不気味な青い鳥が不器用に人間の服を着ている。……この場の人間にはそうとしか見えなかった。

6 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 07:40:28 ID:sTAokoFU0
5
 とある怪奇小説作家は先程までこの空間の邪悪に当てられ、大量の汗を流していた顔を真っ青にふるえさせ、その鳥男を見つめる。
 彼ーーダニー・エルフマンは、からからに乾いた喉から嗄れた声で男の名を呟く。

 彼は知っているのだ、この鳥男を。

 「ハーピュア……」

ダニー・エルフマンのある意味友とも言える存在、アステカの太陽の死神の力をもつ心臓を抜き取る殺し屋、ミキストリによって殺された筈の【本物の怪物】3千年前に暴君に罰を与えるために神ゼウスによって作られた人鳥。暴君に罰を与え終えた後も罪人に罰を与え続け、それだけを生き甲斐に生き続けた不死に近い人鳥。

 ハーピュアその人だった。

鳥男もといハーピュアは、その無機質な瞳をギョろめかせ、自身の名を呟いたダニーを見つめる。
 
『またお会いましたね。ムッシュ・エルフマン。』
 
 嘴のように出っ張った口をゆがませ、面白そうに話すハーピュア。しかし、口は……嘴は笑っているが目は全く笑っていない。それどころか、強い怒りの感情をエルフマンに向けている事がありありと感じ取れた。

 エルフマンは顔を更に青白くさせ、震えながらハーピュアを見返す。

 その数秒もない睨み合いはこの場に現れた変化として全員に注目されていた。

 ハーピュアはエルフマンから目を離し、自分に集中している視線を満足げに見渡す。

 『皆さん、突然の事態で混乱しているでしょうが、皆様を此処に集めた目的をお話ししましょう。』

 ハーピュアの言葉に、周りの人間が僅かにざわめく。

 しかし、そのざわめきは次にハーピュアの放った一言で一瞬で収まる。

 『これより此処におられる皆様には、殺し合いを行って頂きます。』

 ハーピュアは青い嘴を不気味に歪ませ、楽しそうに言い放った。



 バシュ!!


 ハーピュアが言葉を言い終わるか終わらないかの束の間の一瞬、黒衣のコートを着た東洋人が己の異能の力を右手に込め、ハーピュアに飛びかかった。

 しかし、その右手がハーピュアの心臓に当たる事は無かった。

 僅かに光を放つ髑髏の入れ墨の彫り込まれた右手を突き出したまま、黒衣のコートを着た東洋人は、その表情の無い顔に一筋の冷や汗をかく。

 その謎の東洋人の遙か背後に一瞬で移動したハーピュアは、一見静かに、しかし強い憎しみと怒りの感情を鳥目に込め、東洋人を睨みつける。

『ムッシュ・ミキストリ、私も貴方とはじっくり話したいのですが、私のクライアントはそれを望んでいない。黙って話を聞いていなさい。』

 黒衣のコートを着た東洋人は、アステカの神官の皮膚を移植することにより「内臓組織などを人体を傷つけず取り出せる」太陽の死神ミキストリの力を得た日本人、江島陽介事太陽の死神ミキストリ、過去にハーピュアを葬った男。

7 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 07:41:07 ID:sTAokoFU0
6
 ミキストリは攻撃を避け、後方に一瞬で移動したハーピュアを無機質な瞳で見つめる。

 それに答えるようにハーピュアも黙ってミキストリを見つめる。

 その姿にこの場の全ての人間が注目していた。

「……ハーピュア、貴様は死んだはずだ。確かに心臓を抜き、貴様の体が灰になるのをこの目で見た。……なぜ生きている?」

 ミキストリの問いかけにハーピュアは答える。

『私がなぜ生きているのか?疑問に思うでしょうが、そんな事は貴方は知る必要は無い。重要なのは、これから何をすべきかでしょう?ムッシュ・ミキストリ。』

 ハーピュアはミキストリの問いに答えになっていない答えを返す。

「では質問を変える……なぜ殺し合いなどをさせようとする?」

 ミキストリの問いに、ハーピュアはそんな事もわからないのか?と言いたげな視線を向ける。

『私の行動原理は只一つ、罪人に罰を与えること。前にもそう教えたではありませんか。』

「罪人?罪人だと?……此処に集められているのは罪を犯した人間なのか?」

 ミキストリはハーピュアの言葉に再度質問する。此処にはどう見ても普通の人間には見えない者も居るが、まだ少年少女とも言える者も居る。それらが罪人だと言うのか?

『そうです、ムッシュ・ミキストリ、此処に集められた者達は罰せられるべき罪人達なのです。例えば……』

 ハーピュアは其処で一旦言葉を止め、静かな口調で罪人の罪を喋り出した。

『愚かにも新世界の神を名乗り、世界中の犯罪者を虐殺する糞餓鬼。』

「なに!?」

『若い女性の腕に欲情し、気に入った腕の持ち主を殺し腕を切り取りコレクションする異常者』

「う!?」

『世界征服という幼稚な野望ともいえない世迷い言を叶えるために罪もない一般人を巻き込む妄想少女とそれに従う頭のおかしい人間共』

「貴様……」

『完全な逆恨みでクラスメートを拉致換金、殺して改造し、自分の帝国を創ろうとした妄想電波女と改造されたとはいえその救いがたい妄想電波に協力した馬鹿共。』

「あんだとごらぁ!!」

8 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 07:41:40 ID:sTAokoFU0
7
 ハーピュアの辛口酷評は続き、それと共に周りの罪人達が危険な雰囲気を放ち始めた。

『むちゃくちゃな宗教理念を周りに押し付け、凄まじく迷惑この上ないイカレ宗教野郎共。』

「貴様!我が信仰を愚弄するか!」
「フリークめ……!!」
「貴様……我が息子達の餌にしてくれる!」

『暇つぶしに一国を滅ぼしかけた茸野郎とその馬鹿な勘違い弟(笑)』

「何を!!このカパ野郎!!」
「あんちゃん!殺っちゃえ!!」



 『その他にも、欲望、信念、復讐、快楽、怨み、憎しみ、怒り、……様々な理由で罪を犯してきたどうしようもない、本当に救いようのない馬鹿共の集まりなのですよ、此処は……本来なら私が直々に一人ずつ可愛がりたいのですが、残念な事に無限にある世界には私が裁くべき罪人共が多すぎる。なので私に協力してくれるクライアントと結託して罪人同士で互いに殺し合わせ、罪を償わせるのですよ。……良い考えでしょう。世の中は合理化が進んでますからね。』

 この場の何割かの面々から鋭い殺気を向けられながら、それを全く気にしないハーピュアはミキストリに話し続ける。

「……ならなぜ、エルフマンは此処にいる?彼にはお前が裁くほどの罪は犯していない筈だ。」

『ミキストリ、私は貴方に一度滅ぼされた後に学んだのですよ。罪には様々な形があると……この場には罪人に対抗するために罪を犯した者も罪人として連れてきています。どんなに正義的で正当性があろうとも、罪は罪、償わせるのは当然のこと、ミキストリ、貴方は妻を長い昏睡状態から助けるために必要な延命費用と回復治療を行うために、必要な莫大な金を集めるためとはいえ、殺し屋として殺人を積んでいます。』
『これは許されない罪です……ムッシュ・エルフマンの場合は確かに目立った罪はありません、しかし……』

 ハーピュアは青い鳥顔を不気味に歪ませ、実に楽しそうに話す。

『エルフマンは私という罪人を裁くという使命を帯びた崇高なる存在を滅ぼした存在である貴方が、そもそも私と出会う切っ掛けを作り、私を殺すために貴方を雇おうとしていた罪人に貴方を紹介した。それが彼の罪です。』

 その言葉にミキストリが反論する前に、ハーピュアは両手を高くあげ、この場の全員に聞こえるように発言をする。

『些か私的な用で時間が潰れました。私のクライアントが些か期限が悪くなるので、サクサク進めさせて頂きます。まずご自分の首をご確認ください。』

 ミキストリは右手で首を確認する。そこにあるのは冷たい鉄の感触。今まで気づかなかったのが不思議な位の存在感を放つ首輪がつけられていた。

9 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 07:42:36 ID:sTAokoFU0
8
 その場の全員が首に付けられた首輪の存在に気づき、確認し終えた所でハーピュアは引き続き発言を行った。

『その首輪はこの罪人同士の罪の粛正を行わせる為に、ある特別な仕掛けを施しております。お見せしましょう。』

 ハーピュアは己の右手の人差し指と親指をならす。気味のいい高音が嫌に周りに響く。

 

 ピピピピピピピピピ


続けて突然その場に響き渡る機械音……音源は入れ墨を入れた厳つい筋肉質の男の首輪。

「な!なんだ!!」

 突然機械音がなりだした首輪に大柄な割に頼りない声を上げて怯える男。

 ハーピュアはその慌てふためく姿を実に楽しそうに眺めている。

 ボン!!

 実に気の抜けた音がなり、男の首輪が吹き飛び、頭部がなくなった胴体から噴水のように血が吹きだし、近くにいた者に飛び散る。

 「ひぃ!」「うぉ!!」
驚きの悲鳴を上げるギャラリー

 『……とまあ、この様に殺し合いという名の粛清を進めるため、この首輪には爆薬を仕掛けさせて頂いています。因みに首輪をつけられている者の体と一体化しているため取れませんし、特殊能力でも外せないようにブロックが仕掛けられています。』
『貴方達が、まあ有り得ないでしょうが、殺し合いを始めずに幾らか時間がたった場合、全員の首輪を爆発させて自動的に罪を償わせますよ。クライアントは不満でしょうが私はそれでも良い、お好きな方を選んでください。殺し合うか、皆で心中するかね。』
 ハーピュアは意味ありげに周りを見渡す。

「ハーピュア、貴様……」

『ムッシュ・ミキストリ、今の男は女子供関係なく殺した殺人鬼です。罪人ですよ。……この首輪は殺し合いで最後まで生き残った一人のみ外します。因みに殺し合いに生き残った最後の一人は元の世界に帰れます。』

 ハーピュアはなお静かに説明を続ける。先程人の命を奪ったとは思えない様子だ。彼には先程の男の命の事を何とも思っていないようだ。

『此処に集められた罪人達がフェアに粛清しあえるよう、強い異能の力をもつ者には強力な力であればあるほど強い制限をかけてあるので向こうで確認でも行ってください。』
 能力の制限、言葉にしてしまえば短い一言だが、並大抵の力を持つものではなかなか出来ない事だ。自然とハーピュアは並ではない存在であると周りは認識する。

『貴方達一人一人に、デイバックが支給されます。会場に置かれていると思いますので、確認をよろしくお願いします。』
『中身は水と3日分ほどの食料、会場の地図、粛清参加者名簿の名簿、ブリキのコンパス、筆記用具、100円ライター、そしてランダムに支給される3つ程のアイテムです。これは当たりハズレが大きいですよ。何が入っているかはお楽しみ。』
 
 さて、次は放送についての連絡です。一気に喋ったハーピュアは一度言葉を止める。
 
『皆様には6時間事につけられている首輪から放送を行います。内容は放送直後までの死者の名に、他の定時連絡等です。首輪からの放送なので誰も聞き逃さないでしょう?』

10 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 07:43:13 ID:sTAokoFU0
『そして、この場に居る全員に粛清を生き残った者への賞品を教えましょう。やはり何もなくては皆様も頑張って血と汗で互いの罪を粛清しないでしょうからね。』

 此処にきてハーピュアは、今までで一番楽しそうに、それでいて歪んだ笑顔を浮かべながら最悪の甘い蜜をたらす。

『粛清を最後まで生き残り、罪を生産した罪人にはもれなくクライアントからの贈り物として、【何でも願いが一つ】叶いますよ。例えば、誰か大切な人の怪我や後遺症を直したり、億万長者になりたいとか、願うことは何でも良いのです。確実なのは、生き残れば何でも願いが一つ叶うという事実。』

 ハーピュアのもらす何でも願いを一つ叶える。それはこの場の全員に甘い誘惑として響き渡る。
 これでは大なり小なりハーピュアの思惑に乗っかり争いを始める輩も多いだろう。

 この場に集められているのは罪人、自分の欲のために人を傷つける事に何の躊躇いもない人種が殆どだ。

 一部例外もあるが

 ハーピュアにもう一度話そうとするミキストリ、しかし彼は異変に気づく。

 自らの、いや、この場の全員の体が透けてきているのだ。

 ハーピュアはその様子を見ても眉一つ動かさない。恐らく会場へ飛ばされるのだろう。
     
 『それでは最後に一つ』

ハーピュアは罪人達に選別の言葉をかける。
 中にはこの異常事態に怯え、暴れ、話を聞いていない者も居たが、気にする素振りは見せないハーピュア。

『……自分自身の罪を償え。それがおまえたちが生き残るための最後の方法。よく考えて行動するんだな。』

 意味深な言葉が呟かれるのと同時に、完全にその場の全員が消えた。

 その場に残ったのはハーピュア一人。

『……罪は償わなければならないもの、それが心理、それが真実。』

 今此処に、匙が投げられた。

【罪と罰~断罪のバトルロワイアル開幕】

【エイモス@サタニスター死亡】

11 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 07:47:10 ID:sTAokoFU0
 【基本ルール】
全ての参加者に殺し合いをしてもらい、最後の1人になった者が勝者として帰還できる。
 ロワ開始時、参加者は各マップ上にランダムに配置される。
 参加者が全滅したら、勝者しで終了。
 会場からの脱出は不可能。

 生き残った最後の一人は特別に願いを一つかなえて貰えるらしい。

【地図】
 ABCDEFGH
1森草草草草荒火パ
2森墓森森草荒火パ
3工森神森病雪雪雪
4森金金森崖学森雪
5市金金崖住橋住住
6市市山山住電病病
7湯遊遊断草動高海
8海港村村浜浜浜浜

草=草原  浜=浜辺湯=大型銭湯 墓=墓場(死体あり)電=発電所住=住宅街 遊=巨大遊園地崖=崖 工=工場 市=市街地 病=病院 荒=荒れ地 断=断罪の塔 雪=極寒地帯 火=灼熱地帯 パ=パンクハザード研究所 学=学校舎
金=黄金郷@ミキストリ 神=協会 動=大型動物園(動物あり)

【参加者の持ち物】
参加者が予め所持していた所有物などは没収。(指輪や服、帽子などは例外)
 ロワ中、参加者には開催側から以下の物を支給される。
 「地図」「ブリキ製コンパス」「筆記用具」「飲料水と食料」「粛清参加者名簿」「百円ライター」「ランダム支給品1~3個」

「100円ライター」
100円のライター、安っぽい。オイルは満タン。

「デイバック」
各基本的支給品の入っている小さい鞄。種類は手で持てる物なら何でも可能、どんな大きさの物でも入る。参加者がバックの中に入ることも可能。

「地図」
大ざっぱに記された地図表

「ブリキのコンパス」
安っぽいコンパス。ブリキ製

「筆記用具」
ノート一冊に新品の鉛筆一本と消しゴム一つ。

「飲料水と食料」
大体成人男性三日分の食料(乾パンや干し肉など)とペットボトルに入った水。

「名簿」
各参加者の顔写真付きの名簿、因みにカラー写真。名前と簡単な身元が記されている。
(すんでいる場所、種族、性格など。)

「ランダム支給品」
適当に何かが入れられている。入っている物は「参加者の私物及び世界品」か「現実の日常品」から書き手が選ぶ。実質的に生物でもある程度は許される。数は基本的に1~3個

【作中での時間表記】
深夜:0~2
黎明:2~4
早朝:4~6
朝:6~8
午前:8~10
昼:10~12
日中:12~14
午後:14~16
夕方:16~18
夜:18~20
夜中:20~22
真夜中:22~24

【参加者能力制限】
強力な異能を持つ参加者には制限がある。強ければ強いほど制限は強くなる。程度は書き手に任せる。

【キャラのテンプレ】
【エリア/時間】
【キャラ名@作品名】
[状態]:体調、精神状態、怪我 など
[装備]:装備 手に持っていたりすぐに使える状 態の物
[道具]:基本支給品、不明支給品
【基本方針】
ロワ中での基本的方針
1


現在の状況、および行動方針での優先順位。
【備考】
参戦時期、その他諸々、作中でのアイテム放置、建物や施設の崩壊など。
【キャラ詳細】
参加者の詳細など。


【書き手希望の人へ】
経験者から初心者まで大歓迎。
予約のさいにはトリップをつける。
ゲリラ投下の場合は、名無しでも可。
予約した場合、期限は七日間、それ以上で投下が無い場合は予約取り消しになります。
延長は可、予約期間の延長は5日間。

12 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 07:50:25 ID:sTAokoFU0
【黄金郷について】 4-AB,5-ABの黄金郷エル・ドラードエリアでは 【誰も死ねない】このエリアは生物が死亡した 場合、問答無用で肉体の再生、構築を無制限に 行うため、どんなに肉体を破壊しても蘇れる が、ダメージが大きければ大きいほど再生には 時間がかかる。このエリアで完全に人を殺すに は特殊アイテムが必要。なお、大抵このエリア で蘇った人間は死という安息から無理やり生の 世界に起こされるためか、人格が歪んだり気が 狂ってしまう場合が殆ど。

13 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 07:52:26 ID:sTAokoFU0
 プロローグとOP案投下完了。一応予約も今から受け付けます。

マックス・ド・モレー、零本志呂子 予約します。

14 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 08:48:29 ID:WaaHW6og0
 
 空は濃い黒色に染められている

 所々星が自ら輝きを放ち、黒い夜空という名のキャンバスに星空という絵を描いている。

 その都会では中々目にすることがない満天の星空の下、一つの島がある。

 病院や街、住宅街等にはまるで地上の星のようだと思えるほどに、人工的な灯りがフルにつけられ、島にある巨大な遊園地が一番明るく騒々しく、アトラクションを無人で稼働し、空の星達を騒々しく照らしかえしている。

 その島には割と標高の高い山岳地帯がある。

 木々があふれる山の中、その山頂付近に、一つぽつんと寂しげに、一見物置小屋にも見えてしまいそうな木で作られた小屋が立てられている。

 その小屋の中、粗末なベットが一つ、机と椅子が一つ隅に有るだけで、灯りは天井にぶら下がっている電球一つ。そんな小屋の中に、一人の罪人のまだ若い、16歳程の少女が、置かれている粗末なベットに腰掛け、頼り無い電球から送られる光を頼りに、膝に置いているバックの中に入れられている荷物を確認している。
  
「……最悪、武器になりそうな物が入って無いじゃない。はずれじゃん。」

 デイバックを膝から退かし、ため息をつく少女。

 
 零本志呂子は、一見普通に学業を行う女子学生。
  
 日本の西洋風の建物が建ち並ぶ黒須市という街に住み、私立聖黒須学園に通っている。

 しかしその実体は、世界征服という野望をもつ、死体をゾンビとして蘇らせる力を持ち、尚且つ地獄から死者をゾンビとして召喚、武器代わりに使役することのできるゾンビ召喚術の力も併せ持つ志呂子と同年代の少女、姫園リルカに兄と父共々忠誠を誓っている人間である。

 自らの世界征服という野望を叶えるため、一般人の犠牲及び被害を全く気にしないリルカに従っていただけあって、この少女、零本志呂子 もけして善人とは言えない。

 父親であるDr.零は、この殺し合いに参加させられているゾンビ使い、東堂雄貴に、彼の幼い頃の悪戯が原因で車に跳ねられ、歩けなくなった妹の足の治療を行うという甘い条件を突きつけ、打倒リルカを掲げていた仲間のゾンビ使い、三島流動を殺させ、挙げ句にそう簡単に仲間を殺す人間の妹を直すか。とあっさりと約束を反故にする外道。

 兄の方は一見まともに見えるが、「運命の弾丸」と呼ばれる、頭に銃弾を撃ち込まれた者を何割かの確率で怪物に変え、打たれた瞬間に見ていた相手に服従するという兵器をリルカのれい子との戦いで失った兵力を補う為に、黒須市の一般人を見境なく発砲、手下に変えていた。父親よりはマシと言えるが、決して善人ではない。

15 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 08:49:35 ID:WaaHW6og0
 そんな家族をもつ志呂子は、他人の血が流れている光景を見る事が好きな血の気の多い人間。
 
 姫園リルカも志呂子を自分と同じタイプの人間で、誰の死にも興奮を覚える人間と形容している。

 そんな志呂子は、実際只で血の流れる争いの光景を見れるという理由でリルカに従っていた節がある。


 学校でいじめがあれば真っ先に見物にいき、喧嘩があれば真っ先に見物にいく。そして夜は道行く一般人を兄と共に撃ちまくり、何時かはウマが合わない同級生や先生にコロンバイン高校のごとく銃弾を浴びせたいと考えている。

 簡単に言うと志呂子はそんな人間だ。

 
 しかし、そんな人間でも此処では弱者に分類される。

 ゾンビ召喚術の星ももたない。特殊な能力ももたない。武術などの技術もない。

 唯一高いとも言える技術は射的だが、銃が無いので意味がない。

 この小屋に飛ばされ、置かれていたデイバックを確認するも、欲を言えば銃、低く見積もっても包丁やナイフが欲しいと考えていたが、それすらも支給されておらず、直接身を守れそうな装備は無し。

 突然不気味な鳥顔の男に誘拐されて、罪人扱い。殺し合いの強制をされる自分は何て運が悪いんだろう。

 そんな事を考えながら、志呂子は再度ため息をつく。

 地図を確認する限りでは此処は山岳地帯、恐らく山頂付近だろう。そろそろ此処から出て、周りを確認するべきか?それとも此処に隠れているか?
 
