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チルノ「黒い妖怪?」
-
チルノ「そんな奴いるの?」
大妖精「うん・・・最近妖精たちの間で噂になってるんだけど・・
夜中になると、怖いうめき声を上げながら森の中をさまよっているんだって。」
チルノ「「ふぐり!」とか「げいばあああああああ!!」とか「いいめしてんね
大妖精「チルノちゃん、ソレは汚い森の妖精でしょ。」
"
"
-
チルノ「あっはっは!!流石大ちゃんは察しがいい!」
大妖精「ソレは別だから・・・と、話の続きだけど、姿を見た妖精が軒並み帰って
きてないんだよ・・まあ、これも噂だけど・・」
チルノ「妖精が攫われてるってことなの?」
大妖精「うーん、確証はないんだけど・・実際妖精の数が減ってきているように感じるよね。」
-
チルノ「ふーん・・何か面白そうだね、その話。」
大妖精「(あ、ヤバイ・・・チルノちゃんが興味を持ち始めた・・)」
チルノ「その妖怪、アタイ達で退治してやろ!!」
大妖精「えー・・・・・・・・・・・」
チルノ「あ、大ちゃん露骨に嫌そうな顔してるー!!」
-
大妖精「だって、この前だって無謀にも似たような理由で大ガマ様に勝負挑んで、
お腹の中にすっぽり収まっちゃってたのを祟神様(諏訪子)に助けてもらった
ばかりじゃない。」
チルノ「あ、アレは油断してたの!あんなに氷に強いとは思わなかったもん!」
大妖精「ケンカ売る相手を盛大に間違えすぎだよー。チルノちゃんは。
それに今回なんて相手が見たこともない妖怪なんだし、
ぶっちゃけ今度変に捕まったり、食べられたりしても
私助けられる自身ないよー。」
-
チルノ「大丈夫、三度目の正直!!っていう言葉があるし、
旧鼠猫を噛む、っていう言葉もあるじゃん!!
どんなに不利でもマウントくらいは取ってやれるよ!!
それにいざとなったら大ちゃんを楯に逃げることも辞さない!
君子危うきに近寄らず、だよ。」
大妖精「(覚えたてのことわざ使いたい感満々。
更にこのバカ、今私を盾にするって言ったのか?
一緒に遊んでる相手に対して、尚且つ私は一言も一緒に行くとは
言ってないのに、流石頭の中まで純粋に透き通ってる氷精様は格が違うわ。
オツムは今火星あたりの灼熱で溶けてんだろ。コイツ。)」
チルノ「ほらほら、準備して早くー!!その黒々妖怪倒しにいくよー!」
"
"
-
大妖精「(時間の概念もないってか?夜中つっただろ・・?
また一から私説明せにゃならんのか・・?あーもう勘弁してくれや。)
あのね、チルノちゃん。今は昼だから、多分その黒々妖怪はいないと
思うよ。」
チルノ「何言ってんの!暫く出現域の森で遊んでからその妖怪探すんだよ!
あたま悪いなー大ちゃんは!!あっはっはっは!!」
-
大妖精「(巫女にこの前の賽銭箱の中身盗んだのチルノちゃんだって嘘つこうかなー。
そうすりゃ娑婆の礼儀弁えるじゃねえかなこのアマ。)
んもう、チルノちゃん、最初から教えてよー意地悪なんだからぁ。」
チルノ「よーし、それじゃ出発!」
大妖精「(無視か、オラ) しゅ、しゅっパーツ!!」
-
妖怪の森・・・・・・・昼
大妖精「ついたね。」
チルノ「うん、ついたね。」
チルノ「よーし、それじゃ、何して遊ぼっか?かくれんぼにしよっか!」
大妖精「(うへえ・・マジかよコイツ。どうせ途中で別のモンに興味持ち始めて、
形式変更で隠れた奴の放置プレイが開始されるってのに、本気でやんのか?
しかも知らない土地で・・。)
う、うーん!!いいねー!でも、どうせ新しい土地に来たんだし、
なんか別のにしない?ほら、このへんのお花すごく綺麗だから、
花飾りでも、作らない?」
-
チルノ「えー・・・大ちゃん・・お花さんにも命あるんだから、
そういうえげつない発言はよくないよー・・
可哀想だよ・・・(´;ω;`)」
大妖精「(うそーん!!泣きやがった!!隠れた奴ごと放置して存在自体を無視
するワガママフェアリー泣きやがったよ!!なんだ、じゃなにか!?
私ら仲間の安否よかその花の方が大事なのか?そうなのかー!?)
あ、あ、ご、ごめんね・・チルノちゃん。じゃあ、花飾りはやめにしよう・・ね?」
チルノ「うん。・・・グスッグスッ(´;ω;`)」
-
大妖精「(はあ・・マジで扱いづれえ・・・こんなんのお守りしてるよか
人形師に新しい人形つくってもらう方がマシだっての・・)
うーん・・じゃあ、どうしよっか。でも、隠れんぼはできないし・・」
チルノ「・・・・・・」
(ギュっ)
大妖精「え」
-
チルノ「うひぇええええええええん!!」
(チルノ 大妖精に抱きつき鼻水をすすりまくる)
大妖精「(おわッ!?この腐れアマ!!私の一張羅に鼻水と涙とよだれの
汚物三コンボ決めクレやってやがりらば!?)