 志呂子はこれからの行動をどうするか考える。

 しかし、その思考は突然止まることになる。

 志呂子は直接この小屋に飛ばされ、まだ外に出ていない。

 小屋の窓から確認した光景から、此処は山か森のような場所だと見当をつけているが、彼女は重大な事を見落としている。

 現在の時刻は空に満点の星空のある真夜中。そしてこの小屋以外は近くに電気の通っている建物は存在していない。

 −−−−詰まり、窓から灯りの漏れているこの小屋はとても目立っている。


 鍵のついていないこの小屋のドアを開け、突然入ってきた人物に志呂子は驚く。

 
 訪問者は、小屋に入るなり位置関係で志呂子と正面から向き合うように偶然視線が交わる。

 顎に立派な髭を蓄え、赤い十字架のマークが胸に大きく書かれている鎧を身につけた白人。

 志呂子の知識には無いが、1119年第一回十字軍に参戦し、回教徒の討伐に強力なる力を見せつけ、その後フランスでの権力を欲しいままにした勇猛果敢なるキリスト教の騎士団。テンプル騎士団の伝統的な髭と騎士の衣装に男は身を包んでいる。

 男と視線があった瞬間、志呂子は強い恐怖感を覚えた。

 −−−−人間の目ではない。

 男の目はまともな人間の目には見えない。その志呂子に向けられる冷酷な瞳は、人間よりも鷹のような猛禽類のそれに近かった。

 だが、志呂子が恐怖感を抱いたのはそれだけでは無い。

 猛禽類のような目をした白人男は、志呂子に対して右手に持っていた長い長剣。

ーーーー日本刀で切りかかってきたのだ。

16 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 08:50:40 ID:WaaHW6og0
 「ぎゃあああああ!!」

 男が斬りつけた日本刀は、正確に志呂子の首を狙っていた。

 しかし只でさえ狭い小屋の中、男も扱っている日本刀に慣れていないのか、その一撃は志呂子が何とか避けられることは可能だった。

 ーーーーしかし。

「手が!手がああぁ!!」

 避けるさいとっさに顔の前に反射的にもってきてしまった右手に日本刀の刃が当たり、首をはね飛ばされるのは防げはしたが、日本刀によって右手の親指以外の指が小指から人差し指までざっくりはね飛ばされ、その傷から血が溢れている。跳ねられた指がベットのあちこちにはね飛ぶ。

 男は痛みで右手を押さえ、ベットの橋の方に逃げる志呂子を無表情に見ている。

 勿論日本刀を志呂子に向けたまま。

 志呂子は逃げようとするが、位置が悪かった。

 背後には小屋の壁。出口は、志呂子の血で塗れた日本刀をもつ男の背後にある。窓も志呂子の手の届く範囲には無い。

 志呂子は完全に袋の鼠だった。

 男は右手の日本刀の先を隅で痛みと恐怖で震える志呂子の肩に置く。

「ひいぃ!!」

 肩に乗る日本刀に電球の光が反射し、その輝く刀身に志呂子の涙を流す横顔を写す。

 その日本刀の刃がそのまま右に移動し、意図も容易く自分の首を今度こそ跳ねる姿が簡単に浮かび、悲鳴を上げる志呂子。

「や……やめて、ゆ…許し…て。」

 血を見ることを好む志呂子だが、血を流すのが自分自身では堪らない。

 顔を痛みと恐怖の涙で濡らし、年相応の表情で命乞いする志呂子。 
 
 その顔を無表情で見つめる男……マックス・ド・モレーは、豊かな顎髭を揺らしながら初めて口を開いた。

「異教徒には地獄に落ちてもらう……それが教えだ。」

 その容赦のない死刑宣告とも取れる言葉に、この男は自分を殺すつもりだとはっきり理解した志呂子は絶望する。

「(そんな……こんな所で死にたくない。死にたくない。……何か、何か助かる方法は……)」

 右手から伝わる激痛が脳を締め付ける中、志呂子は必死に助かる方法を探す。

「(何か、何か無い?私が助かる方法。)」

 逃げ道はなく、背後には壁、正面には今まさに首に刃を突きつけてくる男。

 死にそうな事態に直面し、志呂子の脳が生存本能によりフル回転する。

17 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 08:51:25 ID:WaaHW6og0
 まずこの場の状況。自分を殺そうと考えている男が日本刀をもち、正面に見下ろすようにたっている。そして私の肩に刃を突きつけている。

 小屋の出口は男の背後。位置的にも、状況的にも出口から逃げることは不可能。

 窓!窓はどうだ!……窓は私の後にある。立ち上がって窓を開き、そこから這い出して逃げられないだろうか?

 ……絶対に無理だ。私が立ち上がった時点で男は容赦なく首を斬るだろうし、そもそもこの小屋の窓は開かない。さっき確かめた。

 必死に考える志呂子、しかし、いくら考えてもこの状況からの生還方法が見つからない。

 更に必死に周りを観察するが、目に付くものといえば男の着ている鎧の派手な赤い十字架のマークのみ。

 ーーーー十字架?

その最、志呂子の脳裏に洪水のように情報と記憶が溢れてくる。



「異教徒には地獄に落ちてもらう……それが教えだ。」

 男は確かにそういっていた。

目に入る赤い十字架。恐らく男はカトリック教徒!!

「最悪、武器になりそうな物が入って無いじゃない。はずれじゃん」
 
 男がくる前に調べていたデイバックに入っていた武器にならないもの。

 確かその中に……

志呂子はこの絶体絶命の状況を生き残る手段を見つけた。

 全く喋らず黙っていた志呂子に多少変に思っていた男は、痺れを切らしたのか、志呂子に止めを刺そうと腕に力を込め、志呂子の首を斬ろうとする。

「まって!!」

零本志呂子突然大声を上げた志呂子に驚いたのか、手を止める男。

 志呂子はベットの上に出していたデイバックに怪我をしていない血濡れの左手を突っ込み、目当ての物を取り出す。

 それは、先程志呂子が役にたたないと評した志呂子の支給品。

 十字架のネックレスだった。

「わ……わたしは異教徒ではないわ……ほ…本当よ……」
 
左手に十字架を握り、男に突き出す志呂子。

 それに対して男が志呂子の首もとに突きつけていた日本刀をゆっくりと下ろしていく。

 その様子に、助かる事を強く感じた志呂子

 
 もし、此処で志呂子が、このまま黙っていたら、運命は変わっていたかもしれない。

「わたしは……『カトリック』よ。異教徒ではないわ。」

 志呂子の言葉に眉を上げる男。

 ザシュ!!

 鈍い音が小屋に響く。

「え?」

短い困惑の言葉を呟き、志呂子の首が飛ぶ。

18 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 08:53:13 ID:WaaHW6og0
 
 ワンテンポ遅れて、首から上を失った胴体から噴水のように血が吹きだし、小屋の中の壁、ベットを赤く染める。

 ゆっくりと、志呂子の胴体が前のめりに倒れる。頭は逆に真後ろの方に落ちる。

 男ーーーマックス・ド・モレーは頬にかかった血を手で拭い、若い命を散らした少女の死体を無感情に見下ろす。

「愚かな……」

彼は静かに、言葉をつぐむ。

「我らテンプル騎士団にとってはプロテスタントもカトリックも全て異教……同族であるからこそ、それらの教えは我らにとって裏切りに等しい行為だ。……」

 マックス・ド・モレーは現代にて再結成されたテンプル騎士団の団長。

 真のキリスト教を進行する者、テンプル騎士団の魂を受け継いだ後任者達の指導者。

 彼の望みは只一つ……異教徒という悪魔を絶滅させ、この世に本当の楽園を作ること。

 13世紀、テンプル騎士団にフランス領内において国家並と言われるほどの力をもたらし、その力をおそれた時の国王、フィリップ四世により悪魔崇拝団体の汚名を着せられ、仕組まれた宗教裁判の上、幹部である54名の騎士とともに拷問の上、火刑に処された悲劇の宗教家、ジャック・ド・モレーの生まれ変わりであり、神の力を持ちこの世に生まれた男。

 偉大なる近代テンプル騎士団の指導者……ムッシュ・マックス・ド・モレーなのだから。

 彼は殺し合いに乗っているとは考えていない。

 生きる価値のない者を駆除しただけだ。

 
ーーーー異教徒という、悪魔に生を謳歌させる必要などない。

 この世に生きることを許されるのは、真なる我らが主を進行する信者たちだけなのだがら。

 彼は、志呂子の血に塗れたデイバックをそのままに、ゆっくりと小屋を後にする。

 向かう場所は動物園……彼の息子ともいえる純粋なる神の子達が大勢居るだろうから。

 彼は、その場から、動物園を目指し向かう。

 その場に残ったのは、凄惨な首なし死体と血まみれのデイバックのみ。そして血にまみれた小屋。

 
 罪人達の粛清合いは、まだ始まったばかりだ。



【零本志呂子@死亡】

19 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 08:53:58 ID:WaaHW6og0
【6-c/深夜0~2】
【マックス・ド・モレー@ミキストリ】
[状態]
健康体
[装備]
日本刀@ゾンビ屋れい子
[道具]
ランダム支給品2個 基本的支給品一覧
【基本方針】
1キリスト教徒以外の異教徒(プロテスタントやカトリックも異教)を駆除する。
2動物園に向かい、操る動物をえる。(個人的には鷹がいい)
3装備している日本刀と鎧に少々血が付着しています。
【備考】
世界から隔離され、独自の進化を行っていた大陸、レムリヤに新生テンプル騎士団とともに上陸した後からの参戦
ミキストリとは出会う前からの参戦なので、彼を直接は知りませんが殺し屋としての知識は持っています。
 6−Cの山の山頂付近にある小屋に零本志呂子の死体がデイバックと共に置かれています
 肉食獣を操る能力の制限については不明です。
【キャラ詳細】
世界から次元的に隔離された大陸、レムリヤに住む人魚がもつ人間を催眠状態にし、従わせる声帯を調査、及び兵器化のためのサンプル集めのため、現代にて再結成された新生テンプル騎士団とともに上陸。人魚の虐殺。神の教えに反した存在としてレムリヤにすむ環境に適応した動物(陸で生活する亀など)をレムリヤに運び込んだ何千羽という鷹を生まれもった神(ウイルス)の力で自在に操り、殺害させていた。
 新生テンプル騎士団の背後には巨大な組織があり、機関銃やバズーカ、その他設備に武器の援助を受けている。
 過去にテンプル騎士団に史上最大の権力をもたらした英雄、ジャック・ド・モレーの生まれ変わりであり、主の力として純粋な殺し屋、肉食獣を自由自在に操る神の力をもつ。その力の利便性は凄まじく、直接肉食獣(主に鷹など)に命令を与え、監視、攻撃、防御などに使っていた。
 緊急時は「ケェエエエェ」というような奇声を上げ、その声を聞いた肉食獣を強制的に戦闘態勢にし、敵対対象に襲わせることが可能。レムリヤに連れてきた何千羽という鷹を一つに纏め、一匹の巨大な鷹を作ることも出来る。
肉食獣達の事は「人間と違い、裏がない存在」として信用し、息子達とよんで可愛がっている。肉食獣が瞳に写した光景を直接目を合わせることで確認できる。
 人間などは、肉食獣ともいえる純粋な殺し屋などはある程度神の名の下操れるようだが、本人の精神力が強いと短時間で正気に戻ってしまう。
 新生テンプル騎士団は同じキリスト教でもプロテスタントやカトリックは異教とし、同族だからこそその教えを裏切りとして受け取っている。

20 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 08:57:08 ID:WaaHW6og0
 第一話投下完了、タイトルは
「異教徒討伐〜星は見ていた。」
 です。

21 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 09:36:32 ID:sTAokoFU0
 続きまして、東堂雄貴予約します。

22 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 11:12:01 ID:xxHi7K1A0
 【日本刀@ゾンビ屋れい子】
雪女がぶちぎれ、銀少佐を切り刻んだ際に使用した日本刀。人体を軽く斬り飛ばせるほど切れ味が鋭い。強度は普通の日本刀と同じ。

23名無しさん:2013/06/30(日) 11:29:17 ID:u9iCtCa.0
「ふん、ふんふふん〜♪」
「ぐあっ……」
「ふんふふーん♪」
「ぐえっ……」

学校舎の二階、生物室にて。
そこでは音楽の授業が行われている。
指揮者、及び演奏者は雨竜龍之介。
楽器は一人の人間。

「たん、たらららららーん!」
「ぐううぅっ……!?」

ピアノを奏でるように軽やかに。
ナイフで皮膚を切る。

「いっつ……」

ハンマーで骨を叩く。

「っあ……」

ガラス片で肉を抉る。

「ぐああっ!」

その度に、楽器は音を出す。
甲高い音も、低く響く音も。
全てが指揮者を、雨竜龍之介という男を興奮させた。

24名無しさん:2013/06/30(日) 11:29:47 ID:u9iCtCa.0



「……はあ」

だが、それも長くは続かない。
両脚の腱を切られ、手の指を十本全部潰され。
内臓が見え隠れするまでに切り刻まれた腹部を見て、指揮者は溜息をついた。

「もう壊れちゃったかー、まあ仕方ないかな」

龍之介は既に、目の前の楽器に興味を無くしていた。
指揮者は常に気まぐれで、新しい可能性を求めている。
壊れた楽器など、必要ないのだ。

「それじゃ、あとは生け贄〜っと♪」
「…………」

もはや喋る気力も、喋る為に必要な器官もない楽器を前に、龍之介は本を開いた。
人間の皮膚らしきもので装飾された本だ。

「えっと、上手く読めないけど……」

以前、龍之介が師と仰ぐ人物が行った行為。
海魔を出現させて、人間を喰わせる。

「――――♪」

召喚するその一言を呟いた。
同時に、生物室の床から海魔が現れた。
餌を求めるように、うじゅるうじゅると楽器に這い寄っていく。

「…………」

壊れた楽器はその運命を受け入れる。
もはやそれ以外に、道は無かった。

25名無しさん:2013/06/30(日) 11:30:10 ID:u9iCtCa.0



「さーて、後始末は終えたし……」

龍之介はハイになったテンションそのままで、生物室の隅を見やる。
そこには、一部始終を見ていた少女がいた。

「次、君ね」

死刑宣告にも等しい言葉を投げる。
そして、少女に近付いて行く。
猿轡を噛まされ、両手両足を縛られた少女はろくに抵抗も出来ない。
再び、罪人による演奏会が始まった。


【野呂田@ゾンビ屋れい子 死亡】
【ナグルシファー@血まみれスケバンチェーンソー 死亡】

【F-4学校舎/深夜】
【雨竜龍之介@Fate/Zero】
[状態]:健康、ハイテンション
[装備]:螺湮城教本@Fate/Zero
[道具]:ランダム支給品2個、基本的支給品一覧
【基本方針】
ロワ中での基本的方針
1あれ、もう壊れちゃった?
2青髭の旦那にこれ(螺湮城教本)渡さなきゃだな。
【備考】
参戦時期は少なくともキャスター(青髭)を知っている頃。
【キャラ詳細】
全国を股にかけて連続殺人を行っている、快楽殺人者。
作中ではキャスターのマスターとなり、より狂気に満ちていった。


【螺湮城教本@Fate/Zero】
キャスターの宝具。海魔を召喚すること等ができる。

26名無しさん:2013/06/30(日) 11:30:55 ID:u9iCtCa.0
投下はお終いです、、ゲリラ投下させてもらいました!

27 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 12:11:18 ID:/7Z8BO6I0
 投下乙っす。始まって早々に書き手が現れて嬉しいです。ありがとう。ナグルちゃんあっさり死んでしまった。のろたも人形が無くてはゾンビが操れませんからね。強いゾンビもってるのに……

 乙の意味あってます?