ち、チルノちゃーん!!ど、どうしたの!!」
チルノ「ごめーん!大ちゃん!やっぱり大ちゃんの好きな遊びにしていい!!
だって・・アタイのこと大事にしてくれるの大ちゃんだけだもん!
アタイ大ちゃんのこと大好きだし、ずっと一緒に居たいもん!」
大妖精「・・・・・」
チルノ「ずっと、独りであそんでたから・・私のこと皆バカだのなんだの言って、
相手にしてくれなかった。氷精で、みんなと羽の形が全然違うからってだけで馬鹿にされた。
だけど、大ちゃんだけは、ずっと一緒にいてくれたんだもん。
私のこと無視しないでずっと一緒に!だから、ごめんなさい!
花でもなんでもいいから!!でも、お花さんは大事にして欲しいんだ!!
大ちゃんが花を摘んでいるところなんてみたくないもん!!」
-
大妖精「・・泣かなくていいよ。チルノちゃん。
だったら、鬼ごっこでもしよっか。」
チルノ「え、花飾りは・・」
大妖精「ううん、いいの。本当だよね。
お花さんだって、一生懸命強く生きてるし、
チルノちゃんだって一生懸命なのに、
私って残酷なことを言ってしまったから。」
チルノ「大ちゃん・・」
大妖精「それじゃ、夜まで一緒に遊ぼっか!私今日は頑張っちゃうからね!」
-
数時間後・・・・夜・・・
大妖精「ぜーぜー・・・はあーー・・はあーー・」
チルノ「あははは!!遅いよ!!大ちゃん!!そんなんじゃいつまで経っても
捕まらないからね!」
大妖精「(っざけんなよ!!なんで一気に精神状態回復してんだよ!!
いつも以上にはしゃぐし、すげえ速さで飛ぶし、追いつけねえだろ!
つか、今これ交替して何回目だ!?すくなくとももう五百回耐久ぐらい
いってんじゃね!?なんなのコイツ、アメーバなの!?無性生殖の単細胞生物なの!?)」
チルノ「大ちゃーん・・だいじょうぶ? なんか目がつり上がってて怖いよ・・?」
-
大妖精「あ、・・・あはは・・大丈夫だよチルノちゃん・・
でも、ちょっと休憩しない・・。流石に少し疲れてきたよ・・・」
チルノ「えー・・あと二百回くらいは余裕だと思うのに・・」
大妖精「(そりゃお前はそうだが、私は無理だ!!)」
チルノ「ふふっ。でも、やっぱり嬉しいな。
あんなに長い間文句を一言も言わずに付き合ってくれるの
すごくアタイ尊敬する。
大ちゃんってきっと優しさの妖精なんだよね。」
-
チルノ「やっぱり大ちゃんと一緒に来てよかった。
なんだか一日があっという間だったよ。
長い長い退屈な日があっても、アタイきっと
大丈夫なんだって思うの。大ちゃんと一緒なら、
何年も何百年も何千年も寿命があっても退屈しないなーってさ。」
大妖精「・・・・(まあ・・妖精は死なないからな・・)」
チルノ「改めて、今日遊んで思ったんだ!
やっぱりアタイは大ちゃんのこと大好き!!」
大妖精「(・・・ホント扱いづらいなあ・・そういう(/ω\)ハズカシーィ
ことをいちいちデカイ声で言わないでよ・・・
まあ・・・悪い気はしないから・・いいんだけどさ・・。)
うん・・そうだね。」
-
大妖精「ところで・・・チルノちゃんさ。
もう夜遅いんだけど・・例の黒々妖怪退治はどうするの・・?」
チルノ「え?なんだっけ?ソレ?」
大妖精「は?」
チルノ「あー!!朝してたあの話ね!!ごめんごめん!
なんか、今日はもう大ちゃんと一緒に遊べたからいいや!!
もともと、こっちの森で大ちゃんと遊びたかっただけだから!
別にどうでもいいや!!」
-
大妖精「(うそー!!!!そんだけの為にこんな辺鄙なトコ来たのー!!
マジかよ、マジでいってんのかよ!!)
あ、う、うん・・・そう、なんだ・・まあ、別にいいか。
どのみちそっちの方が安全だしね。」
チルノ「うん、疲れちゃったから帰ろう!大ちゃん!」
-
大妖精「(ま、いいか。どのみち適当な理由見繕って帰るつもりだったし・・
・・・?あれ?でもコイツ今疲れたって言ったのか・・?)」
チルノ「うん・・それじゃ・・・帰ろ
???「」
チルノ&大妖精「へ?」
-
(チルノと大妖精が振り返ると、そこには見たこともない物体が佇んでいた。
身の丈はおよそ二m前後、いずれも妖精の体躯からは比べられない程に巨大な
肉体、しかし、其れは肉体と呼べるものであったのか。
体というより、人の形をした漆黒の塊と呼ぶのが正しい、
宵闇を彷彿とさせるその物体はしかし、明らかに人の姿をその場に直立している。
体からは名状しがたい怪音を唸らせ上体をねじりながら苦しみのたうつように、
ぐらぐらと揺れている。
実体なのか、はたまた虚像の影絵を見ているかのような錯覚。
黒い妖怪は、今、歓喜している。自らの前に何も知らない■■が舞い込んできた。
と、まるで悦びを表すかのように全身を痙攣させ、激しく振動する。)
-
黒い妖怪「ぉォぉォぉォぉォぉォぉォ!!!!!」
(うなり声を上げ黒い正体不明の液体を散らす化物)
大妖精「うっげええええええええええ!!!!」
チルノ「うわー・・本当にいたんだ!!」
-
大妖精「(うおおお!やべえ!!最悪すぎる!マジで遭遇しちまった!!