28名無しさん:2013/06/30(日) 12:34:06 ID:u9iCtCa.0
乙の意味はあってると思いますよ、大丈夫です!
あと、恐縮なのですが、状態欄に、
【備考】
※ナイフやハンマーやガラス片は生物室にあったものです。
※野呂田とナグルシファーの支給品は生物室に放置されています。
というのを付け足させてください、すみません。

29 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 13:12:55 ID:rFCkeRZc0
 わかりました。

30 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 16:59:58 ID:oukVrdRQ0
 
 広い、広い草原の中、一人の少年が地面に腰掛け、物憂げに思考している。

 恐らく16歳ほどのまだ学生であろうまだ若い少年は、虚ろな表情で、特になにをすることもなく、只座っているだけ。

 少年の頬を、夜風が優しく涼しく撫でる。

 それと共に、金髪に染められている少年の髪が風で揺れる。

 風は良いーーーー勝手気ままにどこぞに吹いているだけ。
 
 難しいことなんか何もない。

そんな事を考えながら風に当たっている内に、少年に心地よい眠気が忍び寄ってくる。

 しかし、此処は血で血をあがなう殺し合いの場。

 周りに人気は無いが、寝ることなどとても出来ない。

 今時こうしている間にも、血の気の多い誰かがこの場の弱者でも殺しているかもしれない。

 自分の知り合いが此処に呼ばれているかもしれない。

 名簿も、デイバックの中身すらも禄に調べず、バックはそこら辺に適当に置かれている。

 少し前の時に呼ばれていたら、もう少し行動を起こしていたかもしれない。

ーーーー少なくとも、殺し合いという手には簡単には乗らないだろう。

 
 恨めしい瞳が、俺を見つめる。

 裏切った……仲間を売った俺を怨んでいる、怒っているあいつの目。

 頭をぶち抜いたときのあの目が忘れられない。


「(麻夜……)」

 目を閉じれば、まぶたの裏に浮かぶ愛する妹の姿。

 下校するとき、コンビニで一緒にアイスを買って食べた時。

 俺を癒してくれた、愛する妹。

 ーーーーその妹から、自分が奪い取ってしまった可能性。

 記憶にある妹は、いつも車椅子に乗っている。

 自分の足で歩いている麻夜の記憶は、自分の記憶から消し去りたい事故の日の麻夜だけ。

 悔やんでも悔やみきれない、俺の罪。

 それを償うために、一度友を敵に売り渡した時の罪。

 確かに俺は罪人だ。

『粛清を最後まで生き残り、罪を生産した罪人 にはもれなくクライアントからの贈り物とし て、【何でも願いが一つ】叶いますよ。例え ば、誰か大切な人の怪我や後遺症を直したり、 億万長者になりたいとか、願うことは何でも良 いのです。確実なのは、生き残れば何でも願い が一つ叶うという事実。』

 あの鳥顔男の言った言葉。

『例えば、誰か大切な人の怪我や後遺症を直したり、』


 殺し合いに、乗るか乗らないか?


 答えは、既に決まっていた。

頬に一筋の涙を流す少年ーーーー東堂雄貴は、決意する。

「流動、すまねぇ。」
涙ながらに自分が殺した友の名を呟く。

「麻夜……兄ちゃん、悪い奴になっちまうよ……ごめんな。」

 此処に、殺し合いに乗ることを決意したゾンビ使いが誕生した。

31 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 17:00:57 ID:oukVrdRQ0
【1−B/夜中0〜2】
【東堂雄貴@ゾンビ屋れい子】
[状態]:健康体 疲労感
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一覧 ランダム支給品3個
 【基本方針】
1 殺し合いに優勝する
2願いで麻夜の足を治す
3……流動。すまねえ。
【備考】
原作で死亡した直後からの参戦。
ゾンビ召喚の制限は基本的にありません。
【キャラ詳細】
リルカと敵対するゾンビ使いの一人。 ゾンビを腕だけ召喚するなどゾンビ使 いとしての能力は高い。 ガンマンのゾンビ「ジャック・ガン ズ」を召喚する。 妹、麻夜の足が不自由になった原因が 自分であることを深く後悔している。 Dr.零の甘言に踊らされ三島を殺害する も、すぐに自らも裏切られ死亡。

32 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 17:03:10 ID:oukVrdRQ0
 投下完了。タイトルは
「悲しき少年の償いと再犯」です。

 続きまして、ペニーワイズ、金張財子予約します。

33 ◆DeIsaj04bU:2013/06/30(日) 18:38:48 ID:DhRAv/b60
 何か質問があれば、どうぞ。

34 ◆DeIsaj04bU:2013/07/01(月) 01:09:19 ID:ytJtprxE0

 自分的には人数が多いので、好きなキャラでも容赦なくぶっ殺していこうと思います。

35 ◆DeIsaj04bU:2013/07/02(火) 00:30:20 ID:.vRwzl3o0
 
 夜遅くの深夜、罪人と称された者達の殺し合いの行われている孤島

 その孤島に存在する、全くと言っていいほど人気のない施設や建物達。

 その中に、大型の銭湯施設がある。
 
 本来なら人で賑わっているべきのこの施設には、孤島の他の施設と同じく、この島の住民の姿はない。

 その銭湯施設に、一人の金髪の、16歳ほどの少女が施設間を歩き回っていた。

「なんで……何でよ……何で私ばかりこんな……」

 少女ーー金張財子ことキンバリーは、その瞳に大粒の涙を流し、震えながら歩いている。

 殺し合いという異常事態に巻き込まれた者としては、些か混乱状態に陥るのも無理はない。

 しかし、キンバリーはここに呼ばれる前から限界を超えていた。

 碧井ネローーーーこの殺し合いに呼ばれていもいる、最悪の独裁的暴君の為に。

 キンバリーと同じうぐいす中学校の生徒である碧井ネロは、クラスメートからの虐めの報復を行った。

 その報復とは、クラスメートを一人ずつ誘拐。拉致して改造し、自身の忠実な手下ゾンビに変えること。

 ネロとは違うクラスの生徒だったキンバリーは、ネロの脅威をいち早く察知し、旅行という高飛びを行った。

 ーーーー結果的に、キンバリーはネロの毒牙にかかることは無かった。

 しかし、クラスメート全員を改造ゾンビにしたネロを、唯一ネロに捕まらず、改造手術をされなかった数少ない生徒の一人、鋸村ギーコが改造チェーンソーでネロを倒した後、キンバリーにネロ騒動の被害が襲ってきた。
 
 キンバリーの過去の女友達ーーーー改造手術をえて、改造ゾンビとなった彼女達の一人が、一人だけ逃げ出したキンバリーを恨み、脅迫を行ったのだ。

 親の有り余る財産で好き勝手に生きてきたキンバリーは、今までの行いとその性格のために彼女達にも余り良い感情を抱かれていなかった。

「二日以内に小学生以下の子供を殺さなければ殺す。」

 その元女友達の一人、鉈叉(ナターシャ)からの幼児殺害の脅し。

 お金持ちで人のプライドなど全く気にしないキンバリーも、まだ中学生の女の子。当然そんな事出来るはずがない。

 要求を突っぱねたキンバリーに行われる鉈叉からの嫌がらせ。

 それによりキンバリーは、段々余裕を失っていった。

 ーーーーそんな矢先に、強制的に殺し合いをさせられる。
 
 キンバリーの精神は限界を迎えていた。

36 ◆DeIsaj04bU:2013/07/02(火) 00:31:05 ID:.vRwzl3o0
 
 まるで夢遊病者のようにどこぞに歩いていくキンバリー。
 表情は乏しく、涙を流し、ふらふらと歩く。

 その内、いつの間にか男性用シャワー室に迷い込んだキンバリー。

 「(何をやっているんだろう……私は……)」

 一応デイバックは持っているが、中身を確認することすらやらずに、歩き回っているだけ。

 あの気味の悪い鳥男の話が本当なら、此処に集められているのは大なり小なり罪を犯した人間らしい。

 その中には、殺し合いにのる人間も居るだろう。

 そんな人間には、今の私は格好の餌だろう。

 「(……でも、もう考えるのも億劫だわ。)」

 そんな事を考えながら、キンバリーはシャワー室の中央で立ち止まる。

 ーーーーキンバリーは知る由もないが、彼女はこの空間に呼ばれていたのだ。

 ーーーー知ることもはばかられるほどの、おぞましい存在に。

 キュキュ

 不意に、シャワーの蛇口を捻る音が空間に響き渡る。

 何事かと、キンバリーは音源を見る。

 先程まで、何事もなかったシャワーの一つの蛇口が独りでに回り、勢いよく熱湯をシャワーが出している。

 「(……?)」
困惑するキンバリーに、更なる状況の変化が始まる。

 《キュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュ》 

 他のシャワーの全ての蛇口が周りだし、熱湯を勢い良く流し始めた。

 数秒もしない内に、シャワー室全体が熱気で満たされる。

 しかし、変化は終わらない。

《ギギギギギギギギギギギギギギギギギギギギ》

 最初、キンバリーは目の錯覚かと考えた。

 熱湯を全開で吐き出すシャワー、それが、まるで百足や蛇のように、金属が無理やり曲がる高音をならしながら壁から延びてくる。

 その異常な状況に、キンバリーは呆然とする。
 そのキンバリーに、蛇のように伸びたシャワーが熱湯をかけてくる。

「ひゃあ!?」

 確かに熱湯の感触を感じ、思わず悲鳴を上げるキンバリー。

 《ギギギギギギギギギギ》

 それを面白がるように、部屋中のシャワーがキンバリーに延びてゆく。

 キンバリーは身の危険を感じ、震える足でシャワー室の出口に向かう。

 しかし、それを見越してか、シャワーの何本かがその長い胴体を重ね、キンバリーの足を止めさせる。

「なに?!なんなのよ!?」

先ほどの様子とは違い、我に返ったようにこの状況への気持ちを叫ぶキンバリー。

『湯加減はどうだい?泣き虫のお嬢さん。』
 唐突に、この異常な空間に聞き慣れない声が響く。

 その声はまるで、面白がっているような、狼狽えるキンバリーを馬鹿にし、笑うような響きが含まれていた。

37 ◆DeIsaj04bU:2013/07/02(火) 00:31:41 ID:.vRwzl3o0
 
 「誰?!誰なの!?何処にいるの!?」

 突然響き渡った声に驚いたキンバリーは、怯える自分自身を震え立たせるため、ワザと大きく怒鳴る。

 しかし、その声は震えている。

 『此処だよ。此処。足元を見てごらん。』

 再度響き渡った男の声に、キンバリーの視線は自然と足元に向かう。

 足下にあるのは、未だにシャワーから流れ続ける熱湯、それが丁度部屋の中心にある排水溝に流れている、ある意味普通の光景のみ。

 声の主は何処にも……いや、待て…

 排水溝の蓋が内から持ちあげられてくる。

 蓋を押しのけ、現れたのは真っ白な手。

 不思議と、その手は排水溝に流れていく水で濡れていない。

 『少し狭いな。』

排水溝からもう一つの手の平が現れ、同じ様に真っ白な手が、円形の排水溝の縁を持つ。

 
 ーーーーすると、まるで紙粘土のように排水溝の縁が捲り上がり、あっと言う間に人がはいれそうな大穴になる。

 その大きく開いた排水溝から、手の主がゆっくりと顔を出す。

 まずキンバリーの目についたのは、赤いポンポンのような髪の毛。

 その次に露わになる、真っ白な皮膚。

 そして、丸い赤鼻。

 排水溝から顔を出しているのは、サーカスにでてくるような道化師だった。

 その道化師を見た瞬間、キンバリーは脇目もふらず、行く先を塞いでいたシャワーの下をくぐり抜け、逃げ出す。

 彼女は感じたのだ……この道化師の本質のおぞましさを。

 シャワー室の入口に、壁を背に座り込むキンバリー。

 排水溝には、未だに道化師がにやにやと血のように真っ赤な唇を歪ませながらキンバリーを見ている。

『ようようよう!!泣き虫お嬢ちゃん。なかなか良い湯加減だったろう。フハ!』

 赤い髪を揺らし、歯をむき出しにしながらキンバリーに話しかける道化師。

 「(何これ……これは現実?それとも私の妄想?)」
 目の前の光景が信じられないキンバリー。

『俺はペニーワイズ。歌って踊る道化師さ。君の名前は?キャサリン?バレレッサ?アニ?ミール?ペトラか?ブラウス?わかったぞ!東洋系のようだからハナコか?それともタナカ?』

 キンバリーの名前を当てようと、思いつく名前を言い出した道化師。

38 ◆DeIsaj04bU:2013/07/02(火) 00:32:12 ID:.vRwzl3o0
 
 キンバリーはずぶ濡れのまま唖然とする。

『まあ、名前なんて良いや。お嬢ちゃん。こっちにおいで。』

 道化師は名前を当てる事を諦めたのか、薄笑いを浮かべながらキンバリーを呼ぶ。

当然だが、キンバリーは道化師の誘いには乗らなかった。

 この異質な状況下、この謎の道化師について直感で気づいた事がある。

 【コレ】は、決して関わってはいけない存在だと。

『此処はとっても楽しいよ。お嬢ちゃんも、他の奴らも此処にくる。皆、皆浮いてるんだ。風船みたいに。フワフワ浮いているんだ。』

 道化師は腕を組み、左手を顎に添え、嗤いながら喋る。

 キンバリーは答えない。答える余裕がない。

『フハ!フハッは!!お嬢ちゃん。あんたも来るんだ。此処にくるんだ。一緒に風船のように浮かぶのさ。』

 その言葉とともに、道化師は顔を手で覆う。
 周りのシャワーがクネクネと踊っている。

 よく見れば道化師の体は全く濡れていない。

『「でしょう?キンバリ~。あんたもあたいとそう変わらなくなるのさ。」』

 道化師が手をどけると、そこに白塗りの顔はなく。

『「あんたもくるのさ。キンバリー。ギャハハハハハハハ!!
」』

 其処にあるのは、自分を脅していた友だった同期の顔。

 首から上が鉈叉、その下から道化の服装をした【何か】は、その瞳であざ笑いながらキンバリーを見る。

「い……嫌あぁぁあぁあぁ!!」

絶叫をあげるキンバリー。それを面白そうに見つめる【何か】

『「もっと怖がりな。怖ければ怖いほどあたいは満ち足りる。あたいは恐怖その物さ。」』

 シャワーの熱気が立ちこめる。周りが蒸気で隠れていく。

 前も後ろもわからなくなる。

前も後ろも靄の中。背の壁の感触や座っている床の感触もなくなる。



 フワフワフワフワ浮いている。何処までも自分は浮いていく。


 何がなにやらわからない。

この空間が白い光で満ちていく。

 何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが子ども達何かが何かが何かが何かが何かが。何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが何かが浮かんでいる。

 部屋の中に満ちる光。それを呆然と見つめるキンバリー。

 

 【何かが居る。】

39 ◆DeIsaj04bU:2013/07/02(火) 00:32:56 ID:.vRwzl3o0
 「…………え?」

 気がつけば、何もなく。

キンバリーは、シャワー室の中で立っていた。
 シャワーも本来あるべき位置にあり 床も、自分の服も濡れてもいない。排水溝など、蓋が開いた痕跡すらない。

 全てが元に戻っていた。

「(……何だったの?あれは幻覚?私の妄想?幻覚?)」

 この場の物は、先程の出来事が無かったと表している。
 しかし、キンバリーは違うとはっきりと言える。

 あの道化師の顔が頭にこびりついて離れない。

 あの出来事は実際に起こっていた。……では何だったのだ?

 キンバリーは光のことを考える。

 このシャワー室に蔓延した光。その中にキンバリーは【何か】を見た気がする。

 しかし、それが何なのか思い出せない。
 
 ーーーーいや、思い出してはいけない気がする。

 知れば、理解すればきっと、気が狂ってしまう。

 呆然と立っていたキンバリーは、その空間から立ち去ろうとする。

 そのとき気づく。自分の横に現れた風船に。

「ひ!?」

 驚くキンバリー。突然に視界に現れた赤い風船は、その場をフワフワと浮かんでいる。

『フワフワと浮かんでいるんだ。浮かんでいるんだよ。』

 道化師の言葉が耳に浮かんでくる。

 フワフワフワフワフワフワフワフワフワフワフワフワフワフワフワフワフワフワフワフワーーーー浮かぶ風船。

 丁度顔の正面に浮かんでいる風船に写る自分の顔。

 その中にキンバリーは、道化師、ペニーワイズの顔が浮かんでいた気がする。

 その後のことは、覚えていない。
 
 ただただ、全力で走って逃げた。

 自分を見ている、何かの視線を振り払うために。

40 ◆DeIsaj04bU:2013/07/02(火) 00:33:38 ID:.vRwzl3o0
【A-7/深夜】
【金張財子@血まみれスケバンチェーンソー】
[状態]:疲労感 ペニーワイズに対する恐怖感 精神不安定
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一覧、ランダム支給品3個
【基本方針】
1とにかく逃げる
2知っている顔にあいたい。
3私は……正常?
【備考】
鉈叉によって脅迫されていた時期からの参戦。
ギーコと会う前からの参戦なので直接ギーコの事は知りませんが、知識では知っています。
【キャラ詳細】
金持ちの女子中学生。3年B組。「キン バリー」という渾名で呼ばれ「ひとり 校内貴族」という別名も持つ。財力を 嵩に、より強い優越感を味わいたいが ために、金持ち校ではなく普通の公立 校に通っている。その性格のため碌な 友人がおらず、ネロに改造ゾンビの残 党である元友人に狙われている。


 彼は排水溝の中、存在していた。

 彼は、【何か】は気づいている。自分に課せられた力の制限に。

 彼は知っていた。……自分が空腹であると。

 ならやることは一つ。食料を集め、力を回復させること。

 【何か】は、排水溝を潜りながら、まだ見ぬ餌を想像し、楽しむ。

【A-7/深夜】
【ペニーワイズ@IT】
[状態]:不明 影響力が弱まっている。
[装備]無し
[道具]無し
【基本方針】
1餌を探す(信じる心を待つ子ども)
2自らを恐れさせ、力を取り戻す。 
3腹が減った。
【備考】
原作で大人になったラッキー7に倒される前からの参戦。
制限により幻覚が現実に影響する力が弱まっています。
【キャラ詳細】
田舎町デリーの地下に住む恐竜時代に地球に飛来した別次元の存在。
 デリーに住む子供たちを25年事に目覚め、食料にしていた。
 相手が潜在的に最も恐れるもの(狼男、ゾンビ、ミイラ男、暴力を振るう父親、巨大な目玉、ブルドック)などに擬態し、それによって相手が感じる恐怖を力に変える。
 風船を大量に発生させたり、写真の中で動いて飛び出してきたり等、奇妙な能力を持つ。最大の特徴は子ども達にしかその姿及び出現させた風船や怪物、幻覚などが見えないこと。
 基本的に子供が油断するからと、道化師のペニーワイズとしての姿をしている。
 正体は大蜘蛛だが、それはペニーワイズとの最後の戦いのために巣に突入した大人に成長したラッキー7の面々が偶然にも蜘蛛を思い浮かべ、その姿に閉じこめられたため、蜘蛛としての姿も本物の姿とは言えない。
 形を取る前は白い光の塊で、その中に本体があるようだが、人間がその光を長時間直視すると精神が麻痺する。また、本体の方を視覚し、それが何であるか理解した場合ショック死するか、発狂する。
 大抵の物理攻撃は余り効果はないが、攻撃が通じると心の底から信じて攻撃を放った場合、強烈に効く。
 子供の信じる心が食料であり、その信じる心が最大の弱点でもある。