なんだこれ!気持ちわりい!!想像以上にエグイしグロイ!!
なんなんだ、この状況意味不明!)
ち・・チルノちゃん。こ・・れは・・・やば・・」
チルノ「おおおお!!すごい!!本物の怪物だー!!」
大妖精「はああああ!?よろこんでるしー!?」
-
チルノ「よーし、怪物めー!この最強のアタイが退治してやる!!
覚悟しろ!!」
大妖精「ちょ!!チルノちゃん、いや、バカ!!落ち着け!
そいつなんか洒落にならんから、今は撤退・・」
チルノ「凍れ!!化物!!氷塊の一撃だ!!」
-
大妖精「!!」
黒い妖怪「ヴぉおお!?」
(化物の頭上に5メートル以上の巨大な発光した氷塊が出現)
大妖精「うおお!!でけえ!!」
チルノ「いっけー!!潰れちまえー!!」
(ドゴおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!)
-
大妖精「・・・すげえ・・・ホントに潰れたのか?」
チルノ「・・・えっへん!!どうだ!!」
(地面に凄まじいクレーターとともに5メートルの氷塊がめり込んでいる。)
大妖精「あはは・・・流石チルノちゃんだわ。アンタはトップクラスの妖精だよな。
間違いないわ。」
チルノ「へへーん!!もっと褒めていいんだよ!これで一件落着だね!!」
大妖精「(相変わらずポテンシャル高いんだよな・・このバカ。)」
-
大妖精「しっかし、こんな面でご丁寧に潰されてりゃ・・流石に無理かな。
意味分かんない化物だったけど・・これで・・・」
大妖精「(氷がしっかり地面に食いついてめり込んでやがる・・。
おお、怖。コイツとだけは弾幕勝負したくはねえわ・・。
しっかし、こんだけデカイと・・芸術品クラスだな・・。
やっぱ中身はバカと同じで透き通ってて綺麗で・・
透き通ってる・・・・・・?なんで・・?
あれ?さっきの気持ち悪い妖気すら「ソコ」に残ってないのは・・・
何で?)」
-
チルノ「うーん!気持ちがいいね!よっし!それじゃ帰ろっか
大ちゃん ん?」
(ポタっ・・・・ポタっ)
チルノ「あれ・・・・・なにこれ・・・・」
大妖精「!!!!!!!!!!!」
チルノ「ごぶ・・・っ・・・!!」
(チルノの腹部に巨大な黒い触手が貫通し痙攣をしている。)
大妖精「ち、チルノちゃん!!!」
-
黒い妖怪「ヴぁあああああああああああああああ!!!!」
(凄まじい唸り声を上げ、地面から化物がにじり出てくる)
チルノ「ぐ・・こ・・の・・」
(再び術を繰り出そうと手をかざすチルノ)
黒い妖怪「ギおおおおおおおおおおお!!!」
(直後凄まじい力で化物がチルノを貫通した体ごと引き寄せる!!)
-
チルノ「ぐあ・・・っ!!」
黒い妖怪「ごおおおおおおおおおおお!!」
(化物の目の前に叩き落とされるチルノ)
チルノ「が・・・は・・っ!!!う・・・!!」
大妖精「(おい、おい。おい、おい。なんだこれ。なんだこれ。
か、らだ・・うごかね・・メッチャ怖い・・。
震えが止まんない・・・!怖い!怖い!)」
黒い妖怪「ぐるるるるるるるる!!!!」
(チルノの上に馬乗りするような形を整える化物)
-
(ギリりっ・・・ギリリッ・・・ 化物の腕が触手から、人間の手のようなものに変わる。)
黒い妖怪「( ´ ▽ ` )」
(まるで人の顔の表情のように醜悪に歪んだ笑みが顔と思わしき部分に窪みとして
現れる。)
黒い妖怪「コロスコロスコロスコロスコロスコロス!!!」
(バキッ ズガッ ゴキッ!! 凄まじい力でチルノ全身を殴りつける!!)
-
チルノ「ぐぶ・・・っ!!が・・は!!あがっ・・・!!ぐっ・・!!」
(バキッ ゴスッ ドスッ グシャッ 容赦なく殴り続ける化物)
黒い妖怪「ギヒ・・・・ぎひひひひひひひひひひひひ!!!!」
(バキッツ グスッ ズゴッ)
チルノ「あ・・・・・・が・・・!!! ぶ・・・ふう・・!!」
大妖精「(ありえない、ありえない、なんだこれ、うそだろ!?
動けよ!!せめて動いてよ!!・・・・どうするんだ、
逃げる・・か・・!?幸い・・チルノは氷精だ。
死ぬことはないから大丈夫かもしれん!)」
-
チルノ「・・・っぐ、大ちゃん・・・・・逃げ・・・ごぼッ!!」
黒い妖怪「げひいひひひひひいひひhっひいいひひいい!!!」
(バキッ ゴスッ ブグッ)
大妖精「(・・・・・・・)」
大妖精「(・・この期におよんで私の心配かよ・・)」
-
大ちゃんってきっと優しさの妖精なんだよね。
-
大妖精「!!!!!!」
大妖精「(くそったれ・・なんだ・・馬鹿なのはどっちだよ・・!!)」
チルノ「うわああああああ!!」
大妖精「!」
(ギちゅ ぐちゅ めきっ ずぐちゅ 化物がチルノの貫通した傷口をいたぶる!)
チルノ「ひぎいい!!っ・・・が・・・・あぁ!!うぐううううう!!」
黒い妖怪「ぎぎぎぎぎっひひひっひっひひひひ!」
-
大妖精「おら!!こっちむけよ!!腐れイ●ポの変態妖怪野郎!!」
(チュン!! チルノの弾幕が化物の側頭部に命中)
黒い妖怪「――――――」
(無音で大妖精の方に首筋を90度傾ける)
大妖精「てめえだ!!てめえ!!オラ!どうした支那チ●が!!
私が怖いってか!?こっちこいっつってんだよ!!
デカムクが!!」
-
チルノ「だ・・・い・・ちゃ・・・」
(意識を失うチルノ)
大妖精「(あー!!もう!!何やってんだ!!私は!!
もうこれ取り返しつかねえぞ!!下手すりゃ死ぬ!!マジで死ぬ!!)」
大妖精「このヘタレのカス野郎が!!お前が一体どこの妖怪は知らねえが、
どうせどこの名もないママンの割れ目から生まれ落ちた木偶の坊だろ!
少女陵辱趣味のスカマニアが!この大妖精さまが相手になってやる!!」
-
黒い妖怪「・・・・・・・・・・・」
(何一つ音を立てずに大妖精の方へと体を向きなおす化物・・)
大妖精「(さて・・一体どうする・・。なんも考えてねえよ私は・・!?
このままだと順当に奴に食われるか今度の陵辱対象私だけど・・
本気で何も考えてねえ・・・!!どうすんだこれ!!)」
-
黒い妖怪「ぎいぎぎぎいぎい!!」
(体を屈ませ、臨戦体制の化物・・)
大妖精「(やべえ!!・・くっそ!!こんなことなら・・
さっきの綺麗な花でもつんどきゃよかった!!
はは、ははは!せめてアレ握って死んでりゃまだ救いも・・
・・・ん?花・・・?)」
大妖精「それだ!!」
-
黒い妖怪「ぎいいいいいいいいいいいいい!!!」
(メキメキメキ・・ 体の形が大きく変わっていく化物)
大妖精「よし、そうと決まれば善は急げってな!!」
(ビュん!!地を蹴り、森の外に向かって飛ぶ大妖精)
黒い妖怪「おぐおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
(体の形が蜘蛛のように変形し、大妖精の後を追いかける!!)
-
大妖精「(ぬおおおおおお!!気持ち悪い!!きしょい!!
なんだあの姿!マジ夢見モンだろおおお!!
絶対つかまりたくねえ!!何する気だ!!あのキチガイ妖怪!)」
大妖精「と、ビビってる場合じゃない。急げよ!私!!
待ってろチルノ!!後でちゃんと助けにいくからさ!!」
-
黒い妖怪「うごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
大妖精「のわあああああああああああああああああああ!!」
大妖精「来んなー!!こっち来んなー!!」
黒い妖怪「ヴぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
大妖精「あと・・少しだ!!踏ん張れ!!鬼ごっこを思い出せ!!おらあああああああああああ!!」
-
数十分後・・・・とある場所・・
大妖精「ぬおおおお!!止まるなああああああああ私いいいいいい!!」
黒い妖怪「があああああああああああああああああああ!!」
大妖精「!」
(そのとき大妖精の視線のさきに人影をとらえる。)
大妖精「(居た!!!!!! もうこれしかない!!イチかバチかだ!!)」
黒い妖怪「ヴぉああああああああああああ!!」
-
???「あら?客人かしらね・・」
(遠く・・・畑の奥から・・ナニかが二つ近づいてくる。)
???「ひどい臭いだわ。なにかしらね。この悪臭は。」
大妖精「うらああああああああああ!!」
???「!」
-
大妖精「(今だ!!!)」
大妖精「こ い つ がっ やったんです!!!」
(大妖精の手から根っこから引きちぎられた花が放たれる。)
(花・・・そう花だ・・・)
-
大妖精「(最後に、指をさして!!)」
大妖精「う」
(最早残り数メートルもない!化物が大妖精めがけて殺到する!!)