41 ◆DeIsaj04bU:2013/07/02(火) 00:35:15 ID:.vRwzl3o0

投下完了。続きましてはスター・コレクター予約します。

42 ◆DeIsaj04bU:2013/07/02(火) 07:28:15 ID:4Gn2E6w20
 タイトルは「ペニーワイズ」
です。

43 ◆DeIsaj04bU:2013/07/02(火) 20:30:24 ID:Ol1RkIzs0
 
 この地図を信じるなら、此処はA-5の市街地という事になる。

 大小様々なビルや商店、コンビニなどもあるこのエリアの隅に、小さなホテルがある。

 路地に面している立地の、建築されてから結構な年月が経っていることを感じさせる雰囲気を放つボロホテル。

 そのホテルの二階、201号室に、異様な格好をした男がベットに腰掛けている。

 腰まで伸ばしている長髪、まるで血の色のような真っ赤なカウボーイハットに、上半身はノースリブの同じく真っ赤な革ジャンを一枚羽織っているだけ。履いているブーツやズボンも赤色ときている。

 そして露出している胸や腕、脚のいたる所にある様々なデザインの星のマーク。

 ゾンビ召喚術という能力がある。

 産まれたときから、それとも後天的か、その力を持つ者は例外なく、体の何処かにマークが現れる。
 星のデザインはかなりの個人差はあるが、これも例外なく全て星をベースにしている。

 一つの星をもつものは、原則的に地獄から己の手足となり戦う不死身の手下。ゾンビを召喚できる。

 星を持つものーーーー通称ゾンビ使いのもつゾンビは千差万別。十人が十人とも全く異なる。

 その力を鍛えれば、己の扱うゾンビを選択することも可能。

 この男ーーーーS.C(スター・コレクター)も、その星をもつ者の一人。

 しかし、只のゾンビ使いではない。

 星をもつ者には、ゾンビ召喚の他にもう一つ、ボーナス的に別の能力を宿している者もいる。

 ある少女は、呪文とともに死体をゾンビとして蘇らせる能力を。

 ある男は、星をもっていない人間にゾンビを召喚する星を与える能力を。
 
 そしてこの男、S.Cは、他人のゾンビと星を奪う力を持つ。

 その方法は、他人の星に数十秒触れるだけ。

 彼の体にある大量の星は、今までの戦利品及びコレクションであり、彼のもつゾンビの数でもある。

 星を集めるほど、S.Cは強くなる。

 そして、次の獲物を容易く狩る。

 それが『星の収集家』の力。

44 ◆DeIsaj04bU:2013/07/02(火) 20:31:34 ID:Ol1RkIzs0
 
 「さて、お前たち。」

201号室に居るS.Cは、自分以外誰も居ないはずの部屋の中で呼びかけを行う。

 すると、その場に現れる異形の者達。

 『S.C様……御指示を……』
両手に大型肉斬り包丁をもち、目をベルトで閉め、歯茎が剥き出しのエプロンをつけたスキンヘッドの女性のゾンビ、【ブッチャーレディ】が主人であるS.Cに指示を仰ぐ。

 『我らはみな武闘派なり……その強さはS.C様の召喚なさるゾンビの中でも最上クラスと自負しております。』
 両足と口から鋭く長い杭を突き刺し、脚に二本、腕と肩に鎌状の刃物を突き刺しているゾンビ【スケアクロウ】がプライド高く誇らしげに言う。

『早ェとこほかの奴らを血の海に沈めてやりたいですね。S.C様。』
 パイナップルのような特徴的な髪型の防火コートをまとう義手のゾンビ【ファイアーカルト】が自信ありげに発言する。

 その他にも、中華風の着物を着た子供のゾンビ【香炉罹】
 
 スケボーをもつフードを被った黒人のゾンビ【A.D.I.D.E.S】
 
 狭い室内の中、馬に乗り、足が馬上で固定されている顔のえぐれた槍をもつ騎士のゾンビ【ファントムロード】

 両手に盾をもち、全身フルプレートの分厚い鎧をつけている巨漢のゾンビ【ゴーレムシールド】


 狭苦しい部屋の中、合計7体の死臭や腐臭を放つゾンビがS.Cによって召喚されていた。

 「血の気が多いのは頼もしいが、その前にプランを練る必要がある」

 側にいるゾンビ、ファイアーカルトに返事を返すS.C。
 片手には支給された参加者名簿。

「事態は考えているより深刻だぞ……この殺し合いに参加しているのはザッと数えて88名。……この名簿が確かな情報なら、調査していた星の持ち主、姫園れい子に姫園リルカも連れてこられて居る。……その事事態は不幸中の幸いなのだが。」
 不機嫌そうに帽子の位置を弄くるS.C

『何か御不満でも?S.C様。』
ブッチャーレディが明らかに機嫌の悪いS.Cに訪ねる。

「この場所に瞬間移動させられる前に、鳥顔の男が喋っていた『異能の制限』。俺にも適応されているらしい。」

 額を押さえ、深刻そうに不機嫌の理由を話すS.C

『制限とは?S.C様』
スケアクロウもブッチャーレディに続き、訪ねてくる。

 S.Cはしばしば話すかどうか迷っていたが……

「……何、大したことではない。気にするな。」

 主人であるS.Cにそう言われ、制限とは何か気にはなるが大人しく引き下がるゾンビ達。

 万一こいつらの口から情報が漏れたら不味いからなーーS.Cは内心そう考えながら、忌々しい己の制限のことを考える。

S.Cは、他人から奪い取ってきた合計21体のゾンビを操る。

 しかし、そのS.Cの強みである数は、制限により現在召喚している8体のゾンビのみとなっている。

45 ◆DeIsaj04bU:2013/07/02(火) 20:33:03 ID:Ol1RkIzs0
 出来ればリルカやれい子の星もコレクトしたいが、今の状況じゃあ些か不安だ。
 それに自分が知らないだけで、2人以外にも星をもつゾンビ使いが呼ばれているかも知れない。
 
 それに此処には88人もの人間が集められている。中には殺し合いにのる奴もいるだろう。

「今外に偵察担当のゾンビを一体さしむけている。そいつの報告を聞いた上でどうするか決めよう。」

 《コッコっ》

ーーーー噂をすれば、何とやら。戻ってきたようだ。

「戻ってきたか。【スパイダー】入れ。」

 S.Cの許しを得て、窓を開けて入ってくる全身白いスーツで身を包むゾンビ【スパイダー】。

「御苦労。状況は?」
偵察結果を聞くS.C。

スパイダーはすぐさま報告を始める。

 『S.C様、今の所このエリアで殺し合いにのって戦っている者は居ませんが、何人か付近に参加者が居る模様です。リルカやれい子は付近には行ません。遅かれ早かれ殺し合いを行う輩が現れるとしても、この辺りは安全でしょう。……今の所は。』

『不吉なことサラッと言うな。お前よう。』
 ファイアーカルトがヤジを飛ばす。

「うるさいぞ……それで?地形は?」
 報告を遮ったファイアーカルトを叱りつつ、報告の続きを訪ねるS.C。

『S.C様の仰る通り、この辺りの地形などを調べて参りましたが、今の所間違いは有りません。正確です。』
 偵察に向かわせる前、スパイダーに地図を見せ、正確かどうか検証してこいと命じていたS.C。
 
「うむ、御苦労だった。スパイダー。」
 キチンと働いたスパイダーを労うS.C

『S.C様のために働くことは当然です。』
 誇らしげなスパイダー。

『で?どうしますか?S.C様。』
ファイアーカルトが主人にこれからどうするか訪ねる。

「スパイダー。取り敢えず付近を警戒しておけ。危険そうな人物やリルカ、れい子を見つけたら俺に報告しろ。」

『了解。』
S.Cの命令で再び窓から出て行くスパイダー。

「さて、暫くは様子を見よう。殺し合いが始まれば、ほっといても頭数は減る。それまで此処に立てこもっていればいい。」

 S.Cは、腰掛けているベットに寝っ転がる。

「ゾンビ共、お前達は各自ホテルを見回り、警戒しておけ。何かあったら知らせろ。」

 ーーーー大丈夫…俺には忠実なゾンビが居る。
 召喚できる数に制限があるが、心強いことに変わりはない。

 自分を守る兵隊であるゾンビ達の姿を眺めながら、S.Cはほくそ笑む。

 この場に居るまだ見ぬ星も、俺の者にしてやる。

 コレクター魂は、殺し合いという状況下でも全く衰えない。

 ーーーーそれが彼の生きがいなのだから。

46 ◆DeIsaj04bU:2013/07/02(火) 20:34:19 ID:Ol1RkIzs0
【A-5/深夜】
【S.C(スター・コレクター)@ゾンビ屋れい子】
[状態]:健康体
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一覧 ランダム支給品3個
【基本方針】
1暫くは大人しくしている。
2星の所有者を探し、星を奪いたい。
3召喚可能の全ゾンビを召喚しています。
【備考】
黒須市に星の持ち主から星を奪うために向かう直後からの参戦。
 制限で召喚できるゾンビは原作で登場した者のみになっています。
 【現在召喚可能ゾンビ一覧】
【4番 A.D.I.D.E.S(アディダス)】
 ロサンゼルスの黒人ギャング団のメンバー抗争により死亡した。ラッパーのような衣服を着ており、ナイフ一本を武装している。スケボーでの移動を行う。
【11番 ファントムロード】
生前王よりも城よりも殺戮を愛した外道騎士。軽装の鎧をまとい、長い槍で武装している。馬と共に召喚され、足が釘で馬と固定されている。目と右の頬が抉れている。

【番号不明 香炉罹】
空気より比重の重い毒ガスを放つ香をもつ、中華風の着物を着ている子供のゾンビ。香の香りを嗅いだ者は短時間猛烈な吐き気に襲われるが、死にはしない。
 毒ガスを装備している扇子で散布、空気に混じりにくい特性を生かし風の加減で煙の動きを操り、狙った対象を煙で包む。
風の強い屋外では使いづらいという欠点がある。

【14番 ファイアーカルト】
パイナップルのような防火性のコートを着たゾンビ。両手が指の部分から炎を出す火炎放射器になっている。オイル切れが早いことが弱点。最後の手段に右手の隠しボタンを押し、自爆することが可能。
「ゾ…ゾンビの俺が…さらに死ぬとはな…!!」は名言。生前は炎に包まれるスタントマンだったのかもしれない。

【9番 ゴーレムシールド】
両手に大きな盾をもち、全身が隠れる分厚いフルプレートの鎧を装備している。生前は主に護衛任務を請け負う騎士だった。武装は無し。召喚できるゾンビの中では一番の巨漢。中身が気になるゾンビ。

【番号不明 ブッチャーレディ】 
 目を皮ベルトできつく締め上げ、歯茎が剥き出しの、黒い足下まで届くエプロンをつけたスキンヘッドの女性ゾンビ。二本の大きな肉斬り包丁で武装している。初登場から退場までけっこう喋っていたゾンビ。外見に似合わず女性として女言葉で喋る。スケアクロウと同じく、一体どんな死に方をしたのか訪ねてみたくなるゾンビ。

【8番 スケアクロウ】
両足と頭の後ろに鋭く削った長い串が突き刺さっているゾンビ。上半身は包帯で覆われており、下半身は所々にベルトを巻いたズボンを着ている。肩と両手、脚に鎌状の刃を装備している。(もしくは突き刺さっている)
 他のゾンビよりプライドが高い。何故か口から貫通している杭と足を貫通している二本、合計三本の杭でバランスをとり、海老ぞりの形で立っている。
 一体どんな死に方をしたのだろうか?

【番号不明 スパイダー】
戦闘能力にとぼしいかわりに情報集めに全力を注ぐことでS.Cの信頼を得ているゾンビ。全身を白いタイツ状のスーツで多い、壁や天井に張り付いて移動することが出来る。露出しているのは基本的に目だけ。原作では最後、完全版運命の弾丸を撃たれ、ゾンビ召喚解除が出来ない怪物に変異、リルカに服従するように洗脳され、S.Cを殺そうとする。他の武闘派ゾンビを圧倒するが、ファイアーカルトの自爆により死亡した。




【キャラ詳細】
複数のゾンビを同時召喚し、ゾンビ使 いからゾンビ召喚術とゾンビを奪うこ とができるゾンビ使いの変り種(フ リークス)
他人の星に十数秒触れるだけで星と召喚ゾンビを奪うことができる。
 複数のゾンビを召喚できる事が長所だが、数の多さ故にゾンビ一体一体を完全には扱いこなせていない節がある。
 内心はかなりの臆病、チキンな性格で、リルカによって偵察中に完全版運命の弾丸を撃たれ、強力な怪物に変異し、召喚解除不可能になったスパイダーにより武闘派ゾンビ達が完膚なきまでに破壊され、れい子から奪ったゾンビ百合川サキが両腕を切断されながらも救出する寸前まで現実を受け止められず、反則だと呆然としていた。
リルカの恐ろしさを身を持って経験した後、敵対するれい子と同盟を組もうとするが失敗。リルカが現れたため冷静さを失い、れい子に星を返した直後に運命の弾丸を政府の管理下に置こうと企む生物兵器開発部門の部隊に狙撃され死亡。その後れい子の呪文でゾンビ化するが火だるまにされ、再度殺された。星を奪ったゾンビ使いは基本的に報復を恐れ、全員殺害されている。

47 ◆DeIsaj04bU:2013/07/02(火) 20:48:44 ID:eN3mVzEc0
  
 投下完了。タイトルは
「星の収集家の作戦会議」です。
 続きまして、シャーマン将軍と、ブラックロリータ予約します。

 続きまして、

48 ◆DeIsaj04bU:2013/07/02(火) 20:54:41 ID:oT5M9EBY0
 やっぱりオチをつけるのは難しいですね。もっと勉強しないと。

49 ◆DeIsaj04bU:2013/07/02(火) 21:33:34 ID:yeDwvqgA0
 コメントが無いのが寂しいけど、それでも俺はとまらない!!

50 ◆DeIsaj04bU:2013/07/03(水) 19:00:58 ID:sgQ1E12Q0
 追加でキム・イーヒンとポスタル・デューク予約で。

51 ◆DeIsaj04bU:2013/07/03(水) 19:33:10 ID:gAR63.5U0
ギリシア神話の不老の怪物、ハーピュアによってはじめられた罪人同士の殺し合いという形の罪の粛正。
  
 その会場のB-6の市街地にある喫茶店に、一人の男の参加者が居た。
  短い金髪に、イケメンの類に入るであろう顔の優男、首にはこの殺し合いの参加者の証である首輪がついている。
 
  イケメンの優男

 彼を詳しく知らない人間なら、ほぼそれだけの印象を受けるだろうが、それは違う。
  彼は、「ゾンビ召喚能力」と呼ばれる、地獄から魔王サタンの力を借り、死者を召喚し、不死身の手下として戦わせるゾンビ召喚者で構成されたギャング団のボスなのだ。
 ゾンビ使いとしての素質を持つ者は、生まれつきか後天的に体に、大抵は手のひらに特徴的な星のマークが現れる。

 しかし彼、「キム・イーヒン」は、ゾンビ使いの中でも変わり種(フリークス)で、ゾンビ召喚 以外にも異能の力をもう一つボーナス的にもっている非常にレアな人物だ。

  あるフリークスは他人のゾンビとゾンビ使いの証、スターを奪う力。
  あるフリークスは自分の声で呪いを唱えると、その声が届いた死体全てをゾンビとして蘇ら せる力を。
 
  そして彼、キム・イーヒンは、普通の人間に使役するゾンビを召喚できるように、召喚者の証である星を呪文で他人に宿す事が出来る力を持っていた。

…彼には他に変わった特異体質もあるが、その星を与える力を使い、強力なゾンビを召喚できるようになった人間を部下として使い、強盗、殺人、婦女暴行を好き勝手にやらせ、その人と人が争い、血を流す様子を 娯楽としているとんでもない外道だ。
  そんな彼はこの喫茶店に飛ばされ、店に置かれていた自分のデイバックの中から食料や水をだし、ばりばりと食べていた。
 
 殺し合いと言う状況に放り込まれ、なぜこんな自然体で呑気に食事をしているのか。端から見たら相当肝が座っているか、恐怖で頭が可笑しくなったと思うだろうが、それは違う。
 
  イーヒンは単に、自分が決して死なない自信があるのだ。

「(チーホイにヒュデン、知っている奴らが連れて来れているね。)」
 
  食料を片手に、椅子に座りながら支給された参加者名簿を見るイーヒン、この場には彼の部下達も拉致されていたが、彼は別に怒る様子もなく、自分の部下達が殺し合いという状況に置かれているのにとくに心配する気持ちも感じておらず、その素振りも見せなかった。

  イーヒンにとっては自分の部下だろうが、使い捨ての聞く召使いのような者、仲間意識は少しも持ち合わせて居なかった。

  外道である。

「取りあえず、知ってる奴らと合流するか。……その方が色々楽しめそうだし。」

 イーヒンは、人の血が流れる争い事を見るのが大好きな人間だ。
 この殺し合いは、退屈だった彼にとっては刺激的な娯楽としてとらえられていた。
「 (殺し合い……刺激的でスリリングな僕を満足させてくれそうなイベントじゃないか。)」

  イーヒンがそんな事を考えていると、彼は外から何者かが近づいてくる足音を聞いた。
  イーヒンはお得意の人を騙し、そこらの女を一撃で落とせそうな爽やかな笑顔を浮かべ、この場にやって来るであろう参加者に接触を計ろうとする。

52 ◆DeIsaj04bU:2013/07/03(水) 19:34:21 ID:gAR63.5U0
 
 やってきたのは、サングラスを掛けた白人だった。男は喫茶店から出てきたイーヒンに驚き、当然警戒している。

 イーヒンは営業スマイルを浮かべ、男を抜け目なく観察する。
  革ジャンを着て、サングラスを装着しており、何やら左手に平たい板のような物を持っているが、武器ではなさそうだ。
 喫茶店の外。街を照らす街頭の光の中、イーヒンと男が対面する。

  「こんばんは、僕はイーヒンという名の者ですが、あなたはハーピュアと名乗る男に殺し合いを要求された人間ですか?……その首輪を見るに、あなたも巻き込まれたんですよね?。」

  彼を知らない人物が見たら、ほぼ疑わないだろうイーヒンの姿に男は先程からの警戒を解いた。

「…そうかい、イーヒンさんよ。アンタも巻き込まれた口か。…お互い大変だな。」

  男の言葉にイーヒンは内心男をあざ笑った。

 「(馬鹿がこいつ、この状況ならもう少し他人を警戒するべきだろう。警戒を解くのが早すぎる。)」

 イーヒンは内心を少しも表情にださず、男に再度話しかける。

「…そうですね…お互い災難で「イーヒンさん、ちょっと良いかな。」……何ですか。」

  話を遮られた苛立ちを巧妙に隠し、突然向こうから話しかけてきた男に聞き返す。
 
 すると男は手に持っている何かを、恐らく筆記用具として支給されたであろう鉛筆をむけながら言った。

「この嘆願書にサインしてくれないか?」
 暗がりでも判断できるくらい真剣な表情でサインを求めてきた。
 「………はぁ?…」

男のサイン発言に少し面食らうイーヒン。
  殺し合いという異常な状況に突然放り込まれ、この男は可笑しくなったのかと思った。
  まともな人間が、この状況で嘆願書にサインしてくれなどと要求するなんて、些か疑問に思う。

  「なぁ、サインしてくれよ。礼はするから。」

黙っているイーヒンに再度サインを要求する男。

「…言っている意味がわかんないんですが。」

 困惑を含んだ声で男に訪ねるイーヒン。

  「おもしろくねぇ冗談だな。ほれ、サインしてくれよぉ。」
イーヒンの戸惑いを全く気にせず、もう一度サインを求めてくる男。

「……今はそんな状況ではないと思うんですが………」

 こいつ、頭おかしいのか? イーヒンが男の精神が正常かどうかを考えていたら、男は着ている革ジャンから何かを取り出し、イーヒンの顔面に向ける。

  ドバァン!!