大妖精「(まずい・・!死ぬ!)」
???「ああ、そう、あなただったの・・」
(その刹那・・・・大妖精の真後ろから唐突に差し出された何者かの腕が極光を放ち、
光の柱が化物を目の前で文字通り吹き飛ばした・・いや、表現が間違っている。
消し飛ばした・・・が、正しい。その場には化物の肉片は残らず、
一片の残り香も妖気も残さず塵芥の彼方へと消滅した。)
-
幽香「本当に臭いわ。この世の汚物を掃き溜めて肥溜めに直付けした臭いだわ。
私の花が汚れるじゃない。臭いものには蓋ということわざを知らないクズだったようね。」
大妖精「(゚д゚)」
幽香「あら、可愛い妖精さん。たった今終わったわ。
この娘の仇をとってくれたのかしらね。」
(花を差し出す幽香。)
大妖精「は、はいいい!そうです!あ、あはははは!!
いやあ、た、助かりましたですよ!!あと、ちょっとアレの餌になる
とこでしたから!!」
-
大妖精「(た、たすかったあ!!でも、もう二度としねえ!!)
あ、あの、急にひまわり畑に入ってきてすいませんでした!」
幽香「あら、いいのよ。古今東西、妖精っていう生き物には淀みがないもの。
純粋で、とても可愛らしい、そして何より素直だわ。
悪気があってしたことではないと分かっているわよ。」
-
大妖精「は、はい。本当にありがとうございます。」
幽香「ふふ、気にすることはないわ。全ての生き物は生きながらにして、
他の生命を奪って生きているものよ。何も気にしなくてもいいわ。」
大妖精「(ほ・・取り敢えずはOKだな。早くチルノのところに戻ってしまわないとな。)
あの・・すいません人を待たせているので・・これで・・」
-
幽香「ええ、そうよ。気にすることなんかないわ。」
(ガシッ)
大妖精「え・・ゆ、幽香さん。」
(幽香が肩を掴み大妖精の顔に、自身の顔を肉薄させる。)
大妖精「ひ・・・」
幽香「何も心配しなくていいわ。ソレは必要な行為だったのでしょう?
あなたは、あなたの独断であの子を殺したわけじゃないでしょう?
いいのよ。なんにも気にやまなくていいわ。ただ、一言。
私に言ってくれればいいの。「仕方がなかった」と、一言。
それだけで全て解決するの。あなたは何一つの物事を煩わしく感じる必要はなくなるわ。
ただ、妖精は素直だから、答え方には多少の期待はするわよ・・?
ねえ、可愛い妖精さん。あなたはナゼあの子をコロシタノ?」
-
大妖精「(い・・き・・ができない・・。・・・むりだ・・こんどこそ・・
ほんとうに・・・しぬ・・・。)」
幽香「答えてくれなくてもいいわ。ただしね、その場合はおいたの件を謝ってもらうわ。
そうね。あの子は根を引きちぎられたわね。
なら、あなたの四肢を引きちぎってその患部の肉を少し私に齧らせて貰ってもいいわね。
それで充分あの子の苦しみは伝わるから・・・くすくす。」
大妖精「」
幽香「ん・・・・」
-
(べろり・・と、大妖精の頬を舐める幽香)
大妖精「・・・・う・・」
幽香「甘い味だわ・・・・やっぱり頬を齧り取る方がいいかしらね。
素直に喋るそのお口が嘘を吐くかもしれないわ・・」
大妖精「う、、う・・・・・」
幽香「?」
-
大妖精「五月蝿い!!バカ!!!私の友達の命の危険だったんだ!!!!
そんなもん知ったことか!!チルノは!チルノは!!あと少しで殺されるとこだったんだ!!
殴られて、体に穴開けられて、ズタズタにされて!!
今だって、寝転がって苦しんでるんだ!!こんなところで油なんて売ってる暇はない!!
友達の命と花の命なんて比べられるか!!そんなことより私はチルノが好きなんだ!!
アンタみたいに、自分のワガママで何でも殺すような人とはチルノは違うんだ!!
チルノは、あたしのたった独りの友達なんだよ!!!!悪いか!!!
バカーーーーーーーーーーーー!!!!!」
-
幽香「・・・・・・・・・・・・・・・」
大妖精「(あははは・・・言っちゃった・・・・言っちゃったよ・・・・
あたし・・・・・はは・・・死んだ・・・・・今死んだ・・・はは)」
幽香「自分のワガママで何でも殺す・・・・ね・・・ふん。」
大妖精「ん・・・!?」
(ちゅっ くちゅっ ぷちゅ ちゅるる・・・くちゅ)
大妖精「んーーーーー!!??」
幽香「ん・・・・ん・・♥」
-
(くちゅう・・ぷちゅる・・・・ぺろぺろれるん)
大妖精「むぐう・・・ん・・・ぁ♥」
幽香「ぷはっ・・・・・ふふ。まあ、及第点かしらね。」
大妖精「いい・・・いい・・・一体・・なにしやがるですかりらば
幽香「落ち着きなさい・・言葉になってないわ・・」
幽香「それより、友達のところに行ったら?時間がないんでしょう?」
-
大妖精「は!!そうだった!チルノ!今助けに行くから!!」
(どひゅーん!! 超速で飛んでいくチルノ!)