 男がイーヒンに向けてきた物、銃身を切られたショットガンからでた散弾で、イーヒンの頭が見事に吹き飛んだ。
  まき散らされる脳みそや血液、衝撃で吹っ飛んだイーヒンの体は、ゴロゴロと無様に転がりながら道の暗がりへ消える。

 それを行った男、ポスタル・デュークは特に何の感情も抱かないといった風に素知らぬ顔をしている。
  とても人一人を殺した後とは思えない。

  「よくわからねぇが、家に待たせてる俺のワイフは怒らせたら怖いからな、好きにやらせてもらうぜ。」

 デュークは 虚空に向かって独り言を呟き、イーヒンの荷物には手を着けずそのままどこかに歩いていった。

53 ◆DeIsaj04bU:2013/07/03(水) 19:35:49 ID:gAR63.5U0
【B-6/深夜】
【ポスタル・デューク@ポスタル2】
[状態]:健康体 
[装備]:銃身の切られた改造ショットガン=残弾40発
[道具]:基本支給品一覧、ランダム支給品2個
【基本方針】
1嘆願書の署名を集める。
2お使いを邪魔する奴やサインをくれない奴は取りあえず殺す。
3「早くかえんねぇと、俺のワイフが煩く怒るんだよ。」
【備考】
嘆願書の署名を行っている時期からの参戦。
着ている革ジャンが血で濡れています。
デュークはイーヒンが死んだと思っています。
【キャラ詳細】
ポスタル・デュークは近所のマーケットに行くときも 銃を持つ異常な人物。パソコンゲームの「ポスタル 2」にて、妻に頼まれたお使いをする最中に無抵抗の市民を(時たま反撃してくるが)ガソリンをかけて焼死 させたり、重火器で蜂の巣にしたり、刃物で体を切り刻んだり、鈍器類で原型がわからなくなるぐらいに女男関係なく殴り殺したりし、一週間でプレイヤーによっては100人は軽く惨殺している異常者 。殺人への禁忌感は清々しいほど無い。全くない。

 改造ショットガン@サタニスター 悪魔寄りのシスター、サタニスターが使っていた ショットガン、銃身をノコギリで切っているため、散弾が束で飛び出る。

 デュークが去った後、道の隅に一人残されたイーヒンの死体に異変が起こっていた。
  頭がザクロのように吹き飛んだ首から、まるでヤモリの尻尾のようにグロテスクな何かが生えてきたのだ。
  それは、段々と大きくなり、形を整え、やがて正常なイーヒンの頭になっていた。
 
  これこそがイーヒンの自信の源、イーヒンは、通常の人間よりも体の血液の代謝能力がた高く、例え頭が吹き飛ぼうが、腹が抉れようが、体内に再生に必要なタンパク質が足りていれば秒単位で肉体再生できる不死身とも言える肉体を持っているのだ。

  「…ひどい目に合った。もう少し警戒するべきだったのは僕の方だったか……」

再生したばかりの頭を揺らし、新品の脳の感覚を掴むイーヒン。

 彼は、自分の頭を吹き出したデュークに何ら怒りの感情を持たなかった。
  もちろん少しは憤りを感じていたが、頭を銃で吹き飛ばされるなど、彼には過去に何度か経験しているし、そんなことよりも彼は気にする必要がある事があった。
 
  「(不味いな……どこかでタンパク質を補給しないと。)」

 頭部を再生するために使った体内のタンパク質を補給するためにタンパク質を含む食料を探すため、イーヒンは喫茶店の前から立ち去った。

 その場には、只派手な血痕が残るだけだった。

【B-6/深夜】
【キム・イーヒン@ゾンビ屋れい子】
[状態]:健康体 頭部再生によるタンパク質消費。体内の残りタンパク質93%
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一覧 不明支給品 3個
【基本方針】
1部下と合流したい。 
2殺し合いをイベントとして楽しむ。
3「服が血で汚れちゃった。……どこかに着替えでもないかな?」

【備考】
れい子の存在を知る前からの参戦。イーヒンの 再生能力は異能ではなく、単に治癒力が凄まじく高いだけなので制限は無し、しかしゾンビ召喚術や、星を与 える能力、自身の血を死体に浴びせ、強靭な再生力をもつ手下に変える能力の制限があるかどうかは他の書き手さんに任せます。
※デュークを危険人物として記憶しました。

【キャラ詳細】 自身の星を与える能力でゾンビ使いを量産し、犯罪行為を好き勝手にやらしている。 また、イーヒンを殺し、ボスになろうとしたチンピラを自らのゾンビ【毒婦の抱擁】を使いバラバラに解体。死体をゴミ箱に捨てるなど残虐な性格。 演技が旨く、ある種のカリスマがある。

54 ◆DeIsaj04bU:2013/07/03(水) 19:39:53 ID:kZrV.tgU0
 投下完了。タイトルは
「サインをくれないか?〜殺し合いの中サインを求められた時に気をつけること。」

 です。

55 ◆DeIsaj04bU:2013/07/03(水) 23:08:54 ID:ska.rlzo0
 最近話のオチをつけることにスランプを感じる。
 ペニーワイズの話はもっと煮詰めるべきだったかな。もう少し濃厚な話をかけるようにならないと。

56 ◆DeIsaj04bU:2013/07/05(金) 20:08:00 ID:Fx9F92Wo0
 キム・イーヒンですが、イーヒンには首輪だけではなく体内に爆弾が仕込まれているということで。
 イーヒンの再生力なら、上半身が粉々に吹っ飛んでもタンパク質が足りれば再生しかねないので。
 ゾンビ屋を知っている人って結構居るんですかね?

57 ◆BA8qOhLHAk:2013/07/05(金) 22:40:43 ID:X1xUaO360
うーん・・・年上の人には知っている人が多いでしょうけど、現在の学生の人はあまり知らないと思います。
知っていても今、人気と言われている進撃の巨人などに目がいってしまいそうです。

58 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 00:38:50 ID:zaiSUm3c0
 ですよねぇ……面白いのに。
予約しているシャーマン将軍とブラックロリータ、少し説明などを入れたら長くなってしまったので、少し遅くなりそうです。

59 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 10:12:46 ID:nkdcYbYU0
 投下します。タイトルは
「南北戦争の生んだ魔物」です。

60 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 10:13:47 ID:nkdcYbYU0
 月の光が綺麗な夜、会場のA-1の森林エリア、生い茂る木々が時おり月の光を遮り、それ故に暗く、怪しい雰囲気を醸し出す森の中。
 その森の中に二人の参加者が居た。
 一人は白人の金髪ツインテールの髪型をしたゴスロリファッションに身を包む少女。その様子だけなら、殺し合いという状況に突然放り込まれた被害者の幼い少女……というような感想を殆どのまともな人間は抱くだろう。
 しかし、少女ーーブラック・ロリータは犯罪都市ニューヨーク出身の銃殺魔、はっきり言えば殺人鬼なのである。
 左手にデイバック、右手に支給された拳銃をもち、もう一人この場に居る参加者をじっと影で気配を消し、観察する。
 
「…………将軍…………この…………どう…………殺し…………駄目…………ですが…………しかし…………」

 ロリータの視線の先、暗闇であまり詳しくは判別できないが、軍服らしき服を着た参加者が、デイバックを片手にもち、ロリータに背を向けた位置に突っ立っている。
 声からして若い男性であろう軍服男は、森に飛ばされ、そこらを歩き回っていたロリータが発見した時の位置から何時までも動かずに、せわしなく独り言を続けている。ロリータには気づいていないようだ。
 何を話しているかは距離がありすぎてよく聞こえない。

「(何ボーッと突っ立ってんのかね、大の男が。スキだらけだっつーの)」

 遠目の、暗がりから見ても十分挙動不審に見える軍服男の姿に、少しあきれ気味のロリータ。普通こういう状況ではこんな場所に突っ立っていないで、なにか行動を起こすことが普通。
 事実参加者の中では弱い部類に入るロリータに実に簡単に背後から狙われていることから、軍服男の警戒力は甘いといわざるを得ない。
 
「ですが…………はい……」

観察を続けるロリータだが、一向に独り言を止めようとしない男に、段々隠れていることがアホらしくなっていった。

「ヘイ!!そこの軍服男!!おとなしくバックをわたしな!!」
 男に銃を向け、大声でバックを要求しながら飛び出したブラック・ロリータ。
 そのことで男はやっとロリータに気づいたようで、驚いている。

「早く!!モタモタしてっと大事なタマを吹っ飛ば……」
 月の光の輝く中、此方に振り向いた男の素顔をロリータは初めて視覚し、言葉を詰まらせる。
 軍服男は、左側の優しい瞳をした青年の顔では困惑を露わに、ロリータを見つめる。
 しかし、男の右の顔ーーーー醜く乾燥し、口髭を半分だけ生やした老人の顔は、ロリータに氷のような視線を送る。
 
 月明かりの暗がりの中でも判断できるほどに、男の顔は左右全く違っていた。

◆ ◆ ◆

1861年4月12日、奴隷解放をうたう北部とそれに反対する南部との間で勃発した南北戦争は、約4年間続き、北軍の勝利で幕を閉じた。
 それは北軍約36万人、南軍26万人、計62万の死者を出す凄まじいもので、第一次大戦の12万人、第二次大戦の32万人を遥かに超え、アメリカ史上最大の数の死者を出す同国人ゆえの怨念に満ちた内戦だったのである。
 この殺し合いには、その怨念が産み出した魔物が呼ばれている。

61 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 10:14:38 ID:nkdcYbYU0
 彼はギリシア神話の冥界の闇の王、ハーデースのごとく、片方の目で優しく、しかし片方の目ではまるで食いつかんばかりのように激しくロリータを見つめていた。

◆ ◆ ◆
 およそ15分ほど前。

「シャーマン将軍、一体この状況はどういう事なんです?『あの鳥顔の男の言葉を借りれば、罪の粛正という名の殺し合いだな。』殺し合いなんて、駄目ですよ。『しかし、今の我々の状況では帰る手段はあの男の言葉に従うしかないぞ。』ですが……『我々2人は文字通り一心同体、2人が2人とも果たさねばならぬ目的がある。此処で死ぬわけにはいかん。』しかし『まあ、深く考えるなデリック、この殺し合いは私たちを含めて罪人達のみが参加していると言っていたではないか。』」

 暗い森の中、アメリカ北軍の軍服を着た一人の若い青年が、静かに会話を行っていた。しかし、青年の前に話している人物は存在せず、一見青年の独り言に見える。
 しかし、青年は確かに会話を行っていた。ーーーー自分の肉体を半分使っている者と。
 左側の彼、アメリカ人の青年の名はデリックという。対して右側の干からびた皮膚の顔の男は、デリックの先祖にあたる北軍の軍人、シャーマン将軍である。
 なぜデリックの肉体の半分を先祖であるシャーマン将軍が所有しているか、それには深い南部と北部の争いが関係してくる。
 デリックは元々ワシントン大学に在籍する大学生、あるとき南部出身の女性、トレイシーと出会った事から全てが始まった。
 北部出身のデリックと、南部出身のトレイシーはお互いの出身を気にするタイプの人間ではなく、お互い愛し合っていた。
 愛し合うデリックとトレイシーが結婚を考えたのは自然な事だった。
 幸せな2人、しかしデリックが南部のトレイシーの実家に挨拶に行った事で、2人の愛に障害が生まれた。
 南部と北部の関係で深い因縁のあったトレイシーの父は、当然北部出身のデリックと娘の交際を禁止し、2人を無理やり引き離したのだ。
 デリックとトレイシーはお互い深い悲しみをおい、その感情が爆発。デリックは暴力でトレイシーを奪おうとした。
 この時デリックは、既に先祖の家として廃屋になっていたシャーマン家を訪れており、既に何らかの影響を受けていたかもしれない。
 シャーマン家からシャーマン将軍の愛銃を持ち出したデリックは、ステイシーの父に交際を認めるように脅迫する。しかし当然のように失敗し、頭を狙撃されるが、持っていた銃のオーラでなんとか命をつなぎ止めることはできた。
 しかし、狙撃により失った右側の顔の傷のため、段々と弱っていったデリックはトレイシーとの愛を叶えたい一心で、再度シャーマン家に行き、シャーマンに助けを求める。
 シャーマン将軍は瀕死のデリックに、現地のインディアンの噴墓塚に宿る魔力を利用し、憑依することでデリックを延命させた。
 その結果誕生したのが、一つの肉体に二つの魂が宿った憑依人間。
 今のデリックとシャーマン将軍だ。
 シャーマン将軍が乗り移ることで命が助かったデリックだが、血筋が同じだろうと全く別の人格が一つの肉体を使用する事は、かなり不安定だ。事実、デリックとシャーマンは殺し合いに対する意見の違いで先程から口論を続けている。
 
「ですが『くどいぞデリック。ひとまず乗るかどうかはおいておいて、この場を探索することから始めよう。このままでは拉致があかない。』……はい、わかりました。」
 
 延々と続くかと思われた口論も、ひとまず終焉を迎えたとき、突然一人の少女が背後から銃を向けながら飛び出してきた。
「ヘイ!!そこの軍服男!!おとなしくバックをわたしな!!」

62 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 10:15:48 ID:nkdcYbYU0
 ◆ ◆ ◆
ロリータは、『二つの別人の顔が一つの顔に纏まっている』という軍服男の異様な顔に、本能的な嫌悪感を感じ、驚きとともに動きが止まってしまった。
 全く別の物が一つに纏まっている姿は、例えようもないくらい気味が悪い。
 呆然としているロリータを見つめる二つの瞳。片方は善良そうな光を放っているが、嗄れた男の眼孔は恐ろしく冷たく、ロリータが過去に射殺した人間の死体のような……死人のような瞳をしている。
 その時、右側の死人のような男の顔の唇が歪む。笑ったのだ。
 しかし、左側の青年の顔は、混乱した表情のまま。
 しかし、青年の表情に変化が訪れた。
 ロリータの背後を見つめ、驚きの表情を浮かべている。
 「将軍やめてくだ『やれ』」
青年が制止するが、シャーマン将軍は無情にも命令する。
 何事かとロリータが背後を振りかえる前に、事は起きた。

 ドシュ!!

「(あれ……なんで……あたしの…か…ら…だ。」
 ロリータの視界に、何故か見覚えのある自分の胴体が映る。
 胴体の首からは、まるで噴水のように大量の血液が吹き出している。
 あぁ、首を切られたのか……
そう理解した瞬間、ロリータの意識は途切れた。

◆ ◆ ◆

 頭部を失い、前のめりに倒れた血まみれのロリータの死体。
その背後に立っている、この世ならぬ存在。
 この場に呼び出したシャーマン将軍と同じ、北軍の軍服を着た骸骨の兵士。その皮膚には所々皮膚がこびりつき、虚しくその存在を主張している。
 右手には、たった今一つの命を刈り取った血まみれのサーベルを装備している。
 それを驚きと怯えと恐怖。三つの感情がごちゃ混ぜになった瞳で見つめるデリックの顔。
 「将……将軍……あれは?」
辛うじて声を絞り出し、突如地面から沸いて出てくるようにして現れた死人。その正体をとうデリック。
 シャーマン将軍は、子孫の情けない様子に苦笑しながら答えた。
『ク……クク……私の部下だ……南部の人間によって…アンダーソンヴィルの捕虜収容所で家畜のように虐殺された北部の軍人たちだ……今でも強い怨念で満ちあふれている……その為に死後も成仏できないでいてな……霊としてこの世に留まっていたのを…私が呼び出したのだ……』
 シャーマンの部下という言葉に反応してか、敬礼をする北軍の軍人の霊。
 その付近に転がる、呆然としたままの表情を浮かべるロリータの生首を見やるデリック。
 その表情には憐れみの感情が浮かんでいる。
 「……まだ…子供なのに……何故です将軍。なぜ殺させたのです…」
 銃を向けてきたとはいえ、こんな小さい子供を殺すように命令したシャーマン将軍に問い詰めるデリック。
『デリックよ……ここは戦場だ…子供とはいえ…銃を向けてきた相手を見逃すことはできない……』
 ロリータを殺したことに対して将軍は、あまり深く考えていないようだ。
「そんな!!別に殺さなくても『デリック…私はお前と南部人の娘との愛を成就させると…ともに……お前を助けるためにこのように…お前の体に入り込み…傷を癒してやったのだ…私は怨みながら死んでいった部下を成仏させる義務がある…それまでに死なれたら私が困るのだ。』」

63 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 10:16:57 ID:nkdcYbYU0
 シャーマンの言葉によって、デリックの脳裏に愛する人。トレイシーの姿が浮かぶ。
 自分に愛らしく微笑んでくれるトレイシー。
初めてのデートでの楽しかった思い出。
結婚を誓い合った時のトレイシー。
ベットで愛し合った時の記憶。

 シャーマン将軍のように、自分にも……やらなければ、生きなければ……生きたい理由がある。
「(……トレイシー…僕は……絶対に君の所へ…)」
 デリックは、恋人トレイシーの元に帰る決意をする。
 そのデリックの決意を感じ、対称的に冷えた感情で認識する将軍。
「(デリックよ……私がお前に死なれたら困るのは本当のことだ…お前が死んだら、私は地獄に逆戻り…二度とあんな場所に戻るつもりは無い。)」
 実を言うと、シャーマン将軍に取ってデリックの愛が実ろうが、実るまいが、どうでも良かったりする。
「(お前は…私が永遠の命を得るために利用されるだけの駒に過ぎない…精々その貧弱な魂を利用されるだけの運命なのだ。)」
 シャーマン将軍の本当の目的は、南部人への強い怨みのために成仏できない部下を助けるだけではない。
 自分がデリックの体に乗り移るさいに利用した、インディアンの呪術的技術を解明し、その力で不老不死の世界最高の呪術師(シャーマン)に成り、南部人達を皆殺しにし、真の意味で世界の頂点にたつアメリカ大国を創ることこそが、彼の目的。
 哀れなデリックは、弱みにつけ込まれ利用されているだけに過ぎない。
 シャーマンは右手を動かし、バックから出されていた地図を確認する。
「『さて…デリックよ…まずはこの黄金郷と記されている場所を視察したい。』黄金郷…?」
 将軍の黄金郷という言葉に、デリックは思わず聞き返してしまった。
「『もしも…この地図に記されている黄金郷(エル・ドラード)が私の知識にある物なら確認する必要がある』」
 シャーマン将軍が南北戦争の侵攻の際、とある南部人から教えられた黄金郷の存在。
文字通り、全てが黄金で出来ている、古代アステカのエル・ドラード王が収める都市。
「『金は…生者が考える事の出来ないほどの価値がある…金さえあればどんな魂も…天国に入る事が出来るのだからな…我が部下を成仏させる事も可能だ。』」
 しかし、将軍の狙いはそれだけではない。
 黄金郷は、過去最高に優秀だったと伝えられる呪術師、エル・ドラード王が治め、その都市には《不老不死》の秘術が眠っていると言われている。
その秘術を得ることが、将軍の狙いなのだ。
「まってください…彼女をそのままにはしておけません…せめて埋葬してやりましょう、将軍。」
 いくら何でも、このまま置き去りにするのは忍びないし、哀れだ。……殺してしまった我々には埋葬してやる義務がある。そう考えるデリック。
「『デリック……そんな時間は無い。子供とはいえ、銃を向けてきた相手を埋葬してやる義務は無い。』」
 少女の埋葬を却下する将軍。
「しかし……」
なお何か言いたげなデリックを無視し、将軍はその場に居続ける軍人の霊に命令する。
「『その子供の……バックと銃を持って来い』そんな!死人の持ち物を盗むなん『死人には使えないし何も出来ない…だろう?……死人の私が言うのだから間違いはないさ。……首輪もだ…サンプルとして持って行こう。』
 死人から持ち物をとろうとする将軍に講義するデリックを丸め込み、ロリータの首輪とデイバック、そして拳銃を回収する。
「『ふむ……弾は申し分ないな……しかし装備としては心許ない…助けを借りるか。』」
 拳銃を弄くる将軍の言葉に、デリックは疑問を感じた。
「(助けを借りるか?…誰に借りるつもりなんだ?)」

64 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 10:22:51 ID:HP7aQ0ak0
 デリックの疑問を余所に、シャーマン将軍は指を鳴らす。
 
 バチン!!