幽香「・・・ふふ。可愛いもんね。・・・でも言葉は残酷だわ。
確かに・・私は殺したがりの妖怪。あなたたちとはまるで違うわよね・・。
・・・・・なんだか・・・妬けるわ。寂しいものね・・・。」
-
すいません。暫く用事があるので、止めます。
もしも、読んでくれている方いましたら本当にありがとうございます。
もうしばししたら、続きを書きます。
-
チルノ高速で飛んで元気そうじゃねーか
弾幕さっき妖怪の側頭部に当ててたのはまだともかくとして
話は面白いと思うよ 絵文字があったりするのが残念だなーと思うけど
-
>>56
すんません。指摘ありがとうございます。
>>54 訂正します。
(どひゅーん!! 超速で飛んでいくチルノ!) 誤
(どひゅーん!! 超速で飛んでいく大妖精!)正
でした。用事行く前に訂正します。ありがとうですー。ではまた!
-
・・・より…のほうが見やすいと思うよ あまり重要なことじゃないけど
-
それでは、続きを書いていきます。
-
>>55から
紅魔館付近・・・某所
チルノ「……」
チルノ「ん…」
大妖精「あ、目が覚めた!」
チルノ「あれ…大ちゃん。ここは…?」
大妖精「もとの湖の近くだよ。ほら、紅魔館が見えるでしょ?」
チルノ「あ、ほんとうだ…。」
-
大妖精「ここが一番チルノちゃんの体を治すのには適している場所だからね。
なぜだか分からないけど、傷が再生するのが早いからね。」
チルノ「うん…。」
チルノ「…」
大妖精「(気まずっ!!メッチャ気まずい!!普段不要なくらい喋りまくる癖にコイツは!!
落ち込んでますやん!!偉い落ち込んでますやん!!
何か喋って!頼むから!!)」
チルノ「ごめんね…」
大妖精「え?」
チルノ「アタイ何でも調子乗るから、もうちょっとで死んじゃって、
消滅するところだったよ…。あの黒い奴を倒して大ちゃんにいいところ見せたかったんだ。
それなのに、死にかけるし、大ちゃんは危ない目に合わせちゃうし…
情けないことばかり…。こんなことになるくらいなら、大ちゃんを
一緒に遊びに連れていかなければ
大妖精「次、何して遊ぼっか?」
-
チルノ「え?」
大妖精「鬼ごっこも隠れんぼも飽きちゃったしねー…
次は、そうだねー…紅魔館の門番さんに勝負でも挑もうか?
いつもみたいに寝ている隙を狙って、一気に畳み掛ける作戦でいこうかなあ?
どうやって作戦たてよっか?チルノちゃん?」
チルノ「だ、大ちゃん。アタイは…」
大妖精「いいんだよ。」
-
チルノ「?」
大妖精「チルノちゃんは、馬鹿で無鉄砲で向こう見ずで、
空気読めないし、扱いづらい最高峰に喧しい氷精なんだ。」
大妖精「でもね、誰よりも私のことを大事にしてくれてるし、
誰よりも私のことを友達だと思ってくれてる。
こんな、性格が悪くて、心が薄汚く汚れてるような私でも、
チルノちゃんは誰よりも純粋に私のことを信じてくれてる。」
大妖精「私は、そんなチルノちゃんが元気でいてくれればそれでいいんだよ。」
チルノ「――――――――。」
-
大妖精「だからね。今日のことは忘れて一緒に遊ぼう!!
明日もまたその明くる日も、妖精の退屈な日常はずっと続くんだから。
少しでも楽しくなるように、一緒に笑い合って過ごせるように、
私は元気なチルノちゃんと一緒に居たいの。
だって、私にとって誰よりも大切な友達なんだから、
遊んでなきゃ損なんだもの!」
チルノ「大…ちゃん」
大妖精「(はははあ!!いったぜ!!言ったぜ!!
あたし!!こりゃ決まった!!これで明日から、
このポンコツのお株ゲットよ!!べ、別に、アンタのことが好きで
慰めたワケじゃないんだからね!!勘違いすんなよ!!
ふふふ!!これで次回からは遊びの内容だってあたしが決める権利を
持つワケだ!!ふーっはっはっはっはっは!!」
チルノ「」
(ぎゅっ!! チルノ、大妖精に抱きつく!!)
大妖精「おうふ!!!」
チルノ「…………」
-
大妖精「ち、チルノちゃんどうしたの?」
チルノ「ずっと、ずっと…友達でいてくれる…?」
大妖精「え?」
チルノ「アタイが…う、えっぐ、どんなに馬鹿で無鉄砲で向こう見ずでも、
一緒に、友達で、ひっく…いてくれる?」
大妖精「…ばーか言ってんじゃないよ。」
-
大妖精「どんなにアンタが底抜けのバカでも、あたしたちはお互い無二の親友じゃないの。
どのみちお互い嫌われ者同士でしょ?似た者同士だし、バカだのアホだの関係ないよ。
だって、あたしらバカ丸出しの妖精コンビだ!
だからね、チルノ。
誰がなんと言おうとずーっと一緒にいるよ。ずっと、チルノが消えちゃうまで友達だよ、
だって、私はチルノのこと大好きだから。」
チルノ「――――――――。うん。うん!そうだよね!うん!!」
-
大妖精「(うっぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!
何をハズいこと口走ってんだあたしはあああああああああああ!!
やっべえ、無理!!もう無理!!自殺したい!!超自殺したい!!
黒歴史だろおおおおおおおおおおお!!)」
チルノ「大ちゃん。」
大妖精「え、あ、はい!なんでしょう!!」
チルノ「今度は…何して遊ぼうか!」
大妖精「…ん。そうだね。今度はね…。」
(終わり)
-
オマケ・・・物陰から・・・
紫「嫌われ者同士、仲睦まじいことは良きことですわね。」
アリス「こんなもの別に見たいとはいってないんだけど…」
紫「あら、ドラマチックな劇場はお気に召しませんでした?」
アリス「そ う じ ゃ な く て !
夜中の人形製作に没頭していた人形師を拉致って連れてきた場所で、
こんな妖精同士の和気あいあい見せつけられても、
何を考えて何を行動したらいいか分からないじゃないの!!」
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紫「あら、残念。幼女の涙は蜜の味とか言うかと思いましたわ。」
アリス「言うわけあるか!!そんな歪んだ感性持っているのは、
アンタか、ひまわり畑に住んでる花妖怪ぐらいでしょうが!!」
紫「んもう、いけずなのねえ…。そんなに、怒ることだったかしら?」
アリス「怒るに決まってるでしょうが!!こっちは無理矢理連れてこられたのよ。
第一なによ。面白いものを見せたいっていうから、態々来てやったってのに。
こんなお涙頂戴の妖精物語見せてもらっても、何も分かんないわよ。
こんなものを見せるために呼んだなら帰っていいかしら!!人形たちが待ってるわ。」
-
アリス「ね、上海。あなたもそう思うでしょ。」
上海人形「シャンハーイ!」
紫「ああ、日がな一日中人形とばかり向き合ってる魔法使い様には、
人の人情を理解する機能までもが失われたのかしら…。
悲劇だわ…こういうのなんていうのかしら松近紋太郎の人形情交だったかしら…?」
アリス「近松門左衛門だよ!それ!あと、人形情交ってなによ!!
「人形浄瑠璃だっつーの!!ふざけてるんなら本当に帰るわよ!!」
紫「まあまあ、お待ちなさい。今から案内する隙間が本当に連れてきたかった場所、
ですわ。」
-
アリス「え、きゃっ!?」
(キュルン 隙間音)
-
妖精の森・・・深部
(キュルン 隙間音)
(スタッ、ドテッ!)
アリス「い、いきなり何を」
???「ご、げ……」
紫「着きましたわね…それにしても、嗚呼ひどい悪臭ですわ。」
アリス「な、なに…なんなのコイツ」
黒い妖怪「ぎ――――――――。ぎびび…。ぎぎぎぎ」
-
上海人形「シャンハーイ!!シャンハーイ!!」
(黒い妖怪が、地面に這いつくばっている。その肉体は半分以上が欠損し、
人型である部分は原型を留めておらず、顔のような部分には苦悶の表情が伺える。
もはや上半身と思しき部分と、片腕のような形をした触手で這いずることしか出来ない。
それも直に動かなくなるか。と、いう具合で黒い液体を吹き出しながら、
醜怪極まる姿で未だ生き永らえている。)
-
黒い妖怪「ご、ぎぎぎっぎぎぎぎ!!ぎびび!!」
アリス「うっ…」
紫「何とも醜い姿ですわ。それに、この浅ましさ。
まだ生きようともがいている。この懸命さは実に、
人間の厚かましさを観ることに似てはいる。」
(ゆっくり歩きながら、紫、黒い妖怪に近づく)
-
黒い妖怪「ご…」
紫「吠えるな。おまえがどういう存在か私は知っている。」
黒い妖怪「!」
紫「態々ここまで生きた褒美だ。
一つだけなら願いを叶えてやろう。
伝える言葉があればだが。」
-
黒い妖怪「…お、…――――――――シニタクナイ」
紫「ほう、それが返答か。
よかろう。ならば答えよう。其れは無理だ。」
アリス「え?今、叶えるって…」
黒い妖怪「――――――――イヤダ、イヤダ。
イキタイ、コロシタイ、ウバイタイ、コロスコロスコロス」
-
紫「おまえが生きることによって周りが死ぬ。
共存もなければ生きられない。世知辛いのが生きるということ。
夢幻抱影、雲散霧消…塵は塵に帰るがいい。」
(紫が手をかざすと、怪音を上げながら、黒い妖怪は少しずつ掻き消えていく)
黒い妖怪「おおおおおおおお!!!」
(ボシュウううううううう!!)