響きの良い音が周りに響くとともに、異変が起こる。
 シャーマン将軍の周りの地面から、先程将軍に呼び出された北軍人の霊が大量に《沸いて》きたのだ。
 あっと言う間に、30体ほど呼び出された北軍の兵士たち。その悪い冗談のような光景に、デリックは只驚く。
「『ふむ……呼び出せる部下が少ないな…制限とやらか?…まあいい…では』」
 将軍は喉を鳴らし、もはや部隊ともいえる怨霊の集団に怒鳴る。
「『部隊整列!!』」
その言葉に反応し、マスカット銃や剣で武装した霊達が整列し、将軍に敬礼する。

「『私に続け!!我が北軍の優秀なる兵士たちよ!!』」
 兵士達が返事をする代わりに頷く。声帯が残っていないため、返事が出来ないのだ。
 こうして一列に並ばれると、正面にいる将軍は勿論、デリックにも兵士達のおぞましい姿がよく見える。
 こんな月の出ている夜では、気味の悪さもさらに磨きが掛かる。
 一応体を貸しているから守ってもらえるとはいえ、怖い物は怖い。
 
 そう考え、頼もしさと恐怖、その為色々な感情を感じているデリックは、内心ため息をつく。
  
 北軍の霊達が森を行進し、黄金郷の方面に向かう姿は、見ただけで心臓が止まりそうな光景だった。

【A-1/深夜】
【シャーマン将軍(デリック)@ミキストリ】
[状態]:健康体 デリックの方は少々疲れ気味。
[装備]:拳銃@ゾンビ屋れい子
[道具]:基本支給品二人分 ランダム支給品5個 首輪一つ

【基本方針】
シャーマン将軍
1黄金郷に向かう。
2積極的に殺し合う。
3北軍軍人の制限限界値まで召喚しています。
デリック
1生きてトレイシーの元に帰る。
2殺し合いには否定的。
3「トレイシー……僕はどうすればいい?」
【備考】
デリックの肉体にシャーマン将軍が憑依した直後からの参戦。ミキストリを知りません。
北軍軍人の怨霊を召喚する力に制限があり、同時に呼び出せるのは30体まで。
ロリータの首切り死体がA-1に放置されています。
【キャラ詳細】
心優しい北部出身のアメリカ人の青年。南部出身の恋人、トレイシーと結婚の誓いを立てていたが、彼女の父が出身地を理由に交際を禁止し、それに対して先祖であるシャーマン将軍の愛銃を使い父親を脅し、トレイシーとの交際を認めてもらおうとするが失敗。雇われた狙撃手に頭部を撃たれながらも、愛銃のオーラで延命。召使い3人を殺し逃走した。
 その後トレイシーとの愛を叶えるため、現地のインディアンの噴墓塚の死者蘇生の力を使い、シャーマン将軍に肉体を半分提供し、傷を直してもらったが、顔の右側と右半身がシャーマン将軍の物になる。
 実はシャーマン将軍にデリックの愛を叶える気は余りなく、トレイシーの祖母から教えられた黄金郷(エル・ドラード)の不死の秘術を得て、世界最高の呪術師になり、南部人を絶滅させ、真の意味で世界の支配者となるアメリカ大国を作るという野望がある。
 左半身のデリックの肉体を徐々に浸食しつつある。
 南部人に捕虜収容所などで虐殺された北部軍人の彷徨える霊をほぼ無限に召喚できるが、一体一体骨しか残っていないためか耐久力が低く、スチール製のモップなどで叩くだけで粉々になるため、一体一体は弱いが、マスカット銃やサーベルで武装している。行動出来るのは夜間のみで、太陽の光をあびると消える。(人工的な灯りは大丈夫)

拳銃@ゾンビ屋れい子
女軍人雪女が使っていた拳銃。弾はフル装填。

65 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 10:24:53 ID:HP7aQ0ak0
 投下完了です。
続きまして、ギリコ(娘)とメロ予約します。

66 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 12:56:28 ID:HP7aQ0ak0
 何かご指摘が有ればどうぞ。

67 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 17:38:48 ID:c5w3G6I20
 特にないのか……ちくしょおぉぉぉぉぉ!!書きまくってやる!!

68名無しさん:2013/07/06(土) 20:53:33 ID:NoeudoIY0
おう、頑張れよ!

69 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 21:25:51 ID:C4Hg1PHE0
〉〉68!!ありがとう!!もう期末テストとかしるか!!勉強よりも書いてる方が楽しいんだよ!!文句あるか!!100話でも200話でも書きまくってやる!!ぎぇぁぇぇぇぇぇ!!

70名無しさん:2013/07/06(土) 21:44:42 ID:NoeudoIY0
べ、勉強も頑張れよ…
最後まで見届けるから、落ち着けw

71 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 22:12:35 ID:VS48wICw0
 自分が書いているのは、どんな感じなのか。それを判断するには、呼んでくれている読者の評価が必要なんだ。この話はちゃんとかけているか?わかりにくいところがあるんじゃないか?……そう不安になることがある。
 それはそうと、〉〉○○みたいにリンクを貼りたいのですが、どうやるんだろう?

72 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 22:37:02 ID:SzArp4LY0
 投下します。タイトルは
「チェーンソーの欲求不満」です。

73 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 22:37:43 ID:SzArp4LY0
 
 【殺し合い】

 まともな人生を送っている真人間や一般人と呼ばれる人種には、最も縁のない言葉だろう。
 実は殺し合いというシチュエーションは、人間の本質を強く暴く行いでもある。
 殺し合いに巻き込まれた人物は、大抵3種類に分けられる。
 大抵は普通型(ノーマル)殺し合いの中では基本的な弱者や戦闘経験のない者がこれに分類される。
 次に英雄型(ヒーロー)殺し合いを主催した者に反発し、弱者を保護したりする善人が分類される。
 そして最後に悪投型(ヒール)殺し合いに積極的な者や、殺し合いを助長させる者が分類される。 

 H-5の住宅街エリアに居る男、メロは悪投型に分類される。
 彼はこの殺し合いの会場に飛ばされてすぐに、支給品の確認を行った。
 名簿を確認して、参加者88人という数を把握。
 殺し合いの期限はない。
メロはこの状況下において、これからの行動方針はすぐに決定した。
「とりあえず殺すか…。」
  現状では殺し合いに乗るしか帰還の方法がないメロが選択した方針である。
  メロとしてはこの異常な状態にあまり時間をかけたくなかった。
 世界を騒がせている犯罪者を殺す殺人犯のキラ事件。
 キラの正体を掴む重要な事件の中で、捜査の中心の自分が長い間抜けるのはあまり許される事ではない。それゆえの結論でもある。
「銃が無いけど、仕方ねえよな。」
メロは支給された、とある連続斬り裂き魔の女子高生が愛用するナイフを装備し、深夜の全く人気のない住宅街を駆ける。

 そんなメロは、割と直ぐに他者を発見した。
 メロとは反対方向に向けて突っ立っている人間。体格からして女性であろう。
 メロが見るかぎり、武器になりそうな物はもっていない。
 その姿を確認したメロは、気配を消して女の背後に向かっていく。
 女性はメロに気づいた様子でもなく、その場に立ち続ける。
 メロはほくそ笑みながら、裏社会で生きる上で培ってきた武器の技術により、ほぼ無駄な動きがない動作でナイフをその刃の威力が最も効果がある角度で投げつける。
 メロの手から放たれたナイフは、寸分のズレもなく女性の頭部に飛んでいく。
「(ヒット!!)」
メロが殺害を確信したとき、ようやく女性がメロに気づいたのか、振り向く。
 
「(……え?)」

 メロは女性と目が合い、一瞬にして理解した。
「(……こいつは…やべぇ。)」
 裏社会で生きてきたメロだからわかる、女のもつどす黒い狂気を。
 女はメロの姿を見ると、まるで新しい玩具を買って貰った子供のような表情を浮かべる。しかし、その全身から溢れ始めた《殺意》は隠しようもない。
 女は顔に飛んできたナイフを素手で弾く。その場になる金属音。
 女の腕には傷一つついていない。
 それどころか、弾かれたナイフの方が粉々に砕けている。
 メロは、瞬時に相手の実力が高いことを経験から見抜き、先手必勝とばかりに素手の女に飛びかかる。
 顔面に向かってくるナイフを右手で弾いた女は、自然と顔の前に腕という障害ができ、死角が生まれる。
 隠し持ったもう一本のほうのナイフを出し、女の首めがけて振り下ろす。
「死ね!!」
 ナイフは正確に女の大動脈に向かい、刃を突き立てようとする。
「(とった!!)」

 さて、メロがとった行動は概ね正解と言える。……もしも相手が普通の人間なら、確実に仕留めていただろう。

ーーーーそう、普通の人間なら。

「鋸足。」
メロが最後に見た物は、死の音をかき鳴らす、暴力そのものといえる何かが頭上から叩きつけられる光景だった。

74 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 22:40:00 ID:SzArp4LY0
◆ ◆ ◆ 

「ああん!!弱すぎじゃねえか!!全っ然はごたえがねぇ!!脆すぎだ!」
 余りにも脆いと、たった今仕留めた獲物に愚痴をこぼす女ーーーーギリコは、少し前までメロという人間だった肉の塊を足蹴にする。
 それは、あまりにも無残な死体だった。
 頭部から胴体にかけて、ざっくりと真っ二つになり、両手も衝撃で千切れ飛んでいる。受けた攻撃の威力が強すぎたのか、上半身がほぼミンチになっている。

 さて、素手である筈のギリコが、なぜメロを此処まで無残に破壊することが出来たのか?
 
 魔武器と言われる者達が居る。人間でありながら、剣や槍、銃などの武器に変身し、職人と言われる人間の《魂の波長》を増幅させ、攻撃力をあげる武器変身能力者。
 このギリコは魔武器でありながら、職人無しで戦う魔武器の変わり種。
 そもそもギリコ自身は、魔武器の母とも言われている蜘蛛の魔女、アラクネによって直に造られた特別な魔武器。
 その非常に高い戦闘能力をもつギリコは、ゴーレムと呼ばれる魔除け人形を作る歳の技術を応用し、自分の子孫に初代から何世代も記憶を継承。事実上800年近く生き延びている。
 その歳月、己の家から魔武器になった影響か、尽きることのない《殺意》を800年分貯めながら……
 そんなギリコの武器形態は、《チェーンソー》である。
 皮肉なことに、メロは一見素手に見える全身凶器の化け物を襲ってしまったのだ。
 要は話は簡単で、足を巨大なチェーンソーに変化させ、そのままメロをかかと落としの要領で切りつけたのだ。メロは何が起こったかもわからずに死んだだろう。先程もナイフを弾くさい腕を一部武器化させていた。そのためにナイフが砕けたのだ。
「ああ!!クソ!!俺は殺りてえんだよ!!クソ!!殺って殺って殺りまくりたいんだよ!!クソがあぁぁぁぁぁ!!」
 ギリコはこの殺し合いに呼ばれる前に、実の母であると言えるアラクネを殺した職人、マカ=アルバーンとその武器、ソウル=イーターに、復讐として800年分の殺意をぶつける筈だった。
 しかし、その直前に呼ばれたのだ。この殺し合いに。
「(罪人?罰?罪?そんなもん知るか!!俺にはもう殺す先客が居るんだよ!!)」
 ギリコとしても、殺す対象はアラクネを殺した二人にしたいところだ。今まで絶好の機会をねらい、ここぞという所でも我慢してきたギリコが、全力で800年分の殺意をぶつけられる相手。それがやっと見つけたのに……
 しかし、そんな事を考えている内に、ギリコに襲いかかってきた参加者が居た。
 「(もう駄目だ……もう我慢できない!殺す!!ダレデモいイから殺す!殺せる!!)」
 苛立ちをぶつけられる玩具が自分から遊んでと飛びかかってきてくれた。なら、遊ばない手は無い。
 しかし、挑んできた男は期待外れも良いところ。とんだ豚野郎だった。期待させといて、軽めの蹴り一発でミンチになりやがって!!
「あぁあ!!クソがぁぁぁあ!!」
《ギャギャギャギャ!!!》

 あまりにも強すぎる殺意により思考が支離滅裂なギリコは、足をチェーンソーに変え、再度足元のメロの死体を抉る。
 刃とチェーンによって、死体の内臓や衣服、血液がゴミのように弾け飛んでいく。当然それらはギリコにも大量に掛かるが、本人は全く気にしていない。
「誰か俺の攻めに耐えきれる絶倫野郎はいねえのかあぁぁぁ!!」
 ギリコは喚き続ける。大空を仰ぎ、自らの欲求不満をぶちまける。

 しばしの間、ギリコの奇声や怒鳴り声がエリア中に響き渡っていた。

【メロ@死亡】

75 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 22:41:13 ID:SzArp4LY0
【H-5/深夜】
【ギリコ@ソウルイーター】
[状態]:健康体 極度の精神不安定
[装備]:無し
[道具]:基本的支給品一覧 ランダム支給品3個
【基本方針】
1「殺って殺って殺りまくる。」
2頑丈な玩具を探す。
3「殺りまくりたいんだよぉぉ」
【備考】
エイボンの書『怠惰の章』にて、マカ達と対決する直前からの参戦。
全身が血まみれです。
メロの死体はほぼ原型を失っています。
ギリコの奇声や怒鳴り声がH-5に響き渡りました。誰かが聞いた可能性があります。
魔武器化の能力の細かい制限などは他の書き手さんに任せます。
【キャラ詳細】
初登場時はソウと名乗っていた魔凶器人形技師。
本体はチェーンソー。アラクノフォビアの元幹部。 自らが造ったゴーレムに自分を使わせているが、自分の体の一部だけを武器化して一人で戦うこともできる。本人によると800年の間エンチャンター(人形技師)の技術を使って自分の記憶を遺伝子にプログラム化し、子供に託しながら人生を繰り返してきた。 800年間もの間殺意を誰かに向けるこ とを抑え込んでいたが、それが出来たのはアラクネのおかげである。モスキートと仲が非常に悪く、アラクネ復活時に一戦交えたジャスティンとも因縁深かったが、ロスト島での戦い において狂気に侵された彼の本質を見抜いていた。ババ・ヤガー城に潜入したリズとパティに睡眠薬を盛られ、城の防衛には一切参加できなかったが、 戦いの後、狂気の象徴である道化師を連れたジャスティンと邂逅を果たし、 ノアの一味に加わった。その後エイボンの書中に入ったマカ、ソウルらを返り討ちにするべく自らも本の中に入る。この時点で体にガタがきていたため、元の肉体を捨てゴーレムとして操り、自身 はBREWの力で成長させた娘に記憶を引き継がせていた 。 ソウルのピアノのおかげもありゴーレ ムの方のギリコは爆発したが、その直後「娘」の身体を持つギリコが現われる。ソウルのピアノが通用しない程の近づくだけでバラバラにされかねない魂の騒音でマカを圧倒する。しかし、溜めに溜めた800年分の殺意に器の魂が耐え切れず、それでも殺意をマカに向け続けたため魂が破裂し絶命した。

76 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 22:43:29 ID:SzArp4LY0
 投下完了。続きまして姫園れい子、織羽勝太予約します。

77 ◆DeIsaj04bU:2013/07/06(土) 22:50:02 ID:0q.KiVbI0
 あ、あと百合川みどりを追加で。

78 ◆DeIsaj04bU:2013/07/07(日) 12:34:53 ID:tr9P5azs0
【書き手希望の人へ】
経験者から初心者まで大歓迎。 予約のさいにはトリップをつける。
ゲリラ投下の場合は名無しでも可。
予約した場合、期限は七日間、それ以上で投下が無い場合は予約取り消しになります。 延長は可、
予約期間の延長は5日間。
自己リレーは相談。
全く経験が無くても大丈夫。書くことにより上達します。少しネタを思いついたら、是非我がロワをご贔屓ください。
予約するキャラに上限はなく、一つの話で何名死亡しようが自由です。

79 ◆DeIsaj04bU:2013/07/07(日) 19:59:45 ID:1wiwY/g60
 やはり作品数が多いとリレーは難しいか。

80 ◆DeIsaj04bU:2013/07/08(月) 22:53:14 ID:t2eKTzFg0
 ふと毎日について考えて鬱になっていく……

81 ◆DeIsaj04bU:2013/07/09(火) 12:07:14 ID:zWFNjmeQ0
 突然ですが、参加者の大幅なリストラを行います。名簿は後に投下しますので、ご了承ください。

82 ◆DeIsaj04bU:2013/07/09(火) 21:25:34 ID:ux9aMst.0
 このスレを見てくれている皆さんにお知らせです。非常に身勝手ながら、現在このロワの削除を検討しています。この企画自体は止めるつもりは無く、単純に移転を検討しているのです。実を申しますと、このロワの参加者名簿は削る前の物を貼ってしまった事もあり、やはりこのことを検討した結果、総合番の方に移転し、一度やり直したいという所存です。

83名無しさん:2013/07/09(火) 21:41:03 ID:hBgj4Y8k0
突然のお知らせに驚きました。
一度やり直したい、という◆DeIsaj04bUさんの考えを否定するつもりはありません。
ですが移転したところで、書き手さんが来なければ継続は難しいのではないのでしょうか。
◆DeIsaj04bUさんは執筆のペースは中々速いと思います。
このペースを維持できるのであれば、