-
アリス「…?あら、コレは…?」
(化物が居た場所に何かが落ちていた。それは、本当に古ぼけたものだった。
たった独り、地面に取り残されたように、
そこに落ちていたのは、藁人形だった。)
紫「さて、ご対面ですか。」
アリス「…あなた、まさかコレを」
-
紫「それは、人間の持ち物だったもの。ですわ。」
アリス「誰かの藁人形なのね。コレは。」
紫「そう、その藁人形は勿論、他者を呪う為につくられ、そして、
その本懐を遂げたもの。呪術の効力は既に残ってはいませんわ。」
アリス「役目を終えたのね。」
紫「そのとおり。そして、そのヒトガタは自らの職務を全うしたという結果と
その依代だけが残った。しかし、」
-
アリス「…たった独りで、捨てられたままになったのね。
忘れられて、処分もされず、誰の目にもとまらず、
ただ、ただ、独りだけで…」
紫「もとより、それは呪術の道具。役目を終えれば捨てられる。
そんなことは、その人形も知っていましたわ。でも、」
アリス「誰か別の…人間ではない何者かの無垢な感情を虚ろなヒトガタが
吸い込んでしまった。かしら?」
-
紫「大変察しが良くて助かりますわ。」
アリス「そう、そうなのね。この子はただ寂しかったのね。
役目を終えた後、独りぼっちになって、
何もできなくなった自分を悔やんだ。」
アリス「そして、吸い込んだ。人形にあってはいけないものを、
人形が持ってはならないものを。」
紫「問題は、その吸い込んだものがよくないモノだったことですわ。」
-
アリス「呪いの為に生みだされたヒトガタが吸い込めるのは負の感情。
ここは妖精の森。さっきからとても無垢で清らかなエネルギーが満ちているもの。
誰がこの子に手足を与えたかがよくわかるわ。」
紫「流石は、人形師であり、魔法使いの兼任はこの手の問題にはお詳しいですね。」
アリス「七色の魔法使いよ。通り名があるのよ。」
-
紫「失礼しました。」
アリス「…妖精は、不思議な生き物ね。無垢で清らかなのに、
それゆえに残酷ですもの。この子は、そんな妖精たちのむき出しの
負の感情を吸い込みすぎて、肥大化していったのね。」
紫「それがあんな醜悪な妖怪を生み出すとは、なんとも皮肉ですわね。
あれほど無垢な命から、穢れた汚物が産まれることが。」
アリス「……」
-
アリス「で、話はこれだけかしら?他にやることはないんでしょ。」
紫「基本的には。ただし、私の提案ですが、その子を引き取っていただけないですか?」
アリス「言われなくても、この子は私が引き取るわ。」
紫「有難いことですわ。それは放っておいたらまた妖怪化しかねませんから。」
アリス「厄介ごとは、まあ…慣れてるし、別にいいわ。」
-
紫「結構。それでは。報酬はまた別の機会にお渡ししますわね。」
アリス「あの黒いのは本当に妖精たちの思念体だったのかしら?」
紫「さあ、どうでしょう。もしかしたら、妖精ではなかったのかもしれません。
人間だったかも分かりません。あるいは妖怪かも。
あなたの信じたいものであればよいですわ。
ではでは。またの機会に。お会いしましょう。七色の魔法使いさん。」
-
(キュルン 隙間音)
アリス「……行ったか。…はあ、これでまた家に飾る人形が増えるわね。
ま、いいわね。家に行けばきっとあなたも寂しくないわ。」
(手にした藁人形を…微笑みながら見つめるアリス)
上海人形「しゃんはーい!シャンハーイ!」
アリス「あ、いけない!そういえば今日はあのこわーい花妖怪に人形作って届けなきゃいけなかったわ。」
アリス「そうね。いつも乱暴にされてる仕返しに…、この藁人形とセットで送りつけてやろうかしら。
どうせ意味なんて分からないし、片割れがいたほうがこの子も喜ぶわね。
…うん。いいわね。ソレ。そうしようかしらね!」
上海人形「シャンハーイ!」
-
アリス「はいはい。わかったわよー。上海人形。
それじゃ早くお家に帰ろうか。皆この子の友達もみんな待ってるからね。」
(飛び始める。上海人形とアリス)
アリス「やれやれ。厄介ごとはこれっきりにしたいわね。上海。」
上海人形「しゃんはーい!(人のいい主人だ。まったく。
あのヒトガタは哀れみなどかけるに値はしない。
寂しいからに引き寄せて、孤独ゆえに他者を殺す。
ああ、この理不尽さ、人形にしておくのも厚かましい!!
中途半端に人に近づいたのが運の尽きだ。
結局心が美しかろうと醜かろうと、吹き溜まれば皆同じだ!
なんともはや、独りよりは大勢がよいと、
ウチの主人は結論づけた!!なんと少女チック!メルヘン!
華乙女!これが落としどころというやつだ諸君!!)」
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アリス「あれ?上海、そっちは家の方角じゃないわよ。」
上海人形「しゃんはーい。」
アリス「?」
アリス「ま、いいか。それじゃ帰ろうかしらね。」
(終わり)
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わりと面白かった
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乙
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乙
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乙
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乙
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乙
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負の思念って明らかに大ちゃんだよね!
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おつ!
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