84名無しさん:2013/07/09(火) 21:47:56 ID:hBgj4Y8k0
途中送信してしまいました。申し訳ない。

このペースを維持できるのであれば、企画の存続自体に問題はないでしょう。
とはいえ他の書き手が来なければ、それはリレーではなく非リレーです。
そして非リレーをパロロワ総合板で続けるというのは不毛です。
続けるにしても、名簿を変えるだけで移転はしない。
あるいは、書き手となってくれる方を見つけてから移転する。
安易に総合板に移転する、という以外の措置を、もう一度考えてみてはどうでしょうか。

長文乱文、失礼しました。

85 ◆DeIsaj04bU:2013/07/09(火) 22:02:29 ID:rIifelqM0
 わかりました。転移することは確定ではなく、あくまで最後の手段です、とりあえず一度どうしても書きたいと考えている作品を纏めました。


【ポスタル】
ポスタル・デュード

【ゾンビ屋れい子】
姫園れい子/姫園リルカ/キム・イーヒン/安藤純子/チーホイ/ジャスミン・メンドゥーサ/Dr.零/ヒデュン/ローゼン・キルミスター/野呂田/猫神理沙/雪女/スター・コレクター/東堂雄貴/零本志呂子 /谷川出人/ダミリー/ブラッド/スティーヴォ/岩田豪人

【タカマガハラ】
織羽勝太/同素仁

【血まみれスケバンチェーンソー】
鋸村ギーコ/ナグルシファー/碧井ネロ/金張財子/ネメシス/斉藤ぱら(ストライカー)/エレクトリック・レッド/爆谷さゆり/鉈叉(ナターシャ)/里眼(リーガン)/麻朱(マッシュ)/喰院(クイーン)

【サタニスター】
○サタニスター/沢本いずみ/バルキリー /蟲飼童玄 /ホールガール /ハンス・シュヴァルツマン /ブラックロリータ /ディオルペ /ヒットマン・バリー/力丸亜砂美 /エイモス

【ミキストリ】
江島陽介/ダニー・エルフマン/マックス・ド・モレー/エド・ブリムリー(切り裂きジャック)/シャーマン将軍(デリック)/Mr.デビ・ライオン/エブラハム(悪魔アーリアン:ダハーカ竜)

ソウルイーター勢やハンター勢は迷いましたが、パワーバランスを考えると一度抜かした方がいいのでは?……と思ったので。しかし名簿の大幅な改善は、既に投下したssに記載されている台詞に矛盾が生じてしまうと考え、悩んでおります。

86 ◆DeIsaj04bU:2013/07/09(火) 22:31:28 ID:mk7upac.0
 とりあえず、上記の名簿で進めたいと思います。……少し地図の変更を。

87 ◆DeIsaj04bU:2013/07/09(火) 22:40:30 ID:vA7Ml4LU0
【ポスタル】
ポスタル・デュード

【IT】
ペニーワイズ

【ワンピース】
シーザー・クラウン

【ゾンビ屋れい子】
姫園れい子/姫園リルカ/キム・イーヒン/安藤純子/チーホイ/ジャスミン・メンドゥーサ/Dr.零/ヒデュン/ローゼン・キルミスター/野呂田/猫神理沙/雪女/スター・コレクター/東堂雄貴/零本志呂子 /谷川出人/サリー・バーンズ/ダミリー/ブラッド/スティーヴォ/岩田豪人

【タカマガハラ】
織羽勝太/同素仁

【血まみれスケバンチェーンソー】
鋸村ギーコ/ナグルシファー/碧井ネロ/金張財子/ネメシス/斉藤ぱら(ストライカー)/エレクトリック・レッド/爆谷さゆり/鉈叉(ナターシャ)/里眼(リーガン)/麻朱(マッシュ)/喰院(クイーン)

【サタニスター】
○サタニスター/沢本いずみ/バルキリー /蟲飼童玄 /ホールガール /ハンス・シュヴァルツマン /ブラックロリータ /ディオルペ /ヒットマン・バリー/力丸亜砂美 /エイモス

【ミキストリ】
江島陽介/ダニー・エルフマン/マックス・ド・モレー/エド・ブリムリー(切り裂きジャック)/シャーマン将軍(デリック)/Mr.デビ・ライオン/エブラハム(悪魔アーリアン:ダハーカ竜)



書き手枠plus5名

【進行役】
ハーピュア@ミキストリ
【主催者】
?????
 
このメンバーならパワーバランスも大丈夫……かな?まあ、最低この参加者なら纏まっている……と思います。話の修正版投下などを後々から行い、そのまま話の投下を続けます。
あと、織羽勝太と姫園れい子の予約はそのままで再度予約します。……すこし遅くなりそうですが。

88 ◆DeIsaj04bU:2013/07/09(火) 23:19:57 ID:7vlw0bZ20
 あ、あと劇場版のワンピースも残しておきます。ムッシュールとワポルで……なんか訳がわからなくなってきた……

89 ◆DeIsaj04bU:2013/07/10(水) 14:50:41 ID:wVyBlGDc0
【MONSTER】【HELLSING】
【ベルセルク】【ミスミソウ】
を抜かせていただきます。ソウルイーター勢とワンピース勢、ハンター勢はそのままで。

90 ◆DeIsaj04bU:2013/07/10(水) 22:45:32 ID:RgvpqLeU0
「ボクのこといじめるつもりですか?」
 さて、殺し合いという異常事態に巻き込まれたさいに、突然そう言われたらどんな反応をするべきだろうか?
 B-5、市街地にて二人の参加者が顔を合わせている。この二人は《飛ばされた》際に、偶然にも比較的近い場所におり、そんな二人が出会うことは高い確率でありえた。
 二人の内の一人、目に全く覇気のこもっていない、暗い瞳をした大人しそうな少年が唐突に呟く。
 少年に話しかけようとした参加者、金髪に染めてカールをかけた髪の毛をツーテールにくくり、メイクはライン、シャドウ、睫毛とアイ中心に濃い目。 欧米人並のスタイルの体を包む改造こそしていないが、丈がギリギリまで上げられたスカートのセーラー服を着ている少女が、少年の突然の呟きに怪訝そうな顔をする。
 彼女ーーーー姫園れい子は、どうやってか拉致され、この馬鹿げた殺し合いに参加させられた事に対して憤りを感じていた。青い顔のまるっきり鳥にしか見えない男の話では、この場にいるのはろくでもない人間ばかりらしい。その話が本当なら、そんな連中と一緒にされ、かなり侵害だとも思う。れい子は今の所殺し合いにわざわざ乗る必要は無いと考えている。
 腑に落ちないことーーー過去に倒してきた《ゾンビ使い》達が何故か参加させられていることも謎だ。見かけた顔には確実に死んだ筈の面々もいた。彼女は突然の事態でまだ状況を詳しくは調べられなかったが、支給されている名簿をれい子が確認したらさぞ驚くだろう。
 れい子はゾンビ屋と呼ばれる、先祖代々から伝わっている特殊な職業ーーーー死者を呪文で蘇らせ、真実を聞き出すことを生業とするゾンビ屋を仕事としている。その職業上か、はたまたれい子の正義感が強いからか、結構な修羅場を生き抜いてきた猛者だ。れい子は死者を呪いとともに蘇らせる能力の他にある《もう一つの才能》を使いこなし、死線を潜り抜けてきた。
「……?いきなりなにいってんの?あんた。」
デイバックなどを調べる前に早速出会った少年の言葉がよくわからず、問いかけるれい子。
「またまたーそんなこと言ってー」
少年はれい子の言葉に、無表情のまま返事をかえす。
「ボクのこといじめるつもりなんでしょ?」
 そこで少年は言葉を詰まらせ、打って変わって憤怒の表情を浮かべる。その劇的な表情の変化に驚くれい子。
「だってあんたオラオラ系だし!昔で言うスケバンだし!!」
 怒鳴りつけるように叫ぶ少年。
「オ……オラオラ系?スケバン?あたしが?」
侵害だ……れい子は素直にそう思った。確かに外見的にはスケバン……不良にも見えなくはない外見はしているが、煙草もすっていないし真面目に授業に通う優等生と言えるれい子は、地味に少年の言葉に苛立ちを感じる。そもそもオラオラ系ってなんだ?
「ボクはお前みたいな連中にいじめられてきたんだ!ボクはお前みたいな連中が大っ嫌いなんだ!」
 不快感を感じたれい子にかまうことなく、恨み辛みを叫ぶ少年。
《キチキチキチキチキチキチ》
ふと、少年の体から何やら不気味な金属音がなりだす。
「……なに?この音。」
れい子もその奇妙な旋律の音に気づく。
そんなれい子を見つめながら、気味の悪い薄笑いを浮かべながら、しかし目には強い怒りを込めた表情を浮かべる少年。
「さぁ……オラオラ狩りのはじまりだ。」
れい子はそこで、少年の異変に気づく。
《キチキチキチキチ》
奇怪な音……強いて言うなら『カッターの刃を出すような音』をかき鳴らす少年の両手から、巨大なカッターそのままの刃が飛び出している。
「(な……なに?)」
れい子がそれを確認した瞬間。
「シャアアアアアアアア!!!」
少年が手のひらから飛び出している刃を振りかぶり、れい子にとびかかる。

91 ◆DeIsaj04bU:2013/07/10(水) 22:46:32 ID:RgvpqLeU0
 しかし、その動きは素人同然。
 「百合川ぁああ!!」
数々の修羅場や死線を越えてきたれい子の方が、対応が早かった。
 れい子を刃で切りつけようと飛びかかる少年の前に突然現れた人影。
 
 ドゴッ!!

鈍い音が道路に響く。
「ぶぎゃ!!」
突然の乱入者の放った強烈な拳が少年の顔に炸裂し、間の抜けた悲鳴を上げ吹き飛ぶ少年。
 れい子、及び体に星をもつゾンビ使いのみが行える地獄から亡者を召喚し、使役する力により呼び出された地獄から召喚されたゾンビ。白いポロシャツにグレーのネクタイ、ショートパンツに身を包んだどこかあどけなさの残る女、名を百合川みどりという。みどりは今し方殴りとばし、壊れた人形のように四肢を振り回し吹っ飛んだ少年を睨みつける。
 つい最近までは、このみどりの姉であり、白池町の連続少女殺人犯である百合川サキがれい子の召喚ゾンビだった。しかしこの殺し合いに呼ばれる直前に戦ったゾンビ使い、安藤純子の操るゾンビ《死体愛好猫》の体毛ショットガンによりサキは完全に破壊され、かわりにれい子とちょっとした関わりのあった人物である百合川みどりが召喚可能になったのだ。
 ナイフを自由自在に扱い、斬撃攻撃を得意とする姉のサキとは違い、事故によりおきた運動神経の異常発達により成人男性を片手で吹き飛ばせる筋力を得たみどりは、対照的に打撃攻撃を得意とする。

ーーーーが、しかし。

 ザバァ!!

少年を殴りつけたみどりの右手が肘から先がズタズタに裂け、大量の血液が噴出する。
「百合川!?」
突然のみどりの負傷に戸惑いの声を上げるれい子。みどりは心なしか痛そうな顔でズタズタに裂けた右手を舌で舐める。
「フ……ハハ……ヒヒヒ……」
みどりの右ストレートを顔面に受け、大の字に倒れていた少年が不気味な笑い声をあげる。
《キチ……キチキチキチキチ》
少年は背中からカッターをだし、手を広げたまま押し上がるように立ち上がる。
 れい子、及び百合川みどりは警戒を怠らないように少年を見つめる。
 垂直になった少年は、右ストレートが当たった左頬をさする。しかしその頬には目立った傷はない。下手すれば成人男性の頭蓋骨が砕けるほどの威力の拳を受け、なお無傷な少年。
「(なにか種があるんだろうけど……不気味だわ。)」
れい子は少年に対して更に警戒を強める。みどりもそれに呼応するように拳を構える。
首を2〜3回揺らし、自分を殴ったみどりを静かに見つめる少年。
「ぼくのこといじめるつもりですか?」
上目遣いに唇をすぼめ、れい子に問いかけた言葉を再度言う少年。
 みどりは心なしか怪訝そうな表情を浮かべる。もし彼女が喋れるのなら、間違いなく疑問の声を上げるだろう。……一応今回みどりは少年に手をだしているが、それは正当防衛ということになるだろう。
 みどりの表情から何かを感じたのか、それとも独り言か、少年は話を続ける。
「だってあなたそこのスケバンの仲間でしょ?スケ友でしょ?」
この言葉にれい子は更に不機嫌に、みどりはますます困惑の表情を浮かべるが、少年は一向に気にしない。
「じゃああんたもオラオラだし!!昔で言うスケ番長だし!!」

92 ◆DeIsaj04bU:2013/07/10(水) 22:48:02 ID:RgvpqLeU0
「……あたしは別にスケバンじゃないわよ……そもそもオラオラ系ってなに?」
 れい子は完全に可哀想な人を見る目で少年を見つめながら弁解する。
「え?そうなんですか?」
れい子の言葉に少年は目を丸くする。
「なんだ!ボクの勘違いか!よかった!」
左手をおでこにあて、恥ずかしそうに苦笑する少年。先程の剣幕が嘘のような変化、しかし、その姿は全身から芝居臭さがでている。
「すいませんでした!ボクは織羽勝太といいます!よろしく!」
先程の不気味な表情はなりを潜め、顔中にフレンドリーな笑顔を浮かべ、正面に立っているみどりに手を差し出しながら近づいてくる。
「………………。」
差し出される手を黙って見つめるみどり。れい子も冷めた目で少年ーー勝太を見る。
《キチ》
勝太の右手から独特の音が鳴る。

 ズバッ!!

空を切る鋭い衝撃音が鳴り響き、振り抜かれた巨大なカッター。みどりはそれを超人的な身体能力で避ける。
れい子は勝太との話し合いは無理と判断した。
「あんた……謝ってももう遅いわよ!百合川!」
れい子の叫びに呼応するように、両手をファイティングポーズに構える。
「…………ハッ。」
口を歪ませ、馬鹿にしたように笑う勝太。
みどり、その背後にいるれい子、そして織羽勝太、しばしこの三者に沈黙が訪れる。
「しゃあっ!」
その沈黙を先に破ったのは勝太だった。奇声を発しながら手のひらからだしたカッターを振りかぶり、正面のみどりに振り下ろす。
 みどりはバックステップでカッターを避けるが、勝太は更に追撃する。
「しゃあっ!しゃあっ!しゃあっ!」
ブン!ブン!ブン!ブン!
連続で繰り出される斬撃により、空気を切る音が響く。しかしその刃がみどりにあたることはなく、全て巧みなフットワークで避けられる。
そのみどりの背後で勝太を観察するれい子。
「(あいつ……見たこと無い刃物を持ってるだけで動きは完全に素人だわ。)」
れい子は経験から、動き全体に無駄が多い勝太を素人と判断した。
みどりは勝太の動きの隙を突き、すり抜けるように勝太の背後に移動する。
「(死角だらけだわ!いける!)」
右手が損傷したからか、左手で勝太を殴りつけようと拳を構えるみどり。
 その危機に、勝太は笑みを浮かべる。

 ドシ!!

次の瞬間、勝太の背後から何本ものカッターが飛び出し、背後のみどりに襲いかかる。
「百合川!?刃が…………!」
運良く串刺しは免れたみどり、しかし無傷という訳には行かない。体の所々にできた切り傷から血が溢れる。
《キチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチ》
勝太は全身の至る所から長さもめちゃくちゃにカッターをだし、薄笑いを浮かべる。
「よくぞよくもかわしたなー、天から授けられたこの『力』をーー」

93 ◆DeIsaj04bU:2013/07/10(水) 22:48:59 ID:RgvpqLeU0
「なんなのよあんたは……!!本当に人間!?」
全身余すところ無く刃をだし、気味の悪い満面の笑みを浮かべる勝太に思わず問いかけるれい子。
勝太はれい子の言葉に面白そうに笑みを浮かべながら話す。
「どうしてボクが体より長い刃を出せるのか気になるだろ?……知りたい?ねえ知りたい?」
勝太は自分の体から出る刃を愛おしそうに眺め、言葉を続ける。
「ボクは体の中に無数の刃を折り重ねて持っていて、それを連結させて体長より長大な刃を体の外に作り出すことができるのさ。」
 そのショッキングな種明かしにれい子は驚く。体内に刃を折り重ねて持っているなんて、そんな事が可能なのか?……そう疑問を抱いたれい子はある意味もっともだ。
ゾンビであるみどりも珍獣を見る目つきで勝太を見つめる。全身が血で濡れているので凄く怖い。
「とりあえず呼び名が欲しかったから『無隷奴』と名付けた!カッコいいだろ!」
《キチキチ》
右手からカッターをだし、見せびらかすように揺らす勝太。
 「そうか……だからあなたを殴ったみどりの拳が切れたのね。」
 なぜみどりの拳が切れたのか、合点がいったれい子。しかし状況はよくなってはいない。
「(あれじゃどこから仕掛けていいのかわからないわね……下手したら刃のカウンターを受ける。)」
 全身至る所から刃を瞬時に出せる勝太の『無隷奴』ある意味打撃攻撃が得意なみどりとは相性が悪いと言える。下手に接近戦を挑んだら刃でズタズタにされ、かといってみどりには遠距離の攻撃方法は無い。正に万事休す。そう考えるれい子を後目に、話を続ける勝太。
「おっと!それよりも先にどうしてこんな力を持ってるのか知りたかったよね!」
自分の力の事を自慢するのが楽しくて仕方ないのか、笑みを浮かべ続けて喋る。
「あれはつい先日のことですよ。君たちみたいなヤンキーの人にからまれたとき……自分の身を護ろうとしたボクの全身から突然この刃が飛び出したのさ!……ちなみにヤンキーの人は意識不明の重体です。」
《キチキチキチキチキチキチ》
刃を出すときの独特の音をならし、天を仰ぎながら今日一番の満面の笑みを浮かべる勝太。その瞳は暗く濁っている。
「ボクはもうなんていうか……オレはもうなんていうか……この力でオレの精神をズタボロに切り刻んでくれたやつらを!身も心もズタボロに切り刻んでやりたくてしようがないッ!!」
 その姿を見つめるれい子は、此処にくる直前に戦ったゾンビ使い、安藤純子の顔と目の前の織羽勝太の顔が被って見えた。安藤純子もまた、自身のゾンビで自分を虐めていたクラスメートや見て見ぬ振りをしていた教師を殺害、廃校と化した学校かられい子のクラスに転校してきた人間だった。つまるところ、純子と勝太は同じタイプの人間だとれい子は思う。
 ある日突然手に入れた力を振り回し、威張っている子供。
「(……速度は百合川の方が上、あいつの死角をつけば……)」
 れい子のそんな考えを見抜いたのか、再度馬鹿にしたような表情を浮かべる勝太。
「フン……どうせ死角をつけばとか考えてるんだろ?そうやってオレのこといじめようと考えてるんだろ?」
《キチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチキチ》

94 ◆DeIsaj04bU:2013/07/10(水) 22:49:59 ID:RgvpqLeU0
 腕を組み、顔をうずめ身を小さくする勝太。その全身からはたえず気味の悪い音が鳴る。
 「しゃあっ!」
かけ声とともに放出される数え切れないほどの刃。その数は今まで出していた刃とは比べものにならず、勝太の全身が見えないほどの密度……それはもはや何者をも触れさせぬ刃の鎧!!
「……!!!」
その刃の有り得ない数に驚くれい子。みどりも驚いた表情を浮かべる。
「どうだ!!体の中にあるすべての刃を噴出させた!これでどこからもオレを攻撃することはできないだろ!!」
 自信満々なにやけ顔で叫ぶ勝太。もはや自分の勝利を確信しているようだ。
「……すべての刃を噴出させたのよね?織羽勝太……。」
 れい子は静かに顔を俯けながら問いかける。
「…………はあ?」
相変わらず顔は笑っているが、れい子の質問の意味がわからず混乱する勝太。
「もうあんたの弱点はわかってるわ……百合川!!」
 意味深な事を喋り、叫ぶれい子。それに応じるように、みどりが拳を振る。

 ブン!!

勝太はそれを余裕の表情で見ていたがーーーー

 《パキ》
一つの短い金属音でその顔も凍り付く。
 みどりの拳が狙ったのは、勝太ではなく、勝太から噴出されている刃の一つ。拳のあたった刃は、短く音を立てて《折れる》。
 拳の一撃で折れ、吹き飛んだ刃を呆然と見つめる勝太。
 ーーーー織羽勝太は、体内の至る所に刃を折り重ねて持っている。攻撃の際などはこの刃を連結させて、体の至る所から噴出、神出鬼没な攻撃を可能としている。
 しかし、体内に収めるという性質上、勝太の刃には致命的な欠点がある。
 まず、刃自体は人体を容易く切り裂くほど鋭い。普段は折り重ねているこの刃は、まるでカッターナイフのように溝がある。
 言ってしまえば、勝太の刃は《切れ味は良いが、凄まじく脆い刃》なのだ。
 れい子は勝太自身が能力を見せびらかしていたため、その溝の存在に気がついたのだ。
ーーーーそして、刃自体の強度が脆いことも直感した。
 みどりは目で追いきれないほどの猛烈な拳の嵐を刃に浴びせる。
《パキ!パキ!パキ!パキ!パキ!パキ!パキ!パキ!》
 それとともに凄まじい勢いで折れ飛ばされる刃。勝太はようやく焦りの表情を浮かべるが、すべてが遅すぎた。
「!!!」
そして気がつくーー正面を守っていた刃がすべて無くなってしまった事に。
 がら空きになった胴体にねらいを定め、左手を構える。
「あ!ま!待ってください!ボクはもう人をいじめたりしませんから!」
 必死の表情で叫ぶ勝太。
れい子は静かに勝太を見つめる。
「織羽勝太、あなたの失敗は自分の力に自惚れていたことと……」
 みどりの強烈な左ストレートが勝太の鳩尾に直撃する。
「ーーーー!!!!!」
今度は身を守ってくれる体内の刃も無く、直接体に衝撃が響く。
「人を見かけで判断したことこそが敗因よ。」
 
 体が衝撃を受け止めきれず、勝太の体が派手に吹き飛ぶ。

 ドッガァアァァァ!!
背後の建物に勢いよく突っ込む勝太。

95 ◆DeIsaj04bU:2013/07/10(水) 22:51:44 ID:RgvpqLeU0
 衝撃で多少崩れ落ちる建物から煙があがる。その中から勝太が立ち上がってくる気配は無い。
 「やったわね、百合川。」
みどりに労いの言葉をかけるれい子。みどりは静かに、しかし誇らしげともとれる表情でれい子を見つめる。
 れい子は満身創痍とも言えるみどりの傷を確認するが、深手にはなっていない。ゾンビであるみどりにはこの程度の傷は大丈夫だろう。しかし右手は少しばかり酷く切れている。当分みどりの右手を動かすのは避けた方がいいかもしれない。
「ありがとうみどり、しばらく休んでいて。」
れい子はみどりの召喚解除を行う。みどりは地面に吸い込まれるようにして地獄に帰っていった。
 れい子は道路の隅の方に置かれていた自身のデイバックを取り、その場を離れていった。
 もしも勝太が生きていて、起きあがってきて再度襲われると面倒この上ない。
 その場に残ったのは、道路中に放り出されている山のような量のカッターのような刃の破片と、派手に勝太がぶっ飛んで穴があいた建物だけだった。

【B-5/深夜】 
【姫園れい子@ゾンビ屋れい子】
[状態]:健康体
[装備]:無し
[道具]:基本支給品一覧 ランダム支給品3個
【基本方針】   
1知り合いとの合流
2殺し合いには乗らない。
3「此処には死んだはずの人間もきているのかしら?」
【備考】
7巻で安藤純子と戦い勝利したすぐ後からの参戦。
キム・イーヒンを知りません。
安藤純子の知識はあります。
B-5市街地のどこかに大量のカッターのような刃の破片が落ちています。建物の損傷あり。
召喚ゾンビ『百合川みどり』は万全の状態で召喚可能。
百合川みどりの右手が損傷。全身に切り傷あり。
織羽勝太のデイバックは放置されています。 
【キャラ詳細】
17歳。好物はラムレーズンのアイスクリーム。高校2年生。連載開始当初は白池学園高等部に通っていたが、途中から聖(セント)黒須学園高校へ転校。話が進むにつれて赤毛だった髪が 金髪となり、2つに結んでないシーン が増える。同時に高校生とは思えない風貌、巨乳の体型となる。 声が届く範囲にいる死体をゾンビとして蘇らせる力がある(携帯電話、レコーダーからの声でも可能)。この力を使って姫園家の家業「ゾンビ屋」としても働いている。報酬は現金でしか受け取らない。 幼少時に実の姉であるリルカから いじめ(虐待)を受けながら育った過去を持つ。なお、両親はリルカに殺されている。 召喚できるゾンビは刃物使いの百合川 サキ(単行本2〜7巻、10〜11巻)、打撃攻撃が得意な百合川みどり(単行本 7〜11巻)。百合川姉妹は非常に仲が悪いので同時に召喚することはできない(このロワでは百合川サキは召喚不可能です)
 
「フ……ふ……ヒハ……フフ……。」
 姫園れい子が立ち去った後、瓦礫の中から這いだしてきた人影。
 不気味な笑い声をあげながらゆらりゆらりと埃まみれで立ち尽くす織羽勝太《だった者》
 その目は完全に光を失い、その心臓の鼓動は止まっている。

 そう、死んでいる。

しかし、勝太は動いていた。
勝太の世界の人間は例外なくすべての人間が、勝太の《無隷奴》のような不思議な能力、『神業』を有している。しかし、その神業に目覚めた者は、その力を使いこなせなければ心臓の鼓動が止まり、欲望のみで動く亡者、『黄泉』となる。
 今此処にも、黄泉に落ちた者が一人生まれた。
 『切り刻んで……切り刻んで……切り刻んでやる。』
 《キチキチキチキチ》
残った刃を使い、手のひらから噴出する。
 
『オラオラ狩りの再会だぁぁああぁぁぁぁ!!』
 欲望の果てに動く死人の斬り裂き魔の誕生である。
【B-5/深夜】
【織羽勝太@タカマガハラ】
[状態]:心拍停止 黄泉化 死亡
[装備]:無し
[道具]:無し
【基本方針】
1 『オラオラ狩りの再会だぁぁああぁぁぁぁ!!』
2黄泉化したため、見境無く人を襲います。
【備考】
原作でのオラオラ狩りの最中からの参戦
体内の刃が減っています。
業に喰われ、黄泉に落ちました。
【キャラ詳細】
虐めを受けており、不良というものを 憎んでいる。帰宅途中に不良に絡まれ た際に神業に目覚め、その力で全ての 不良を倒すことを誓った。 ヤマトの家に向かう途中の鱶田らを急襲して全滅に追い込み、駆けつけたヤマトと戦闘。神業を発動させたヤマトに殴り飛ばされて自らの刃でマンションの壁に縫い付けられ、敗れる。敗北して尚攻撃の手を緩めなかったが、キクチによって文字化された。神業の名は無隷奴(ブレイド)。体内に無数のカッターの刃を仕込み、あらゆる方向に繰り出して攻撃する。無数に折りたたまれたものを組み合わせて放出するため、リーチも自由自在であ る。神業名は自分で名付けた。

96 ◆DeIsaj04bU:2013/07/10(水) 22:54:49 ID:RgvpqLeU0
 投下完了。タイトルは
「オラオラ系」
です。

97 ◆DeIsaj04bU:2013/07/10(水) 23:04:44 ID:SwxrGNBk0
 書くのに少しばかり時間がかかってしまった。

98 ◆DeIsaj04bU:2013/07/11(木) 11:55:07 ID:4mm3o6QA0
 もう少し台詞の間に心理描写などを書いた方がいいですかね?……感想があれば凄い嬉しいですが……。

99 ◆DeIsaj04bU:2013/07/11(木) 21:03:33 ID:KhXMp0So0
 まじでなんの感想もつかないとへこむ……そんな下手かな。

100 ◆BA8qOhLHAk:2013/07/12(金) 02:57:20 ID:WGvIKiIQ0
確かに・・・見ている人はいるのでしょうけど・・・
すいません。私の場合は知らないキャラが多くて、あまりコメントが思いつきません。

101 ◆BA8qOhLHAk:2013/07/12(金) 14:42:39 ID:WGvIKiIQ0
オラオラ系・・・喧嘩っ早い性格の人間という意味なら確かに苦手ですよね。
なにが楽しくて、自分より弱そうな奴見つけて喧嘩売ろうとするのか?あの連中は終始意味不明です。
おまけにいつも不機嫌そうな顔してるし、近寄りたくない。

れい子VS織羽のバトルシーンはかなり上出来だと思います。
・・・私が百合川みどりと織羽勝太のキャラをあまり知らないことが非常に残念ですが、

102 ◆BA8qOhLHAk:2013/07/12(金) 14:52:27 ID:WGvIKiIQ0
うーん・・・単純に二次聖杯ロワに皆の関心がいっているというのもあるかもしれませんが、
名無しさんからの感想を求めるなら、昔の人気キャラより、今の人気キャラを多く入れた方がよかったかもしれませんね。

自分が把握しやすく、書きやすいキャラをロワに出すのは決して間違ってはいないのですが・・・

103 ◆DeIsaj04bU:2013/07/12(金) 18:45:47 ID:e4iD6B8g0
 ◆BA8qOhLHAk さん、感想ありがとうございます。オラオラ系の事には本当に同感です。周りの迷惑をかえりみず威張る人間は本当に多いです。
 今回のロワはマイナー作品が多いですが、書いてみたかった作品を集めたんですよ。ミキストリやゾンビ屋は満々大昔の漫画で少し不安でしたが……まあ、例え書き手さんが現れなくても、自然と書きたいと思える作品を目指して頑張ります。
 そんな訳で、
エド・ブリムリーと夜神月を予約します。

104 ◆DeIsaj04bU:2013/07/12(金) 21:20:35 ID:Yqtvwm.Q0
 因みに、
【織羽勝太=折る刃カッター、またはオルファカッター】のことらしいですよ。

105名無しさん:2013/07/12(金) 21:27:31 ID:WGvIKiIQ0
ああ、なるほどwww
名前が能力の由来になっていたのか、カッターと勝太・・似てますね。

106 ◆YurM9WANR.:2013/07/12(金) 21:29:35 ID:WGvIKiIQ0
↑すいません。名前のとこが空欄になってました。

107 ◆YurM9WANR.:2013/07/12(金) 21:33:06 ID:WGvIKiIQ0
あれ?おかしいな・・・
すいません。
シャープのあと適当なアルファベット書いてたので、◆BA8qOhLHAkという名前で表示される方法が・・・
名無しで他ロワにコメしようとしてみたからかな、

108 ◆ZXYz.YBrZc:2013/07/12(金) 21:36:29 ID:WGvIKiIQ0
IDが同じID:WGvIKiIQ0であることから見て取れる通り本人なのですが、
名前の部分のシャープの後に何書いてたか、思い出せずに名前が変わることになってしまいました。

109 ◆DeIsaj04bU:2013/07/12(金) 21:59:53 ID:MSVGHlA.0
 それはドンマイです。……うーん。思い出せないようなら……いまのトリップで本人確認しますか?

110 ◆DeIsaj04bU:2013/07/12(金) 22:21:40 ID:RMxJJOzo0
【DEATH NOTE】
【IT】
【Fate/Zero】
【ポスタル】
【ジョジョの奇妙な冒険】
【ソウルイーター】
【ONEPIECE】
【ONE PIECE THE MOVIE エピソード オブチョッ パー+ 冬に咲く、奇跡の桜 】 【HUNTER×HUNTER】
【ゾンビ屋れい子】
【タカマガハラ】
【血まみれスケバンチェーンソー】
【サタニスター】
【ミキストリ】

現在ロワ参加者作品リスト。

111 ◆ZXYz.YBrZc:2013/07/12(金) 23:24:14 ID:WGvIKiIQ0
そうします。
ではこれからは◆ZXYz.YBrZcさんという名前でよろしくお願いします。

112 ◆DeIsaj04bU:2013/07/13(土) 19:59:57 ID:l4.X5FzY0
 ちょっと訪ねたいのですが、直近で聞くのは何だと思うのですが、俺ロワなどに書き手になってくれる人を募るには、基本的にどうすればいいんでしょう?ロワの宣伝とかをしたらいいと思うのですか、そもそも俺ロワなどはどこで宣伝するのですか?そこの所がわかりません。
 それと、参加作品ジョジョを抜かして、【サイレントヒル】の三角頭を入れようと考えています。

113 ◆ZXYz.YBrZc:2013/07/13(土) 21:05:14 ID:xSeo00Qs0
新パロロワテスト版でしょうね・・・おそらく、
あそこで書き手募集と同時に参加作品と参加キャラの募集があっているのを見たことあります。

114 ◆DeIsaj04bU:2013/07/13(土) 22:44:09 ID:5CBtMCKc0
 ありがとうございます。

115名無しさん:2013/07/14(日) 17:42:55 ID:jpxkZ1lw0
テスト板は宣伝する場所じゃないですよ……
新しくこんなロワの企画考えたんだけどどう? って雑談スレで言ってみて、食いつきが良ければスレ立てして話し合い、という使い方が主じゃないでしょうか

そしてこのロワは十分注目を浴びてるので、新規書き手が来ないのは知名度の問題では無いと思います

116 ◆DeIsaj04bU:2013/07/14(日) 17:48:08 ID:fpMy8P8c0
〉〉115十分注目を浴びてるとは?具体的にどんな感じで。

117名無しさん:2013/07/15(月) 18:18:19 ID:Ro/Ilypw0
言ってしまえば「またあの人か・・・」って意味で注目されているのではないでしょうか。
トリップ変えて新ロワ立てても、正直文体やキャラの特徴などで貴方だとわかるので、
テスト板の方で言及されてる通り、信頼を取り戻すようにした方がいいと思います。
ロワ界隈がどういう空気なのか未だにわからないのであれば、素直に聞くようにしてください。

118 ◆DeIsaj04bU:2013/07/17(水) 17:36:58 ID:8u.5oC/s0
〉〉117
 わかりました。わからない事があればしっかりと質問させていただきます。
 ……これから私はどうすれば良いのでしょうか。
 ロワ界隈の様子を知るにはどうすればよいのでしょう?
 ssの改行はどうすれば良いのでしょうか?

 そして予約を延長します。

119 ◆txTScyTTDo:2013/07/17(水) 19:52:45 ID:3v7JaaD.0
名前変わってしまいましたが、元◆ZXYz.YBrZcです。

まずは二人で協力してモンスターズロワから終わらせてみるのはいかがですか?
あれは新しい書き手さんや名無しさんからの感想も僅かながら入っていたことがありますし!

120 ◆txTScyTTDo:2013/07/17(水) 20:10:08 ID:3v7JaaD.0
たぶん書き手さんが出てこなくなったなった原因に
◆DeIsaj04bU さんの投下回数が少ないことが挙げられてしまうと思うので、

あまり言いたくなかったのですが、私にばかりやらせていることが新しい書き手さんからの印象を悪くしてしまったのだと
今気付きました。私は書いていて楽しいので文句は無いのですが、できれば◆DeIsaj04bUさんも一緒に書いてくれるとありがたいです。

121 ◆txTScyTTDo:2013/07/17(水) 20:13:24 ID:3v7JaaD.0
↑ミス なったは一回でいい。

感想は人それぞれ気まぐれなのであまり期待しなくてよろしいかと、
私も読む側だった時はあまり感想を投下した記憶が無いので。

122 ◆txTScyTTDo:2013/07/17(水) 20:22:25 ID:3v7JaaD.0
あと"罪と罰〜断罪のバトルロワイアル" のスレッドは管理人さんに言って削除してもらうことをオススメします。
モンスターズロワと合わせて二つのロワを持ち続けているのは他のスレ主からあまり良い感情を持たれないと思うので。

123 ◆DeIsaj04bU:2013/07/17(水) 21:05:21 ID:f7ACOfSk0
ぜ……全否定された……このロワ……◆txTScyTTDo さん……すいませんでした。
 私が色々騒動を起こしている内に……すいません。
 確かに、私の炉ワではVSロワが◆txTScyTTDoさんのお陰で凄く進んでいますし………………わかりました。
 一度人間ロワを書き上げていく方針でいきます。
 ……削除は…………まってください。

124 ◆txTScyTTDo:2013/07/18(木) 01:14:25 ID:G4Wq2kLI0
了解です。
私は8/5に全試験終わるので、そこらへんから活発に投下できると思います。

125 ◆DeIsaj04bU:2013/07/22(月) 18:03:04 ID:wWlRSpCA0
 誰かゾンビ屋れい子で俺ロワ立てないかなぁ……。

126 ◆txTScyTTDo:2013/07/30(火) 16:50:17 ID:P7kED2CI0
私は誰か屍姫で俺ロワ立てて欲しいなと思ってます。

128名無しさん:2013/10/26(土) 19:29:12 ID:ioSOsN4g0
誰も見てないね、このロワ。

129 ◆DeIsaj04bU:2013/11/01(金) 19:26:19 ID:mnyNgYc20
突然ですが、この断罪ロワの現投下作品のやり直しを行い、参加者名簿の大幅な整理、そしてOPの変更を行う大規模な変革を行います。
それと共にこのロワの名称を別の名に変えようと思います。
現在投下が長く滞り、『完結させる』事を視野に入れての変更ですのでご了承ください。

130 ◇txTScyTTDo:2013/11/02(土) 16:56:20 ID:F8HoarF20
お久しぶりです。◆DeIsaj04bUさん。
ところでやっぱりモンスターロワは打ち切りですかね?

131 ◆2kUAX.XFv.:2013/11/02(土) 16:57:05 ID:F8HoarF20
あっ、間違えた

132 ◆2kUAX.XFv.:2013/11/02(土) 16:58:40 ID:F8HoarF20
えーと・・・また名前とIDが変わってしまいましたので、以後元txTScyTTDoとしてよろしくお願いします。

133 ◆2kUAX.XFv.:2013/11/02(土) 17:08:32 ID:F8HoarF20
よし、青文字になった。

134管理人★:2013/11/09(土) 10:40:04 ID:???0
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あしからずご了承くださいませ。

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